ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりなのです♪(*´ω`*)
ゴールデンウィークはとにかく部活ばかりで疲れてしまった夜叉猫なのです(苦笑)

更新が遅くなってしまってすみませんっ!!(>_<)

それでは早速本編の方をどうぞ♪


第74話

Side 士織

 

―――――リィィィィィィイイイィィィン。

 

発車の汽笛が鳴らされ、俺たちを乗せた列車は動き出す。

座っているのは列車の中央。リアス先輩は列車の1番前の車両にいるのだが、何でも眷属などは中央から後ろの車両に乗らないといけないらしい。

俺としてはどうでもいいのだが、細かいしきたりは面倒である。

 

「あ〜!

綯奈、士織から【悪魔の駒(イーヴィル・ピース)】貰ったんすか?!」

 

俺の対面席に座っている美憧がその隣に座っている綯奈が持つ【悪魔の駒】を見て声を上げた。

 

「ふっ。

どうだ?羨ましいだろう?」

 

見せびらかすように綯奈は【兵士(ポーン)】の駒を手に置き、指先で弄んでいる。

 

「士織くん、僕にはくれないの?」

 

隣に座っていた祐奈は俺の顔を覗き込みながら言う。

俺はそんな祐奈の頭を優しく撫でて口を開いた。

 

「既にリアス先輩の眷属なんだから横取りするのは悪いだろ?」

 

「……それもそうだけど……」

 

「そう拗ねんなって。

別に眷属にならなくてもずっと一緒だろ?」

 

「……ん……」

 

手を少し滑らせて、祐奈の頬を撫でてやれば気持ちよさそうな声を出す。まるで猫のようでこのままずっと愛でてられそうだ。

 

「士織っ!

ウチも【悪魔の駒】欲しいっす!

綯奈が貰えたならウチもイイっすよね?!」

 

体を乗り出してそう言った美憧。

俺はその行動に目を丸くしてしまう。

 

「こらこら美憧。

士織を困らせるな。

士織の眷属になりたいならそれなりの―――――」

 

「あぁ、良いぞ。

【兵士】の駒で良いならだけどな」

 

「モチロンっす!!

士織の眷属になれるなら何でもイイっすよ!!」

 

キラキラとした瞳で嬉しそうに言う美憧。

それと対照的に、綯奈は何故?という表情を浮かべていた。

 

「な、何故だ?!

私の時はもっとシリアスだっただろう!?」

 

少々の涙を目尻に浮かべて綯奈は勢いよく立ち上がる。

 

「お前は日頃の自分のことを考えてみろ。

飽き性で面倒くさがり屋のお前にすんなり駒を渡せるわけがないだろ?」

 

「う、うぐぐ……そ、それはそうだが……」

 

「士織!士織!

そんなことはどうでもいいっすからウチにも早く駒をちょーだいっす!」

 

ニコニコとした表情で美憧は俺の手を掴む。

俺はバックを手に取ると、中を漁って駒を1つ取り出し、美憧に差し出した。

 

「美憧、綯奈にも言ったが俺の眷属になるのなら中途半端は許さない。

最低でも一誠と互角に戦えるくらいにはなってもらうからな?」

 

「望むところっす!」

 

美憧は気合い十分にそう言うと、【兵士】の駒を受け取った。

 

「これでウチも士織の眷属っす♪

綯奈だけ抜けがけはさせないっすよ?」

 

「……ふん!

抜けがけなんてつもりは全くなかったさ」

 

「ホントっすかねぇ〜??」

 

それからは綯奈と美憧の2人でこれからのことを話し始め、2人の世界に入っていっていた。

 

 

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

 

 

「そういえばどれくらいで着くんですか?」

 

俺とは別の席に座っていた一誠が言う。

 

「一時間程で着きますわ。

この列車は次元の壁を正式な方法で通過して冥界にたどり着けるようになってますから」

 

その問いかけに答えたのは朱乃先輩。

一誠の対面席に座っているため、朱乃先輩も俺とは別の席である。

 

「俺、てっきり魔法陣での転移で冥界入だとおもってたんですけど……」

 

「通常はそれでもいいのですけれど、イッセーくんたち新眷属の悪魔は正式なルートで1度は入国しないと違法入国として罰せられてしまうのです。

だから今回はこうやって正式なルートでいっているのですわ」

 

「へぇ……。

そういうことだったんですか」

 

色々と面倒な決まりがあるようで俺はついついあくびがでてしまう。

 

 

 

 

 

「―――――みんなリラックス出来てるみたいね」

 

おそらく1番前の車両から来たのであろうリアス先輩の声が聞こえてくる。

そちらの方へ視線を向けるとリアス先輩と初老の男性の姿が見えた。

 

「ホッホッホッ。

リアス姫の眷属の皆さんは良い者ばかりのようですな」

 

初老の男性は楽しそうな笑い声を上げてこちらを見てくる。

 

「初めまして、姫の新たな眷属悪魔の皆さん。

私はこのグレモリー専用車両の車掌をしているレイナルドと申します。

―――――以後、お見知りおきを」

 

丁寧な挨拶と一礼。

俺たちはそれに返すように立ち上がると一礼を返した。

 

「こちらこそ初めまして。

リアス・グレモリー眷属、【兵士】の兵藤一誠です。

どうぞよろしくお願いします」

 

「アーシア・アルジェントです!

僧侶(ビショップ)】です!

よろしくお願いします!」

 

「ゼノヴィアです。

騎士(ナイト)】、今後もどうぞよろしくお願いします」

 

「兵藤士織。

リアス先輩とは……協力関係といったところだな。

一応【帝王(カイザー)】の駒を持つ中立チームのトップだ」

 

ひとまず俺たち4人だけがこの場では自己紹介をしておく。

こういった挨拶を終えると、車掌のレイナルドは何やら特殊な機器を取り出し、モニターらしきもので一誠たちを捉え始めた。

 

「え、えっと……?」

 

一誠、アーシア、ゼノヴィアは困ったような表情を浮かべていたが、それに気がついたレイナルドが口を開く。

 

「これはあなた方を確認、照合する悪魔世界の機械です。

この列車は正式に冥界へ入国する重要かつ厳重を要する移動手段です。

もし、偽りがあった場合、大変なことになりますもので。

今のご時世、列車を占拠されたら大変なのです」

 

「あなたたちの登録は駒を与え、転生した時冥界にデータとして記載されたわ。

だからそれをその機械で照合させるのよ。

問題ないわ。みんな本物だから」

 

リアス先輩は微笑みながら告げる。

一誠たちが終わると次は俺たちの方へも向けられて、簡単にスキャンされていった。

 

「姫、これで照合と同時にニューフェイスの皆さんの入国手続きも済みました。

あとは到着予定の駅までごゆるりとお休みできますぞ。

寝台車両やお食事を取れるところもありますので目的地までご利用ください」

 

レイナルドはニッコリと微笑む。

入国手続き自体は簡単なものだったため、俺としては楽でよかったとしか言いようがない。

 

「ありがとう、レイナルド。

あとは……アザゼルね」

 

リアス先輩はアザゼルがいる席の方へ視線を向けるが―――――アザゼルはぐっすりと眠りこけていた。

 

「……よくもまぁ、ついこの間まで敵対していた種族の移動列車で眠れるものね……」

 

リアス先輩は呆れ顔ではあったが、少し笑っていた。

 

「ホッホッホッ。

堕天使の総督さまは平和ですな」

 

レイナルドも愉快そうに笑っている。

アザゼルは寝たままであったが照合も済ませ、全員無事入国手続きを済ませたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


今回はかなり短かったですがお許しを……(苦笑)
次回はもう少し長くなるように頑張りますっ!!(>_<)


それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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