妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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段々終わりに近づいてきました。
501上陸。
今日はいつもより少な目。


第22話 急変

1000

ウィルマと哨戒飛行中に緊急連絡があった。

Scramble order

Vector 168 35 angle4

Intercept.

Copy

ネウロイを観測。迎撃命令発令。

本来であればワイト島の管轄範囲であるが、501の2人が無断で出撃し演習を行っていて独断で迎撃に向かったらしい。

実弾を持ってはいるが片方はルーキーのため、スクランブルがかかった。

哨戒飛行中で援護に行ける距離だから速やかに迎えとのこと。

馬鹿が!何故そんなつけ込まれる隙を作った?

下手をすれば命令違反を起こしたってことで責任を取らされるかもしれないのに。

とにかく、愚痴ってもしょうがないので迎撃に向かう。501からもインターセプターが出撃したとのこと。あちらさんの方が先に着くみたいだな。

 

どうやら無断で出撃したやつらが接触したらしい。

しかし、Engageを宣言したあと敵の詳細が入ってこない。何か問題が?いや2人が同時にやられるはずがない。片方がルーキーとは言え腐っても501だ。そんな簡単にやられるはずがない。

 

5分が経過したあとも続報が入ってこない。

何が起きている?

「ウィルマ、急ぐぞ。何かおかしい。」

「了解。なにもないといいけど。」

コンタクト、反応は敵1味方だと3、そのうち1つがもうすぐ接触する。パターンから2つは宮藤、坂本と判明。もうひとつは不明。

そして、敵の反応と宮藤が止まった?

何をしている?停止したまま30秒が過ぎ、坂本が攻撃範囲に入った。そしてレーダーの反応は

 

 

 

 

 

坂本を現す点が×になった。

『Sakamoto/Mj Lost』

撃墜と。

 

 

 

 

 

 

「Mayday,mayday Emergency call!坂本機が落ちた。ウィルマ、救助に迎え。俺は敵を落とす。」

「了解!」

敵ネウロイはかなりのスピードで戻っていく。

人型?確かネウロイは地球の様々な者を模倣した形とは聞いていたがまさかここにも人型が出現するとはな。

行き先はネウロイの巣か。

追いかける。

しかし、いかんせん巣に近かった。

レーダーに多数のネウロイ反応。護衛機か。反応は25。正直いってあの数は無理だ。

どうする。一旦追いかけるのを止める。護衛機は攻撃してこない。

ネウロイの巣が視認できる距離でミサイルを使うわけにはいかない。

くそ、次は落とす。

「ウィルマ、状況は?」

『回収したよ。501に急行する。』

「わかった。俺も向かう。すぐ合流する。ジャックに連絡をとる。緊急事態が発生していることを伝える。

「………というわけだ。それと少佐を501に運んでいる。あっちに連絡しておいてくれ。」

『了解した。着いて一段落したら中佐と話がしたい。お前も交えてな。わかったな?』

「了解。」

ウィルマ達に合流する。

「ウィルマ、状況報告を。」

「まだなんだ。ペリーヌさん、出来る?」

「は、はい。ええっと、ああっと…」

「ペリーヌ・クロステルマン中尉か?落ち着け。俺はブリタニア空軍所属のフレデリック・T・バーフォード大尉だ。何があったか話せるか?」

「はい。あ、あの!少佐が、怪我を…。」

息が荒い。体も震えている。あきらかに異常だ。

「ダメだ。パニック症候群だ。俺が上官であることも理解できてない。一旦落ち着かせよう。宮藤軍曹。話せるか?」

「は、はい。何とか。」

「わかった。簡潔に素早く報告しろ。」

ペリーヌと演習を行っていたこと。演出中にネウロイと接触したこと。そのネウロイは人型で敵意はなかったこと。話そうとしたら坂本少佐が来て怪我をおったこと。

全て話してくれた。

まさか、奴等からこんな形で接触してくるとはな。

そして、扶桑の士官が部下の失態で怪我をしたなんて話は隠せるものではない。近いうちにマロニーは来るだろう。

501が見えてきた。これ以上はジャック達と話すべきだな。

既にウィルマが着陸許可申請、医療班の待機要請をしてくれていた。

先に彼女らを着陸させる。

後から俺が続いて着陸。

「ミーナ中佐と話がしたい、至急話をつけてくれ。」

「誰だ貴様は?」

「あれ、バーフォード大尉だ、わかった。すぐ呼んでくる。」

「あ、おい!ハルトマン!」

人脈、バンザイ。

しかし、いろんな奴がいるもんだ。

「あ、バーフォードか。どうしたってあの騒ぎで一緒に来たのか。」

「大尉だ、こんにちは。」

シャーロットとルッキーニ少尉か。

彼女とは階級が同じなんて、この世界理不尽や。

ルッキーニはあったときからなんか他人行儀だしな。

「シャーロットか。そうだ。なかなかヤバイことになってるんでな。」

「何があったんだ?」

「俺の口からは何とも。中佐が許可したら話せる。」

「なるほど。こんな状況じゃなかったらそのユニット乗りたかったんだがな。」

「そもそも、こんな状況じゃなかったらここには来ないし、絶対に乗せない。俺がいないとき、触るなよ。触ったら、どうなるかわかってるな?」

「わかってる。冗談だよ。」

「ならいい。」

ユニットを置き場に置いて、とりあえず靴を借りてはく。ウィルマはリーネと話している。姉妹だもんな。なんか似てるし。

しばらくするとミーナ中佐がきた。ウィルマを呼ぶ。

サッ、敬礼。

「ブリタニア空軍、特殊戦術飛行隊、第2飛行中隊、第21飛行小隊所属、一番機フレデリック・T・バーフォード大尉と」

「同所属の2番機、ウィルマ・ビショップ軍曹です。突然の訪問失礼します。」

「501の指揮官のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。構いません。状況を説明してもらえますか?」

「わかりました。中佐、ダウディング大将も状況確認を求めているので繋ぎます。」

中佐に無線を付けてもらってgarudaで暗号化したものをジャックが持っている端末と接続し通話する。

『ヒューゴダウディング大将だ。いつも書類上では世話になっているな。突然の部下の訪問すまないな。』

「いえ、構いません。それで、状況は?」

『大尉、報告を。』

「了解。」

そして、宮藤から聞いた情報を話す。

「ネウロイが人と接触ですか。考えたくないですね。」

『まぁ、可能性は無かったわけではない。さて、問題は少佐の容態と今後についてだ。中佐、坂本少佐は?』

「現在治療中です。宮藤軍曹も治癒魔法を使って治療に参加していますが今は不明です。」

『わかった。続報が入り次第教えてくれ。さて、今後の予定だ。中佐、彼女をどうするつもりだ。』

「まだ、考えていませんが最悪なものにはしません。」

『わかった。さて、これが一番聞きたいことなのだが、上にはいつまでに隠せる?』

「数日程度かと。大将からの情報で監視員がいるのはわかっています。すぐ連絡は行ってしまうでしょう。」

『わかった。隠し通すのは無理か。中佐、一旦無線を切ってくれ。』

「わかりました。」

こっからはFAF語だ。

「ジャック、状況は最悪だな。本音を言ってしまえばあのまま接触してもらいたかったが、こうなってしまったんだからプランを考えよう。」

『ネウロイがもう一度接触してくる可能性は?』

「高いだろう。宮藤の話や、レーダーの動きからも見て、敵は宮藤を特別視している。宮藤がまた出れば接触して来るだろう。」

『となると、今もっとも最善の策は宮藤がネウロイと接触した情報を中佐に報告、それを受けて、俺がマロニーの廃墟を強制視察、かな。だが、マロニーは来るか?1機はこちらで破壊してあるので奴等には1機しかないはずだ。』

「だが、奴等にとっても最大のチャンスだ。この機会を逃すとはおもえない。1機だけでも強行してくる可能性も充分ある。」

『なるほど。それじゃあ作戦はマロニー派がくることを前提にたてた方がいいな。宮藤の処分はどうさせようか。』

「もう一度接触させるためにも宮藤の処分は処分保留、それが無理なら謹慎程度にさせるべきだろう。上には人型で困惑していたところを狙われたといえばある程度は通じるだろう。

それに正義感の強い彼女のことだ。脱走してでも彼女から接触しようとするだろう。」

『よし、それでいこう。中佐に繋ぐよう言ってくれ。』

「中佐、繋いでくれ。」

「わかりました。」

『ミーナ中佐、宮藤の処分は軽いものにしてほしい。表向きは人型に困惑した宮藤が戸惑っていたところに少佐が、到着。宮藤をしかったところで攻撃をうけた、と説明しろ。実際はマロニーの計画に対抗するためだ。明日にでもどうするべきかの書類を送らせる。』

「………わかりました。大将、あなたにはご恩がありますのでそれを返すつもりで動きます。ただ、部下の命をさらすようなことはさせません。」

『それは、こっちもだ。あと、最後に警告だ。マロニー派が近く、介入してくるかも知るない。こちらでも手を打つが間に合わないかもしれない。気を付けてくれ。少佐の件は間に合えばいつもの交換のとき、報告してくれ。』

「了解です。」

『VFA-21は、一旦帰投。別名あるまで待機しろ。』

「了解。」

無線を切る。

「ミーナ中佐、一旦我々は帰投します。今夜、いつも通りサーニャを哨戒に飛ばしてください。その時に詳細は渡します。」

「わかりました。では。」

敬礼して、ユニットに乗る。

帰投。

帰る途中ウィルマが話しかけてきた。

「これからどうなるんだろうね?」

「わからない。ただ、数日中に全て決着がつくだろうな。」

「なるほど。あーあ。せっかくの二人での飛行時間が無くなっちゃったね。」

「仕方ない。また次回があるさ。」

「だね!」

ワイト島に着陸する。

 

 

 

夜。

ジャックが、急ピッチで作った資料が日付が変わってから航空便で届いた。

それを持っていつも通りの場所に向かう。

「少佐の容態は?」

「ついさっき目を覚ましました。」

「ならよかった。これが作戦書だ。あらるゆ状況に対しての対応案が書いてあると言ってくれ。」

「わかりました。あと、こちらが今回の調査書です。」

「ありがとう。あと、交換はこれが最後だ。もう、会うことはないだろう。」

「わかりました。」

「それじゃあ。」

「あ、最後に。」

「?」

「いままで、ありがとうございました。それでは。」

「ああ、またどこかの空で。」

こうして別れる。二度と会うことはないと言っときながらどこかの空では矛盾してるかもしれないが一種の挨拶だな。

さぁ、激動の3日が始まる。

少し睡眠を取ったら恐らくは出撃だ。

決着は全て3日以内につけるとジャックが言っていた。

間違いないだろう。

この戦い、負けられない。




あした、更新できないかもしれません。
できたらします。できれば、更新記録を途絶したくはないし。

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