横須賀鎮守府の日常   作:イーグルアイ提督

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途中からACE COMBAT5のBGM「Reprisal」聞いてると良いかもね!


合同作戦

少しづつ温かくなってきた。

差し込む日差しが気持ちいい。

・・・・なんだけど・・・

 

「司令官さん、こんな噂知ってますか?」

 

「ん?どした?」

 

電が珍しく噂話をしてくる。

どんなメルヘンな話が出てくるか・・・

 

「深海棲艦が人間を連れ去って、研究してるって」

 

「こわッ!!」

 

ほのぼのしそうな話かと思ったら普通に怖い話だった。

だが、その話は聞いた事がある。

 

「本当だったら怖いですよね」

 

電は笑いながら話しているが・・・

実は日本以外でも急に失踪する人が増えている。

日本では今月だけで10人だ。

 

「まぁ・・・よくある話じゃないのか?」

 

「ですよね」

 

「・・・今月の失踪者がただの事故ならな・・・」

 

「え」

 

「今月だけで10人消えてる」

 

「え・・・あの・・・」

 

「しかも貧困に困っている人間でも、鬱の症状が出てる人間でもないそうだ」

 

「ちょ、あの」

 

「誰の仕業なんだろうな」

 

「ううう噂なのです!きっとそうなのです!いやそれ以外考えられないのです!」

 

「でも他国の仕業とも・・・」

 

「この話はおわり!」

 

無理やり終わらされた。

ひさびさに焦ってる姿を見たような。

 

「まぁ・・・何かしらの理由で消えたんだろうな」

 

なんて呟きながら来月のスケジュ-ルを組む。

 

「電、テレビでもつけてくれないか?」

 

「あ、はい」

 

テレビをつけた時、血相を変えた情報部のスタッフが入ってきた。

 

「お?どした?」

 

「提督!やばいです!」

 

「いや・・・提督の部屋のドア蹴破って入ってくるお前がヤバイ」

 

「そんな悠長な事言ってられませんよ!今すぐ空母から艦載機を上げてください!」

 

「スクランブルか?」

 

「違います!深海棲艦が人間を拉致してるって話聞きませんか?」

 

「ああ、さっき聞いたな」

 

「その作戦命令を傍受しました、警察はすでに行動を開始。私たちには空中からの支援要請が来ています!」

 

「マジかよ・・・」

 

「え・・・あれ本当の話だったのです・・・?」

 

「みたいだな」

 

ちょうど、すぐ沖合に赤城が航空機の訓練を行っている。

燃料補給を終えさせて向かわせよう。

 

「んで、場所は?」

 

「横須賀市です」

 

「・・・ここか・・・」

 

「警察無線とこちらの無線の周波数を同じにして連携をとりますか?」

 

「そうしよう。あと上空に陸戦要員を待機、警察の手に負えなくなったら降下させる」

 

「了解しました!」

 

赤城に無線をつないで状況を説明する。

今は敵の行動を阻止する必要がある。

 

「赤城、聞こえるか?」

 

<<提督?はい、どうしました?>>

 

「今すぐに艦載機を横須賀市に向かわせろ、それと無線周波数は警察と同じに合わせるように伝えるんだ」

 

<<警察と?どうしたんですか?>>

 

「深海棲艦が日本人を拉致する作戦命令を傍受した、それの阻止だ」

 

<<了解しました、メビウス隊を向かわせます>>

 

「頼んだ!」

 

核兵器のあとは拉致・・・やることすごいなホント

 

「司令官さん、私は・・・」

 

「今できることはない、あいつ等を信じよう」

 

 

 

 

~メビウス隊~

 

<<たーいちょ>>

 

「ん?何?」

 

<<深海棲艦の噂知ってます?>>

 

「ああ、うん。知ってる」

 

<<アレかな、拉致った後はエロ同人みたいな展開になってるのかな?>>

 

「ブフォ!!!」

 

コイツ・・・

脳内ピンク娘め・・・

 

「真面目にしなさいよ!!」

 

<<はいほーい>>

 

「ほんっとにもう・・・何でウチの隊はみんなこんなのなの・・・」

 

まぁ・・・嫌いじゃないけど・・・

そんな事しているうちに警察無線が聞こえてくる。

 

<<・・・航空隊!>>

 

「ん?どちら様?」

 

<<こちら神奈川県警、パトロ-ルカ-です>>

 

「こちら空母赤城所属、メビウス1。そちらの状況は?」

 

<<まだ何も発見できず>>

 

「了解」

 

散開して探したほうがいいかも。

 

「みんな、怪しい動きをする車、航空機、なんでもいいから怪しいヤツを全部警察に報告して、OK?」

 

<<メビウス2、了解>>

 

<<3、りょーかい>>

 

<<4、ラジャ->>

 

今回は4機編隊・・・

あとから増援機が来るらしいけど・・・

 

「全機、広範囲に散開して捜索開始!」

 

<<了解!>>

 

編隊を崩してバラバラに散る。

みんな地上に目を光らせていた。

 

<<こちら警視07、警ら中のPCへ!怪しい車両を発見!軍用車のようだが・・・>>

 

「どこ!?」

 

<<あ~・・・まってくれ・・・そっちの下だ!>>

 

「下!?」

 

ロ-ルして背面飛行しつつ下を確認する。

たしかに怪しい軍用車だ。

 

<<こちら警視11!対象を発見、接近する!>>

 

「メビウス1より、全機。不審なトラックを発見!」

 

<<了解!編隊を戻す?>>

 

「いや、このまま散開してて!」

 

<<了解、号令一つで戻るからね!>>

 

「言葉だけは頼もしい・・・」

 

なんて呟いて監視を継続する。

 

<<そこのトラック!路肩に停車しなさい!>>

 

「止まればいいけど・・・」

 

<<アイツ加速した!警視11より全車!逃走中の不審なトラックを発見!>>

 

<<こちらメビウス2、必要あれば航空支援行います>>

 

<<今は必要ないと・・・うわっ!!>>

 

「どうしたの!?」

 

地上で小さな爆発を確認した。

規模は手榴弾程度だ。

 

<<トラックに接近するもグレネ-ドを撃ち込まれた!路肩の郵便ポストが大破!負傷者無し!その間に逃げられちまった!!>>

 

「了解!上空で監視を継続!」

 

<<あ~・・・海軍の航空隊さん。こちら県警本部、飛行機から銃撃はしなくていいからな!>>

 

<<ちょっとだけでも・・・ダメ?>>

 

<<ダメ!!>>

 

ここで提督の声が聞こえた。

 

<<うっへぇ・・・提督・・・>>

 

<<跳弾が人に当たったらどうすんだ!>>

 

「あはは・・・怒られてやんの」

 

<<こちら警視07!あのトラックで間違いないようだ!>>

 

<<了解!今どこだ!!>>

 

<<横須賀工業高校の通りに差し掛かろうとしている!>>

 

<<こっちは公郷小のところだ!高校のグランドを突っ切る!>>

 

<<落ち着け!!どこ走ろうとしてるのか分かってるのか!!>>

 

なんか・・・すごい警察官がいる。

 

「メビウス1より警視11、目標は弾薬補給所方面に逃走しています!」

 

<<犯人のトラックを発見!!チクショー!撃ってきやがった!!!>>

 

ここからでも発砲の炎が確認できる。

 

「ま、待ってて!今すぐ援護に!!」

 

<<安心しな海軍の嬢ちゃん!撃ちまくって足止めしてやらぁ!!>>

 

「ここ日本ですよ!?」

 

<<なんちゅー警察官だ・・・>>

 

<<陸軍のレンジャ-より怖い気がするのです・・・>>

 

全くだよ!とか思いながらあとを追う。

いつの間にか全機集合していた。

 

「目標・・・衣笠ICから繋がる大通りを北久里浜駅方面に向かいます!」

 

<<こちら警視07!近道の市営公園墓地内を行く!>>

 

<<お前こそどこ走ってんだ!!バチ当たるぞ!!>>

 

<<こちら県警本部、湘南橋を封鎖した!ここに追い込んでくれ!>>

 

<<了解!戦闘機!機銃掃射で頼む!>>

 

「え・・・撃っていいの・・・?」

 

<<まぁ・・・撃てつってるし・・・やれ!>>

 

「りょ、了解!」

 

パトカ-4台ほどがトラックの後方に着き銃撃していた。

それに混ざって行ってほしくないほうの道に機銃掃射する。

 

「そのまままっすぐ!」

 

だが突然、トラックはスリップして停止した。

タイヤを撃ちぬかれたようだ。

 

<<対象は停車!>>

 

<<待て・・・奴らまだ撃ってきやがる!!>>

 

<<往生際が・・・なんだこの音!>>

 

その時、積んであった簡易レ-ダ-が目標補足の電子音を鳴らす。

その数10。

 

<<こちらメビウス4!護衛戦闘機に守られたUH-60ヘリコプタ-を確認!>>

 

<<あいつ等の本命か・・・!>>

 

「全機!護衛戦闘機を撃墜するわよ!」

 

<<了解!エンゲ-ジ!>>

 

アイツらの作戦はトラックに乗せた被害者をヘリで本拠地に運ぶ魂胆だったらしい。

それよりも何で護衛戦闘機まで侵入できてるんだろう・・・

 

「敵戦闘機はなるべく撃墜より撤退させて!」

 

<<地上に落ちるとヤバイもんね!>>

 

「そういうこと!」

 

撃墜でも不時着できる程度の損傷にとどめたいが・・・

奴らは素直に撤退するかどうかだ。

あの機はパイロットがいるのかどうか分からない。

もし居ないのであれば地上に激突させる事だってできる。

パイロットが居ても・・・だが。

 

<<こちら警視11!これから俺は独自に奴らを攻撃する!>>

 

<<おい待て!後部座席に見えるのは何だ!!>>

 

<<携行式の地対空ミサイルだ!署の押収品倉庫から持ってきた!!>>

 

「それアカンでしょ!!」

 

<<アカンね>>

 

<<まじかよこのお巡りさん・・・>>

 

日本の警察おかしい。

空中戦を開始して10分、あの警察官がすでに4機撃墜した。

 

<<誰か!!弾薬!弾持ってこーい!!>>

 

<<先輩!署の倉庫にあったのはこの5発だけです!!>>

 

<<チクショウ!あと一発か!!>>

 

「いや待って、どこの誰が所持してたのそのミサイル」

 

<<ヤクザだろうな・・・>>

 

「提督!おかしいでしょ!!どんだけ重武装なんですかそのヤクザ!」

 

<<まぁ、そこら辺の兵士よりいい装備してるからなあいつ等>>

 

なんてしてる間に全機撃墜を確認した。

運がいいのか悪いのか、全機空中で爆発して地上への被害は軽微のようだ。

 

<<あのヘリはどこ行った!!>>

 

<<待ってろ、視界にとらえたぞ・・・>>

 

別の警察官の声。

なんか嫌な予感がする。

 

「あの・・・何する気かだけ教えてくださいな・・・」

 

恐る恐る質問する。

 

<<署の押収品の倉庫の中にあったRPG-7を持ってきた!これで地面に叩き落としてやる!!>>

 

「日本の警察頭おかしいの!?」

 

素直な感想。

今までにいただろうか、こんな重武装なお巡りさん。

こんなのが街のお巡りさんとか想像したくない。

 

<<撃てッ!!>>

 

見事にブラックホ-クのテ-ルロ-タ-を吹き飛ばした。

回避行動をとろうとしたが間に合わなかったようだ。

そのまま回転しつつ湘南橋のかかる川へ墜落した。

 

<<確保!確保!!>>

 

<<荷台に拉致された被害者を確認、保護した!>>

 

<<被害者に目立った怪我無し!一応救急車を・・・>>

 

<<なんだコイツ・・・女の子・・・?>>

 

<<こちら横須賀鎮守府司令官、警察チ-ムへ。その少女は白い肌に白い髪をしているか?>>

 

<<こちら警視11、白い肌に・・・白い髪だ!>>

 

<<・・・生きているならこちらに引き渡してくれ。上空で待機中のヘリが向かう>>

 

<<了解>>

 

はぁ・・・終わった。

まさか警察と合同なんてね。

 

「そろそろ燃料がビンゴ、帰りましょう」

 

<<りょーかい>>

 

 

 

 

~提督~

 

「んで、コイツか・・・」

 

鎮守府にある空き倉庫に確保した深海棲艦を収容する。

見たところ艤装はなさそうだ。

 

「ヲ級・・・か」

 

犯人グル-プは地元の暴力団がかかわっていた。

また、ヘリは深海棲艦が複製した航空機だった。

機体にはアメリカ国籍があったため一時混乱したようだ。

 

「拷問なんて趣味じゃないんだがな・・・」

 

つい二時間前、海軍本部からどんな手段を使ってでも情報を吐かせろとの通達が来た。

この倉庫にいるのは俺だけ。

一応自衛用に拳銃を持ってきてはいるが・・・

 

「ん・・・」

 

「起きたか」

 

「ヲッ!?」

 

「よく寝れたか?」

 

とりあえずそう話しかける。

だがコイツは開口一番・・・

 

「くっ殺せヲッ!!」

 

「いや待って」

 

エロ同人じゃねーからなコレ。

 

「私はどんな仕打ちを受けようと屈しないヲ!」

 

「待って、これエロ同人的な展開はないから」

 

「私をこんなにしてどうする気!?イジメるの!?エロ同人みたいに!絶対そうする気だヲッ!!」

 

「話し聞けコラァ!!」

 

「やっぱりオ-クとかと同じだヲ!!」

 

「ちげ-よ!!どうみたらオ-クに見えんだよ!アホか!!」

 

なんだコイツ!!

 

「いやあああああ!!助けてヲ!!凌辱されるヲ!!初めてなのに汚されちゃうヲヲ!!」

 

「人聞きの悪い事言うなァァ!!!」

 

しかし運が悪いのか・・・

電が倉庫に入ってきてた。

次いでいうと会話聞かれていた。

 

「し・れ・い・か・ん・さ・ん・?」

 

「ファッ!?」

 

「助けてヲ!!この人欲望のままに私を犯そうとしたヲ!!」

 

「てめ!火に油を注ぐな!!」

 

なんで立場逆転してるんですかね。

なんで私が命の危険に瀕しているんですかね

 

「電!誤解だ!!!」

 

「誤解?はて?それはこのヲ級ちゃんから聞きましょうか?」

 

「やめろおおお!!!ソイツ嘘しか言ってないからァァァ!!!」

 

「うぅぅ・・・私のバ-ジン持っていかれたヲ・・・」

 

「お前さっき初めてがどうたら言っただろ!!」

 

「・・・・司令官さん?」

 

「待って!なんで俺が!!」

 

「尋問はほかの人にお任せするのです!」

 

「ああもう是非そうしてください!!」

 

「いそかぜさんとうらかぜさんにお願いするのです」

 

「それはそれでヤバイ気がする・・・」

 

「ところで司令官さん?」

 

「ん?なん・・・いだだだだだだだ!!!!」

 

ものすごい力で手首をつかまれる。

痛い。

 

「さっきの話・・・本当ですか?」

 

笑顔で聞いてくるが青筋浮かんでる。

 

「いだだだ!!違う!お前以外のヤツに手なんてださない!!」

 

「・・・信じますよ?」

 

「信じて!お願いだから!!関節外れる前に信じて!!」

 

「んもう・・・」

 

「んもうってアンタ・・・」

 

痛む手首をさすりながら倉庫を見ると、いそかぜとうらかぜが入って行った。

 

「ヲ級・・・相手が女の子二人で良かったな・・・」

 

と同時に可愛そうに・・・と思っていた俺であった。

 

 

 

 




最近スランプなんちゃう?とか思い出した。
もはや艦これ関係なくなってきたよ!!
でも直さないんだよ!←
これもう別の物語だろってツッコミ、114514

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