転生しても俺はほとんど変われないようです   作:pikaru

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第2話:現世と義両親

れいと(・・・)視界がだんだんと白から青っぽくなっていく。そして空のような青と、ところどころに点在した雲のような白が目の前に広がっていった。周りを見渡しても同じようなものしか見えず、髪や服がたなびいている。

ここで俺は考えた。さっきまでは、高い場所にいた、だが今は空と雲が遠くまで見える。こんなの誰でもわかる問題じゃないか。

 

 

 

そう、俺は落ちている。

 

 

それも、どこぞの芸人のがスカイダイビングした高度一万メートルとかなんかよりはるか高いところだ。あー、これも神がやったのかな。不死身じゃない限りここから落ちるのも、このGに耐えるのも、落ちたときの衝撃もどれも耐えられそうにないもんなぁ。パラシュートのないスカイダイビングなんて観察処分者のどっかの誰かよりも早くできるなんて、嬉しいような悲しいような・・・。

 

「でも、こっからの眺めもいいもんだな」

 

目が良いせいもあってかこっからでもうっすらユーラシア大陸や北海道が見える。ホントにうっすらだけどね。それなら某男子生徒より早くできたのはいいことなのかも?

まだ着きそうにもないから、ここからいろんなところでも眺めるかな。

 

                        ☆

 

やっと自分が住んでいる県が見え始めたころ俺は気づいた。

このまま、地面に激突するのではないかと。死人だから死ぬことはないんだろうけど、すごい痛みが俺を襲うんじゃないか?さっき高いところにいた時も若干寒く感じたし・・・。まあ若干だから痛みもだいぶ緩和されるんだろうな。そうじゃなきゃ、上から落ちてくる時点で凍え死ぬからね。まあ、もう死んでるんだけど。

どんどん周りの景色が自分のよく知っている景色に変わっていく。なんか、ついさっきまでいたのに少し懐かしい。そろっと地面に落ちるので着地の衝撃に耐えようとする。んーと、これだと道路に当たりそうだな。車に当たると痛そうだし・・・って俺の真下信号で車止まってるじゃねえか!マズイ、非常にマズイ!当たる俺も痛いだろうし、何より車に乗ってる人が死んじまうじゃねえか!で、でも俺は空中にいるから身動きなんかできないし!う、うぁあああああ!

 

                        ☆

「ああああっ!あ、あれ?」

 

い、痛みがない?っていうかここはどこだ?

 

「どうしたの?大きな声だして。怖い夢でも見てたの?」

 

ふふふ、と笑いながら前から知らない女性が俺に声をかけてくる。

 

「え?あ、うん。大丈夫です」

 

驚きながらも俺は返事をすることが出来たようだ。

 

「もうじき着くからもうちょっと待っててな」

 

こちらもフフッと少し笑いながら運転手のもう一人が俺に声をかけてくる。

はい、と答えながら周りを見渡すと見覚えがある車だ。そうか、ここは俺がぶつかりそうだった車じゃあないか。

 

 

(ようやく気づいたようじゃな)

 

だ、誰だ!俺のなかに直接話しかけてくるやつは?

 

(ついさっきあったばかりの人の声すらも忘れるのかこのばかもんは・・・)

 

「バカとか言うんじゃねーよ!」

 

「「えっ?」」

 

「あ、いやすみません。なんかまだ寝ぼけてて・・・」

 

「あ、ああそうなの?びっくりしたわぁ・・・」

 

すみません、ともう一度言っておく。ってかこいつの声は聞こえてないんだもんな。感情を抑えなければ。

 

(そうそう、抑えるのじゃ)

 

く、こいつ・・・!神のくせに人をからかうのかよ・・・!

 

(さてと、からかうのは終わりにして本題に入るぞ。まず、前にいる二人はお前の義両親になっている。名前は・・・まあ後で自己紹介をしてくれるじゃろう。あと、お前はこの二人の養子としてこれからくらしていくことになる。)

 

性格に難があってもやっぱり神なんだな。必要なことはちゃんと教えてくれる。名字は教えてくれないのか?

 

(あ、ああそれはじゃな。まあ昨日までは田中じゃったぞ。お、もう着くようじゃな、ま、またあとでな)

 

「おい、ちょっと逃げるなよっ!」

 

そこでその終わりはないだろうと思って、つい声が出てしまった。

 

「ど、どうしたのかい?」

 

運転手の人が少し動揺した様子で俺に聞いてきた。ま、まあ普通はそうだよな・・・。まあ何とか言い訳をするか。

 

「す、すみません。なんか未だに寝ぼけてみたいで・・・」

 

いくらいい言い訳がないからってその言い訳はないだろっ!ってつい自分にツッコんでしまった。

 

「あ、ああそうだったのか。すまないね」

 

とは言ったけど前では

 

「(あの子大丈夫か?施設でなんかあってたのか?)」

 

「(い、いやそんなこと聞いてないわよ。とりあえずあとで連絡してみるわ)」

 

あのー、聞こえてますよーとは言いづらかった。実際こういう場面に出会ったら俺でもそうするしね・・・。

 

                      ☆

 

「さあ、ここが新しく君の家になる場所だよ。普通のマンションよりもちょっとだけ大きい部屋なんだ」

 

この男性が言うとおり、確かに他のところより大きいな。徹(オネエ)の家の部屋よりもちょっとだけ大きい。

 

「ささ、入って入って!」

 

女性が嬉しそうに俺の背中を押していく。中を入る前に一瞬だけ見えた表札には二人だけの名前しか入ってなかった。この年齢で子供がいないのは珍しいな、と思った。

 

 

 

中に入ってからはリビングやトイレといった、部屋がどこにあるか全部見せてくれたり、明日の予定を聞かされたりした。何故か俺の部屋がもうすでにあるのことについては、驚きを超えて不思議に思えてしょうがなかった。

 

 

 

「さてと、改めて自己紹介をしようか」

 

まだこの人たちに対する接し方がわからないまま夕食を食べた後に男性はこう言った。

 

「俺の名前は佐藤渡(わたる)。まあ普通のサラリーマンだ。んでこっちは俺の妻の宇美(うみ)だ。宇美の料理は俺の中では一番なんだ」

 

またぁ、と宇美さんが嬉しそうな顔で言う。この二人は結構仲がいいみたいだ、まあ夫婦だしな。

 

「よろしくね、れいと(・・・)君」

 

俺はこの言葉を聞いたとき、母さんにエロ本を見つけられた時並みに体に緊張が走った。




一話は、自分でも読みづらい、分かりづらいと気づいたのでいずれ修正したいと思います。

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