ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

11 / 54
特別話 ガンプラハロウィンパーティー《後編》

「………っ!そこだ!!」

 

 

凸凹したオレンジ色の荒れ地をかける…フォースインパルスガンダムを操りながら、ジムスナイパーⅡの精密な射撃をスレスレで身体を捻りかわして、一気に間合いを詰め左腕に装備された盾?から大剣が展開、大きく横に振り抜いた

 

ジムスナイパーⅡも負けずにライフルを捨てビームサーベルで防いだ。でもこれは本命じゃない、右腕の盾の間から厚めで短めのソードを出して反動を利用してターン、胴体を切り払った

 

『うわっ!負けちゃった!?』

 

 

「…ふう、あのまま打たれ続けてたら負けたかも…」

 

 

泣き別れになったジムスナイパーⅡのファイターの声と同時に爆発するのを見届け、アームレイカーを傾けその場を離れる

 

 

今日、近所の子供達とチームブレイドのみんなでサエグサ模型店のバトルルームを借りて開かれたガンプラハロウィンパーティー…みんなが今日の為にミツキさんが用意したガンプラを作って互いに交換してからガンプラバトルを一斉に初めて五分。十六人いたけど今は畢ちゃん、トオルくん、シロウくん、ミカヤさん、レヴィ、ノーヴェさん、香澄さん、そして後一人いるみたい

 

「まけるな~おにいちゃん!!」

 

 

「ノーヴェ、がんばれ~!」

 

 

「タカヤく~ん。がんばって~♪♪」

 

 

 

「ふふふ、今日こそとっちゃいなさいレヴィ(色んな意味で!?)!」

 

 

 

 

…負けた人たちとギンガさん、クイントさん、レヴィのお姉さんのアリシアさん、ブレシアさん?たちが僕たちのバトルを楽しみながら応援してくれている……今日は最後まで楽しいガンプラをやりたい

 

 

「うわっ!?」

 

 

 

警報と共に無数のビームが襲いかかる。とっさにアームレイカーを引き背後に飛び機影を捉えた

 

 

 

特別話 ガンプラハロウィンパーティー(後編)

 

 

 

「ハロウィン限定ガンプラバトルもいよいよ大詰めとなりました。現在まで生き残ったファイターは七人、まずはトオル・フローリアンくん。使用ガンプラはイフリート・ナハト!機動戦士ガンダム戦記に登場するMS。発売当時わずか数分で完売したの名機です!」

 

 

 

「イフリートナハト、ランスロットガンダムより遅いけどなんかしっくりきていいな!」

 

 

 

アームレイカーを動かしグレイズアインの蹴りをスレスレで交わし跳躍ざまにクナイを投げ牽制しバーニア全開で迫りヒートソードで二閃、胴体が二つに切り裂かれて爆発する中、モノアイが輝く

 

 

 

「続きましては今回、スペシャルゲストとして招いた畢ちゃん。使用ガンプラは伝説の大将軍編で結晶鳳凰(クリスタルフェニックス)と武者真亜駆参(マークスリー)が一時的に融合し誕生した幻の大将軍!《頑駄無真亜駆参大将軍》!!」

 

 

「………これで決めるのだ!」

 

 

 

「え、うわあああ!!」

 

 

頑駄無結晶から生まれた光をまとう真亜駆参大将軍へビームライフルを乱射するVガンダム…しかし弾き返され接近し交差、いくつもの光が走り技を解いた時、ずれ落ちるように崩れ爆発した

 

 

「なかなか良い射撃なのだ…」

 

 

頑駄無結晶を輝かせ立つ姿は威風堂々、迷いすらも感じない。その姿に負けたのにも関わらず満足した顔を見せていた

 

 

「そして、二人目のゲストは獅童香澄ちゃん。使用ガンプラは機動武闘伝Gガンダムに登場するネオドイツ代表が駆るガンダムシュピーゲル!!」

 

 

 

「ふふ…ガンダムシュピーゲル、忍者の武器がたくさんあるし使いやすい………でもドラグーン対策は出来る!」

 

 

「な、なんでドラグーンが!?なんか分身してるうううう!?」

 

 

 

「獅童流とあわせた必殺!疾風怒濤の嵐《シャツルム・ウンツ・ドランクウウウ》!」

 

 

 

「ぐぐう!?!」

 

 

 

自身が高速回転し竜巻へ身を変え、プロヴィデンスガンダムを飲み込み、その嵐の中では無数の剣閃がきらめきやがて嵐が解かれると僅かな間を起き爆発。ブレイドを軽く振るいおさえるシュピーゲルの瞳が輝いた

 

 

 

 

「まだまだ続きます……え、なに、時間があまりない…え~「とりあえず機体とそれを駆るファイターだけに限定しろったら姉貴」……はいはい。じゃあ簡潔にいくわよ。レヴィ・テスタロッサちゃんは機動戦士ガンダム00に登場したスローネドライ、クギミーボイスじゃないのは少し残念かしら。天瞳ミカヤちゃんは機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ外伝《月鋼》のアスタロトオリジン(タカヤくんが作ってるのわかってるわね~あ、抱きしめてるし)。で、中島ノーヴェちゃんは……サエグサ模型店の新製品《MS娘》のカスタム機で《サムライミカヤ》(うわ……ミカヤちゃん。短期間でかなり作り込んでるわね。パージしたらタカヤくんがやばいかも)………あとは神崎シロウくんは機動戦士ガンダムUCのシナンジュ、ユアちゃんのSEEDのストライクマルチプルパックの以上です。引き続きガンプラバトルをお楽しみに~」

 

 

 

ミツキさんのかいつまんな説明を聞きながら降り注いく極太の赤黒いビームの雨…すごく正確な射撃だ…最大で拡大して見えたのは機動戦士ガンダム00に登場するスローネドライがこちらに接近してる、まさか…

 

 

『見つけたよタカタカ!今度は負けないからね!』

 

 

 

 

「レヴィ!?………うわっ!?」

 

 

スローネドライ…レヴィの攻撃をかわすけど、動きを先読み予想してスレスレで狙い撃ってくる…

 

 

 

『そんなに動かないでよぅタカタカ!!』

 

 

「当たったら危ないから!?」

 

 

『んぅ~タカタカのいじわる!いつもボクが朝に起こしに来てるんだから当たってよぅ!!』

 

 

 

「た、確かにそうだけど!ガンプラバトルには関Ke…」

 

 

 

『………………それは初耳だね少年…』

 

 

風を斬る音にとっさに身を横へ動かすと真紅の装甲が目立つ機体が身の丈の半分ほどある無骨な造りのハンマーをフルスイングし地面を砕く姿…これは僕が作った機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ外伝《月鋼》で300年前に起きた地球と火星をまたぐほどの戦争《厄際戦》を集結させたガンダムフレームの一機《アスタロトオリジン》が食い込んだハンマーを引き抜いてる。それに今の声はミカヤさん!?

 

 

『毎朝起こしに来てもらっている?どういう意味かな少年?』

 

 

「い、いや!ミカヤさん、コレはレヴィが父さん達に頼まれたからって……」

 

 

『……(な、なに!ユウキお義父さま、メイお義母さま!なんと軽はずみな事を間違いを起こしたらどうするつもりなのですか!なんと羨ましいことを。私に言ってくれれば……私ならば毎朝、タッくんの寝顔を見ながら髪を鋤きながら起こして、部屋を後にしたら毛布に染み込んだ香りの上から私の匂いを枕にしっかり染み込ませるのに………)……レヴィ、悪いが私が勝ったらその羨まし……役目を引き継ごう』

 

 

 

『え~やだよ…(タカタカって寝顔すごく可愛いし、でも寝相が悪くて何回も引きずり込まれて、ボクをぎゅって抱き枕みたいにされて耳を甘噛みされて息がかかるとなんかドキドキってしたし気持ちいいし……譲れないよ。ボクだけの特別だから!)』

 

 

 

「あ、あの~二人とも……」

 

 

 

『……………タカヤ、今の話マジか?』

 

 

睨み合う二人を宥めようとした僕の後ろから声が響く…ぎごちなく見るとノーヴェさんのガンプラ…MSガンプラ娘《サムライミカヤ》が刀を鞘走らせ首に刃を突きつけてくる

 

こ、怖い!サムライミカヤの瞳から光が消えてるし!?

 

 

 

「あ、あの……コレはそのう…」

 

 

 

『……決めた、アタシも朝起こしにきてやる!なんならメイドでもやってやるし!!(これ以上、リードされてたまるか……それにアタシだってタカヤの寝顔を焼き付けたいし!)』

 

 

 

『ほう。言うねノーヴェ………あの時の決着をつけようか』

 

 

 

『あん!?やるのか……なら手加減なしだ!!』

 

 

 

『ボクもやるんだから!タカタカを起こすのは渡さないよ!!』

 

 

僕の前で啖呵を切りあうのが合図のようにアスタロトオリジンのナノラミネートハンマー、サムライミカヤの日本刀、GNビームサーベルがぶつかり合い激しい衝撃波が大地を揺るがしてる……は、早く止めなきゃとアームレイカーを動かそうとしたら誰かに肩をおかれた

 

 

『落ち着けよタカヤ、あん中入ったらヤバいからさ……シュテルがいたらなんとかなるけどさ…』

 

 

 

『そうだぜ……ディアーチェも怒ると似たような感じだし……』

 

 

 

「トオルくん、シロウくん……でも…」

 

 

 

『まあ、ほっとけ……それより今はガンプラバトルやろうぜ!いくぞシロウ!今度こそ勝たせてもらうぜ!!』

 

 

『ああ、たくさん盛り上げて最高のハロウィンパーティーにしようぜ!いくぞトオル!!』

 

 

 

シナンジュ、イフリートナハトがヒートソード、ビームサーベルをぶつけ切り結んでいく…そうだった今日はガンプラハロウィンパーティー……ならば盛り上げないと。インパルスガンダムを動かした時、無数のビームが連続して飛んできた。とっさにかわすけど左膝にあたり、僕の膝に痛みが来た

 

 

 

「痛っ!」

 

 

 

『さすがだねチームブレイドの秋月タカヤさん』

 

 

空から接近してるのはあの子が組んでいたストライクガンダム・マルチプルパックがビームライフルを構える姿……バスター、ソード、エールを一つにしたストライカーを装備している。

 

 

 

『わたしはユア。さあミツキおばちゃんから話は聞いていたよ。やろうガンプラバトルを!』

 

 

 

「じゃあ君がミツキさんが言ってたユアちゃん?ならやろうかガンプラバトルを!」

 

 

膝が痛むのを我慢しながらフォースシルェットのバーニアスラスター全開にし、飛翔と同時に左盾から折り畳まれた砲身を伸ばしチャージすると、ユアちゃんも

アグニを構え撃ってくる…当たればひとたまりもないビームをアームレイカーを細かく動かし、かわしチャージ完了したレールガンで避けながら引き金を引く。狙いはアグニの粒子パック。音速を超えたレールガンの弾が粒子パックを貫いたのをみてユアちゃんはアームごとアグニを切り離すと僅かに体制が崩れた

 

 

 

「いまだ!!」

 

 

『まだ甘いよ!』

 

 

背中から対艦刀《シュベルトゲベール》を抜き構え振りかぶりながらバーニアスラスター全開で向かってくる…とっさに左腕の盾からガトリングを展開しガトリングをばらまく。コレでは足止めにわずかな時しか無い。でもそれだけで充分、やや錐揉み状態になりながら接近、シュベルトゲベールが僅かに遅れて右肩装甲へ深々と食い込むように切り裂いていく

 

 

『右肩、とったよ!わたしの勝ち…っ!?』

 

 

 

「いや…僕の勝ちだ………でも、ユアちゃんは強いな。次はお互いのガンプラでやろう」

 

 

『もちろん、次は私が勝つからね』

 

 

シュベルトゲベールだ肩を半分切り裂いて止まる。肩に痛みを感じながら右腕の盾の正面スリットから展開したビームダガーが深々と切り裂いていき、ユアちゃんとの再戦の口約束と同時に切り払った

 

 

「はあ、はあ………痛ッ………」

 

 

 

あの大会で目覚めた力《アシムレイト》からくる肩の痛みに耐えながら、あたりを見た時三人がいるあたりから大きな爆発音が響く…インパルスを向かわせた僕の目にはアスタロトオリジン、スローネドライ、外装がパージされさらしを巻いた胸と破けはだけた袴姿のサムライミカヤがクレータの周りに倒れ伏している。

 

 

「大丈夫みんな!」

 

 

 

『あ、ああ、やられたよ…』

 

 

『うう、また負けたああああ~』

 

 

『あたし達が手も足も出せなかった…』

 

 

 

「レヴィ、ほら泣かないで。後でソーダ飴をあげるから。ミカヤさんとノーヴェさん、いったい誰に?……」

 

 

きこうとした時、クレータから影が飛び出した…肩に痛みが走り見えたのはSD頑駄無…しかもアレは伝説の大将軍編に現れた幻の大将軍…真亜駆参大将軍?まさか皆を倒したのか?

 

 

 

『ん~流石に三人相手は疲れたのだ………次の相手は………おまえなのか?』

 

 

 

「え?」

 

 

『…私は畢…じゃ、はじめようか…』

 

 

声が聞こえた…次の瞬間、真亜駆参大将軍の拳が胴体を殴りつけた。肘膝はさみで防ごうとしたけど力任せに跳ね上げられ凄い勢いで近くの山肌に叩き付けられた。背中に痛みが走り意識が飛びそうになるのを耐えて降り立つも膝をつきそうになるのをこらえた

 

 

『わたしの拳を一瞬だけ防ぐなんてすごいのだ……』

 

 

「はあ、はあ………強い…でも」

 

 

肩や、膝、背中が痛いけど楽しい……あの大会以来その想いが強くなってるな…畢さん。すごく強いや……ブレイドは今手元には無い。今の愛機はインパルスガンダム。僕は相手に嘘偽りなく全力で戦う。それに気付いたのか畢さんは刀を抜き構え心・技・体を表す頑駄無結晶から光があふれ全身に満ちやがて足元に広がる岩肌をめくりあげ浮かばせる中、光を刀へ収束していく

 

 

『…………名前、聞かせて』

 

 

「……秋月タカヤです」

 

 

『秋月タカヤ、今からわたしのすべてを込めた一撃を受けてみるのだ……』

 

 

「僕もアナタに全力の技をぶつけます…………」

 

 

様々な警告を示す灯りにいろどらながら、目を閉じる…あの大会で使用した自身の魂の輝きとも言える技…インパルスガンダムの周囲の岩肌がめくれあがりプラフスキー粒子が白金に煌めき浸透していく

 

使えるのは一度だけ………ゆっくりと目を開きインパルスの両腕、拳にプラフスキー粒子を集約高圧縮していく……まだだ、後少し、燃え上がれ僕のガンプラ愛!!

 

 

ガラリと岩が落ちた…それが合図かのように互いに地を蹴り迫る!

 

 

『……真・鳳凰轟爆覇!!』

 

 

 

「……輝神爆凰・白煌嶄!!」

 

 

互いの粒子嶄撃がぶつかり合い、やがて光が生まれ二人を飲み込んだ。その光景はシロウに僅差で勝利し、続いて香澄とのバトルで負けたトオルの目にも見えた

 

 

 

『な、なんだ……まさかタカヤの奴アレを』

 

 

 

『トオル、どうしたの一体!?』

 

 

『………すまない、悪いけどさタカヤのとこにいってくれ。頼む』

 

 

 

『ん~じゃ、仕方ないか……じゃ急ごうか』

 

 

 

退っ引きならない状況と悟りと向かった。香澄がみたのは両腕を構えた全身亀裂が走るインパルス、刀を抜き胴に構えた頑駄無真亜駆参大将軍。微動だにしない

 

 

『………流石なのだ…タカヤ』

 

 

「いえ、畢さん。アナタと全力で戦えた事を誇りに思います」

 

 

ピシッと音がなり盾と共に肘から下がガラス細工の央に砕け散り、真亜駆参大将軍が刀を鞘へ収めパチンと鳴らしたと同時に崩れ落ちた

 

つまりは両者相撃ち…

 

 

 

     ーBATTLE・ENDEDー

 

 

僅かな間の後、パチパチと拍手があがり子供達の歓声が沸き起こった

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの…良いんですか。私が景品貰っちゃって?」

 

 

 

「いいの、いいの…おかげで盛り上がったんだし……遠慮せずにさあ」

 

 

終始笑顔のミツキさん。ガンプラハロウィンバトルで最後まで残ったのは獅童香澄さんだった…肝心の僕はというと畢さんとのバトルで相打ちに終わった……でもひさしぶりに全力が出せたからいいかな

 

 

「秋月タカヤ」

 

 

「畢さん………ってコレは?」

 

 

「打ち身などに聞く薬膳料理。あと今日のバトル、楽しかった……また機会があればやるのだ」

 

 

「はい、また今度バトルしましょう。自分のガンプラ…ブレイドで」

 

 

コクコクとうなずいた畢さん。今回の一位の景品はサエグサ模型店のガンプラを一年間無料で購入でき、バトルルームも含めてのフリーパス、温泉街への旅行券だった

 

二位の景品は……スカリエッテイ博士とクァットロお姉さんとの楽しいガンプラ講座(無期限)

 

 

 

三位の景品は人気ハウスキーパー、ドゥーエさんを一年間タダで派遣

 

 

等々あるんだけど…今は冷めないうちに食べるかなと椅子に座る…でも問題があるんだ。具沢山スープで右肩がアシムレイトの影響で上がらない左手にスプーンを持ち掬おうとするけど上手くいかない

 

 

どうしょう。その時誰かの手が僕からスプーンを奪った

 

 

「タカヤ、肩痛んだろ…飲ませてやるから口開けろ」

 

 

「ノ、ノーヴェさん?いや、出来るから」

 

 

「はあ~おまえ、アシムレイト使っっただろ?ばれてないと思ったか……前に使ったときマジで心配したんだからな」

 

 

「ご、ごめん……」

 

 

「なら、黙ってあたしに食べさせてもらえよ……ふ~ふ~……はい、あ、あ、あ、あ~ん」

 

 

「ち、ちょっと……「あ~~ん(怒)」………じゃあ」

 

 

さしだされたスプーンを口に入れる…薬膳料理と聞いていたけど。苦くもないしむしろ食べやすくて美味しい

 

 

「ほら、次だ……あ、あ、あ~~ん、さっさと、口開けろよ」

 

 

 

顔を真っ赤にしてチラチラ僕を見ながらさしだされたスプーン…迷わず口に入れていく…それに周りの視線が痛いんですけど!?

 

 

「みた、スバル~あのノーヴェが勇気を出して食べさせてあげてるわよ」

 

 

「ホントだ。じゃあお父さんに写メおくろ♪」

 

 

 

「むう~ボクがやる予定だったのに先越された~~(次はボクのターンだからね。今日の夜にアレを試そう。お母さん直伝《男の子の落とし方》お風呂で裸スポンジでスキンシップを)」

 

 

 

「ふふ、やるね抜け駆けとは……(まあ、いい。すでに私はタッくんとはすませているからな……塩を送ろう。だが私の方が分はアルさ………けして羨ましいとは…)」

 

 

 

「ミツキおばちゃん?どうしたの顔を背けちゃって?」

 

 

 

「な、何でもないわよユア~(そう、何でもないわよ、ただ食べさせてるだけだし…恥ずかしい訳ないし……)」

 

 

 

 

「コレで最後だ。はい、あ~~ん」

 

 

「んっ……ありがとうノーヴェさん。おいしかったです」

 

 

「そ、そうか……じゃあ片付けに行ってく……きゃ!?」

 

 

 

急に立ち上がりよろけたノーヴェさんをみて肩が痛むのをかまわず抱きかかえように背中から倒れ込んだ。目の前がチカチカして真っ暗だ…それにいい匂いがして柔らかいのが二つが顔を挟んでる……ましゃかゆっくりと視界が広がり見えたのは床ドンみたいな感じで多い被さるノーヴェさん…二つのふくらみが揺れてる…金色の瞳と目があう

 

 

「だ、大丈夫ノーヴェさん?」

 

 

 

「あ、ああ…それより自分のこと心配しろよ……バカ」

 

 

 

「ご、ごめん……」

 

 

 

そのままノーヴェさんは黙り込んで、僕の身体を起こし椅子に座らせるとガンプラの補修に来た子供達の所へ歩き出した…

 

 

 

(ああ~もうナニやってんだあたし!ありがとうって素直にいえないのかよ~バカバカバカバカ、あたしのバカ~)

 

 

「まったく素直じゃ無いわね……そうだ!もしもしドゥーエ。実はアナタに」

 

 

 

子供達のところへ向かった娘ノーヴェに、ため息をつきながらクイントがどこかに電話かけるなか、子供達のガンプラ補修が終わりガンプラハロウィンパーティーは大盛況の中で無事幕を下ろした

 

 

 

五日後の朝

 

 

再び海外へガンプラ普及とマフィア逮捕の旅へとユウキ、メイが旅立ちタカヤ以外誰もいない秋月家…その鍵が静かに開かれ人影がゆっくりとタカヤの部屋へてて進んでいき扉を開けた

 

 

「…………んにゅ」

 

 

 

穏やかで幸せそうな寝顔を浮かべるタカヤに、思わずゴクリと喉を鳴らす影は静かに近づくと身体を揺らしはじめた

 

 

「………ん~」

 

 

軽く唸りなが手をもぞもぞとだし揺らす手を掴み毛布へ引き込んだ…抵抗するも抱き枕のように抱きしめ匂いを嗅ぐ仕草、さらに寝ぼけながら耳を甘噛みするとビクンと、体を震わし声が挙がった

 

 

 

「や、やめ……やめろったら……は、は、タカヤアアア!!」

 

 

 

「ん………………!?ノ、ノーヴェさん!?なんでここに!?」

 

 

 

「目、目さましたんなら離せバカ……」

 

 

 

「は、はい!……っていうかなんでノーヴェさんが僕の部屋に?」

 

 

慌てふためき離したタカヤの前にはメイド姿のノーヴェ。黒のオーバーニーに白のエプロンドレス、小悪魔を思わせる可愛らしさを醸しだすミニスカートからむっちりとした太ももに胸元を強調させるデザイン。その姿に動転し上擦らせながらの質問にノーヴェが答えたのはとんでもないモノだった

 

 

「じつはな……あたし、今日からメイドとして雇われたから!」

 

 

 

「え?なんで、ノーヴェさんが!?ドゥーエさんはどうしたの!?」

 

 

 

「ハロウィンパーティーの景品あっただろ…ドゥーエは忙しくて、前にバイトしたのが縁になって……渡りに船というか………と、とにかく!タカヤ専用メイドになったから……何でもするから…」

 

 

顔を赤くして指先を突く姿にクラクラする……どうしょうと思った時、扉が勢いよく開いた。ソコには蘊奥学院の制服姿のミカヤさん、レヴィ…僕とメイド服姿のノーヴェさんを交互にみてた

 

 

「少年、私は君がどのような趣向を持とうと構わない……しかし朝から連れ込むのはどうかと(タッくんの趣味はメイドか……ならば買わなければ。すべてのおせわをしてあげるよ)」

 

 

「むう~ズルいノンノン!ボクもメイドになる!!」

 

 

 

 

「うわ!ちょ!だから服を脱がないでったら!父さん、母さん早く帰ってきてええ!?」

 

 

今日も何時もと変わらない朝、一日が始まる……この変化が何をもたらすのかは誰も知らない

 

 

 

 

 

特別話 ガンプラハロウィンパーティー(後編)

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ


「こ、こんな言葉いえるか!」


「なに?いえないの?………タカヤくんの事好きなんでしょ?もしかして違うの」



「んな訳ないし!でもなこれは言い過ぎだろ!!」



手にした本をズイッと従姉妹であるドゥーエ・スカリエッティに見せる…そこに書かれていたのは



ー私はアナタ専用のメイドです。だから好きように、アナタの色に染め上げてくださいー



ーご主人様あ……わたくしめはお慕いしてますから…わたしにお情けをいただけますか?ー



ーさあ、ご主人様……わたくしめを◯◑◐って◑◐◯けしてくださいー



かなりヤバいワードの数々……タカヤを落とすために従姉妹であるクアットロ・スカリエッティ(官能小説家)、ハウスキーパー・ドゥーエ、ジェイルスカリエッティ監修の《メイドのススメ》と呼ばれる本…タカヤを人となりをジェイルが調べ、趣味趣向を雇われていたドゥーエからの情報をクアットロが推察しまとめた性…ノーヴェにとっての聖書だった


「いいの?取られちゃって……」



「嫌に決まってんだろが……」



「じゃあ簡単な、あなたに言いやすい言葉をまとめとくから……今日はココまでにしましょう」




「わかった………」


バスルームに向かうノーヴェの姿が見えなくなるまで見送ると、ドゥーエは聖書から抜粋作業を始めるのだった



追記:アシムレイトとは




ファイターが強力な自己暗示をかけてガンプラと五感を共有し、その機体性能を向上させる現象…タカヤが目覚めたのはノーヴェ、ミカヤ、レヴィとの特訓に加え実戦を積み重ねた事により発現した


(発現時は周囲のプラフスキー粒子がタカヤの想いに応え白金に輝きはじめる現象が起きる)



プラシーボ効果によってファイターの精神力が続く限りその効果は発揮されるが、一方、プラシーボ効果の反作用であるノーシーボ効果は、逆にガンプラが受けたダメージがファイター側にダイレクトに反映されてしまう













▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。