あぁ神様、お願いします   作:猫毛布

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前書きにて謝罪

一期ラスボスのプレシアさんがもうキャラ崩壊してきた。いや既に崩壊してたけど。

難産…というか、書き上げはしたけどこれじゃない感が拭えない。でも投稿。

一応読まなくても大丈夫です。



もう、なんというか、ごめんなさい


09 優秀な研究員の手紙

『アリシアとフェイトが可愛すぎて私が死にそうなんだけどどうすればいい?死んでいい?でも死んだら悲しむわね。私チョー頑張る。フェイトが嘱託試験に合格して、私も管理局の研究員として名を置くことで裁判がトントン拍子に進んでるわ。

 

しかしながら、嘱託試験で頑張ってたフェイト超カワユス。それを私の横で応援してたアリシアも可愛かった。もう羞恥心も地位も名誉も捨て去ってビデオを録りたいぐらい可愛かった。

 

アースラ…私が攻撃した管理局の船も実は防御されてたみたいで、なかなかにこの艦での私の扱いはいい。ここの提督はまだ話のわかる人間だ。フェイトとアリシアの可愛さ自慢をしたら息子自慢をされた。同時に理解したのは、ハラオウン提督は親バカだということね。

 

アリシアは非常に元気だ。寸分違わぬアリシアだ。アリシア以外の何者でもない。アリシア可愛いよアリシア。

フェイトも可愛いよフェイト。

もう二人一緒に寝てるのを見るだけでその日の疲れがブッ飛ぶわ。翼を授けてどこかへいくわ。

 

 

 

追伸

エネルギー循環機構の論文を送るからレポート書いて提出しろ。

あと白髪の異色目の男がウザい。フェイトとアリシアにちょっかいかけて超ウザい。どうにかしてくれ

 

 

要約するとこんな感じの手紙が着てかなり気分が落下した。ここまで気分を落とす手紙があっていいのだろうか。

‐きっと無い方がいい

‐むしろ無かった

‐そしてレポート書いて提出しろって

‐大学の教授かね、あの人は

大学の教授もまだ優しいさ。

 

手紙とは別の封筒を開けて、数枚の紙を取り出す。

‐魔力を循環させてその循環した力でエネルギーを生み出すのか

‐更にそのエネルギーを使ってさらに循環させる

‐ある種の無限機構か…

‐最初の魔力は微量だが…

‐循環した余剰エネルギーは霧散するのか?

‐こういう事考えてるから次元震起こしたんじゃね?

カット。さてくそ真面目に考えようか。

 

 

 

 

 

◆◆

 

『拝啓、バカ親へ。

こっちは冷房機器のない部屋で蒸されているのに、牢獄にいる筈のアンタが俺より涼しい思いをしていると考えると幾度も世界を壊す力が沸いてきそうです。

ぶっ殺すぞ^^

いい加減に書くのも面倒になったけど書かしてもらうが、フェイトとアリシアが可愛いのは理解したから、もう観察記を送らないで下さい。スゴくイライラします。というか、もうそろそろ四回目になるんだから、三回目の正直とか仏の顔もとか言うだろ?やめろ。

論文について纏めたレポートを送る。研究の足しにでもして貰えるならありがたい。ただ、途中式をわざと間違えて送るな。鬱陶しい。

 

P.S.

アレは知らん。自分で排除しろ。排除してくれ。是非に頼む。

 

要約するとこんな手紙が返ってきた。

もちろん、実際はかなり丁寧な書き方で書かれていたが、内容はこんな感じだった。更に言えば『ぶっ殺すぞ』のところはオブラートにさえ包めてなかった。

 

「あれ?お母さん、また手紙?」

「えぇ。とっても優秀な研究員からの嫌味ったらしい素敵な手紙よ」

「へぇ。でもそのユウシューなケンキューインさんが私の治療法を確立したんでしょ?」

「ある意味ではそうね」

 

金髪のツインテールを揺らし手紙を見たそうに上目遣いになるアリシア。このことは手紙に書くとしよう。

 

「お母さんのケンキューは難しいけど、みんなを幸せにするんでしょ?」

「ええ、そうね」

「ならそれを手伝ってるユウシューなケンキューインさんもみんなの幸せを願ってるんだね!」

「…………そうね」

 

アリシアの当然の問いに私は即答出来なかった。

アレと以前の私はよく似ている。目的の為には手段も外聞も関係ない所などソックリだ。

私が課題を送りつけているのも、彼に感謝してるからこそ…アレが少なからず他人の為になる事をしている、そんな言い訳の為だ。

 

「ただいま」

「あ!おかえりなさい、フェイト!」

「ただいま、アリシア」

「おかえり、フェイト」

「ただいま、母さん」

 

今しがた帰ってきたこの子の為ならアレはきっと何でもする。

単身で悪名高い母を倒しに来たり、虚数空間という絶望の中に自身を危険にさらして私を…フェイトにとって大切な母を助けたり、三日間飲まず食わずでフェイトの姉を助ける為の空想実験を繰り返す程度は確実にする。実際にやっている。

 

「フェイト、ユウシューなケンキューインさんから手紙が来たよ!」

「優秀な?………あぁユウの事だね」

「違うよ?ユウシューなケンキューインさんだよ」

「フェイト、彼は一応自分を秘匿したいのよ」

「あ、なるほど。優秀な研究員さんはなんて?」

「読む?」

「うん」

 

手紙を渡して私はレポートに目を通していく。目を通して…溜め息。

やはり彼の頭の理論面はかなり昔で止まっている。長ったらしい式も公式を使えば短くなるし、そうなる事も証明されている。

 

「惜しいわ…非常に惜しい」

 

今の彼に知識を叩き込めば、確実に有能な人間になる。

彼自身は恐らく望まないだろうが、是非とも彼の意見を逐一聞きながら、論議したい。きっと素晴らしく価値のある議論になるだろう。議題はフェイトの事とか。あぁフェイト可愛い。頑張って日本語を読もうとしてるフェイト可愛い。わざわざ難しく言い回した日本の手紙を書いてくれてる彼に感謝しよう。このフェイトは独り占めだけど。

 

「……………」

 

あぁフェイトの頭から煙が出たのが見えるわ。許容範囲をオーバーしたのね。黒い煙がプスプス上がってる様も可愛い、フェイト可愛い。でも読めないのはいただけない。しかしながら読めるようになればこのフェイトは見れない。

 

「フェイト、貸して。私ならたぶん読めるよ」

「ごめん、アリシア」

「フェイトは嘱託魔導士で忙しいからね。私は今のところ暇だし」

 

にへら、と笑うアリシア。事実娘は生活に支障がない程度にリハビリも完了しているし、暇潰しなのか最近は言葉の勉強や私の研究論文を眺めていたりしている。

早く外に出したいのだけれど、外に出したら出したであの白髪がウザい。

 

「えっと…拝啓、素晴らしき娘を持ち、とてつもなく頭がハッピーなバカへ」

「ダメよ、人の手紙を音読なんて。彼が可哀想だわ」

 

危ない。天使には少しこの文は早い。

なんて手紙を送りつけてくれるんだ。

 

「そういえば、フェイト。今日も何かされたのかしら?」

「?」

「あの異色目男よ」

「あぁライトだね。普通に話してただけだよ。私より忙しいみたいだし」

「そういえば、最近会ってないなぁ」

「アリシア、あんなのに会わなくていいのよ?」

「お母さんはあの人が嫌いなの?」

「嫌いじゃないわ。大嫌いよ」

 

もう本当に娘に手を出すなど…いや、娘が認めたなら、そうアレだ最低でも私の研究を理解して娘の為なら世界を壊す程度してくれる男なら、まぁ認める努力でもしよう。

………………、前提条件は人間であることだ。




~アリシア
アリシア・テスタロッサ。原作では生還しなかったフェイトの姉。人見知りしない元気な子供で自身の治療に一役買っている【ユウシューなケンキューインさん】に恩を感じている。
魔力適性は無く、フェイトと母が罪を償う為に働いているのに自分は何もしていない事を悲しみ、母の為、妹の為に勉強中。専攻は未定だが、エネルギー工学かデバイス関係に興味があったりなかったり。


~プレシアさん
もはや一期終盤の影も形もない親バカ。好きな研究が出来て娘二人と犬一匹のスンバラシイ生活を送っている。
病を治癒してくれた【優秀な研究員】に感謝はしてないが、娘の治療に命をかけた馬鹿には結構感謝している。


~フェイト
嘱託魔導士として頑張っている金髪のツルペタ。愛犬のアルフと共に指令をこなしていく。現在の所属はアースラ。
帰ってきたら母と姉が迎えてくれるので日々の帰宅が少しずつ楽しくなっている。仕事が終われば即直帰する。帰省本能の強い犬のように帰宅する。

~【優秀な研究員】
管理局の研究員達の注目の人物。研究成果が緻密且つ正確なことで噂が蔓延っている。性別年齢一切不明で唯一繋がりを持つプレシアも件の人物については口を閉じている。
なお手紙の発行でバレる可能性もあるが、プレシア様が司法取引の一部に言及しているので大丈夫な筈。


~異色目の男
プレシアの娘二人にちょっかいをかけてくる男。名前はアレとかソレとか、ライトとか。
現在は自身のレアスキルと魔導士ランクを売り込み、階級は一等空士。ただし彼の能力を高く見た管理局によりある程度の自由行動は黙認されている。

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