あぁ神様、お願いします   作:猫毛布

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 マエガキ

 どうも、最近少し前のアニメをBGMにしながら小説を書いている、猫毛布です。
 とある雨の日、自転車を漕いでる時にふと思いついたのです。




 そうだ、はやてで百合を書こう。

 ごめんなさい。
 そんなこんなで、軽い百合小説でございます。読む人選ぶってレベルじゃねぇぞ!!
 先に注意事項を。

 性転換無理だわ、百合…ノーマルが最強だろ、本編以外興味ねぇ、フェイトたんハァハァ!
 な方。
 次のページへ飛んでください。


 ここから先、一切の苦情を受け付けません。
 今回は性癖露呈とかしてない筈。たぶん。きっと…いや、もう性癖はバレてるから露呈どころの話じゃないんですけど。

 堕天使様で筆は進むのですが、どこか伸びきらず1万字は突破してません。8000字程度です。
 それでもいつのも三倍ぐらいだよ!
 やったね!読みにくいって言われてるのにまた言われるよ!!


 さて、今回の話もあくまで【非公式】の茶番です。
 故に、
 夕君の状況や立ち位置、
 そして現在の職業などなど
 本編とは一切関係ないことを念頭に置いてお読みください。

 相変わらず私の欲望で書いてるので読みにくいです。許してね。


 
 今回の軸はStS期の一部です。原作でいうなら列車事故後あたりでしょうか。
 

 では読んでくださる方ドゾー!!

 誤字訂正

事務仕事のこの→事務仕事もこの
 報告感謝


Informal Farce.

 目が覚めたのは、早朝。

 チラリと時計を見ればまだ起きなくてもいい時間で、すこしだけ安堵する。

 しっかりと背中に回された腕を感じながら視線を下にずらす。

 

 そこには愛しい人が俺の胸で寝ている。

 寝顔を見られたくないだとかで、胸に顔を押し付けることが癖付いたらしい。

 俺がそんな事したら怒るくせに、自分に甘いやつめ。

 

「いや、俺が甘いのか」

 

 少しだけ笑って、ようやく何かがオカシイ事に気づく。

‐何がオカシイ?

 必死に否定する頭を無理やり否定して、オカシナ点を上げていく。

‐はやてが俺のオッパイを枕にしていること?

‐俺の声が僅かに高くなってること?

‐俺の肌が褐色になってること?

 カット。全部だ。

 

 解析してもおかしな所さえない。まるで最初からそうだった様に、俺が女であることを示してくる。

 こんな事で起こすのは忍びないが、これは異常事態である。

 

「はやて、起きてくれ」

「うへへー、にくまんー」

「おい、タヌキ。起きてることはわかったからさっさと起きろ」

「もぅ、ぇぇ夢見てたのに…」

「安心しろ。俺は今が夢であって欲しい」

「……」

 

 はやては今しがた使っていた枕を凝視して、固まる。

 そして、震える手で枕をさわ、いや揉んでいく。

 

「ほぉ、なるほど、これは、ふむ」

「ん、…いや、あの、はッはやてさ、ん?」

「ん?あぁ大丈夫気にせんといて」

「気にする、なって…ア、ちょ、本当にやめて」

「良いではないかー良いではないかー」

「ちょ、下に手をまわ、おい、ア、だからダメだって!!」

「これがええんやろ!これが!ええんやろ!!」

 

 俺の中で何かが切れる音がした。

‐しょ、しょj

 

「カット!」

「え?」

 

 布団から脱出して、右手でシーツを手繰り寄せ体に巻く。

 自分で胸を押し付けてるから、こう…やりきれない感が。

 

「なんや、アレーってのを楽しみたいんか?」

「じ、実家に帰らせていただきます!!」

 

 こんな意味のわからないことを言って部屋から逃げていった俺に罪はないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「で、シグナムの所に行ってきたんか」

「あぁ…マジでどうなってんだか…」

 

 ようやく落ち着いたらしい赤髪で褐色の女性は溜め息を吐いた。

 寝ぼけたシグナムから斬られかけるという事故を起こして彼女はようやく落ち着いたらしい。

 

「身に覚えは?」

「ない。少なからず俺を女にして得をするような人間はいない。殺されても文句を言える立場じゃないがね」

「つまり、愉快犯やろなぁ」

「だろうな」

「あ、ブラジャーつけたろか?」

「いや、べ、別にいいです」

「まぁそう言わんと」

「…エッチなこと、しない?」

「……今のでわからんようになった」

「よし、お前ちょっと正座しとけ」

 

 トラウマになっているのか、少し涙目でそんなコトを言われたら我慢できるモノもできなくなる。

 おとなしくベッドの上で正座してブラジャーをつけるために上半身を倒す女性を見る。

 重力に釣られて下に向くオッパイ。シグナムよりも小ぶりで、しかし私よりも大きい。

 寝起きでもしっかりわかる吸い付くような肌とか、いい匂いとか、もうあれだ

 

「安眠枕!」

「おい、何を言っている」

「いや、気にせんといて」

「?」

 

 だから小首を傾げるその動作をやめて。

 ともあれ片手で器用にブラジャーをして、少し疲れたように息を吐く彼女。

 凝視していた事に気づかれたのか彼女がこっちを睨む。

 

「…えっち」

「うん、夕君ってさ。どこかその姿になって遊んでるフシがあるよね?別に気にせぇへんどころかバッチ来いやねんけどさ」

「なんだ、俺の性格は知ってるだろ。自分を使った楽しみは存分に、だ」

「そうやったね」

 

 ショーツとブラジャーだけした褐色の女性が腰に手を当て溜め息を吐く。

 その片方の腕、左腕の姿はない。

 私、いや私達の罪の形がそこにあるのだけど、夕君はそんな事を全く気にしていない。

 

「服はどうするかな」

「タンスの奥に確かメイド服があってやな」

「冥土にお送りいたしましょうか、ご主人様?」

「メイドに送られるなら、ちょっと考える」

「落ち着け、ご主人。俺が騎士連中に殺されちまう」

「じゃあ、一緒に落ちよか」

「落ちたあとは蜘蛛の糸でも探すか」

「いや、コキュートスを越えたその先を目指そか」

「なんなら山頂まで目指すべきか」

 

 淡々と喋りながらも夕君の裸はシャツによって隠されていく。非常に残念だ。

 しかしながら、男だったころよりも身長や肩幅が小さくなったのか、すこし大きめのYシャツで股下10cm程度隠れていて、それはもう本当にありがとうございます。

 

「目が怖いぞはやて」

「気にせんといて、うーん、もうちょっと、いやしかしコレはこれで僅かにエロスが」

「どうして神様の名前が出てきた」

 

 溜め息を吐いて、男物のスーツを着用する。

 少しだけ余裕のあるスーツパンツにカッターシャツ。赤髪が背中まで垂らした褐色の女性は本当にかっこよかった。

 いや、これは女にしたかいがあったというものだ。うん。

 

「で、はやて」

「んー?」

「気づいてると思って言わなかったが、思考が半分程声に出てるぞ」

「……あー、うん。かっこいいよ夕君」

「そいつはどうも、愉快犯さん」

 

 ニッコリと笑顔の彼女の後ろに修羅だとか鬼だとか、とにかく良くないものが見えた。

 私に霊感のようなモノはないのに、なるほど、これは怖い。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「おい、アリシア」

「……誰?」

「お前の薬でこんな姿になった犠牲者だよ」

「あー、婦女暴行を働いて私の薬の実験台になって今は娼館で働いてる」

「そんなコトしてたのか」

「嘘に決まってるじゃない。人体実験をするにしても、色々と面倒なのは知ってるでしょ?」

「知ってるが、いや、まぁいい」

「で、どうしたの?ユウちゃん」

 

 少しコーヒーをこぼしたらしい白衣を翻し、薬の製作者だろう人物は口を開いた。

 

「この薬はなんだよ。解析してもエラー吐き出すし」

「うん、実験は成功だね」

「おい、人体実験の色々はどうした」

「しっかりと許可とってるわよ、失礼ね」

 

 見せられた許可書には管理局のお偉い様の名前が書かれていた。

‐妻子持ちめ

‐次会ったらエイミィにあることないこと吹き込んどくか

 

「で、薬の効果は?」

「外部の魔法出力の断絶が主な効力だね」

「解析魔法が自分にしかかけれないのはソレか」

「私としては魔法を内部展開出来るユウちゃんがおかしいと思う」

「思考できれば簡単だろう」

「……まぁいいや。ユウちゃんがおかしいのはいつものだし」

 

 どこか呆れたように椅子に座って、近くにあるディスプレイを俺に見せてくる。

‐薬の効力か

‐目的は犯罪者の魔法阻止か

‐捕縛したあとの薬だな

 しかしながら、それなら女体化とかいらなくないか?

 

「というか、女体化の効力が、ない」

「あたりまえじゃない。コレは製品用だよ?」

「……あれ?俺に飲ませたのは?」

「これにユウちゃんの魔力波長に合わせて効力が出るようにしました」

「ワースゴーイ」

「ちょ、ギブ!ギブ!絞まってる!あ、でもオッパイが当たってちょっと気持ちい」

「よし、そのまま昇天させてやろう」

「焦点が合わなくなってきた」

 

 適度なところで離し、溜め息を吐く。

‐どうして周りに変態しかいないのだろう

‐類は友を呼ぶと言ってだな

 カット。それだと俺が変態みたいじゃないか。

 

「ハルバード、彼の解析をお願い」

『mofo?』

「あー、違う、彼女よ」

『yep diva』

「随分失礼なデバイスだことで」

「あら、作ったのはユウちゃんでしょ?」

「ソウデゴザイマシタ、女王様」

 

 遊び心だけで作成された研究用のデバイスが俺を解析していく。

‐まったく、遊び心も程ほどに

‐もう遅いけどな

‐遅すぎてハエが止まりそうだ

‐青いハリネズミはお帰りください

 カット。

 

「あー…解析の速度って上がらないのか?」

「これでもかなり早いんだけど…まぁユウちゃん相手だし、薬の効果もあるし」

「Hurry the f**k up...」

『Shut the f**k up』

「ここで汚い言葉を吐かないでもらえるかな、カスども。掃除するわよ?」

「まずその珈琲付きの白衣から掃除しとけ」

「save it perv」

 

 両手をあげて降参を示しとく。

 笑いながら言葉を吐き捨てるアリシアが怖い。

‐まったく、どんな教育してんだか

‐ある意味、親に似たのか

 カット。それ以上は雷のオシオキが降ってくる。

 

 

 

 

 

 

◆◆

「という感じで、俺に異常はなかった」

「ん。ならよかったわ」

「まるで実行犯の態度じゃないな」

「アリシアちゃん所に行かせるまでが計画やからなぁ」

「記録を取られたのはそれが原因か」

 

 どうせ分かっていたのだろうが、どうやら嵌ってくれたらしい。

 肩をわざとらしく竦めているのがその証拠だ。

 

「おはよぉござぃますぅ」

「ツヴァイ、眠いなら寝てても大丈夫ですよ」

「お仕事がんばりますぅ」

「おはようさん、アインス、ツヴァイ」

「なんだ、二人とも遅い出勤だな」

「……主、この方は?」

「ひどいな、夜天の」

「あぁ、ユウか」

「ユー君は女の人だったんですか!?」

「いや、男なんだが、あー説明が面倒だ」

 

 小さなツヴァイを手に乗せて少しだけ微笑む彼女を見ながら、書類を整理していく。

 残念な事に、私は仕事中だ。もちろん彼女も勤務中なのだけど…。

 

「なぁ、夕君。手伝ってくれへん?」

「自分で仕事も出来ない人と結婚した覚えはないわよ?」

「ぶー。いけず」

「なんとでも」

 

 と、言いつつも仕事の何割か片付けてくれている我が旦那…いや、今は嫁。さすがツンデレ。

 

「祝福コンビも来たし、俺は教導の方に回るぞ」

「はいよー。こっちも終わったら覗きに行くから」

「まぁ今の俺だと、アッチの仕事は出来ないから助言だけの参加になるけどな」

「そんなコト言うて。アリシアちゃんから色々借りてきてるんやろ?」

「護身用に、な」

 

 ニヤリと笑った彼女を見送って、私はまた書類とにらめっこをする。

 さっさと終わらせれば、きっと彼女が褒めてくれるはずだ。うん、早く、そして正確に。

 

「主、サインを間違えてます」

「おうふ」

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「お疲れ、皆の衆」

「……え?」

「なのはさんお知り合いですか?」

「…えっと、すいません。どちら様ですか?」

「あー、なのは。コイツは……セネターだ」

「セネ、って御かふぐ」

「ヤー。お黙りお嬢ちゃん。私の名前を間違えないで、わかった?」

 

 頷いたことを確認して、高町の口を解放する。

 高町は何度か俺の顔を触って幻影かどうかの確認をして、ムンズと胸を揉む。

 

「…本物…だと…」

「おい、ふざけんな」

「あ、ごめん。しないといけない気がして…」

「おっぱい魔人二号め」

「ライダーみたいに言うんじゃねぇよ、ロリータ」

「えっと…セネターさん?」

「ヤー。どうかしたかいお嬢ちゃん。私に聞きたい事があるならベッドの上で聞こう。まぁ声を出すのは君になるけどね」

「なッ!?」

「ティアナさんどういうことですか?」

「子供は気にしなくていいことよ!」

「ティア、顔真っ赤だよ?」

「うっさい!スバルは黙ってなさい」

「これだから処女は困るねぇ」

「あんまりそう言うこと言ってると旦那様とかフェイトちゃんに怒られるよ?」

「じゃぁこのくらいにしておこう」

 

 高町と苦笑して、ヴィータからため息が聞こえる。

‐まったくこれだから生娘は

‐スバルがわからんとは、いかに?

‐いか?かに?

‐たこにも

 カット。

 

「で、何しにきたんだよ」

「見学と助言」

「馬鹿か。今のお前は魔法使えないだろ…」

「内部発生魔法は使えるんだよ。身体強化は出来る…というか見学でなんでそこまで言われなきゃならん」

「お前がただで見学できると思ってることにびっくりだ」

「……え?マジで?」

「まぁ私達だけだと思考が偏るからねぇ。いい刺激になると思うよ」

「教官。私、武器とかデバイスとか持ってきてません」

「冗談はいいよ。腰に銃差して何を言ってるんだか」

「服で隠れてるのに何故バレたし」

「ホントに隠してたんだ。はやてちゃんの言ってた通りだね」

「……ちなみになんて?」

「テキトーにカマ掛ければ勝手に吐いてくれる。だって」

 

 随分な言い草だ。

‐ハマってる人間には反論できないけどな

‐いやはや、スッカリハマってる

 

「ほら、まぁこの子達が戦うかどうかとか」

「大丈夫だって。この人に一発でも有効打を入れたら今日は休みでいいよ」

「やります!」

「元気だねぇ…はぁ」

「ざまぁみろ」

「朝起こしたことまだ根に持ってんのか?」

「お前にわかるか?意味不明な女が裸にシーツだけで部屋に突撃してきて泣いてるんだぜ?それにシグナムが警戒してずっとピリピリしてるんだ。私の胃はキリキリしてるっての」

「なんか、ごめんなさい」

「いや、いい。こういう時、お前が悪くないのは知ってる」

 

 呆れてように、同情したようにお互い溜め息を吐く。

 腰から銃を引き抜いて、動作の確認をする。

 

‐弾は魔力

‐おい、アンタはなくていいのか

‐安心しろ。無限バンダナだ

 カット。

 

「さすが、アリシア。いい趣味してる」

「えっと、御影君?銃を持ってうっとりしてると危ない人みたいだよ?」

「銃を持ってる人に危なくない人なんているのか?初耳だ」

「私は危なくありません!」

「……あ、そう…ふーん」

「なんですか!!何か!?」

「いえいえ、何もありませんよお嬢さん。ではルール説明」

「このバカに一発でも当てれば今日の教導訓練はオフ。事務仕事もこのバカがやってくれる。以上」

「よろしくね、御影君」

「え、なんなの?お前らの分まで俺がやるの?」

「うん、当たり前じゃない」

「何言ってんだよ」

「……まぁ全部スメラギにでも振るか」

「やめてよ!?」

 

 銃をクルクルと回しながらなるべくテクテク歩く。

‐空間解析不可

‐銃の弾は無限だが、リロードがなぁ

‐ふむ、視認と強化だけでどこまでいけるのか

‐戦闘要員ではないっての

 

 

 

 

◆◆

 

「あー、やっぱ始まってるなぁ」

「まぁユウですから」

 

 隣にいるアインスの声に思わず苦笑して、前にいるなのはちゃんに手を上げて挨拶をしとく。

 

「お疲れ様、はやてちゃん」

「んーお疲れ様。どない?」

「今のところ動きはないね。慎重だからね御影君」

「普段は常に安全確認出来てるもんなぁ」

「でも驚いたよ。ホントに女の人になってるんだもん」

「フフフ、すごいやろ?」

 

 画面を見ながらニヤける。

 片腕の女性は欠伸をして、器用にシリンダーの中に弾を詰めていく。

 

「どうしてこんなことしたの?」

「んー…夕君って私達が危険な目にあってたらどこからか情報を集めて自分で危険処理するやん」

「うん。私にはライト君が居るけど…」

「特に私の場合は事件に直面せずに勝手に終わってる事があるんよ。

 

 で、アンヘルを切り落としてから、特に変わったことがないんやけど」

「それならよくない?」

「んー、なんか嫌な予感がしてなぁ。夕君の魔法が急に使われへんようになるとか」

「……あのAMFの中で魔法を使う人間が?」

 

 確かにそうなのだけど、アレは私たちのように高圧縮した魔力や打ち込むわけではなく、散布していた魔力を蒐集して暴発させているだけらしい。もしくは自身の中で構築式を立てて放出しているそうだ。

 

「うん…まぁ外れたらいい勘やねんけど」

「変に厄介事に巻き込まれるからねー」

「今も知らず知らずに囲まれてるしなー」

「両チームわかってないってどういうことなんだろうねー」

 

 アハハハハ、ウフフフフ。

 乾いた笑いが空間に満たされて、なぜか夕君がビクッとして周りを確認していた。

 

「お、ついに夕君が動いたね」

「まぁ拳銃一丁だけだからね。迎え撃つにしても危険だし。複数人相手だとね」

「そんな夕君は見えやすい位置で乱射してるけどね」

「……」

 

 なのはちゃんの目が怖い。

 何が怖いかというと、本当に怖いとしか思えない。夕君ごめん。たぶん説教コースは免れへんわ。

 

 

 

 

◆◆

 

「ふむ」

 

 6発打ち切った後に銃身を折り空になった薬莢が飛び出し、新しい薬莢を地面に撒く。

‐右手一本ではリロードも心もとないな

‐まったくだ

‐……今なら夢のおっぱいリロードが!!

‐ちくしょう!なんてこった!

‐パンナコッタ!

 カットカットカット。

 

「お、最初はエリオか」

「お願いします!!」

「っと、あぶね」

 

 突撃してくるエリオを横に回避して、空を見上げる。

‐魔法弾確認

‐おー怖い怖い

‐脳処理強化

‐反応速度上昇

 

 全てがゆっくりに感じる。

 その中で俺だけがスムーズに動く。もちろん速く動くことは不可能だが、今はこれでいい。

 

‐魔力弾、数3

‐エリオの切り返し接近

‐角度計算

‐計算完了

 地面にある8つの薬莢を蹴り、壁に当てる。

 クルクルと回転する薬莢が壁に反射してこちらに戻ってくる。宙に浮く薬莢のタイミングを合わせ6つ程シリンダーにすべり込ませる。

‐二つは上に弾けたな

‐弾だけにな

‐まぁいいさ

 

 銃身を戻し、ハンマーを引く。

 エリオの槍、ストラーダの先に当たるように狙いを定める。

‐発射角計算

‐反射角計算

‐計算完了

 トリガーを引き、反動で銃身が上に跳ね上がる。同時に次の為にハンマーを引く。

‐魔力弾3発、射線上に

‐狙え

‐BANG!

 一つ。

‐バン

 二つ。

‐ドン

 三つ。

‐フリードリッヒ確認

‐撃て

 

「え?」

「ふむ、残念だったな、少年」

 

 槍が跳ね上がり両手が上がってるエリオの腹部に膝を入れて、跳ばす。

 壁に打ち付けられたところを確認して、撃つ。

‐まぁバインド弾だから怪我もせんだろ

‐ふむ、6発打ち終えたな

‐ならそろそろだ

 

「ハァアアアアアアアアアア」

「おっと、来たな」

「スバル!」

 

‐両名確認

‐いやはや姿を現すかね

‐残弾が尽きたからといって

 

「まだまだ甘いね、お嬢ちゃん」

「ウォオオオオオオオオオ!!!!!」

 

 ゆっくりと銃身を折れば、空薬莢が飛び出し、新しい薬莢が空から落ちて、シリンダーの中に入り込む。

‐計算してる方が勝ちってね

 

 銃身を戻す動作と狙いを定める動作を同時に。

 

「訓練は昼もあるようだ。残念無念、また今度」

 

 銃口は彼女達の額に向いていた。

 

 

 

 

 

 

「いやはや。危なかった」

「余裕じゃないですか」

「あそこでティアナが姿を現さずに狙撃してたら負けてたよ」

「…勝ちを早まった……」

「訓練としては正しいけど、戦闘としてはまだまだ半人前だな」

「くそぅ」

「エリオは手数増やそうな。一発は軽いけど、手数が増えるようならソッチの方がいい」

「ハイ!」

「キャロの強化魔法はいい線いってるよ。バックからの牽制も頭に入れてれば結構頼もしくなる」

「はい」

「スバルは……うん」

「なんなんですか!!」

「いや、ほら、俺と根本的に戦い方違うし。アドバイスできるような事もなくてな」

「そんなぁ…」

「まぁ詳しくはお前さんらの教官に聞きなさい」

 

 後ろにいた高町を指差し、にっこりと笑う。

 冷や汗を垂らす隊員達。

‐いやーこれは相当怒ってるね

‐おー怖い怖い

 

「じゃぁ、まずは御影君から」

「そうそう、俺から…俺?」

「ウン。チョットムコウデオハナシシヨウカ」

「ヤダー、ハヤテタスケテヨー」

「夕君、浮気はあかんよー」

「ちょ、マジで?マジでこのまま説教ルート?え?これってアレだよな俺の役目じゃなくてユーノとかスメラギとかの役目だよな?」

「レイジング・ハート」

『all right』

「よくねぇよ!?よくなんてないんだからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「ふむ、随分疲れてるなぁ」

「お前も高町の説教喰らうか?至近距離で溜まる収束砲撃が目に焼きついて離れないぞ?」

 

 完全にダウンしてるようで、部屋の机に顎を乗せてゾンビのように声を出す夕君。

 オッパイが机と夕君の間で!!

 

「その中に入りたい」

「もうお前隠す気ないだろ」

「テヘッ!」

「あーはいはい」

「つれへんなぁ」

「釣れてるけどな」

「釣ったのは最初だけやって」

「そうかい」

 

 後ろから夕君の体に伸し掛かり、抱きつく。

 むぅ…このままおっぱいを効率良く且気持ちよく揉むためにはどうすればいいのだろう。

 そうだ、腕を回そう。

 

「はやて」

「んー?」

「俺の心配はいらないよ」

「……そっか」

 

 どうやら全部バレていたらしい。

 女の人に変えたのもカモフラージュだったが、彼にとって無意味なモノだったのか。

 

「いや、最初はオッパイ揉むのだけが目当てだと思ってた」

「失礼な」

「そうだよな、オッパイを揉むのも目的だもんな」

「そうやで。見くびってもらったら困るわ」

「もう本当になんでこんな人を好きになったんだろ」

「離れる気ないくせによう言うわ」

 

 私自身、彼を放す気は無い。

 放せる気がしない。

 

「まぁ、離れられないさ」

「ふむ、一応理由を聞いとこか」

「俺がこんな姿になろうが、俺だと一発でわかったのははやてだけだからな」

「……いや、犯人やし」

「残念、アリシアもある程度の探りをいれてきた」

「…………ホンマに、夕君って卑怯よね」

「お前に言われたくないよ」

 

 お互いクスクス笑って、私は抱きつく力を強める。

 私はこの人から離れられないらしい。

 

 

 

 

 

 

「あの、はやてさん?」

「んー?」

「いい加減オッパイ揉むのやめてください」

「私は健全なバストアップをやな」

「今は女でも明日には男だよ!!」

 

 




~赤髪褐色美人
 セネターの影響でこうなった。別にコレを書いてる途中で褐色美人とはやての絡みが見たくなってセネターを褐色赤髪にしたワケじゃない。【褐色…そうだ!ザッフィーを模したとでも書けば納得するはずだ!!】とか考えてない。ないったらない

~隻腕
 左腕を切除することによりアンヘルとの結合を完全に解くルート。ちなみに斬ったのはスメラギ様。宝物庫の都合上彼が適任だと夕君が判断。
 アンヘルの蒐集機能や持っていた魔力は夕君に譲渡されたが、魔力タンクに一杯すぎるので適度に使わないと夕君の魔力が暴発して魔法が使えなくなる。夕君はそのことに気づいてるが、使えなくてもどうにかなるか思考で誰にも言ってない。

~デバイス【ハルバード】
 アリシアのデバイス。デバイスというより研究の助手。
 夕君が作成したオーダーメイド品で演算能力だけなら未来予知をこなせる程度に優秀。しかし、言われた事のみしかしないし、マスターであるアリシアのいうことしか聞かない。
 遊び心が大量に入り込んでいて、出てくる言葉はスラング。 実際夕君が作成したのは【成長するデバイス】なので、スラングを教え込んだのは白衣金髪の狂い科学者ということになる。
 形は細長いクリスタルで、色は蒼。

~うへへぇ、にくまんぅ
 もしくはお腹すいたー。寝言としてのテンプレ。

~実家に帰らせていただきます!
 恥ずかしくて真っ赤になってる女の人がいうと、なんというか

~文句の言えない立場
 管理局の美人であるはやての夫なので、殺されるかもしれない。とヴェロッサあたりに脅された事がある

~女っぽいね夕君
 狙ってます

~地獄に蜘蛛の糸
 カンダタ様は神様に弄ばれたのだ!

~コキュートス
~その先の山頂
 ダンテの神曲より抜粋

~管理局のおエライ様
~妻子持ち
 はやてから事情を聞いて許可を出す。もちろん彼は女体化について一切知らない

~mofo
 男に対する卑下する言葉
~yep diva
 了解、女王様
~Hurry the f**k up
 さっさとしろ**野郎
~Shut the f**k up
 黙ってろ**野郎
~save it perv
 黙れ、変態
 英語は苦手なので、ツッコミは勘弁願います

~アインス
 八神家長女
~ツヴァイ
 八神家末っ子

~おっぱい魔人二号
 揉みごたえがだな

~安心しろ。無限バンダナだ
 あのシーンを見ると、え?ってなる

~アリシア産の銃
 リボルバー式の拳銃。中折れ式で折ると薬莢が外に出る夕君に優しい仕様。本当に製作者が優しいならオートマチックピストルでも良かったのだが、製作者曰く「ユウちゃんならどうにかしてくれると思った、あとはロマンは大事」との事。シングルアクションで装填数6発の完全にロマンを追求した逸品。
 魔力弾は薬莢に魔力を込めるか、直接魔力を送る二通りあり、今回使用したのは後者。薬莢が出てくるのは余剰魔力を形にして残さない仕様の為。

~おっぱいリロード
 谷間には四次元空間が広がり、そこから弾丸があれよあれよと出てくる不思議リロード




~アトガキ
 私が持つXラウンダー的な能力が告げてきました。

 はやて様と百合ん百合んしたいお。

 そんなこんなで作成開始。本編を書きながら書いたり色々している内にいつの間にか結構時間を置いてしまいました。
 作成初期はセネターが出たあたりなので、どれだけ溜め混んでるんだよwwと言われても否定できません。
 今回のルートはアンヘルを切り捨てた結果の未来です。腕は完全にアウトでしたが、体の方はアンヘルが消えたことにより治ってきてます。
 そして、はやての私兵、つまりは騎士連中とほぼ同じ扱いで管理局の技術員兼調査員としてお仕事をしています。相変わらず、飛べません。
 
 以前書いたIFではスメラギ君と和解してますが、こっちIFでは和解した、というよりは屈服させたというという方が近いです。
 最初は以前書いたように鮮烈軸に乗せようと思ったのですが、無理でした。


 どこか、自分の中で微妙なわだかまりが残ったままなので、もしかして奇跡的に、ありえない可能性の方が多いのですが、新しく書く可能性もあります。強欲様はお引き取りください。


 まぁそんな感じで、8000字程度お疲れ様です。
 私は結構楽しく書けたので、皆様に楽しんで頂ければ幸いです。


したらば!

2012/10/08
アインツ→アインス
に訂正。誤字報告感謝

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