演習も終わり日が暮れた頃・・・
資源はすっからかん。遠征部隊がいるから何とかなるけどね。
「さてと・・・じゃあ、私は帰るよ」
「んじゃあそこまで送りますよ」
「ありがとう」
負けたのは悔しいがなかなかいい戦いだったと思う。
・・・てか、何でニンバスの直撃に耐えれるの長門の姉御
「ありがとう、ここでいいよ。後は向かえの車で帰るさ」
「艦娘たちは?」
「ああ、あの子たちなら先に帰ったよ。」
「そうですか」
すぐに車がやってきて武御雷提督を乗せる
「じゃあ、また演習よろしくね」
「・・・もうしたくないんですが・・・」
「まぁまぁ・・・じゃ、またね」
車は走り去っていった。
とりあえず晩飯食うかな~
そう思い司令室に帰っていくと・・・
「・・・なんでお前ら全員ここに居んの」
「だってこの艦隊私たちしかいないじゃない!」
「そうなのです!9人程度なのでみんなでここで食べるのです!」
「しゃーないな・・・机出すか・・・」
今日の料理は雷が作ったらしい
さすがロリおk(ry
「やっぱ雷の料理は美味いな」
「そう?やっぱり?」
「やっぱりって何だ」
「自信あるのよ!」
そんな話をしながらわいわい食べる。
「ケストレルさん・・・でしたっけ?秘書艦の電なのです!」
「あぁ~君が隊長の秘書か~。昔も今もロリコンなんだね隊長」
「Yes!」
「いや否定しろよ提督・・・」
「ねぇねぇ!そういえばその3人が艦娘じゃなかったときの話してほしいな」
「環太平洋戦争の話?」
「うん!」
その話には電も雷も赤城も加賀も興味深々だった。
ケストレルにはつらい話のほうが多そうだけど・・・
「同じ空母仲間としてケストレルさんの話を聞いてみたいです!ね?加賀さん」
「・・・そうですね」
「うう~ん・・・どこから話して言いやら・・・」
ケストレルは宣戦布告と同時に軍港を急襲された話、姉2人をシンファクシの放った弾道ミサイルで撃沈された話、セレス海海戦で実の姉を自らが放った艦載機で撃沈した話をした。
最期の話も
「・・・すごい話だね」
「でもそのときの対艦ミサイル以外の被弾は無かったんですよ」
「ゆ、雪風に負けず劣らずだね」
「雪風?」
「ああ、駆逐艦なんだけどね、ほとんど無傷で第二次大戦を生き延びたんだよ。」
「なるほど・・・お友達になれそうですね。」
そしてケストレルは俺のほうを向いていった
「その雪風を早く建造してくださいよ隊長」
「・・・お前今の資源しってるか?」
「ひねり出しなさい!」
「ふざけんな!!」
出せるかアホ!!!
なんていう賑やかな会話も終わりみんな寝室に帰っていった。
ああ~・・・まだ仕事があるぜよ・・・
~ケストレル~
「ふわあああああ~・・・・」
「眠そうですね」
「ん~・・・初めての戦闘だったからね~」
「無理はしないでくださいね?」
「はいはい、分かってるよアンドロメダ」
アンドロメダとは長い付き合いだ。
あの戦いで私の仇をとったあとのことは知らないが天寿を全うしてるよね
「さてと・・・寝ますかな」
「そうですね・・・おやすみなさい、ケストレルさん」
「おやすみ~」
自分の部屋に入りベットにダイブする
そのとき机からベットに写真立てが落ちてきた。
「ん~・・・?あっ・・・」
それはニコラス艦長の写真だった
「ふふっ・・・」
急に懐かしくなってふと笑ってしまう。
「艦長、私また航空母艦として戦うよ。もう艦載機を減らせはしないから。」
その艦長は4年前に亡くなったと聞いている。
オーシアの病院で亡くなったとだけしか聞いていない。
「はぁ・・・また艦長に会いたいな~・・・」
なんてことを呟きながら深い眠りに落ちた。
港に鳴り響く警報の音がする。
空襲警報!?
<<出港可能な艦はただちに港外へ逃れよ!>>
<<これは演習ではない!>>
<<見りゃ分かるぞ!馬鹿野朗!!>>
<<そこらへんユーク軍機だらけだ!!>>
ここは・・・?そうだ、セントヒュ-レット軍港・・・
私は艦橋にいた。
艦橋にいるだけだが艦のデ-タは手に取るように分かる。
まぁ、私自身だからそうだけどね
「スノ-大尉、防空戦闘は任せたよ」
<<了解です!アンダ-セン艦長!>>
私のことは誰にも見えない。
いやまぁ・・・見えたら怖いけど
<<こちらは対空艦エクスキャリバ-!前方をふさぐ艦!離れてくれ!SPYレーダ-が照射できない!>>
<<こちらサンダ-ヘッド。空中管制指揮官だ。方位280から敵侵入・・・ダメだ、数が多すぎる>>
<<何とかしろ!あんたの指示が必要なんだ!>>
無線は込み合い聞き取るのも一苦労だ。
そんな中増援に来た、たった3機の戦闘機が戦況をひっくり返していた。
・・・すごい、もう一人五機以上撃墜してる
その戦闘の中私とその他5隻以上が無事に港外へ脱出できた。
なんだろう・・・今度は少し薄暗い。
「ちょっとケストレル!置いてくわよ!」
「ああ!待ってよ!」
久々に姉のヴァルチャ-と航行している。バザ-ドも一緒だ
「姉さん、ここまで来れば安全だよね?」
「そうね・・・まぁイ-ジスも居るし大丈夫でしょ!」
「いや・・・大丈夫じゃないぞ」
「え?」
そのときだった・・・
<<て、敵接近!各隊もどれ!空母を守れ!!>>
あの空中管制指揮官からの声が聞こえてくる。
「ほら行くわよ!」
姉さんは速度を上げていく。
飛んでくるのは全部VTOL機なのが少し引っかかる。
この近くには空母の反応なんてない。基地もない・・・
一体どこから・・・
だが、敵戦闘機隊は全滅。空も海も安全になった・・・と思いたかった
<<弾道ミサイル接近!!>>
<<弾道ミサイルって・・・一体どこから発射されたんだ!?>>
弾道ミサイル!?
「姉さん!!逃げて!!」
「分かってるわよ!!面舵いっぱ――――――」
<<弾着、今!!>>
「姉さん!!」
空が突然轟音とともに爆発する
<<何だ!?何が起こった!!?>>
<<ちくしょう!太陽でも爆発したのか!?>>
<<主翼が・・・落ちる!!>>
<<誰か!!助けて!!!!>>
<<こちらヴァルチャ-!直撃を受けた!沈没する!!>>
そんな・・・姉さんが・・・
「ケストレル!悲しんでる暇があったら逃げるぞ!!」
「でも・・・でも・・・!」
<<弾道ミサイル、第2弾接近!!>>
「もう一発だ!取り舵いっぱい!!」
何で・・・どこから・・・いやだ・・・艦載機も・・・みんな逝かないで!!
<<10・・・9・・・8・・・>>
早く逃げて!!!
<<3・・・2・・・1・・・弾着、今!!>>
また空が大爆発を起こす。
「ケスト・・レル・・・逃げろ・・・!」
「バザ-ド姉・・・!!!」
<<ちくしょう!!いったいどこの攻撃だ!!>>
<<メーデ-メ-デ-!こちらバザ-ド!損害甚大!総員退艦する!!>>
<<あの攻撃は一体なんだ!鉄の雨が降ってきたみたいだ!>>
そ、そんな・・・やめて・・・姉さん・・・逝かないで・・・
「・・・こちら空母ケストレル。無事に生き残った艦へ。われわれはこれより全速で当海域を離脱する」
・・・姉さん・・・一人にしないで・・・
あの海域から9ヶ月。
姉さんたちも失った悲しみも大きいけど私たちは・・・今祖国を相手にしている
15年前のベルカ戦争の好戦派がオ-シア、ユ-クトバニアを惑わせ大国間戦争に導いた。それに気づいたのは、元サンド島分遣隊のメンバ-とアンダ-セン艦長。それ以外はベルカの手のひらの上で踊っている。
でも、捕まっていたユ-クの元首、オ-シアの大統領を救出し両国間の誤解を解こうと必死になっていた。
そしてこのセレス海でそれを邪魔するようにユ-ク海軍が現れた。
本当に・・・なんでこんなに馬鹿なの!!何で気づかないの!?
「ユーク艦隊の諸君、私はユ-クトバニアを代表する国家首相、ニカノ-ルだ。」
首相の演説が始まる。
お願いだから理解してよ!
「この・・・ケストレルか?」
「イエス、ケストレル」
「オーシア空母、ケストレルの艦上に居る。われわれは再び・・・」
何かを言い切ろうとしたときECMで妨害される。
私はすぐにECCMを作動させ通信を傍受する
<<・・・艦に告ぐ!オ-シアとユ-クトバニアの間には憎悪しか存在しない!元首ニカノ-ルは敵についた!これを敵と認め、敵艦もろとも海中へ没せしめよ!!>>
何でそんな簡単に元首を殺そうとするのよ!
だが・・・
<<しかし司令官、仮にも元首のお言葉です。我々だって理不尽な戦いはごめんなのです!戦闘の中止を!!>>
一隻のフリゲ-ト艦が旗艦の前方をふさぐ形で回頭をはじめた。
そうそう!もっといってやれ!!ついで司令官殺っちゃえ☆
<<・・・我に従う艦は、前方を邪魔するフリゲ-ト艦「ピトムニク」を撃沈せよ!>>
・・・・!?何いってるの!?
<<撃ち方始めぇ!!!>>
旗艦を含め5隻以上が発砲した。だが、命中弾を撃ち込んだのは旗艦と他の一隻だけだった。
・・・ピトムニクと呼ばれた艦は船体の軋む音を響かせ轟沈していく。
今すぐにでもこの旗艦を司令官ごと撃沈したい。
すると・・・一隻の艦から無線があった
<<こちらは、栄えあるユ-ク海軍ミサイル駆逐艦「グムラク」。同僚の撃沈を命ずる艦隊司令官とは行動を共に出来ない!我々はニカノ-ル首相を護る!同意する艦は我に従え!>>
<<旗艦に従わぬ艦は攻撃する!!>>
そのとき私と艦長の思いが一緒だったのかほぼ同時に同じことを言った。まぁ、聞こえないだろうけど
「勇気ある彼らを守れ!戦闘機発進!!」
3分もせずに次々と戦闘機が発進する
「こちらケストレル、そちらの艦名を教えよ」
<<こちらグムラク!そちらの艦隊に合流する!>>
<<こちら駆逐艦「チゥ-ダ」!本艦もグムラクと共に首相をお守りする!>>
<<ケストレル!こちら「ドゥ-プ」!合流し戦闘に参加する!>>
「・・・かたじけない」
何でだろう・・・すこし涙が出てきた。
<<・・・全責任は私が負う!射撃開始!!!>>
<<目標・・・「敵艦隊」・・・攻撃を開始する!>>
やっぱり敵艦隊と言うのに言葉が詰まるよね。
すると艦長はレコ-ドをかけだす
『The journey begins, Starts from within, Things that I need to know.
The song of the bird, Echoed in words, Flying for the need to fly.
・・・』
Journey Home・・・私はこの曲が大好き。平和の歌だ。
<<Journey Home・・・いい曲だな。こちら「ブイストルイ」!「ブードゥシシイ」と共にケストレル戦闘郡に参加する!>>
<<誰だ!戦闘中に音楽をかけているのは!!>>
<<何故敵の曲を聴かねばならん!!早く撃沈しろ!>>
私も思わず口ずさむ。この曲のおかげか新たに2隻が参加してくれた。
そして・・・このセレス海にオ-シア艦隊が参加してきた。
その中には・・・
「久しぶりね・・・ケストレル」
「バーベット・・・!」
「妹とは言え、裏切り者には容赦しないわよ」
「なんで・・・これがベルカの陰謀って分からないの!?」
「ベルカ?ああ・・・15年前の・・・それがどうかしたの?」
「だから・・・!」
「まぁ、話してても無駄ね。あなた達を撃沈する」
バ-ベット・・・!この分からず屋!!
だが、すぐにオ-シア艦隊にも私の艦載機が向かう
「オーシアイージス巡洋艦「ハルシオン」撃沈!」
「オーシア駆逐艦「サンプソン」撃沈!」
また一隻戦友が沈む・・・もう嫌だ・・・!
「オーシア空母」
やめて!!
そういおうとしても声は聞こえない
「バーベット、撃沈!!」
もういやだ・・・また・・・姉を失うの・・・?ヴァルチャ-姉さん・・・バザ-ド姉・・・バーベット・・・逝かないでよ・・・
「・・・オ-シア、ユ-クトバニアの脅威レベル、ゼロ。戦闘はこちらの勝利だ。」
もう・・・戦争なんていやだよ・・・
私は自分の手で姉を沈めたことに罪悪感を覚えていた。
あのときもっと粘っていれば・・・!説得できたかもしれないのに!
そして次の日・・・最後の戦いのブリ-フィング中だった
突然ミサイル警報が鳴る。
「対艦ミサイル接近!CIWS、撃ち方はじめ!!」
だが・・・弾幕の展開が間に合わず・・・
「うわっ!!対艦ミサイル被弾!」
「早くラ-ズグリ-ズを出撃させろ!!」
右半身に激痛が走る。
被弾したんだ・・・
「対艦ミサイル第二波接近!弾着まで10秒!」
「弾幕を展開しろ!」
「ダメです!衝撃に備えて下さい!!」
艦長は静かに目を閉じた。
次の瞬間、また激痛が走る。
「右舷に浸水!ダメコン急げ!」
「敵潜水艦からのミサイル2発命中!艦が傾斜します!」
「彼らを発進させろ!」
「ダメです!」
「傾斜していきます・・・艦が沈みます!」
「発艦を続けろ!」
「でも・・・!」
まだ・・・カタパルトは大丈夫!絶対に打ち出す!!
「彼らを打ち出せ!射出急げ!射出要員を除く、乗組員は退艦急げ!」
艦橋があわただしくなり、一人、また一人と船を下りていく。
みんな・・・やっと会えるね・・・
「何が何でも君たちを打ち出すぞ!!カタパルトがイカれても構うもんか!!!」
戦闘機が一機、また一機と発艦する。
そして最後の一機・・・隊長機だ。隊長・・・短かったけど・・・ありがとね
「ブレイズ!行け!!」
アフタ-バ-ナ-を点火し、私から最後の艦載機が発進する。
みんな無事に上がれた・・・良かった・・・
「発艦を確認した・・・これより射出要員は退艦します!」
乗組員のみんな、さようなら・・・元気でね
「艦長も急いで!」
「ああ・・・ありがとうケストレル・・・負け戦ばかりの私だが・・・今回は私の勝ちだよ」
そうだね・・・艦長・・・
長生き・・・してね。
私の意識はそこで途切れた
「・・・レル・・・ケストレル!」
「ん・・・?艦長・・・?」
「いや、提督です」
「あれ・・・さっき対艦ミサイルを被弾して・・・」
「お前・・・あのときの夢を見てたのか・・・」
「夢・・・?ふぁあああああ・・・」
「ほら起きろ。」
「うん・・・って、えええ!?どっから入ったの!?」
「いや・・・起きないから起こしに来たら鍵開いててな」
「だからって入ってこないでよ!!!」
「いいだろうが長い付き合いなんだし」
「艦娘としてはまだ一週間たっとらんわい!!」
「口悪いぞ。いいから起きろ」
「ぐるるるるる・・・」
でもなぜか隊長が起こしてくれたことが無性にうれしかったり・・・
それより電ちゃんの視線が何か痛いです・・・
こんなに長いの初めてだww
いやぁ・・・架空艦含めて好きな船を答えよ!って言われたらダントツでケストレル出てくるね!
ちなみにケストレルが沈んだときのミッションのThe Journey Homeの合唱聞きながら書いてたら涙が・・・