ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんにちは♪(*´ω`*)
ちょうど1週間ぶりの更新となりましたっ!(>_<)

最近ではすっかり天気も悪くなってしまっていますが気分は晴れ晴れと頑張りましょうっ!

それでは早速本編をどうぞ♪(*´ω`*)


第78話

Side 士織

 

「―――――さて、長い話に付き合わせてしまって申し訳なかった。

なに、私たちは若い君たちに私たちなりの夢や希望を見ているのだよ。

それだけは理解して欲しい。

君たちは―――――冥界の宝なのだ」

 

サーゼクスの言葉に嘘偽りの色は見えない。

愚直なまでに優しい、甘過ぎるといえばそれまでだが、そこがサーゼクスの持ち味なのだろうか?

 

「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」

 

サーゼクスの問いかけにいち早く答えたのはサイラオーグだった。

 

「俺は魔王になるのが夢です」

 

『―――――ほぅ……』

 

数人のお偉いさん方は、正面から迷いもなく言い切ったサイラオーグの目標に感嘆の声を漏らしていた。

 

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

 

「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

 

再び、顔を逸らすことなく、自信満々に言い切るサイラオーグ。

その精神面の強さも己を強者たらしめるものだろう。

そして次はリアス先輩が言う。

 

「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝することが近い将来の目的ですわ」

 

堅実な、しかしリアス先輩らしい目標。

その後も若手悪魔たちが夢、目標を、口にしていき、最後に残ったのは支取先輩だった。

 

 

 

「―――――冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

 

「……レーティングゲームを学ぶところならば、既にあるはずだが?」

 

眉根を寄せていたお偉いさんは確認するように支取先輩に訊く。

それに対して表情を変えることなく、支取先輩は淡々と答える。

 

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されていない学校のことです。

私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」

 

差別のない学校。

支取先輩の夢に俺は自然と頬が緩むのがわかった。

これからの冥界には良い場所になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――そう、思ったのに。

 

 

 

 

 

『ハハハハハハハハハハハハハハッ!!』

 

お偉いさん方の笑い声が会場を支配する。

 

「それは無理だ!」

 

「これは傑作だ!」

 

「なるほど!

所謂、夢見る乙女と言うわけですな!」

 

「若いと言うのは良い!しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がその様な夢を語るとは。

此処がデビュー前の顔合わせの場で良かったというものだ」

 

見下し、馬鹿にするような言い草。

そんな中でも支取先輩は真っ直ぐに言う。

 

「―――――私は本気です」

 

セラフォルーも力強く頷き、その表情は満足げである。

しかし、お偉いさんは嘲笑うかのように口を開く。

 

「ソーナ・シトリー殿。

下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出だされるのが常。

その様な養成施設を作っては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰す事となりますぞ?

いくら悪魔の世界が変革の時期に入っていると言っても変えて良いものと悪いものがあります。

―――――全く関係の無い、たかが下級悪魔に教えるなど……」

 

そして、我慢出来なくなったのは―――――匙だった。

 

「黙って聞いてれば、なんでそんなに会長の―――――ソーナさまの夢をバカにするんスか!?

こんなのおかしいっスよ!!

叶えられないなんて決まったことじゃないじゃないですか!

俺たちは本気なんスよッ!!!」

 

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。

……ソーナ殿、下僕の躾がなってませんな」

 

「……申し訳ありま―――――」

 

謝罪の言葉を口にしようとした支取先輩―――――いや、蒼那先輩を手で制する。

俺の行動に驚いたような視線を向ける蒼那先輩。

 

「……何のつもりかな?

中立チームのリーダー殿?」

 

苛立った様子で低い声を出すお偉いさん。

しかし、俺はそれに無視を決め込み、サーゼクスの方へ視線を向けた。

 

 

 

 

 

「―――――おい、サーゼクス。

立派な人の夢を笑う畜生共がいるぞ?

老害の教育がなってないんじゃねぇか?」

 

俺の言葉にサーゼクスは目を丸くする。

他の四大魔王も面食らった様な表情を浮かべていた。

 

「き、貴様ァァァアッ!!!

こちらが下手に出ていればつけあがりおってッ!

たかが人間風情が―――――」

 

顔を真っ赤にさせたお偉いさんの1人が立ち上がり怒声を撒き散らす。

あまりに鬱陶しい声に俺はちらりと視線を向ける。

 

「―――――『黙れ』」

 

「―――――ッッッ!!!!??」

 

少し殺気を込めてやれば、脂汗を浮かべて何も言えなくなってしまうお偉いさん。

他のお偉いさん方も同様で、ガタガタ震える者すらもいる。

その姿にデジャヴを感じないでもないが……今は関係ない。

 

「……サーゼクス。

お前が目標を聞かせろって言ったんだ。

―――――それを笑う奴がこの場にいるってことはどういうことだ?」

 

俺の指摘に苦い表情を浮かべるサーゼクス。

 

「夢を叶えることを目標に努力を重ねてる奴もいる―――――そこの匙が良い例だろうよ。

……配慮が足りてねぇんじゃねぇか?」

 

「……確かに、その通りだ……。

すまなかった士織くん―――――いや、謝るべき相手はソーナだね。

本当にすまなかった。

私の落ち度だ、どうか許して欲しい」

 

根本的な間違いに自分で気がついたサーゼクスは蒼那先輩の方を向いて頭を下げていた。

 

「あ、頭を上げてくださいサーゼクスさま!

私は気にしていませんから!」

 

慌て気味にそういった蒼那先輩。

サーゼクスもその言葉を聞いて頭を下げるのをやめる。

 

「もう!おじさまたちはうちのソーナちゃんをよってたかっていじめるんだもの!

私だって我慢の限界があるのよ!

今日は士織ちゃんがしてくれたけど、今度は私がおじさまたちをいじめちゃうんだからっ!」

 

セラフォルーは涙目になりつつ、お偉いさん方に物申していた。

もちろん、俺からの殺気は止んでいる。

 

「ちょうどいい。

では、ゲームをしよう。若手同士のだ」

 

サーゼクスの一言にその場の空気がふたたび変化する。

 

 

 

 

 

「―――――リアス、ソーナ、戦ってみないか?」

 

リアス先輩、蒼那先輩の2人を見つめて、サーゼクスは提案した。

 

「…………」

 

「…………」

 

その提案に顔を見合わせ、驚きの表情を浮かべる2人。

かまわずにサーゼクスは話を続ける。

 

「もともと、近日中にリアスのゲームをする予定だった。

アザゼルが各勢力のレーティングゲームファンを集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる名目もあったものだからね。

―――――だからこそ、ちょうどいい。

リアスとソーナで1ゲーム執り行ってみようではないか」

 

リアス先輩は一度息を吐くと、挑戦的な笑みを浮かべて蒼那先輩に向ける。

対して蒼那先輩は冷笑を浮かべ、やる気も十分の様だ。

 

「公式ではないとはいえ、私にとっての初のレーティングゲームの相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス」

 

「そうね、ソーナ。

競う以上は負けないわ」

 

部長VS生徒会長。

オカルト研究部VS生徒会。

グレモリー家VSシトリー家。

様々なプライドを持つ2人が全力で戦おうという意思を見せていた。

 

「リアスちゃんとソーナちゃんの試合!

うーん☆燃えてきたかも!」

 

セラフォルーも大興奮だ。

 

「対戦の日取りは、人間界の時間で8月20日。

それまでは各自好きに時間を割り振ってくれて構わない。

詳細は改めて後日送信する」

 

サーゼクスはそう締めくくり、リアス先輩と蒼那先輩のレーティングゲームが行われることが決定した―――――。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「―――――そうか、シトリー家と対決とはな」

 

グレモリーの本邸に帰ってきた俺たち。

そこで迎えに出てきたのはアザゼルだった。

広いリビングに集合し、先の話をすればアザゼルは何やら計算を始める。

 

「……人間界の時間で現在7月28日。

対戦日まで約20日か……」

 

「修行か?アザゼル」

 

俺がソファーに腰を埋めつつ訊けば、アザゼルは頷く。

 

「あぁ、当然だ。

明日から開始予定ってところだな。

既に各自のトレーニングメニューは考えてある」

 

にやりと不敵に笑うアザゼル。

 

「へぇ……?

随分と手際がいいな?アザゼル」

 

「こいつらの修行は随分前から考えてたからな。

それがちょっとばかり早くなっただけだ」

 

懐から『オカルト研究部メンバー』と書かれたくたびれたノートを取り出したアザゼル。

 

「まぁいい。

明日の朝、庭に集合だ。

そこで各自の修行方法を教える。

―――――覚悟しろ?短期間で強くなるんだ、生半可な覚悟なら死ぬぞ?」

 

『はい!!!』

 

リアス先輩を筆頭に、眷属は皆言葉を重ねて返事をした。

 

―――――と、そこへグレイフィアが現れる。

 

「皆さま、温泉のご用意ができました」

 

どうやら息抜きの時間がやってきたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

さてさて!
今回はちょっとしたお知らせです♪

実は……【ハイスクールD×D】の新しい話を投稿しますっ!(>_<)
リメイク版も終わってないのに何を言うか……という人もいると思いますが、ついつい書いてしまったので……(苦笑)
設定が何番煎じだ……っていうものでところどころ似通ったシーンが出るかもしれませんが、その時は教えて下さると助かりますっ!(>_<)
できれば修正しますので……(苦笑)

それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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