横須賀鎮守府の日常   作:イーグルアイ提督

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ラーズグリーズ海峡の悪魔

~いそかぜ~

 

「う・・・ん・・・?」

 

ふと目を覚ます。

すごく寒い。

周りには氷山が浮いている。

いったいどこまで流されたのだろう・・・

 

「あれ・・・ここ・・・あ、そうか・・・」

 

アポト-シスを上空で炸裂させ敵機を撃墜したことまでは覚えている。

そこから気を失っていたのだろう。

 

「SPY、火器管制レ-ダ-が壊れてる・・・あと・・・ああレ-ダ-類は全部か・・・」

 

ほかにもGPSなど航法に必要なものがほとんど壊れている。

ミサイルも誘導装置が破損、唯一使えるのは主砲くらいだ。

主砲も自動装填装置が破損、装填を手動で行うしかない。

とにかく電子装置がすべて壊れていた。

唯一壊れていない電子制御のパ-ツは機関のみだ。

とりあえず航行に支障はなさそうだ。

 

「これじゃ大昔の船ですね・・・」

 

味方はたぶん私のことを探しているだろう。

それにしても・・・我ながらアポト-シスって恐ろしい威力だと思った。

 

「とりあえず・・・なるべく動かないようにしないと・・・」

 

錨を下ろしその場に固定する。

あとは味方が見つけてくれるのを願うしかない。

 

「せめて無線機だけでも生きてたらなぁ・・・」

 

無線機も破損している。

私は空を見上げた。

 

「雲が出てきてる・・・雨が降りそう・・・」

 

雨が降るとなると捜索は一時中断だろう。

おまけにここは寒い。

作戦海域の近くにも氷山が浮いていたのでそんなに遠くに来たわけではないと思う。

 

「いったんこの場を離れて・・・でも・・・」

 

この場を離れるということは運がよければそのまま艦隊と合流できるかも知れない。

その確立は限りなくゼロに近いが・・・

捜索機も来ない可能性が高くなる。

だが動かないと敵に補足されればアウトだ。

 

「このまま・・・東に進んでみますか」

 

錨を上げ、機関を始動させる。

しかし流された距離や現在位置が不明。

燃料も後半分よりちょっとあるくらいだ。

 

「うらかぜ・・・もう会えないのかな・・・」

 

私はそんな最悪の状況を想像してしまっていた。

 

 

~提督~

 

「いそかぜが行方不明!?」

 

<<すみません・・・スト-ヘンジに向かう道中で・・・>>

 

「・・・了解した、こちらは衛星から捜索する、捜索を継続してくれ」

 

<<了解しました。あの・・・うらかぜさんには・・・>>

 

「一応伝えておこう・・・アイツのレ-ダ-が役に立つはずだから」

 

<<はい・・・分かりました>>

 

なんて事だ・・・現場海域で強力なEMPが確認されたが・・・アポト-シスでも使って巻き込まれたのだろう。

 

「あのバカ・・・」

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

システム全部ダメかな・・・

 

「妖精さん、航法装置だけでも復旧できませんか?」

 

<<ちょっと待ってー!動けこのポンコツが!動けってんだよ!!>>

 

「あ、あの・・・一応精密機械なんですけど・・・」

 

そんなツッコミしてると・・・

 

「あれ・・・GPSが直った!?」

 

<<この手に限る>>

 

※この手しか(ry

 

「現在の位置は・・・えっと・・・ラ-ズグリ-ズ海峡・・・」

 

周りには氷山が浮いている。

ラ-ズグリ-ズ海峡・・・えっと・・・

デ-タを参照する。

 

「ここは・・・えっと・・・エメリアとエストバキアの境目ですか・・・私の知ってる国名に地名に・・・全部違う・・・」

 

唯一知ってるのはアメリカと日本くらいだ。

ロシアがユ-クトバニアと呼ばれていたりドイツはベルカと呼ばれていたり・・・

ただ過去のデータによるとドイツやロシアも二次大戦あたりでは名前は私の知ってるものと変わらなかった。

 

「不思議ですね・・・」

 

燃料を無駄に消費しないように航行する。

 

「レ-ダ-は直りませんか?」

 

<<ちょっと待ってね・・・動けこのポンコツ(ry>>

 

ポンコツって・・・それ最新鋭の機械ですよ・・・

というツッコミを心の中でする。

 

<<あ~・・・マスタ-・・・?>>

 

「どうしました?」

 

<<壊れちゃった☆>>

 

「はぁ!?」

 

<<え、えへへへ・・・配電盤ぶん殴ったら・・・>>

 

「・・・何してるんですか・・・」

 

<<ほ、ほら!きっと壊れかけだったんだよ!>>

 

「・・・止め刺しましたけどね・・・」

 

<<あ、あははは・・・>>

 

「はぁ・・・」

 

味方艦隊の位置が知りたいです・・・

そんな事してると遠くにチカチカ光るものがあった。

発光信号?

 

「んっと・・・所属と船名を明らかにせよ・・・」

 

私は発光信号で所属、船名を伝える。

すると発光信号がピタっと止んだ。

 

「発光信号が・・・一応攻撃用意・・・」

 

主砲に初弾を送り込んでいると・・・

 

「いそかぜぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「うらかぜ!?」

 

「うああああああ!!良かったよおおおおお!!!」

 

「ちょ、ちょっと・・・」

 

遠くから全速力でうらかぜが突っ込んできた。

 

「もう会えないがどおぼったよおおおおお・・・・」

 

「う、うらかぜ・・・汚いですよ・・・」

 

鼻水と涙で服が・・・

 

「うわああああああ!!」

 

「よしよし・・・」

 

何で私が慰めてるんですか・・・

10分くらい慰めているとやっと落ち着いてきた。

 

「うらかぜ・・・ありがとう・・・」

 

「えへへ、なんたって私はいそかぜの彼女ですから!」

 

「ふふ・・・そうですね」

 

「あ、そうそう。もうちょっとしたら艦隊がこっちに来てくれるって」

 

「分かりました」

 

そんな会話をしていた。

すると遠くから何か女性の声のようなものが聞こえた。

 

「あれ、何ですか?今の」

 

「う~ん・・・アナウンスみたいだけど・・・」

 

「何かを発進・・・?といってたのは聞こえたんですが・・・」

 

「なんだろ・・・」

 

耳を澄ます。

すると・・・

 

『スタウロス装填完了、発射準備OK』

 

「スタウロス・・・なんですかね・・・」

 

「う~ん・・・?」

 

『スタウロス発射5秒前・・・4・・・3・・・2・・・1・・・発射!』

 

直後ものすごい轟音が響く。

 

「な、何の音ですか!?」

 

「私にも・・・レ-ダ-にアンノウン補足!」

 

「くっ・・・レーダ-さえ壊れていなければ・・・!」

 

「方位から目標を推測・・・目標は東京!」

 

東京・・・!?そんな・・・

 

「司令官に報告を!」

 

「分かってる!」

 

私は轟音のあった方向を目を凝らしてよく見る。

そこには・・・

 

「な、なんですか・・・あれ・・・」

 

そこには港湾棲姫によくにた姿形をしているが肩からものすごい長砲身の砲が生えている。

その周りには浮遊要塞のような物体が12も浮いており、各個が同時に大量の煙を吐き出していた。

 

「は、はやく艦隊に・・・見つかると危ないです!」

 

「た、確かに・・・あれはヤバそう・・・」

 

私達は急いで進路を味方艦隊に向けて増速した。

 




エ-スコンバット6ほしいよぅ・・・
何でPS3で出さんのじゃバンナムぅぅぅぅぁぁぁぁ!!!!




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