「ケストレル、バ-ベット!上がれる機は全機上げろ!クズネツォフもだ!」
「りょ、了解!」
艤装をつけて俺の元に来たケストレル、バーベット、クズネツォフに指示をだす。
三人はすぐに洋上に出ていった。
「司令官さん!航空燃料タンクの近くで負傷者が・・・」
「分かった、救護班をすぐに!」
「わ、私もお手伝いしていいですか?」
「・・・できるか?」
「やります!絶対に助けるのです!」
「分かった、やってみてくれ!」
「なのです!」
俺は無線の周波数を東京で交戦中の部隊に合わせる。
状況がわからないので無線を傍受するためだ。
<<敵大型機、羽田上空を通過!駐機中の民間機が破壊された!>>
<<ちくしょう!死傷者が出てるぞ!>>
<<避難誘導は警察と消防に任せろ!>>
<<レインボーブリッジが落されたぞ!>>
<<爆撃により被害甚大!民間人にも死傷者多数!>>
<<サーベラス隊、滑走路侵入を許可する>>
<<全機、離陸後は空中管制機の指示を受けろ。これは演習ではない、繰り返す、これは演習ではない>>
東京はえらいことになってる・・・クソ!
「隊長!」
「アンドロメダ?どうした?」
「敵機の情報が入りました!」
「情報?なんだ?」
「敵機の発進予想位置は・・・グレ-スメリア!」
「グレ-スメリア・・・」
グレ-スメリア・・・エメリア共和国の首都だ。
だが・・・今は深海棲艦に占領されエメリア軍はなす術なく内陸まで撤退していった。
「どうしますか?」
「まずは敵機の撃墜か撃退だ!」
「了解しました」
無線機からは被弾して撃墜されていく戦闘機のパイロットの悲鳴が時々聞こえてきた。
<<敵機の右エンジンに直撃!だけど・・・ちくしょう!一体何基のエンジン積んでんだよこのバケモノ!!>>
<<ちくしょう・・・!ミサイ----------->>
<<秋葉原付近に爆弾が着弾!小規模な爆発が多数・・・クラスタ-だ!!>>
<<ビルが崩壊するぞ!!あのビルから避難する人を確認したか?!>>
<<羽田空港、滑走路16R付近で爆発!滑走路に大穴が開いてるぞ!!>>
<<上空に退避中の民間機が撃墜されたぞ!!>>
深海棲艦のクソったれめ・・・東京が・・・
<<コクピット付近の着弾!!これで操舵を・・・>>
<<敵機から攻撃がやんだ・・・?>>
<<大型機、バランスを崩した!>>
コクピットに弾着・・・操縦系統が全滅したんだろうか・・・
無線によると機体は海のほうへ傾いて行ってるらしい。
<<そのまま海に・・・・!?おい!都市部に傾いたぞ!!>>
<<落せ!!何としても!!あれじゃ霞が関・・・皇居に当たるぞ!!>>
そんな無線を聞いていると大きな爆発音が聞こえた。
炎上中の航空燃料が別のタンクに引火したようだった。
「おい・・・おい・・・?冗談だろ・・・!?」
あれは・・・電のいる方向・・・
「電!!」
時間がとにかくゆっくりに感じる。心臓の鼓動もえげつないくらいに早い。
「電・・・電!!」
名前を叫びながら走る。
到着するとあたり一面火の海だった。
瓦礫の量もすごい。
「電!どこだ!」
瓦礫の海を探していると・・・
「げふっ・・・艤装つけて行ってよかったのです・・・」
「電・・・?」
「あれ、司令官さん!?」
「・・・頭どうした?」
・・・・・・・・アフロ姿で煤だらけの電(?)が立っていた。
「頭・・・はにゃっ!?」
金属片に移った自分を見てびっくりしていた。
「とりあえず・・・無事でよかった・・・」
「はい・・・何とか・・・あ、それとこのあたりの人はみんな助けたのです!一人も欠けてないのです!」
「分かった・・・よくやった!」
「えへへ・・・」
「あとは・・・XB-0か・・・」
無線を聞いていると・・・
<<敵機・・・東京湾に墜落・・・ふぅ・・・>>
<<・・・何機欠けた?>>
<<数えただけでも・・・20は・・・>>
<<クソッ・・・>>
東京も被害甚大だろう。
「電・・・とりあえず司令部に戻ろう、あとは消防班に任せよう」
「・・・・・」
電は無言で隣を歩いていた。
すんません!いろいろ投げやりですけど許してください!!
とりあえず、近いうちにグレ-スメリア解放戦かな・・・?