妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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飛んできた人向け。
ガリア解放に伴いワイト島分遣隊が解散。
次の勤務地へ行くことが決まった。
彼は彼女を守る覚悟を胸に刻み空を飛ぶ。
転勤前の休み期間からこの話は始まる。


第25話つかの間の休み

それから数日間いろんな事があった。

まず、軍法会議にお呼びだし。

ただ、それはジャックが弁明してくれたのと赤城を無事護衛したのと、(なぜか俺も)ガリア解放に貢献したとの事でおとがめなしなだった。

それと、赤城の艦長が挨拶に来てくれた。

沈まんでよかったですわいみたいなことを話してすぐ終わった。

それと、正式なワイト島分遣隊解散命令がでた。

そして、今日は皆と会える最後の日。

そもそも殆ど荷物がない俺はカバン1つで済んだ。

皆は結構あるみたいで担当の人に昨日渡していたみたいだ。

ここではいい思い出がたくさんできた。

いい人に出会えた。

元の世界じゃありえない風を感じながら飛ぶという経験もできた。

性格もすこし変わった気がする。

そして、なによりウィルマに出会えた。

一時期はもうシールドも張れないくらい魔力が減ったが今は元通りらしい。

心当たりはひとつあるがまぁいいや。

張れるならそれに越したことはないし。

 

すでに、大半の奴は玄関に集まっている。

最後の荷物をまとめるのに戸惑っているとアメリー待ちだ。

ちなみにこれからの進路は、隊長が扶桑に帰り、アメリーはガリア復興に協力し、フランとラウラはよくわからないが別の所に行くらしい。

俺とウィルマは10日程したら別の所に行くらしい。今日、ジャックが司令部で配属先が決定するとの事なので明日か明後日くらいにら判明するだろう。その間は司令部付きでネウロイの残党狩りに付く。

ここに残れば楽なんだがどうもいつもは南から来てたのが東側から来るのがいるらしい。そいつらがしばらくは担当になる。

アメリーが来た。

「さて、皆さん。今日でワイト島分遣隊は正式に解散となります。いままで、私についてきてくれて本当にありがとう。最初は隊長らしく振る舞うことができなかったけどみんなのおかげで何とかやってこれました。今日で皆とはお別れになっちゃうけどまた何処かで会えたらお話ししましょうね。

それじゃあ、まずアメリーさん。自信がなくていつもおどおどしてるなって印象だったけど、練習や実戦を重ねるごとに強くなってるなって印象でした。泣き虫の貴方がおまじゃこんなに自信をもって飛んでるのは凄いことよ?だから、あなたの持っているその自信と笑顔でガリアのヒトタチヲ元気付けてあげてね?あと、お料理美味しかったわよ。」

「……はいっ!」

「次にフラン。ここが初めての実戦ということでかなり不安だったろうけど本当によく頑張ったと思う。昔はただ、威勢がいいだけかなと思ってたけど、今は元気で頼れるウィッチです。もう貴方は一人前です。自信をもって次のところでも頑張ってね。」

「わかった、頑張る。」

「次はラウラ。誰も寄せ付けない、自分一人で大丈夫っていっていた貴方が今はちゃんと仲間の事を思いやれるすごい人になりましたね。確かに過去に悲しいことがあったと思うけど、今の貴方ならもう大丈夫。オストマルク解放の為に戦うあなたを扶桑から応援してます。頑張ってね。それと、仲間にきつく当たっちゃダメよ?」

「うん、わかった。」

「次はウィルマさん。貴方には感謝してます。私が部隊をまとめあげるのに苦労していたとき色々なサポートをしてくれて本当に助かりました。ウィルマさんがいなかったら今でも私はダメだったかもしれません。困ってるときは相談に乗ってくれたし、気まずいときも仲介をしてくれた。本当にありがとう。次の勤務地でも2人で頑張って。バーフォードさんとお幸せにね。」

「はい!」

「それじゃあ、最後にバーフォードさん。最初は宇宙人なんて言っちゃってごめんなさいね。本当に初めてあったときはどう接していいのかわからなかった。けど、貴方から話してくれたり、ときどき助言してくれてこの人も世界が違っても普通の人なんだって安心しました。皆の訓練や模擬戦も付き合ってくれてありがとう。ウィルマさんのこと前みたいに泣かしちゃダメよ?ちゃんと守ってあげなさいね?」

「言われなくても。」

「さてと、長い話はこれでおしまい。最後に、みんなに渡すものがあるの。」

そういって一人一人に渡してくれた。

アメリーには緑茶の葉、フランには小さめの扶桑人形、ラウラには浴衣、ウィルマには星光社の時計。そして、俺には何故か扶桑刀が渡された。

俺以外のものは過去に隊長がなにか扶桑のもので欲しいものある?と聞いたときにもらった返答らしい。

「その刀はね、赤城の艦長にバーフォードさんには半分扶桑の血が流れてるっていったら、たとえ、ハーフでも扶桑男子足るもの国が違うとはいえ、持つべきだとか言い出して、ついでにブリタニアと扶桑の有効の架け橋ってことで2本刀が送られたうちの1本なんだって。なんでも、扶桑の魔女が実戦でも使うくらいの能力があるんだって。」

「そんなもの、俺がもらっちゃっていいのか?一応、昔教わったことあるから使えるが。」

「是非、貴方にもらってほしいとのことよ。赤城を守ってくれたうちの一人である貴方に。」

「わかった。なら使わせてもらうよ。」

実戦で使えるってどれくらいの強度があるんだよ?

あとで、ジャックに言ってみるか。

「それじゃあ、これでおしまい。本当にみんなありがとうね。」

一人一人を抱き締めて挨拶を始める。

ガリア復興頑張ってね。貴方ならもうできる、自信を持ちなさい。仲間を大切にね、ラウラは強いから平気よ。これからも、気を付けて飛んでね。

俺の前で戸惑ったけどウィルマの顔みたらウィルマは「私は気にしないよ?」的な顔したらしく俺も抱き締めてくれた。

「守るものがある男の人は強いって聞いたことがある。貴方はウィルマさんを幸せにしなさい。」

「あぁ。任せろ。」

そして、離れる。

「挙式あげるときは是非呼んでね。」

「あ、私も呼んでくださいね!」

「あたしも見たい!」

「ん、呼ばれたら行く。」

一斉に目を輝かせて言ってくる。

「き、挙式!?考えたこともなかった。」

ウィルマが叫ぶ。確かに。戦うことばかり考えてたからな。

「その、リョウは、したい?」

「そりぁ、結婚か。したいかな。」

回りがはしゃぐ。

「というわけで、時期は未定ですがちゃんと連絡するから!!!」

「絶対ですよ?」

「必ず!」

そんな感じではしゃいでいると車が到着した。計4台か。

「最後に、写真とりましょうよ!」

「あ、運転所さんで一番腕がいい人お願いします!」

昔、写真家だったという扶桑系の人に撮ってもらった。

「現像できたらブリタニアが責任もって送るから。」

「よろしくね。」

「それじゃ、またね!」

全員がそれぞれの車にのって別れる。

こうして、ワイト島分遣隊は今日、正式に解散した。

 

 

「なんか寂しいね。」

「そうだな。けど、俺たちはこれからは遊撃隊として動くことになる。こういった出会いと別れを繰り返すことになるんだよな。」

「なんか詩人ぽい。」

「せっかくの雰囲気が台無しだよ。」

「あは、ごめんね。所で次って何処なんだろうね?」

「恐らく最前線だろうな。今回の一件でSTAFが取り敢えずは使えることを世界に示した。次は実績を作る番だからな。覚悟しておけよ。」

「あたしはリョウと一緒ならどこでもいいや。」

こいつ、さらっと。

 

 

その後なんかうとうとしてきたから寝てると俺達の臨時配属先に着いた。市街地近くの基地でロンドン最終防衛ラインでもある。

基地の部屋に荷物を置いて昼飯を食べる。

食後、早速もらった扶桑刀を振り回す。

扱いは小さいころ、日本人教師のなに郷さんに教えてもらった。当時は意味あんのかよとか思っていたがこんな形で使うことになるとは。習っておいてよかった。

どうやらこの刀魔力を帯びているらしい。俺の手から魔力を入れると青く光りだした。

この厨二病っぽいのがたまらないね。

これをみていた兵士が集まってきてなんか切れよって話になって試しに鉄パイプを立てて切ったらあっさり切れた。

カランカラン

カチャン、刀をしまう。

オウ、サムライとか聞こえて涼しい顔をして流すが内心超焦ってた。

隊長!何て武器をくれたんだよ!これはやばくないか!?

とまぁ、こんなことをして、なぜか哨戒飛行をさせられて今日は終わった。

 

次の日、俺たちは司令部に向かった。ジャックとの話があるからだ。

「「失礼します!」」

「おう、入れ。」

ガチャ

「よく来てくれた。紅茶は?」

「貰おうか。」

「頂きます。」

「わかった。すぐ淹れよう。」

ジャックが立って淹れ始めた。

「とりあえす、あれからの人事を話すな。マロニーは免職は免れた。ただ、他の連中が全部マロニーに責任を押し付けようとしたが、それはなんとか回避した。しばらくは遠い僻地で仕事だな。まぁ、やつのことだ、平気だろ。どうせまた戻ってくる。俺は計画を暴いたってことで元の役所に戻って今はSTAF指令長官兼空軍大将だ。」

「戻れたのか、よかったな。」

「お前さんたちがうまく動いてくれたお陰だ。」

「それで、何でガリアの巣は破壊されたんだ?」

「わからん。ただ研究者の話じゃウォーロックが関係している、しかわからないとのことだ。表向きは501とワイト島の面々が破壊したとのことになっているがな。」

「そうなんですか。」

「あぁ。はい、どうぞ。」

「ありがとう。」

「ありがとうございます。」

紅茶とお菓子を貰った。

「さて、お前さんたちが一番気になっているであろう次の勤務地が決まったぞ。」

「どこだ?」

ジャックが一口飲んで、コップを机の上に置いて話した。

 

 

 

「502だ。」

 

 

 

「502?どこだ?」

「オラーシャ帝国北西部のペテルブルグにある統合戦闘航空団だ。詳しくはこれを見てくれ。」

資料を貰う。

502JFW、通称"ブレイブウィッチーズ"

隊長:カールスラント空軍、グンデュラ・ラル少佐

戦闘隊長:オラーシャ陸軍、アレクサンドラ・イワーノブワ・ポクルイーキシン大尉

隊員:カールスラント空軍、ヴァルトルート・クルピンスキー中尉

隊員:扶桑皇国海軍、管野直枝中尉

隊員:ガリア空軍、ジョーゼット・ルマール少尉

隊員:扶桑皇国海軍、下原定子少尉

隊員:カールスラント空軍、エディータ・ロスマン曹長

隊員:スオムス空軍、ニッカ・エドワーデル・かタヤイネン曹長

以上8名

「それに加えて501からも2人配属されて計12名となる。」

「統合戦闘航空団は上限が11名ではないんですか?」

「今回は特例でな、上層部は速やかにノヴゴドロのネウロイの巣を破壊したいらしい。よって、特例で12名を許可したらしい。まぁ1人どっかに放浪するやつが要るから実際問題ないと思っているらしい。」

「それ、いいんですか?」

いや、だめだろ。

「さて、命令!VFA-21は502JFWに参加し6ヶ月以内にネウロイの巣を破壊しろ。」

「………………は?」

「俺だって驚いたさ、ネウロイの巣を破壊しろだと?無理に決まってる。だが、これがボーダーらしい。済まない。」

「まぁ、やれるだけやるよ。」

「頼んだ、出発は1週間後だ。以上、解散!」

 

 

 

 

「どうなるんだろうね?」

「さぁ?ネウロイの巣って敵の拠点だろ?そう簡単に落とせるかよ。」

「まぁ、やれるだけやろうよ。」

「取り敢えず、みて、ゆっくり作戦でも考えないとな。」

「だな。」




今回はいろんなところの資料を漁りました。
大変だった。
てか人物像に関する情報が少なすぎるね。

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