クロム「ん?誰か倒れているな。」
青髪の青年が言う。
その青年の後ろには、まだ子供っぽさを残した少女と、騎士の男性。
青年は、倒れている人の元へ向かった。
倒れていたのは、二人の男女。
銀髪の少女と、長い黒髪で女顔の男性だ。
青年たちは、男性が男だと気づいていない。
クロム「おい、大丈夫か?」
青年が、男女に声をかけると、二人は目を覚ました。
クロム「俺はクロム。お前たちは?」
レイズ「俺はレイズだ。」
クロム「俺?」
レイズ「ん?男が俺って言ったらおかしいか?」
クロム リズ フレデリク
「男!?」
レイズ「・・・・・。」
三人が驚いたことに、不満そうな顔で三人を見る。
クロム「いや、すまん。女かと思っていた。」
レイズ「・・・もういいよ。」
レイズは、すねたように顔を背けた。
ルフレ「あの、もういいかしら?」
クロム「ん?あ、ああ。」
ルフレ「私はルフレよ。」
クロム「隣り合って倒れてたようだが、お前ら知り合いか?」
クロムの言葉を聞き、レイズとルフレは向き合う。
レイズ「・・・・・。」
ルフレ「・・・・・。」
レイズ ルフレ
『あんた誰?』
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クロムと一緒にいた妹のリズ、騎士のフレデリクの紹介を終わらせ、近くの街へ向かっていた。
リズ「ねえねえレイズさん。何でレイズさんは剣を4本も持ってるの?」
リズがレイズに問いかける。
レイズ「戦闘中に剣が折れても大丈夫なようにするためだ。
いちいち戦闘が終わるごとに武器を見直すなんて、そんなめんどくさいこと出来ないからな。
あらかじめ多めに持っとけば、折れた剣の分だけ補充すればいい話だからな。」
リズ「へー。色々考えてるんだね。」
レイズ「ただめんどくさがりなだけだよ。」
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街に着いたレイズたちは、街が妙に騒がしいことに気づく。
フレデリク「襲われているようですね。」
クロム「山賊か。皆。片付けるぞ。」
五人それぞれが武器を構える。
ルフレ「・・・不思議だわ。」
レイズ「どうした?ルフレ。」
ルフレ「いや、相手の情報やなんかが頭に入り込んで来るのよ。」
フレデリク「どうやら、軍師の才能があるようですね。」
クロム「ルフレ。皆に指示を出してくれ。」
ルフレ「わかったわ。レイズ。山賊のリーダーを倒してくれる?」
クロム「ちょっと待てルフレ。いきなりリーダーは
レイズ「了解。」
そう言うと、レイズは山賊たちに突っ込んで行った。
クロム「おい!!レイズ!!」
ルフレ「私、レイズを見た瞬間、ビックリしたわ。
だって、レイズ。
強すぎるもの。」
クロム達がレイズを見ると、何人もいる山賊をどんどん倒していっていた。
まず、向かってきた山賊が斧を振り上げた所を剣で斬りつけ、他の敵から投げられた手斧を剣で叩き落とし、持っていた剣を投げつけ、その山賊を倒した。
そして、飛びかかってきた山賊の顔を蹴って吹き飛ばし、2本剣を抜き、次々と山賊を倒していった。
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森の中で、レイズ達は食事をしていた。
リズ「私、熊なんて食べれないよー!!」
リズが叫ぶ。
クロム「我慢しろ、リズ。」
リズ「えー!?私、か弱い女の子だよ!?ねえ、ルフレさん!!」
ルフレ「そう?以外と美味しいけど。」
リズがルフレの方を見ると、気にすることなく普通に熊の肉を頬張っていた。
リズ「えぇー。」
レイズ「・・・・・。」
レイズは熊の肉を置き、剣を持って皆のもとを離れた。
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レイズは、何かを探すように周りを見渡していた。
今度は、耳をすました。
何か聞こえたのか、レイズはその方向へ向かっていった。
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レイズが探していたのは、川だった。
ズボンを捲って川に入って、魚を手で掴み、川を出た。
そして、ナイフを取りだし、魚の鱗を取って内蔵を出して、下ごしらえを済ませた。
最後に、そこら辺の少し長い木の枝を折って、ナイフで先を削り、魚に刺すと、皆の元へ帰っていった。
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クロム「どこ行ってたんだ?レイズ。」
帰ってきたレイズに、クロムが問いかける。
レイズ「ちょっと魚を取ってきた。」
そう言うと、レイズは魚を刺した棒を焚き火の近くに刺して焼くと、リズに手渡した。
レイズ「ほら。」
リズ「え?」
レイズ「熊の肉食えないんだろ?魚取ってきたから、食えよ。」
リズ「ありがとう!!」
リズは、レイズから魚を貰うと、魚にかぶりついた。
クロム「リズの為に、ありがとう。」
レイズ「大したことじゃねえよ。」
そう言いながら、レイズは置いておいた熊の肉にかぶり付いた。
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レイズ「.....。」
全員が寝てしまった後、レイズは目が覚めた。周りを見渡した後、木々が生い茂る森へと歩いていった。
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クロム「.....。」
リズ「どうしたの?お兄ちゃん。」
起き上がったクロムに、リズが問いかける。