今回は穂乃果編の第三話ですね。
各メンバーの基本的な出会い方とかは考えられているので、あとは文章化するだけです。そこが問題なんですけどね…
とりあえず、二年生組の話の出会い方を完成させてから、他のメンバーについて考えたいと思います。
残る二年生メンバーだと、「穂乃果編」が後一話、「ことり編」がもう一話で、あとはイチャイチャさせるだけの状態にもっていけます。
次は一年生か…はたまた三年生か…。悩みどころですが。全員の話を出来るだけ早めに投稿したいと思います。
拙い文章で読みにくいとは思いますが、温かい目で見てください。
あの後、俺は彼女の言われた通りに席に座り、話し合うことになった。
え…え?
「雪穂こないな~…」
雪穂って…さっき出てきたショートカットの女性か。そっちにも説明しないとな~…
「私、高坂穂乃果って言います。よろしくね♪」
お茶を啜って一息ついてあと、彼女はニコッと笑って自己紹介をしてきた。
「あっはい。えっと、昨日の夜とか今朝の事とか、いろいろご迷惑をかけてすいませんでした」
座っているからそこまで深くは下げられないが、少しだけ頭を下げて謝った。
「昨日…?朝…?穂乃果…なにかしたっけ…?」
やっぱりわかってなかったか…
「えっと、昨日はちょっとお酒を飲み過ぎてしまって、穂乃果さんに迷惑をかけちゃってんじゃないかな~って思ってたんですけど…」
「あ~!そういえばそんなことが…」
そんなことがあったのか!と言うような表情で驚いているが、なぜ今まで気づいてくれなかったのだろうか…
「…わざわざ俺の家まで連れて行ってもらって…本当にすいません」
「困ったときは助け合わないと。そうだ!今、ちょっと時間ありますか!?」
腕時計の針が21時を回ってしまっている。これといって思いつく予定もないけど…
「大丈夫です」
「ちょっと待っててください!」
そういうと、彼女は勢いよく席から立ち上がりって速足でどこかへ入って行ってしまった。
え~…どうしよう、
呆然としていると、暖簾を上げ、白色の半そでTシャツと、青色のホットパンツ姿の女性が出てきた。
あのひとはさっきの…
「おねーちゃんうるさ…あれ?あなた…」
彼女は眠そうに眼を擦りながら、店内を見渡した。そして…奥の席に座っていた俺の事を見つけた。
その瞬間、さっきまでの眠気はどこかへ消えてしまったのか、目を大きく見開き、キラキラと輝かせながら、少しはしゃいだような高い声で俺の方に歩いてきた。
「ねぇねぇ!お姉ちゃんのどこに引かれたの!!!」
「!?」
しまった…!?さっきは彼女に見られたんだっけ…って近い!?
俺の目の前で止まった彼女は、横に逃げようとした俺の行動を遮るために首の横に手を突き出し、座っている俺の両足の間に片足入れて動きを完全に封じた。彼女との距離は10cmほどしか離れていない。
本来の意味とは少し違ってしまうけど、人生初の「壁ドン」だ。しかも…まさかされる方の。
「教えて教えて!」
品定めをするように、俺の方をじっと見て、楽しそうに質問してくるが、彼女は勘違いしている。しかも近い、それにその恰好は男にとってはいろいろとまずい。視覚的に…
「えっと…それは勘違いで…」
「いいじゃん減るもんじゃないし、お願い!一個だけ教えて!」
彼女は拝むように両掌を合わせた。なるべく彼女の方を向かない様に顔を逸らし、本当のことを伝えようと考えた。
そうこうしていると、不思議そうな表情をしながらさっきの割烹着の女性が戻ってきた。左手には配膳用のお盆を持っていた。
「なにしてるの雪穂?」
「あ、お姉ちゃん。ずるいよ~」
ようやく「壁ドン」から解放され、彼女は少し後ろに下がった。
「なにが?」
「あの…とりあえず話を…」
話を始めようとした瞬間。俺の前に机にそのお盆が置かれた。
「じゃじゃ~ん!新商品に白玉あんみつ!穂乃果アレンジだよ!♪」
「話を…」
「感想、聞かせてね!♪」
駄目だ…話そうとするたびに機会を潰されている気がする。
「…いただきます」
まあ…いただきながら話すか
~10分後~
正方形の四人掛けの席に座り、俺は手前の一人、奥に並んで穂乃果さん、雪穂さんが座っていた。
「え~~!!!彼氏じゃないの!?」
白玉あんみつを美味しくいただき終わると同じぐらいに、彼女たちに昨日のことなどの説明を終えた。割烹着姿の女性は、どうやら 高坂 穂乃果 というらしい。この「和菓子屋 穂むら」の後継ぎになるべく、和菓子修行に日々励んでいるそうだ。
「なるほど~」
「なるほど~じゃないよお姉ちゃん!も~……あんたも紛らわしいことしないの!」
「すっすいません…高坂さん」
「気にしないでください、困ったときはお互いさまですし。穂乃果って読んでください。友達からもそう呼ばれているので♪」
お茶を一口啜り、柔和な表情で微笑んできた。何故かはわからないが、彼女に微笑まれると、俺もつられて嬉しくなってしまう。
「そこ!ニヤニヤしないの!…まったく…」
腕を組み、少し不機嫌そうな表情をしている女性で、俺に「壁ドン」をした女性だ。彼女は 高坂 雪穂 というらしい。高坂さん…じゃなかった。穂乃果さんの妹らしく、「おっとりとした姉」を持った「しっかりとした妹」…というのがぴったりだった。
「雪穂、お客様に失礼だよ~」
「うぐぐ…元はと言えばお姉ちゃんが…!」
「…っ!!」
二人のやり取りを眺めていると、身体に寒気が走り、何かに威圧されているような圧力を感じた。
なんだこの上司に睨まれてるみたいな感覚…!?
「あ、お父さん。寝てなかったんだ」
さっき雪穂さんが出てきた場所には…一言で例えるなら“昭和の親父”がいた。腕を組み、長年の職人であることの威厳を感じさせる白衣。そして…その力強い眼からは威圧感を放っている。
「高坂さん…もしかして話しちゃったんですか?さっきの勘違いのやつ…?」
「雪穂でいいよ。うん、話しちゃった。まあ…お父さんには後で私達から話しておくから」
「お願いします」
あの人を目の前にして、話せる自信がない。会社の上司の睨みが可愛く思えてきた。
「ねえねえ、ところで私オリジナルの白玉あんみつはどうだった!?感想教えて!」
穂乃果さんが俺に話しかけた瞬間、彼女たちの父親の威圧感が大きくなった。俺はプレッシャーに耐えながら、感想を答える。
いかん…なんだこのプレッシャー!?
「っ!?……美味しかったです。まさか白玉をオレンジ風味にするとは思いませんでした」
「そっか…!ありがとう!♪」
彼女は何かをメモ用紙に書き込み、笑顔で返してくれた。
「ひっ!?」
さっきよりよりも威圧感が増した感じはあるが、ここは雪穂さんを信じて耐えるしかない。
「お姉ちゃん、そろそろ帰って貰ったら?時間、もう10時超えたし、お店閉めなきゃ」
「う~ん…そうだね」
穂乃果さんは椅子から立ち上がり、入り口の少し外のまで送ってくれた。
「今日はありがとうございました~!」
少し離れたところで振り返ると、彼女の声が聞こえ、手を大きく振ってくれていた。家まで送ってくれると言ってくれたが、彼女の家から俺の家はそこまで距離はないから、迷う事もない。と断った。手を振り返し、すこし浮かれた足取りで家に向かって歩いていく。
「また…明日も行こう」
雪穂さんの言葉を信じて、俺は久しぶりに走って家に帰った。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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凄い嬉しいです。これからも頑張ります!
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それではノシ