黄金の勇者   作:fw187

13 / 29
北氷洋~海魔人の凍気

 海皇ポセイドンの統べる領域《テリトリー》、海界《シー・ワールド》の中心《センター》。

 星型七角形《セブン・スター》の城塞宮、アトランティスの中央に位置するポセイドン神殿。

 海底の都を治める七芳星《ヘプタグラム》の神殿、大黒柱《メイン・ブレドヴィナ》の支柱。

 七大海洋の象徴《シンボル》を預かる守護者《ガーディアン》、七人の海将軍《ジェネラル》。

 七芳星の頂点に位置する支柱の一、北氷洋《アークティック・オーシャン》を護る七大勇者。

 小宇宙《コスモ》に同調《シンクロ》、力《パワー》を増幅する緑玉《エメラルド》の衣。

 水の精霊《エレメント》の上位存在、北氷洋に出没する巨大蛸《グレート・オクトパス》。

 クラーケンの鱗衣《スケイル》を纏う北の勇者、海闘士《マリーナ》は氷海の将。

 様々な伝承に彩られた海の怪物、クラーケンを象徴《シンボル》とする氷《ブルー》の海将軍。

 水瓶座《アクエリアス》カミュの指導を受け、氷河の生命を救った片目の勇者アイザック。

 

 高度な知性を誇り時間流を操作する能力を開発、魔界を滅亡へ導いた異世界の人類先行種族。

 永劫の昔より宇宙に君臨する異次元の神々、旧支配者《グレイト・オールド・ワンズ》の1柱。

 創世記の惑星に誕生し強靭な生命力を誇る鬼子、超能力双生児7組に倒された巨大生命体。

 旧神の封印《エルダー・サイン》にて眠る偉大な神、九頭龍とも噂される北氷洋の怪物。

 伝説の海底都市ルルイエの主神《ファイナル・マスター》、水の精霊を支配する魔界王の眷属か。

 星船ランドシアⅶに乗り星の海を渡り、ノルンの海に漂着した異星人の末裔やもしれぬ怪魔。

 悪には微塵も容赦せず完璧に冷酷非情を貫き、邪な人間のみ葬る海魔人と畏怖される伝説の主。

 或いは火星《アレス》の首魁《ボス》、祖父なる巨大蛸グランド・オクトパスの子孫であるのか。

 

 第3段階の小宇宙を操る挑戦者《チャレンジャー》、黄金聖闘士の次鋒《セカンド・バッター》。

 獅子座《レオ》の黄金《ゴールド》聖衣を纏い、縦横無尽に疾走する光闘気の拳を操る正義漢。

 兄の仇と闘い己の未熟を悟り、更なる精進を誓った獅子宮の守護者《ガーディアン》。

 両腕両脚を聖剣《エスクカリバー》に鍛え上げた達人を目標に、修羅の門を叩いた熱血漢。

 聖域《サンクチュアリ》十二宮では一時的に、白金《プラチナ》の聖衣《クロス》を纏った勇者。

 幼い女神の化身を守った射手座アイオロスの弟、獅子座アイオリアが鋭い舌峰を響かせる。

「お前の小宇宙が漂わせる冷気、凍気には何やら思い当たる節があるぞ!

 水瓶座カミュには身を挺して後輩の弟子を救い、氷の海に失踪した男が居ると噂に聞いた。

 何故に北極海の柱を護る海将軍を名乗り、我が同僚カミュの弟子が我等に敵対する?

 世界各地を襲う大水害を喰い止めんが為、女神は事態の収拾を図り人柱を志願されたのだぞ!

 海闘士に与する理由は問わぬが我等に協力すれば良し、海将軍の儘でも構わぬが2度は言わぬ。

 貴様も聖闘士を目指し修練を積んだ者であれば、女神の聖闘士として行動せよ!」

 

 熱血漢の糾弾を何処吹く風と無表情に聞き流し、冷酷《クール》に徹する水瓶座カミュの弟子。

 完璧に無視され紅潮する黄金の獅子に冷笑を浴びせ、先達の聖闘士に冷静な口調で切り返す。

「昔話を蒸し返し縛ろうとしても無駄、今の俺は軟弱な女神の聖闘士に非ず冷徹な海魔人の化身。

 私利私欲に塗れ汚れ切った人の世を浄化せんが為、地上は隈無く峻烈なる潮流にて洗い流す。

 神話の時代と同様に惑星表面を水面で覆い尽くし、海の惑星に海洋文明の時代を招来するのよ。

 海皇ポセイドン様の世直し、救世の業を妨げる事は許さぬ」

 第3段階の第7感覚《セブンセンシズ》、海将軍の小宇宙が瞬間的に接触。

 光速で思考が交換され激しく火花を散らし、小宇宙の接触面に峻烈な反応が生起。

 眦を決した白い獅子《ホワイト・ライオン》が瞳を燃やし、猛々しい咆哮を響かせる。

 

 名状し難い形態の海魔人《クラーケン》は強靭な触手を翻し、異次元の音響が轟く。

 互いに戦闘《バトル》の開始に備え精神接触を遮断、小宇宙が増幅され爆発。

 黄金の獅子が疾り、緑光宝石の海魔人が蠢いた。

「最早、問答無用!

 我が同僚カミュの弟子と認めず、女神に仇成す反逆者《トレイター》と判断する!!

 一刻も早く女神を救わねばならぬ、先手必勝の諺に則り一撃で決着を付けるぞ!

 手加減は一切抜きだ、ライトニング・ボルトを受けよ!!」

 黄金の獅子は解き放たれた弓の如く身を翻し、伝説の超越者を思わせる光の速さで疾走。

 銀河星海の覇者を髣髴とさせる蒼氷色《アイス・ブルー》の瞳が輝き、獅子の牙が閃いた。

 

 闇黒物質《ダーク・マター》を斬り裂く光線砲《レーザー》、閃光の拳が一点集中。

 悠然と佇む海将軍の防御力場《バリア・フィールド》を貫き、海魔人の鱗衣を襲う。

「何っ!?

 馬鹿な、信じられん!」

 光の小宇宙を集束した渦巻、黄金の獅子が放った会心の一撃《クリティカル・ヒット》。

 渾身の闘気拳《オーラ・ナックル》、先制第一撃《ファースト・ストライク》は不発。

 氷の勇者は小宇宙の凍気に海魔人の冷気を重ね、重層構造の防御力場を創造。

 共鳴効果で格段に強化された守護結界、制極界は第3段階の小宇宙に抗し得る耐久性を発揮。

 巧妙に張り巡らされた不可視《ステルス》の防弾盾、氷の領域《フィールド》が光を偏向。

 北極海の守護者は水と氷の魔術師《マジシャン》、北の導師《メンター》に学んだ腕を実証。

 黄金聖闘士を手玉に取り直進する筈の闘気拳を屈曲させ、必殺の一撃を見事に回避。

 不動の態勢で蓄えていた小宇宙を一気に爆発させ逆襲、反撃《カウンター・アタック》を放つ。

 

「聖闘士に1度見せた技は2度と通用せぬ、見切られ無効となるは常識なり!

 迂闊にも敵を侮り不用意に決め技を放った己の愚挙を呪え、オーロラ・ボレアリス!!」

 北極圏の夜空に舞う極光《オーロラ》が北の暴風《ボレアス》と化し、黄金の獅子を直撃。

 第3段階の小宇宙も不可能とされる秘術、絶対零度の凍気拳が炸裂し黄金聖衣が凍結。

 絶対絶命の危機を悟り眠れる獅子が覚醒、秘められた潜在能力が覚醒し小宇宙が一時的に昇華。

 小宇宙に同調する衣も青紫《すみれ》色の閃光を放射、水晶《クリスタル》の聖衣へ変貌。

「最初の一撃に最大の奥義を以て当たる賢明さ、黄金聖衣を凍結させる凍気拳は賞賛に値する!

 嘗ての師に相応しい腕と認めてやるが決着を付けるぞ、ライトニング・プラズマ!!」

 緑玉《エメラルド》聖衣に劣らぬ硬度7の衣、紫水晶《アメジスト》聖衣が現出し小宇宙を増幅。

 風の支配者アイオロスに召喚された風の精霊《エレメント》が現れ、生命力《エナジー》を注入。

 風の支配者と並び風の精霊界に君臨する雷帝が小宇宙の裡に顕れ、雷系魔法を操り実力を発揮。

 青紫《すみれ》色の稲妻《ローリング・サンダー》、紫電の雷撃波が放出され極光の暴風を迎撃。

 

「氷戦士の総帥に伝授されし冷気を操る秘術、絶対零度の凍気拳が通用せぬとは!?

 究極の第7感覚は第3段階の小宇宙とする黄金律《ルール》、多元宇宙を統べる法に背くぞ!」

 真実を指摘する必死の抗議も空しく、青紫色の閃電は躊躇せずに傍若無人な攻撃魔法を再現。

 最強の青色攻撃魔法《ブルーライト・マジック》、安全地帯の無い雷《いかづち》が戦場を席巻。

 光の軌道を強引に捻じ曲げる不可視の領域、絶対零度の空間特性を逆手に取る雷帝の一撃。

 雷電の拳が発動され問答無用の電撃波を放射状に放ち天地を覆い、氷華と氷柱の凍気拳を邀撃。

 世界の命運を決める星剣戦争の前哨戦《プレ・ファイナル》、星剣が主と認めた戦士の一騎打ち。

 幻夢氷翔剣の創造せし氷の世界を断ち切る一閃、総てを溶かす黄金剣の膨大な光の群れを再現。

 雷光剣の牙に宿る雷神《サンダー・ボルト》が再現され、極低温の領域《エリア》が崩壊。

 

 通電性の向上した氷の結界を利用し、短絡《ショート・カット》する超伝導の雷撃が一閃。

 青紫色の電磁波《マイクロ・ウェーブ》が一点集中、超電磁直撃砲《マクロ・ビーム》へ昇華。

 氷棺《アイス・コフィン》ならぬ氷晶の環《カリツォー》、氷塵の法衣《アイス・ローブ》。

 天雷の渦《ヴォルテクス》が北氷洋の海将軍、水と氷の魔術師の弟子が創った氷鏡の罠を突破。

 風の精霊界から召喚された雷帝の秘術、プラズマ・ストリームの激流が海魔人を翻弄。

 弥勒の騎士を走査《スキャン》した電子風、超電磁形態の闘気拳が複合防御を透過《スルー》。

 紫電の嵐が光の飛竜《ワイヴァーン》、電光の獣魔と畏怖される光牙《コアンヤァ》と化す。

 氷《ブルー》の牙《ファング》、氷《ブルー》の盾《シールド》も木っ端微塵に砕け散る。

 青紫色《ヴァイオレット》の雷電《プラズマ》が輝き、海魔人《クラーケン》の鱗衣を照射。

 星命点を極め緑玉《エメラルド》聖衣も感電、北氷洋の柱を護るアイザックの小宇宙が消えた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。