咲-Saki- もし咲が家族麻雀で覚醒してたら 作:サイレン
サブタイが全てです。(本編じゃなくてごめんなさい)
細かい設定は無視でお願いします。
その日、麻雀業界に激震が走った。
『……し、試合終了! とんでもないことが起きました! 高校生麻雀大会長野県代表は清澄高校に決定です!』
『とんでもない一年が現れたな。あの天江衣が完全に力負けするとは』
昨年全国に名を轟かせた龍門渕高校が無名校に敗北。
中学生覇者である原村和が清澄にはいたが、副将であった彼女の出番が終了した時点での点差は僅差だった。
なれば『牌に愛された子』である天江衣を大将と置く龍門渕高校が勝ち上がるのは必然と、観戦していた者は誰しもがそう思っていたのに。
『宮永咲……化け物だな』
「宮永選手、全国大会出場おめでとうございます! 今の心境はどうでしょう?」
「はい、とても嬉しいです」
「天江衣選手は強敵だったと思うのですが」
「はい、とても強くて大変でした」
当たり障りの無い質問に咲は淡々と答えていく。
笑顔での応対に記者たちは矢継ぎ早に質問して、とうとう核心を突く問いを口にした。
「宮永選手は白糸台高校の宮永照選手と何かご関係が?」
咲の表情が一瞬だけ固まり、瞬きの後には微笑を浮かべていた。
「あぁ、姉です」
その決定的な一言に場が沸いたのは言うまでも無い。
圧倒的王者であるあの宮永照の実の妹が唐突に表舞台に現れたのだから。
熱を上げる質疑応答。
その様子を少し離れた場所から見ていた和たち清澄高校の面々は、白い顔で成り行きを見守っていた。
「大丈夫かしら、咲」
「まだ大丈夫かと。ただ、その……眼が……」
温度に感情が抜け落ちた伽藍堂の瞳。
姉との関係を問われる咲の笑顔は完全に死んでいる。
よくあんな顔で笑えるものだと、和は冷や汗をかいた。
「でも咲ちゃんはお姉さんと会いたいって言ってたじぇ?」
「詳しくは聞いとんがのぉ」
「えぇ、……一応はそうなのですが……」
唯一咲の気持ちを聞いていた和の言葉は続かない。
個人の事情に大きく踏み込むことなのはそうだが、何より和は咲から宣言されていた。
嫌でも姉の耳に入る状況が訪れた時、つまりは今、自分で気持ちを打ち明けると。
「宮永選手はお姉さんに会うために全国へ」
「えぇ、そうですね」
「ではこの場を借りて何か言うことはありますか?」
「いいのですか?」
「はい!」
向けられるカメラに咲は視線を合わせる。
相変わらず瞳には光がないが、無の代わりに補填された感情があった。
「お姉ちゃん、私を捨てたお姉ちゃん」
それは、憎悪と歓喜。
「こんなところで遊んでたんだね。私も仲間に入れてよ」
歪んだ口許は確かに笑みの形をしていた。
「叩き潰してやる」
照「ヤバイ、私の妹がヤバイ」
経緯
今期アニメであるはねバド!を見る → 原作一巻を試し読みする → なんか色々噂を聞いたからまとめサイトを流し読む
感想
なにこの咲さん、咲さんよりやべぇ
もはや好感しか持てない
とりあえず後で全巻集めよう
そしてここでなにかやるしかないと思いました。
なお、サイレンはこんな主人公が暴れる作品を大募集してます。オススメがあったら教えてください(唐突なお願い)