少ないかもしれないけど、できるだけ毎日更新します。
がいつ途切れてもおかしくはないのでそこはご理解を……。
「なぁ、ジャック。俺の事信頼してくれるのはありがたいがこの頻度はないんじゃないか?」
今日また司令部に呼び出されていた。
「すまないとは思っているが万全を期すためだ。我慢してくれ。その分給料は出すから。」
「だったら、ワイト島にうまいものを送ってくれ。扶桑食で頼む。」
「なぜ扶桑食?」
「ブリタニア料理はあてにならないから。」
「わかった、手配しよう。それでお前をわざわざ呼び足したのは2つある。1つは、新たに入ったマロニー達が研究していたことに関する情報だ。」
「パンジャンドラム改とか言わないよな?」
「まさか、隠していた方だ。ようやく、搬入されているものがわかったよ。これがリストだ。」
「フムン、超々ジュラルミンか。やつら、航空機でも作っているのか?」
「だろうな、だが下の方を見てみろ。この部品を組み合わせると何ができると思うかわかるか?」
ふと、一昨日ラウラがアンカの整備をしていたときに呟いた単語がそこにあるのを見つけた。たしか、その部品があった箇所は………………
「魔導エンジンか?」
「だろうな、それもジェットタイプだ。」
「そうか、1940年代は各国が第1世代ジェット戦闘機が開発されていた時代だもんな。ただ、この世界ではウィッチの保有する魔法量の関係から難航していると聞いているが?」
「お前が乗っているのを除けばな。一応、既に各国が実践配備に向けて準備を始めている。現にうちのTSQ(第3飛行中隊)でも性能評価中だ。」
「だんだん読めてきた。ウィッチがダメなら他で試そうって寸法か。ただ、なぜそれにこだわる?奴はウィッチが嫌いじゃなかったのか?」
「嫌いだが、実力は認めているのであろう。現に11JFSを作ったのも奴だ。ウィッチの最大の利点はどの方向にでも攻撃できること。そこに目をつけてかつウィッチに頼らない戦力を作ろうとした。全く、小癪なやつだ。素直に実力を認めて、ウィッチと共同作戦という形で公にすればまだ評価されただろうに。と思ったがその動力源がネウロイじゃな、表に出せないよな。」
ジャックのやつ相当頭に来ているみたいだな。
いつもはしない愚痴を呟いてる。
「なぁ、ジャック。あんたは奴の性格をよく知っているからそう思うんだろ?ただ、俺は別の考え方をしている。俺は奴のを資料上しか知らないからこういう考えができるとまず始めに言っておこう。それと、奴の肩を持つ訳でもないと。」
「面白い、聞こうか。」
昔の事を思い出しながら話だす。
「零が植物状態になった時の事は覚えているか?」
「あぁ、忘れるものか。」
「それじゃあ、零が目を覚ましたきっかけとなった事件が起こる前に誰かと話したことは?」
「そこはいまいちだな。」
「そうか。まぁあんたにしてみたら零が目を覚ました事の方が大事だったもんな。あんたが司令部に入ってグノー大佐とロンバート大佐があんたに話したことを思い出せるか?あいつらあんたにこう言ったんだ。"パイロットの事を思えば無人化を進めるのは当たり前だとは思わないかね?"、"もうこれ以上、彼のような痛ましい被害者を出さないように、無人機計画を進めることを考えてはくれないか?"とな。」
「…………………あぁ、思い出したよ。そうだったな。そうか、そうだよ。そういう考え方もあるのか。」
「ただ、いま奴等がやっているのはメイブにジャムを乗せるのと同じことをやっているからな。
いま俺が思っているのはこの世界には無人機は早すぎないかってことだ。少女を戦場の最前線で戦わせるのもどうかと思うが、この世界にまだ人間は必要だ。それに無理にネウロイに頼ろうとするのもダメだな。コンピュータ開発に力を注げばいつかはたどり着けるものを。」
「長年時間をかければできるものより、今すぐ出来そうなものに力を注いでしまうのは仕方がない。なら余計奴の計画を失敗させる必要があるな。それじゃあ、もう1つの呼び出した理由だ。」
そういって1つの書類の入った大きな封筒を差し出してくる。
「この鞄を501に届けてほしい。」
「パシリか?それならお前の部下にやらせればいいじゃないか?」
「それは無理だ。501をいく道には奴等が設置した監視所がある。501の近くにもな。だから直接いくと悟られる可能性がある。だからお前に託すんだ。」
「501に直接乗り込めと?」
「なぜそうなる?マロニー派には書類の受け渡しを行っても絶対ばれない場所がお前らにはあるだろう?」
「…………空か。」
「そうだ。今晩飛んでもらって501のナイトウィッチにコンタクトを取れ。会ったらこれを501の指揮官に渡すよう伝えて、5日後再びここに会うときに返答がほしいとそいつに言ってくれ。ちなみに、ナイトウィッチは他のナイトウィッチと夜間は交信をしているそうだから、終わったのを見計らってコンタクトを取るように。いいな?」
「俺が呼び出された理由がわかったよ。たしかに俺しか出来ないな。わかった。必ず渡す。」
「頼んだ。」
ワイト島に買えると直ぐに隊長に命令書と、今晩新しくもらった装備を試すために飛ぶことを伝える。
「了解です。夜間飛行ですか?出来るんですか?」
「あぁ、そのための専用装備だ。俺1人だからよろしく。それに備えてもう寝るから。おやすみ。」
「了解。」
隊長がきを使ってくれたのか誰も起こしてくれなかったのはたすかった。
夜、日付が変わり2時間がたった。もうそろそろか。
今夜は満月か、月が綺麗だ。
格納庫に向かい、ユニットのAPUを作動させようとしたとき、後ろに気配を感じた。
バッ!
振り替えると、毛布にくるまったウィルマがいた。
彼女には隊長を通じて作戦があることは伝えてもらっているはず。
「どうした?ウィルマ?」
「また、作戦?私抜きで。」
思わず、心が痛む。彼女はまだ一度も作戦に従事していない。俺が何回も行っているのに待ちぼうけは辛いだろう。ただ、内容上連れていくわけには行かない。
「すまない。そうだ。隊長から1人で行くとは伝えてもらっていたはずだが。」
「私って必要ない?お飾り?」
俺かここまで追い詰めてしまったのか。
責任は俺にあるな。
「そんなことはない。」
「けれど、連れていってはくれないの?」
「ジャックからの直接の依頼なんだ。内容が機密であるから誰にも漏らせないんだ。」
「私の事、信用できない?私はあなたの事こんなに信頼しているのに!」
目にいっぱい涙を貯めながら言ってきた。
そうか、ジャック。何となく変わったってのがわかった気がするよ。
彼女を抱き締める。
ビクッとなってるが構うもんか。
怖がらせないように、なるべく優しく言う。
「信頼してないやつなんかに僚機を任せるもんか。」
「だったら、何で!」
「今は言えない。だけど、約束する。こいつがすべて終わったら君に話す。全てだ。必ず話すから、それじゃダメか。」
「ダメ。せめて理由を教えて。」
「君を巻き込みたくない。」
マロニーの計画を潰すために俺が行うのは表沙汰に出来ないことが多くなる。密会するのも1人の方が見つかる危険も低くなる。敵地への侵入、工作活動何てウィルマに参加させるのはもっての他だ。
「巻き込むことによって失うことが最も怖いんだ。だから今は全て俺に任せてくれ。この案件以外なら2人でも空を飛べるはずだ。」
「本当?」
「あぁ、本当だ。」
俺の胸に顔を埋めながらときどきひゃっくりをしているウィルマを3分くらい待っていると顔を上げてくれた。
「わかった、待ってるから。そのかわり必ず教えてね。」
「あぁ、約束だ。」
恥ずかしくなったのかウィルマが急に離れる。そして小指を差し出してきた。顔は毛布で隠している。
俺も小指を絡めて腕を2回振る。
「じゃあね、行ってらっしゃい。」
「あぁ、もう遅いから寝ろ。」
「来るのずっと待ってたんだから。」
そうだったのか。
「ありがとう。」
APU作動。
ユニットに乗り込んでハンガーを離れる。
ウィルマは軽く手を振っていたので降り返す。
離陸。
いま思ったら、俺はなんか大変なことをしてしまったのではないか、という不安に教われた。
泣かしちゃったが平気か?
やめだ、帰ったらゆっくり考えるとしよう。
それよりまずは501のナイトウィッチを探さないとな。
書類も持っているし、とりあえず前回会ったところまで向かう。
Garudaが調べた結果わかる範囲内では会話の通信は聞こえない。ならコンタクトするなら今がチャンスだ。
それから30分後。レーダーに反応。11時方向。
IFF witch
すぐそちらに向かう。
5分後、フリーガーハマーが1発飛んできた。
またか!
すかさず、連絡を取る、
「こちらはSTAF所属のフレデリック・T・バーフォード大尉だ。サーニャ・V・リトビャク中慰に通達する。至急、攻撃を止められたし。」
返答は無かったが、攻撃が止まった。
彼女を目視できる距離まで近づく。
「バーフォード大尉、でしたっけ?こんなに夜に何の用ですか?」
結構警戒してるな、仕方ないか。
鞄から書類を取り出す。
「これを、501の指揮官、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐に渡してほしい。5日後またここで会うときに返答を頼むと伝えてくれ。」
「なぜ、この場で渡すのですか?正式なルートで渡せばいいでしょう。」
「監視されてあるんでね、それにこれはヒューゴ・ダウディング大将からの非公式な依頼でもある。それでも断るのか?」
「………わかりました。お預かりします。」
「中佐にはくれぐれも、伝えてくれよ。ではまた5日後、この時間、この場所で。じゃあ、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
こうして2人は別れる。さて、俺のやることは果たした。たのんだぞ、ミーナ中佐。
Another view-Sied Minna-
はぁ、今日も書類を片付けなきゃいけないと思うと憂鬱だわ。せめて美緒が手伝ってくれるといいのだけど、まぁ無理ね。さてもうそろそろサーニャさんが報告に来てくれる時間ね。紅茶でも淹れてあげようかしら。
コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
「サーニャさんおかえりなさい。問題はなかった?」
「あった。」
「えっ?ちょっと詳しく話してもらいたいのだけれど。」
「これ。フレデリック・T・バーフォード大尉からもらった。ヒューゴ・ダウディング大将からの非公式な依頼だと言ってた。あと5日後に返答がほしいと。それじゃ。」
「あ、サーニャさん!」
まぁあの状態じゃ聞くのも無理ね。フレデリック・T・バーフォード大尉って噂に聞いた男のウィッチ、それに501の創設者であるヒューゴ・ダウディング大将からの非公式の依頼。わざわざサーニャさん経由ってことは余程表に出したくないと見える。できれば関わりたくはないが、あの人には恩があるからとりあえず見てみる。
その内容は驚くべきものだった。
マロニー一派がネウロイを利用して新たな新兵器を作っている。現在調査中だが、かなりの予算がつけられておりネウロイがユニットを動かす可能性も否定できない。そして、マロニー一派の勢力は拡大しており、501にも手が及ぶ可能性がある。
ついては、われわれSTAFと手を組んで奴の野望を阻止する計画に参加、もしくはどんな形であれ協力してほしい、と書いてあった。
さすがに、これは無視できる内容ではないわね。朝御飯を食べたら美緒と相談しなくちゃ。
それにしても、ネウロイを使った新兵器?
嘘かもしれないが、この人は今まで一度も私たちに嘘をついていない。
いまのところは信じている。
だとしたら、そんなものは絶対に許さない。他の誰もが許したとしても。
ウィルマ急接近
どうして、こんなに追い詰められたのかは次で説明します。
次回はどんな展開にしようか悩んでる。
ちなみに、ワイト島のエンドは決まっているがそこまでの道のりは未定。
この密会を思い付いたのも書いている途中。
綱渡り。