ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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な、なんとか1週間以内に更新ですっ!!(>_<)
いつもは遅いので今回は間に合ってホットしています……(苦笑)

それでは早速本編の方をどうぞ♪(*´ω`*)


第76話

どうも、兵藤士織だ。

 

 

 

冥界にあるリアス先輩の自宅に着いた次の日。

俺たちは早速別の場所へと向かっていた。

冥界へとやってくる時に使った列車に再び乗車し、3時間ほどの道のりを終えた先にあったのは―――――かなり大きな都市。

近代的なデザインを見せるその風景は此処がそれだけ発展しているのを理解するのには十分だ。

 

「此処は魔王領の都市ルシファード。

旧ルシファーさまがおられたと言われる冥界の旧都市なんだよ?」

 

祐奈は俺の隣を位置取り、説明するような口調で言った。

 

「このまま地下鉄に乗り換えるよ?

表から行くと騒ぎになっちゃうから……」

 

苦笑いを浮かべる祐奈。

周りの一誠たち新眷属以外こリアス先輩の眷属たちはその言葉に頷いていた。

 

 

 

 

 

「―――――キャーッ!

リアス姫さまぁぁぁぁあっ!!」

 

突然、黄色い歓声が耳を襲ってくる。

見ればホームにいた悪魔たちがリアス先輩を見て憧れの眼差しを向けていた。

 

「部長は魔王の妹。

しかも美しいのですから、下級、中級悪魔から憧れの的なのですよ?」

 

微笑みを浮かべる朱乃先輩が言う。

なるほど、確かに容姿端麗ならば人気があってもおかしくはないだろう。

 

「ヒィィィィィィ……。

あ、あくまがいっぱいぃ……」

 

ギャスパーは一誠の背中に張り付いて悪魔の多さと声に反応して慌てふためいていた。

 

「困ったわね……。

これ以上騒ぎになる前に急いで列車に乗りましょう?

専用の列車は用意してあるのよね?」

 

リアス先輩は連れ添いの黒服男性の1人に聞く。

どうやら俺たちへのボディガードらしいのだが……正直道案内程度にしかならないと俺は思っている。

 

「はい。ついてきてください」

 

こうして俺たちはボディガードに連れられて地下鉄の列車へと移動したのだった。

 

「リアスさまぁぁぁぁぁあっ!!」

 

女性だけではなく男性にもやはり人気らしく、リアス先輩は苦笑しながらも男性の群れに手を振っていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

地下鉄からさらに乗り換え、5分程。

着いたのは―――――都市で1番大きい建物の地下にあるというホームだった。

若手悪魔、旧家、上級悪魔のお偉いさん方が集まるという会場がこの建物にあるのだという。

俺たちはリアス先輩を先頭に地下からエレベーターに乗り込む。随分と広いエレベーターだ。

 

 

 

「―――――皆、もう1度確認するわ。

何があっても平常心、何を言われても手を出さない。

常に冷静でいつもの自分をイメージしなさい?

―――――上にいるのは将来の私たちのライバルたちよ。無様な姿は見せられない」

 

気合の入ったリアス先輩の言葉に眷属たちは表情を引き締めていた。

 

「士織からは何かないのか?」

 

「そうっすよ!

ウチたちに言うことはないんすか?」

 

綯奈、美憧の2人は俺の方を向いて期待の眼差しを向けてくる。

俺は一瞬苦笑いを浮かべ、口を開いた。

 

「―――――肩の力を抜け。

自然体で、リラックスしろ。

堂々とした態度で背を伸ばせ。

……それさえできれば恥ずかしくない。

後はその胸に挫けることのないプライドを持て。

―――――それでお前たちは『最強』だ」

 

言い終えて、軽く頭を撫でてやる。

そして、エレベーターが停止して扉が開いた。

 

「さて、行くか」

 

俺はそう呟いて、エレベーターから足を踏み出した。もちろん、リアス先輩たちも一緒にだ。

 

 

 

 

 

「―――――ようこそ、グレモリーさま。そして兵藤さま。

こちらへどうぞ」

 

広いホール。そこには使用人らしき者が居て、俺たちに会釈をしてきた。

使用人の後に続く俺たち。

通路を進んで行くと、一角に複数の人影が―――――。

 

 

 

 

 

「―――――サイラオーグ!」

 

リアス先輩はその人影の1人を知っている様子だった。

あちらもリアス先輩を確認すると近づいてくる。

大体俺たちと同い年程の男性。

黒髪の短髪で野性的なイメージを持たせる。活動的な格好をしていて、露出されている肉体は引き締まり、筋肉質だ。

そして、感じるオーラの質からかなりの強者というのが分かる。

 

「久しぶりだな、リアス」

 

リアス先輩とにこやかに握手をかわすサイラオーグと呼ばれた男性。

 

「えぇ、懐かしいわ。

変わりないようで何よりよ。

初めての者もいるわね……。

彼はサイラオーグ。私の母方の従兄弟でもあるのよ?」

 

「俺はサイラオーグ・バアル。

バアル家の次期当主だ」

 

堂々としたその姿に落ち着いた様子はまさしく強者のそれ。

彼が若手悪魔だというのならその強さは群を抜いてるだろう。

 

「それで、こんな通路で何をしていたの?」

 

「……あぁ、くだらんから出てきただけだ」

 

「……くだらない?他のメンバーも来ているの?」

 

「『アガレス』も『アスタロト』も既に来ている。

挙句『ゼファードル』だ。

着いた早々にゼファードルとアガレスがやり合い始めてな」

 

心底嫌そうな表情を浮かべる男性―――――サイラオーグ。

やり合い始めたということはそういうことだろう。

俺が溜息を吐いていると建物が揺れ、巨大な破砕音が響いた。

リアス先輩はそれが気になったのか、躊躇いもなく音のした方向―――――大きな扉へ向かった。

 

「まったく……だから開始前の会合などいらないと進言したんだ……」

 

サイラオーグは嘆息しながらも自分の眷属らしき者たちとリアス先輩の後に続く。

俺もその後を追いかけるように足を進めた。

 

 

 

開かれた大きな扉の向こうには―――――破壊され尽くした大広間。

テーブルから装飾品にいたる全てが見るも無残に破壊されている。

その中央には両陣営に分かれた悪魔たちが睨み合っていた。

その手には武器が握られ一触即発の様相だ。

一方は邪悪そうな格好の魔物や悪魔たち。

もう一方は比較的普通そうな悪魔たち。

ただ、両方共に殺意の混じったオーラを放っていた。

まだ、リアス先輩たちよりも少し上にいる。

俺の目測だがそう感じられた。

 

 

 

 

 

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても仕方なくてはなくて?馬鹿なの?死ぬの?死にたいの?殺しても上に咎められないかしら?」

 

睨み合う二陣営の片方。比較的普通そうな悪魔たちの1人、女性の悪魔が息継ぎも無しにまくし立てるように言う。

 

「ハッ!言ってろよクソアマッ!

俺がせっかくそっちの個室で1発仕込んでやるって言ってやってんのによ!

アガレスのお姉さんはガードが堅くて嫌だね!

へっ、だから未だに男も寄ってこずに処女やってんだろ?!

……ったく、魔王眷属の女共はどいつもこいつも処女臭くて敵わねぇわ!

だからこそこの俺が開通式をしてやろうって言ってんのによぉ!」

 

えらく下品な言動の男性。

顔に魔術的なタトゥーを入れており、緑色の髪を逆立てている姿は何処かチンピラじみていた。

 

「此処は時間が来るまで待機する広間だったんだがな……。

もっと言うなら、若手が集まって軽い挨拶を交わすところでもあった。

ところが若手同士で挨拶したらこの始末だ……。

血の気の多い連中を集めるんだ、問題のひとつも出てくる。

それも良しとする旧家や上級悪魔の古き悪魔たちはどうしようもない。

―――――無駄なモノに関わりたくはなかったのだが……流石に目に余る」

 

首をコキコキッ、と鳴らすとサイラオーグは睨み合う二陣営の方へと歩を進めた。

 

「一誠」

 

「……何だよ士織」

 

「アイツを見ておけ。

少なくとも―――――今のお前じゃ敵わない」

 

「……んなことわかってるよ」

 

俺の言葉を最後に俺たちは黙り込んでサイラオーグの姿を目で追った。

 

「アガレス家の姫シーグヴァイラ、グラシャボス家の凶児ゼファードル。

これ以上やるなら俺が相手をしよう。

いいか?いきなりだがこれは『最後通告』だ。

次の言動次第で俺は拳を容赦なく放つ」

 

サイラオーグの身体からはその身に収まりきらないオーラを感じる。

チンピラ悪魔はサイラオーグの言動が気に入らなかったのか、青筋を立てて、怒りの色を濃くする。

 

「バアル家の無能がチョーシのって―――――」

 

しかし、その言葉は最後まで紡がれることはなかった。

響いたのは激しい打撃音。

チンピラ悪魔はサイラオーグの一撃で広間の壁に叩きつけられたのだ。

壁が崩れるのと同時にチンピラ悪魔も落ちる。

既に気を失っているようで、立ち上がる気配はない。

 

 

 

 

 

「―――――言ったはずだ。『最後通告』だと」

 

リアス先輩たちよりも上にいるであろう若手悪魔を一撃……。

俺がふと、一誠の方を見ればその表情は獰猛な笑みに変わっていた。

サイラオーグの強者のそれに刺激されたようだ。

 

「……士織」

 

「なんだ?」

 

「俺を……鍛えてくれ。

アイツに……サイラオーグ・バアルと互角にやりあってみたい……っ!!」

 

―――――迸る赤いオーラ。

感情に呼応して、一誠の中で赤い龍の帝王が叫びをあげているようにも見えた。

サイラオーグにもそれは感じられたようで、一誠の方を向いて口角を少しだけ、上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

今回はサイラオーグさんの登場ですっ!(>_<)
最後は一誠とのライバルフラグっぽいですね(笑)
今後どのように絡めていくかをお楽しみにっ!

それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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