ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんは♪
お風呂上りを満喫している夜叉猫です(笑)

今回は物凄くご都合主義的な話が出てきますが……お許しください……っ!!(>_<)


それでは早速本編の方をどうぞっ!!


第70話

どうも、兵藤士織だ。

 

 

 

3大勢力の会談、そして【禍の団(カオス・ブリゲード)】の襲撃を乗り越えてから早数日。

いつも通りに放課後、オカルト研究部の部室に俺たちは集まっていた。

そう、集まっていたのだが……―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――てなわけで、今日からこのオカルト研究部の顧問になることになった。

『アザゼル先生』と呼べ。

あ、一誠は『お義父さん』でもいいぞ?」

 

そこには着崩したスーツ姿のアザゼルが何故かいた。

 

「……どうして、あなたがここに?」

 

額に手を当て、困惑している様子のリアス先輩。

 

「ハッ!セラフォルーの妹に頼んだらこの役職だ!

まぁ、俺は知的でチョーイケメンだからな。

女生徒と先生でも喰いまくってやるさ!」

 

「んなことしたら俺が去勢するぞ色ボケ総督」

 

俺が指を鳴らしながらニッコリと笑ってそう言ってやればアザゼルは引き攣った表情を浮かべて冷や汗をかく。

 

「じょ、冗談だぜ?士織」

 

「ならいいんだけどな?」

 

そう言って、俺はソファーに座る祐奈の隣に腰を下ろした。

 

「あ〜……取り敢えず、俺がこの学園に滞在できる条件はグレモリー眷属の悪魔が持つ未成熟な神器を正しく成長させること。

まぁ、士織がいりゃ十分だが、士織でもわからない専門的なことは俺が教えてやる。

禍の団(カオス・ブリゲード)】ってけったいな組織もあることだし、将来的な抑止力のひとつとしてお前らの名前が挙がったのさ。

いや、どちらかといえば対『白い龍(バニシング・ドラゴン)』専門だな。

仕入れた情報では、ヴァーリは独立した自分のチームを持っているって話だ。

そいつらを仮に『白龍皇眷属』と呼ぶとして、判明しているのは今のところヴァーリと孫悟空、玉梓を合わせて数名だ」

 

「強いんですか?」

 

一誠の質問にアザゼルは頷く。

 

「当たり前だ。

ヴァーリはアレが全力じゃねぇ。

……そうだな……今はお前さんの方が強いが、時期に追いつかれるだろうよ。

それよりも厄介なのが―――――玉梓だ。

俺は直接戦ったから言えるが……アイツはバケモンだぞ……?」

 

アザゼルは神妙な面持ちで語る。

 

「……俺は全力で戦った。

持てる策を全て使ったのにも関わらずアイツは終始遊んでいる様子だった……。

俺が唯一()()()武器は最後に俺の意識を刈り取っていきやがった巨大な鉄の扇だ……」

 

その言葉に俺は眉をひそめる。

『転生者』『九尾狐』『回復能力』『鉄の扇』……このキーワードだけで絞りこめる訳では無いが、あの玉梓という転生者がどのような能力を持つのか考えやすくはなる。

 

「何はともあれ、『白龍皇眷属』のメンバーは確実に今のお前達より強い。

士織は例外として一番実力があるだろう一誠でもまだ足りない」

 

アザゼルの言葉にリアス先輩たちは表情を曇らせた。

 

 

 

 

 

「―――――なぁに暗い表情してやがる。

お前らにはまだ伸びしろってもんがあるんだよ。

力不足なら鍛えるまでだ。

―――――夏休みなんてないものと思えよ?」

 

そう言ってニヤリと笑ったアザゼルはいつもはリアス先輩が座っている椅子の方へ移動すると、怠そうに腰を下ろしたのだった。

 

 

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

 

 

「そうだ、忘れるとこだった……。

―――――ほら、士織。サーゼクスの奴からだ」

 

アザゼルはそう言って少し大きめの箱を俺に投げ渡してくる。

眉をひそめてそれを開けてみれば、中に入っていたのは―――――【悪魔の駒(イーヴィル・ピース)】。

 

「おいアザゼル。

これは一体どういう意味なんだ?」

 

俺はどの勢力につくつもりもないと言ったはずだ。

それなのに何故この駒を渡すのだろうか……?

 

「サーゼクスが言うには『レーティングゲームに参加してみないか?』だとよ。

その駒の使い道はお前に任せるらしいぞ」

 

「……使ったら悪魔になっちまうだろうが……」

 

「なら使っても悪魔にならねぇように改造したらどうだ?

お前ならできるだろ?」

 

「アザゼル、お前は俺をなんだと思ってんだ……」

 

流石の俺もそんな改造を施せる力を持ってはいない。

 

「ハハハハハ!

冗談だジョーダン。

その駒は特別製らしくてな。

なんでもアジュカが新しく創り出したモンで、悪魔化はしないが寿命は伸び、駒の特性は使えるようになるらしい。

―――――アジュカ曰く、『【悪魔の駒】を創るより簡単だった』だとよ」

 

からからと笑うアザゼル。

まさかサーゼクスがこんなモノを創らせるとは思ってもみなかった。

 

「士織、なんだかんだ言ってもお前は人間だ。

俺たちみたいに永遠に近い時間を生きることはできねぇ。

だからこそ、アイツ(サーゼクス)はそれを創らせたんだろうよ」

 

椅子から立ち上がったアザゼルは俺に近づき、箱の中からひとつの駒を摘まみ出す。

 

「―――――コイツは普通の【悪魔の駒】にはねぇ、【帝王(カイザー)】の駒だ。

お前でも使えるようにかなりの調整を加えた正真正銘お前のためだけに創られた駒なんだとよ」

 

俺はその駒をアザゼルから受け取り手の内で転がす。

 

「そいつには寿命を伸ばす効果しかないらしいが……十分だろう?」

 

「……まぁな」

 

「ただ、そいつを使っちまうと確実に人間ではなくなる。

悪魔になるわけでもないが、人間でもない―――――そんな存在に」

 

アザゼルの言葉を聞いた俺は思考する。

もしこれを使った場合のことをだ。

 

メリットは寿命が伸びること。

デメリットはこれを使えば人間でも悪魔でもないものになること。

 

俺はふっ、と小さく笑い駒を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――メリットしかねぇじゃねぇか」

 

そういって、駒を受け入れた。

 

 

 

 

 

Side Out

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

駒王学園 一学期 終業

 

駒王学園高等部 オカルト研究部

 

顧問教諭/アザゼル(堕天使総督)

 

部長/リアス・グレモリー((キング))3年生

 

副部長/姫島朱乃(女王(クイーン))3年生

 

部員/塔城小猫(戦車(ルーク))1年生

   木場祐奈(騎士(ナイト))2年生

   ゼノヴィア(騎士(ナイト))2年生

   アーシア・アルジェント(僧侶(ビショップ))2年生

   ギャスパー・ヴラディ(僧侶(ビショップ))1年生

   兵藤一誠(兵士(ポーン))2年生

 

   兵藤士織(帝王(カイザー))2年生

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

Side 三人称

 

誰もいない駒王学園の屋上。

夕焼けでオレンジに染まるそこでアザゼルは耳にスマートフォンを当てていた。

 

「―――――あぁ、電話で悪いな、シェムハザ。

ちょいと野暮用でしばらくここにいるからよ」

 

『了解しました。

……しかし、アザゼル。

今回の和平であなたを快く思わない部下も―――――』

 

「いいさ。別にいい。

俺のことなんかよりもお前だ。

―――――ガキ、産まれるんだろ?」

 

そういうアザゼルの表情はとても、とても優しいものだった。

 

『……アザゼル。私は……私はッ!!!』

 

「……大事にしろよ?悪魔の嫁さんをよ。

イイ女じゃねぇか。

謀殺されるかもしれねぇのにここまでお前についてきたんだからよ。

子供は悪魔と堕天使の架け橋になるぜ?」

 

『私が……私が恨まれれば良かったのです……ッ!

あ、あなたに……このような……ッ!!』

 

「泣くなよ、戦友。

恨まれるのは慣れてる。

朱乃の件も俺に任せとけ。

―――――この黒い12枚の翼と共に全部背負ってやるからさ、イイから黙って俺についてこい、シェムハザ!!」

 

『…………っ!!!

―――――イエス、マイマスター!!!』

 

涙で声が震えるシェムハザ。

アザゼルは優しく笑っていた。

 

「今日はゆっくり休め、シェムハザ。

俺がいないんだ、忙しくなるぞ?」

 

いたわるような言葉を口にするアザゼルに電話先のシェムハザは笑い声をあげる。

 

『ふ、ふふふ……冗談を。

あなたはほとんど仕事をしなかったでしょう?』

 

「かーっ!

痛いとこついてくるなぁ……シェムハザよぉ……」

 

『あなたが戻ってくる頃にはやることがなくなっているでしょうね』

 

「おいおい、俺を干すつもりかよ」

 

『それもいいかもしれませんね。

―――――あなたは今まで頑張ってきたんですから、そろそろ休んだらどうです?』

 

「……馬鹿野郎。

お前らが頑張るってのに休んでられるかよ」

 

空を見上げてアザゼルは言った。

 

「……また掛けるぜシェムハザ」

 

『えぇ……どうかご無事で』

 

その言葉を最後に電話を切ったアザゼル。

ふぅ、とひとつ息を吐き出すと背伸びをした。

 

 

 

「……忙しくなりそうだ」

 

夕日に照らされてアザゼルはそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


さて、今回は士織くんを謎の種族に転生させましたが……正直必要だったのかな……と思い始めました(笑)
ただ、これでレーティングゲームに出場させれるようにするという目的は達成しました!!
……眷属の目処は全くたっていませんが……(苦笑)


それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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