ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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四年前、クラナ地区にある頑丈な分厚い木で出来た門の前にゆっくりと一台の車が静かに止まる。扉を黒スーツの男性が開け、秋月ユウキと妻メイが姿を見せる。その手には顔を俯かせ虚ろな瞳を見せる二人の子供秋月タカヤが降りたと同時に門が開いた


「ユウキ、メイ、よくきたな………タカヤは?」



「義父さん、タカヤならここに」



「………あ」



「はじめましてだな、ワシは秋月オウマだ。お前のおじいちゃんだ」



「…お、じい………ちゃん?」


虚ろな目を向けるのを見て胸が痛む。孫が、タカヤが誘拐されたと聞いたワシはあらゆる手を使い探した……しかし見つからず一年後に見つけ出した時にはガンプラマフィアというヤツらに孫は記憶を奪われていた


だがここならばガンプラマフィアの手は届かんしワシが経営する学園に通わせ護衛をつければ問題ない





「タカヤ、ワシが必ず守ってあげよう………悪い奴らは全部おじいちゃんがお仕置きしてあげるからのう。ほら高い高~~い」



「おじ…ちゃん……」




肩車するとギュッとしがみついてくる。さあ、来るなら来て見ろガンプラマフィア。もしワシ等の縄張りに一歩でも踏み入れたらは。そん時はケジメつけてもらうおうか。



ヤクザの身内に手ぇ出したことを後悔させてやるからな









第十二話 修理とドキドキバスタイム♥《前編》

『ふふふ、少し動きが遅くなったわね?太ったのかしら?』

 

 

 

『そういうアナタも少し鈍ったんじゃないの?腰が入ってないわよ!』

 

 

 

『言うわねクイント!でもワタシも負けられないの……ユウキから沢山の愛と元気をもらったから元気百倍、いえ千倍よ!!』

 

 

 

『…変わったわねメイ!昔は男嫌いだったのに!!』

 

 

 

『…ふふアナタもね!まさかパパ専に走るなんてね!!』

 

 

『な!あ、そういうメイも人の事いえないでしょうが!!私はアナタの逆光源氏計画と違ってゲンヤとは清い関係で結ばれたんだから!!』

 

 

 

『む!逆光源氏じゃないわ!この渋パパコン(逆援助交際)!!』

 

 

 

『いったわね少年愛好者(ショタコン)!!』

 

 

 

凄まじい速さで拳と蹴りを放つけどメイの大型ヒートホークの分厚い刃が盾代わりになり防いでいく。メイ、あまり言わないほうが。会場の皆がみて聞いているんだらね!?

 

 

それに…

 

 

『ク、クイント!?やめろったらコレ以上止めろ!やめるんだああああ!!』

 

 

 

イフリートナハトを操るゲンヤさんも集中できずに攻撃するからムラがあるし、僕も気が気でないし…コレ以上は互いのプライベートがさらされてしまうし、やるしかないかな

 

アームレイカーを傾けメイ、クイント先輩がいる場所…廃ビルを砕き破壊し辺りを更地に変えていくハルマゲドンな戦場へとウーンドウォートをMAに変形させ向かった

 

 

ほんと昔から変わってないな二人とも…

 

 

 

第十三話 修理とドキドキバスタイム♥《前編》

 

 

 

 

『……皆様、大変な事がわかりました!現在試合中のチーム・シュバルツ、G&Qのメンバーが判明しました…なんと元世界ランカー八位の秋月メイ、ビルドマイスの秋月ユウキ、そして《荒野の迅雷》中島ゲンヤ、《神無拳》中島クイントだとわかりました!五年前のクラナ地区で開かれた第2回世界大会予選で死闘を演じた二人の女性ファイターが再びぶつかり合ってます!!』

 

 

 

やや興奮して解説しているミツキの声を耳にしながらアームレイカーを操作し、クイントの攻撃を大型ヒートホーク《ガオウ》で裁きしのいで、隙あらば斬りつける。でも寸前でかわされ蹴りが襲いかかるけど刃を正面に構えて防ぐ、アームレイカーにビリビリと衝撃が伝わってきた…ふふ、訂正するわよクイント、五年前より重さもスピードも速くなってるわね

 

 

廃ビルの壁面を上昇しながらガオウを回転させ刃をスライドさせる…グリップカバーが開き握り伸びた砲身を、むけ迫るクイントのリヴォルヴァー・Gにねらいを定め撃つ。足元の外壁に水しぶきのように弾け火線が伸びるのを予想したかのように交わしていく

 

 

 

『相変わらず正確な射撃ねメイ!でもそれがアナタの命取りよ!!』

 

 

 

何を思ったのか拳を向けたまま動きが止まる。いったいなにをする気……

 

 

 

 

『いくわよリヴォルヴァーG!衝撃のおおおッ、ファアアアアアストブリットオオァ!!』

 

 

拳…腕にある六連シリンダーが回った次の瞬間、リヴォルヴァーGの姿が消える…ぞくりとした瞬間、ガオウを重ねるように構えた時、激しい衝撃と振動に全身を揺さぶられた。な、なにが!?と目を向けるとリヴォルヴァーGの拳の基部から粒子がバーニアのように放出されヒートホークの刃にめり込んで亀裂を起こさせてる

 

 

『さすがねメイ、リヴォルヴァーGの必殺攻撃を防ぐなんて…』

 

 

 

『お生憎様、ユウキが私の為に作ってくれたガオウはだてじゃないのよ』

 

 

 

殴りつけた反動を利用して距離を取るリヴォルヴァーGに軽口を叩く。でもとっさにガオウを盾にしなければ私は負けていた…そう思うと冷や汗が頬を伝うのを感じながら二つのガオウのうち一つに目を向ける。刃は愚か基部部分にまで亀裂が入ってる…コレ以上の戦闘に耐えきれない。もう一つはまだ無傷だけどさっきのを受ければ攻撃手段がなくなる。ザクリベルタスの切り札を使うには時間が

 

 

 

『コレで決めるわよ!リヴォルヴァー!撃滅のオオオオオッセカアアアンド、ブリットオオァ!!』

 

 

 

クイントの声が思考の海に浮かぶ引き戻し見えたのはさきほとどは違う輝きを纏うリヴォルヴァーGが拳を突き出しながら加速してくる姿、とっさに進行方向上にガオウを投げ残された一つをガンモードに切り替え構え引き金を絞る。砲身下部カバーが開きグレネードが撃ち放たれ破損したガオウに着弾、閃光に包まれ爆発

 

 

コレなら…

 

 

 

『………甘いわよメイ!私のセカンドブリットは終わってないわよ!!』

 

 

爆煙を抜け飛び出してきたのは無傷のリヴォルヴァーG…みると全身を粒子フィールドが輝いている。まさか防御にも使えるの!?背後へ飛びガオウをガンモードに切り替え牽制する。でもそれは防がれまっすぐ突撃し迫る…避けきれないって感じた時、何か黒い影が躍り出た瞬間爆発、瞬く間に爆風が飲み込むけどダメージが少ないことに疑問を感じた私に通信が入った

 

 

『ふ~間一髪だね』

 

 

 

『ユ、ユウキ?なんで!?』

 

 

爆風が晴れた先には白銀に輝く機体…私のユウキが操るTR-6《ウーンドウォート・ソル》が巨大なシールドを構え守るように立つ姿に思わずドキってする

 

 

『対物反応装甲《リアクティブシールド》うまく使えたね…メイ大丈夫?』

 

 

 

『え、ええ……ユウキは』

 

 

 

『僕なら大丈夫。メイが無事でよかっ………ん?』

 

 

巨大なシールドをパージ、荒れ果てた地面にゴスンと落ちる…その先にはリヴォルヴァーGをイフリートナハトが抱き抱えるように廃ビルを背中に立っている

 

 

 

『あ、あなた!?』

 

 

『大丈夫かクイント……ケガはないみたいだな』

 

 

 

『なんで、こんな無茶を…イフリートが』

 

 

 

『あのなあ、オレの大事なカミさんが危ないのを指くわえてみてられるかよ。ったく一人で熱くなりすぎだ』

 

 

 

『……そ、それはアナタのコトをメイが』

 

 

 

『そ、それよりだ。ユウキ達が体制を立て直す前に仕掛けるぞ…オレがバックス、クイントがアタッカーでだ……いつも通りに決めて勝ち上がるぞ。最後のブリットの使いどころはオレが指示してやる』

 

 

 

『わかったわ。ゲンヤ……二人で勝ちましょ』

 

 

 

『じゃあ、いくか………オレとクイントのペアバトルを見せてやろうぜ!!』

 

 

 

モノアイ、ツインアイが輝くと加速し接近してくる…さっきとはまるで違うのがわか。アームレイカーを握る手に汗がにじんでいる。懐かしいわね…この気迫と緊張感は世界大会で感じた時と変わらないわ

 

 

 

『メイ、僕たちもいくよ………それまでにアレを』

 

 

 

『わかってるわ……いくわよザクリベルタス!!』

 

 

 

スロットバーからユウキから受け取ったビームバズーカー、六連ロケットランチャーを構え狙いを定め撃ちながらユウキのソルと共に荒れ果てた都市のアスファルトを滑るように加速していく。ビームバズーカとロケットランチャーの弾幕を抜けた現れたのは予想通りクイントのリヴォルヴァーG。眼前に迫り拳と蹴りが襲うのを紙一重で交わし距離をとろうとした

 

 

『そこだ!』

 

 

 

リヴォルヴァーGの背後からイフリート…荒野の迅雷ゲンヤが飛び出して肩にマウンドされたクナイを投擲する。でも当たる寸前に背後から伸びたビームに溶かされた爆発した。

 

 

 

『油断をしないでメイ!次の武器を!!』

 

 

 

『わかったわ!』

 

 

 

膝アーマ…ガンキャリアから射出された無数の円盤《地雷》が連結された武器。迷わずつかみ鞭のようにしならせリヴォルヴァーGへ叩きつける

 

 

 

『チェーンマイン?しまっ!』

 

 

『クイント!!』

 

 

 

リヴォルヴァーGに巻きつく寸前、イフリートが割り込むやいなや良腕ぶ六連マシンキヤノンで迎撃、信管が起動し爆発、煙の中から左腕を失いながらイフリートがヒートサーベルを逆手に構えて切りかかりわずかに動かし交わすけど左肩高出力バーニア外装が逆袈裟に切り裂かれ爆発、バランスが崩れた

 

 

『メイ!こんの!!』

 

 

 

ショートバレルビームライフルを構えソルが至近距離で私を守るよう撃つ…イフリートの装甲がビームで穿たれて火花が散るもガシリとソルが鯖折りのように拘束された

 

 

『な!抜け出せない!!』

 

 

 

『いまだクイント!コイツはオレが押さえる!!いけ!!』

 

 

 

『わかったわゲンヤ!いくわよリヴォルヴァー!抹殺のオオオオッ、ラストッブリットオオオオ!!』

 

 

 

クイントのリヴォルヴァーG…腕部シリンダーが三回撃鉄を鳴らすと、今まで以上の粒子フィールドと放出量が嵐を巻き起こし、ふわりと浮いた瞬間地面と乱立する廃ビルが粉々にくだけ爆発的に加速、迫ってくる

 

 

『いまだメイ!』

 

 

 

『わかってるわ…いくわよザクリベルタス………』

 

 

ユウキの声に応えるようにアームレイカースロットをSPスロットに合わせた…ザクリベルタスの両肩高出力バーニアに光が集まり、ランドセルにあるユニットから光の翼が輝き開いた

 

 

『ザクの縛りより今こそ解放され羽ばたけ!……』

 

 

リヴォルヴァーGの拳が届く前にアームレイカーを傾ける…重力から解き放たれたようにスレスレでかわす。でも胸部装甲がひしゃげた。なんて拳圧なの?もし発動が遅れていたらと思うひやりとする

 

 

 

『よくかわしたわねメイ!でもまだまだ終わりじゃないわ』

 

 

『そう、なら楽しめるわね!!』

 

 

 

水色の粒子フィールドに包まれたクイントのリヴォルヴァーG、紅く輝く私のザクリベルタスが何度もぶつかる度に廃ビルが砕けていく。同時に私たちの、機体も亀裂が走っていく

 

 

『クイント!』

 

 

『メイのところにはいかせません!!』

 

 

 

『ち、やるなユウキ!』

 

 

 

 

『アナタこそ、さすがは荒野の迅雷ゲンヤだ!!』

 

 

 

ユウキも戦っている……バトルが苦手なのに私のために練習してきて今じゃあの荒野の迅雷と渡り合えるファイターになってる。かっこいいわよユウキ、さすがは私の旦那様よ

 

 

 

『よそ見してる暇あるのかしら!そんなに心配?』

 

 

 

『心配、確かにそうね。でも、ユウキは負けないわ……クイント、今回も勝たせてもらうわよ!!』

 

 

アームレイカーを強く握り最後の武器ガオウを振りかぶる…でも拳が刃を捉え競り合うけど亀裂が走り砕け粒子フィールドが消えた

 

 

『私の勝ちみたいねメイ!』

 

 

 

誰の目からも見て獲物を失った私には勝ち目が無いって思うでしょうけど、この瞬間…粒子フィールドが消えるのを私は待っていたの!ザクリベルタスの拳に赤い光があつまり収束、やがて真紅に手が輝いた。コレがユウキが私の為に作り上げた最強の必殺技

 

 

その名は……

 

 

 

 

『燃え上がりなさい!リベルタスブレイカー!!』

 

 

真紅に輝く手を堅く手刀に固め、懐深く潜り深々と胴へと叩き込む…機体を持ち上げながらプラスチックを穿ち内部で手を広げていく……

 

 

『そ、そんな……私のリヴォルヴァーGが……』

 

 

 

『………塵芥に砕けなさい!』

 

 

 

内部から光があふれ爆発、力なく地面に落ちるリヴォルヴァーGの瞳から光が消えた……強くなったわねクイント。世界でも十分通用できるわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クイント、まさかリヴォルヴァーGが』

 

 

 

『やったね……なら僕もやらなきゃね……いくよソル』

 

 

ショートバレルビームライフルをホルダーに収め変わりに背部に牽架した武器を取り出す…コレは僕がメイとの練習バトルで思いついた武器…極厚の刃にスラスターが目立つそれを握り構えた

 

 

 

『(な、なんだその武器は)…だがその軽量級のウーンドウォートじゃ振り回されるだけだ』

 

 

 

『振り回されるかどうかは戦って、みてから決めましょうかゲンヤさん』

 

 

 

ウーンドウォート・ソルを大剣を構え加速しイフリートに迫る。ゲンヤさんはあのラル大尉と並ぶ実力者、ファイターとしてまだ未熟な僕は負けるかもしれない、届かないかもしれない…でも負けられない理由が僕たちにはあるんだ!

 

 

『どうした!振り回されているぞ!!』

 

 

 

『まだまだ!ソル、もう少しだけ力を貸して!!』

 

 

 

 

怒涛の速さで放たれるヒートサーベルの斬撃を大剣で防ぐ…必ず勝機はあるはずだ。見極めろ相手のガンプラの可動範囲を作り込まれているとしても可動範囲の隙間は必ずある

 

 

 

『どうした!俺に勝つんじゃなかったのか!!』

 

 

 

『うわ!?』

 

 

 

盾変わりにしていた大剣に重い蹴りがはいりたまらずよろめいた…そのときイフリートの動きに隙が見えた…荒野の迅雷ゲンヤさんを倒せるのか?僕に……いや必ず出来る!!

 

再び大剣を盾に立つ。こちらの様子を伺いながらもゲンヤさんはイフリートで再び切りかかってきた

 

ウーンドウォートの関節も悲鳴を上げている……あと少し耐えてくれ……そして逆袈裟に切り払おうとした瞬間、隙が見えた、いまだ!迷わず大剣を逆袈裟の流れ方向に滑らせるように刃を流し受け、剣身に設けられた大出力バーニア前回で大きく胴を捉えた

 

 

 

『な、なに!まさかイフリートの動きを見切ったのか!?』

 

 

 

『い、いっけええええ………スーパー・大ッ切ッ断アアアアア!!

 

 

メキメキと胴に刃が食い込んでいく感覚をアームレイカーに感じながら力任せに振り抜いた。目に映ったのは左斜め上に切り払われたイフリートの下半身、ゴトリという音と共に落ちた上半身、モノアイから光が消えた

 

 

 

     ーBATTLE・ENDED!!ー

 

 

 

 

 

『し、勝者!チーム・シュバルツ秋月夫婦ペアです!!』

 

 

 

 

静まり返った会場から拍手が鳴り、やがて歓声に包まれた……初めての公式バトルだったけど全力を出し切出し切れた、なんか気持ちいいかな。GPベースとガンプラをキットケースに納め挨拶し歩き出そうとした時、柔らかな何かが顔全体にぶつかり包み込んだ

 

 

 

 

「ユ~ウ~キ~♪」

 

 

 

「う、うわあ?メイ!なにしてるのさ?むぐ!?」

 

 

 

「スッゴくかっこよかったわ。さすがは私の旦那様♪コレはご・褒・美・」

 

 

 

「ま、待ってみんな見てるから!それにキミのが当たってるから!!」

 

 

名残惜しいけど柔らかで甘い匂いがする胸から逃れたんだけど、メイにスイッチが入ってるし!?本気のバトルやったから興奮してるんだ

 

 

 

 

「なに照れてるのユウキ、最近また出るようになったからって吸って、抓ったり、はさませて亀さん?こんにちわ~させたりしてるのに」

 

 

 

「い、いや!やめて!!これ以上は放送禁止ワードになるからね!?」

 

 

 

「それに、もう欲しいの………朝の分じゃ足りないの…だからね」

 

 

ヤバい、ヤバイ誰か助けて!そうねがった僕に神様が微笑んだ

 

   

 

「あ~話中、わるいんだけどよ。すこしいいか?」

 

 

 

「え。えとアナタは…荒野の迅雷……中嶋ゲンヤさん」

 

 

 

「なんだ知ってたのか、こうして会うのは五年ぶりだなユウキ……白銀の裁定者。前に戦った時より成長したみたいだな」

 

 

 

 

「まあ、メイが付きっきりで鍛えてくれたんで、そのおかげですよ……で、僕に何か?」

 

 

 

 

「………この大会にガンプラマフィアが入り込んでる……」

 

 

 

「え!でも」

 

 

 

「…とにかくだ俺んとこでも調べておく。あとヒロシがコッチに向かってるらしいから詳しくは聞いてくれ。と、言い忘れてた……最高のバトルだった。次は負けねえからな」

 

 

 

「はい、次も勝ちにいかせて貰いますよ…ゲンヤさん」

 

 

 

「いうじゃないか。じゃ、またな……」

 

 

 

 

固く握手すると歓声がわき上がった。でもガンプラマフィアが大会に参加している……ファイター登録には必ずミツキちゃんが目を通してる筈、不審な改竄データがあれば見逃す筈はない

 

 

ガンプラマフィアの目的はカレトヴルッフかもしれない……でも嫌な予感がしてならない……

 

義兄さんの作ったカテドラルガンダムのパーツを組み込んだガンプラが現れた事も何らかの前触れかもしれない。メイが気になり声をかけようとしたけど

 

 

 

 

「メイ、私に勝ったならば必ず勝ちなさいよ」

 

 

 

「もちろんよ。でもアナタのファザコンは治ってないみたいね~たしか中学生の時よねゲンヤに告白したのは……」

 

 

 

「な、な!ファザコンじゃないわよ!そういうメイだって少年愛好者で男嫌いじゃなかったかしら?《黒髪の魔王》って呼ばれてたあなたがね」

 

 

 

「ち、ちがうわよ私が男嫌いだったのは下半身的な考しかしないバカばっかりで……でもユウキはあの時の私を怖がらなかったし、助けてくれたし……あとショタコンじゃないわよ」

 

 

 

 

「ふふ、すごく大事にしてくれてるのね…ならうちのノーヴェとタカヤくんがつき合うのは大丈夫かしら?」

 

 

 

「いいわよ……って、だめ!タカヤにはまだ早いわよ!!」

 

 

 

 

「なにが早いのよ?あなたがそんなこと言えるの?」

 

 

 

ははは、余計な心配だったかな……さて次の試合が始まる前に筐体をあけなきゃな。僕は苦笑いしながらメイと言い争うクイントさん達がいる場所に軽く額に頭に手を添えるゲンヤさんと一緒に歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでこうなってるのさ?

 

 

 

 

「少年、湯を流すよ……熱くないかい」

 

 

 

「タカタカ、じっとしててね…むう、うまく洗えないじゃないか~」

 

 

 

 

「こら、動くんじゃねえよ……ああ、もう痛いだろうが」

 

 

 

 

湯気が明かりに照らされ、目の前には黒髪をサイドテールに纏め白い湯浴み着姿のミカヤさん、左側にはレヴィ…白スク水姿で腕に胸があたってる、いや挟まれてる、右側にいるノーヴェさんは……なぜ青ビキニ?柔らかい手がその腰に添えられてて逃げられない

 

 

 

な、なんでこんなことになったのさ!?

 

 

 

 

第十三話 修理とドキドキバスタイム(前編)

 

 

 

 

後編に続く!!

 

 




大事を取りブレイドと共に帰宅したタカヤ…身体が動かないタカヤくんを看病するために、三人の乙女が立ち上がったのです


第十三話 修理とドキドキバスタイム♥



タカヤは生き残る事が出来るのか?



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