ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりですっ!!!(>_<)
携帯もやっと修理から返ってきて投稿することができます……!

更新を待ってくださっていた皆様、ご迷惑をかけてしまって本当に申し訳ありません……( ´・ω・`)


それでは久しぶりの更新1回目!
士織たちの物語をどーぞっ!!(>_<)


第79話

オッス!兵藤一誠だ!

 

 

 

リアス部長の家にある庭の一角。

そこにはポッツリと純和風の温泉が存在していた。

俺は早速アザゼル先生と共に浸かって、疲れを癒している。

 

「―――――旅ぃゆけぇばぁ〜♪」

 

温泉に浸かりながら鼻歌混じりな堕天使総督さま。

その背には黒い6対12枚の翼も全開にしていた。

 

「ハハハハ、やっぱり冥界―――――地獄といえば温泉だよな。

しかも冥界でも屈指の名家グレモリーの私有温泉とくれば銘泉も銘泉だろう」

 

なんとも温泉に慣れている総督さまだなぁ……。

そういえば初めて会った時も依頼で会ったときも浴衣を着ていたような……もしかして日本文化大好き?

 

「ふいぃ〜……」

 

何はともあれ、俺は頭にタオルを乗せ直し、まったりと湯に浸かっていた。

 

「ん?そういや士織とギャスパーの奴はどうした?」

 

「確かにいませんね……まだ来てないんじゃないですか?」

 

辺りをキョロキョロと見渡し、アザゼル先生に言う。

―――――と、そんな時、入口付近でウロウロしている人影と、それを連れ出そうとする人影とが見え隠れしているのが俺の視界に入った。

 

 

 

「ほら、折角の温泉なんだから入らねぇと意味ねぇだろ?

なんなら今からでも女湯の方に行くか?」

 

「そ、それは……い、イッセー先輩と入りたいのでお断りしますぅぅぅう!」

 

ウロウロしていた人影―――――ギャスパーが、意を決したかのような表情でこちらに走ってくる。

 

―――――しかし、此処は温泉。

濡れている床をそんな風に走ればどうなるか。

 

 

 

 

 

「―――――きゃっ?!」

 

そう、滑って転んでしまうのだ。

ギャスパーは可愛らしく悲鳴をあげて顔から倒れ込みそうになる。

俺が急いで助けようとしたがこの湯船に浸かっている状態では間に合わない。

これは万事休すか……そう思った時、もうひとつの人影がギャスパーを抱きとめ、床との接触を回避させた。

 

「ったく……気をつけろよ?ギャスパー」

 

「あ、ありがとうございますうぅ……士織先輩ぃ……」

 

涙目のギャスパーは受け止めてくれた士織に感謝を述べてペタンと座り込んだ。

 

「ほら、取り敢えず身体を流すぞギャスパー。

温泉に入る前のマナーだ」

 

「わ、わかりました」

 

士織の言葉に頷いたギャスパーは軽く身体を流した後に俺とアザゼル先生が浸かる湯の方へと向かってくる。

 

「……あ、あの……あんまり、見ないでください……」

 

タオルを胸の位置で巻いたギャスパーは頬を赤く染め、恥ずかしそうに言う。

 

「お、お前な!そんなに恥ずかしいなら女湯の方に行けばいいだろ?!

というか、結局お前は男と女、どっちとして扱えばいいんだよ!?」

 

「い、イッセー先輩には女の子として扱って欲しいかもですぅ……」

 

そう言ったギャスパーは素早い動きで温泉に入ると、俺の傍へと近寄り、腕に絡みつく。

 

「……っ!?!?

ぎゃ、ギャスパー!お前、性別変化させただろ?!」

 

「そ、そんなことしてないですよぉ〜」

 

「な、ならなんでこんなにや、柔らか……っ!」

 

腕に感じる確かな柔らかさ……これはどう考えても男の身体の感触なんかじゃない。

 

「い、イッセー先輩のえっちぃ……」

 

「んな……っ!?」

 

口ではそう言っているものの、ギャスパーは更に俺の方へと身体を寄せてくる。

こいつ、こんなに積極的な奴だったか?!

 

 

 

(お、俺の腕に柔らかい、それでいて張りのあるモノがぁぁぁぁぁッ!!

あ?!い、今なんかコリッて!コリってしたぁぁぁぁッ?!

く、くそっ!!

さ、去れ、去れぇぇぇぇぇえ!!

―――――煩・悩・退・散ッッッ!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――おい見ろよ士織。

お前の弟おもしれぇ事になってるぜ?」

 

「案外初心な奴だろ?」

 

聞こえてくるのは笑い合う2人の―――――士織とアザゼル先生のからかうような言葉。

 

「ありゃ女への耐性皆無だな。

ハニートラップとか喰らったらイチコロじゃねぇか?」

 

「それなら安心しろ。

悪意には敏感になってるからハニートラップくらいなら気づくさ。

今回は仲間のギャスパーからの純粋な好意だから無碍にもできなくなってんだろ」

 

「はっ!

士織が言うならそうなんだろうな」

 

「そ、そこぉ!!

士織もアザゼル先生もニヤついた顔をやめろくださいっ?!」

 

未だ身体を寄せてくるギャスパーに思考が沸騰しかけながらも2人に向かって叫ぶ。

 

「「はいはい、お楽しみください」」

 

肩をすくめてやれやれと言わんばかりの表情の2人はまるで打ち合わせでもしたかのように同時に言い放った。

 

「ハモるなぁぁぁぁあ!!!!」

 

 

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

 

 

―――――Side 士織

 

「ふいぃ〜……」

 

日頃の疲れを落とすように温泉に浸かっていると、アザゼルの視線が俺に向けられているのに気がつく。

 

「……なんだよアザゼル」

 

「お前ってちゃんと男だったんだな」

 

「くだらねぇこと言ってんじゃねぇよ……」

 

ついついため息をもらしてしまう。

今までも言われ続けてきた言葉ではあるが、その言葉にはなれることのない、何とも言えない感覚がある。

 

「そういえば士織。

お前、木場と付き合ってるんだってなぁ?」

 

「……そのニヤついた表情を止めろアザゼル」

 

「はっはっは!

やっぱりそんなナリしてても女に興味があるんだな」

 

俺の肩に腕を回し、楽しそうに笑うアザゼル。

その姿は何処と無く酔っ払った親戚の叔父さんを彷彿させるものだった。

 

―――――しかし、次の瞬間には真顔になり顎に手を当てる仕草を見せる。

 

「……お前、本当に男だよな……?

今まで俺が抱いてきた女よりも格別に女らしい身体付きだぞ……?」

 

「……アザゼル、お前、ぶち殺すぞ……?」

 

冗談の余地すら残さないアザゼルの真面目な声に、俺は拳を握りしめて睨みつける。

 

「いや、だけどよ!

これで貧乳の女だって言ったら誰もが信じるレベルだぞ?!

オンナ遊びのプロの俺が言うんだから間違いねぇ!」

 

「……俺から離れろアザゼル。

―――――身の危険を感じるからな」

 

肩に回された腕から逃げ出し、アザゼルから一定の距離を取る。

 

『アザゼル先生っ!

士織くんに手を出したら許しませんよ!!』

 

『……ぶっ飛ばします』

 

『アザゼル殺す……』

 

女湯の方からは祐奈、小猫、オーフィスの声が聞こえてくる。

どうやらこちらの会話は向こうに丸聞こえだったようだ。

 

「冗談だジョーダン!

お前らも本気にしてんじゃねぇよ!」

 

そう叫んだアザゼルは肩をすくめて、ため息を吐き出した。

そして、いきなりニヤリとイタズラを思いついた少年のような表情を浮かべて再び俺の方へと近づいてきた。

 

「……なんだよアザゼル。

俺に近づくなって言っただろうがぶっ殺すぞ」

 

「おいおい、そう邪険になるなよ士織。

ちょっとばかしイイコトしてやろうってのによ?」

 

「悪い予感しかしねぇからパスな」

 

本当に悪い予感しかしない。

アザゼルがこういう顔をする時はろくなことがないのだから。

 

「まぁまぁ、遠慮すんな―――――よっ!!」

 

俺の腕を掴んだアザゼルは、力任せに俺を投げ飛ばした。

 

 

 

 

 

「あ、アザゼルコノヤロォォォォオッッ!!」

 

―――――宙を舞う俺。

そして―――――祐奈と目が合った。

つまり、俺は女湯の方へと投げ飛ばされたのだ。

 

「……地味に痛てぇ……」

 

背中から湯に着水した俺は立ち上がって口を開いた。

視界に入って来たのは―――――当たり前だがリアス先輩を初めとする女子組たちの裸。

タオルの1枚でも巻いていればいいものの、全員もれなく全裸だ。

 

「あら、士織。

アザゼルに飛ばされてきたのね?

何も変な事はされなかった?」

 

「あらあら、うふふ……本当に女の子みたいですわね」

 

「……あ〜……隠すくらいしたらどうだ?」

 

俺が女湯に飛ばされてきたというのに、誰1人として身体を隠そうとはしないという実態に苦笑いを隠しきれない。

 

「隠さないといけないほど自信の無い身体はしていないつもりよ?」

 

逆に胸を張るリアス先輩。

 

「私も士織くんにならいいですわ、うふふ……」

 

艶やかに微笑む朱乃先輩。

 

「ぼ、僕も前に見られちゃってるしね……」

 

頬を染めつつもそう言って俺の方へと近づいてくる祐奈。

他にもゼノヴィアやアーシアたちもいるもののやはり隠そうとはしていなかった。

 

 

 

 

 

「―――――我の特等席」

 

「オーフィス……お前もか……」

 

いつの間にか俺の膝の上に座っているオーフィスに再び苦笑いが浮かぶ。

俺は頭をガシガシと乱暴に掻き毟ると膝の上に座るオーフィスを隣に移動させ、立ち上がって口を開く。

 

「取り敢えず俺はもうあがるわ」

 

そう言い残して出入口の方へと足を進める。

それにしてもアザゼルの奴無茶苦茶なことをしでかしやがって……後で後悔させてやる―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――そんな事言わずに一緒に入りましょう?」

 

「うぉっ?!!」

 

背後から朱乃先輩に抱きつかれたことによりバランスを崩してお湯にダイブしてしまう俺。

 

「そうね、あまりあなたとはスキンシップが取れていないから……この際皆で士織の身体を洗ってあげましょう♪」

 

リアス先輩の提案に俺は顔が引き攣った。

 

「ちょ、ちょっと待て!

そういうのは一誠の役割だろ!?

そもそもリアス先輩はライザーに怒られるぞ!!」

 

「あら、大丈夫よ。

私はしないから♪」

 

「なるほどそれなら大丈夫―――――じゃねぇよ?!」

 

「……士織先輩大人しくしてください」

 

「そ、そうだよ士織くん!

大人しく僕たちに洗われるんだ!」

 

「うふふ……髪の毛の手入れ教えてあげますわ」

 

背中に朱乃先輩、右腕に祐奈、左腕に小猫が引っ付き、俺を逃がさないようにと拘束する。

 

「お前ら離れろ―――――って強っ?!

いつの間にそんな力を……っ!?」

 

「……火事場の馬鹿力です」

 

「こんな時に発揮してんじゃねぇよ!!!」

 

じたばたともがくものの、何故か逃げ出すことができない。

必死に逃げ出そうとしていると、視界が何か柔らかなもので塞がれた。

 

「我も手伝う」

 

「オーフィス!?」

 

どうやらこれはオーフィスのお腹だったようだ。

 

 

 

 

 

「楽しそうね、士織」

 

俺には見えないがきっと満面の笑みを浮かべているであろうリアス先輩の声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

「―――――アザゼル覚悟してろよォォォオッッ!!!」

 

この状況の元凶に復讐を誓い、俺は再びもがくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!(>_<)


しばらくは更新出来ると思いますので、読んでいただけたらすっごく嬉しいです!

それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪(*´ω`*)

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