ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんにちは♪(*´ω`*)
春休みに突入した夜叉猫ですっ!


最近では日向ぼっこをしてて外で寝てたりするのですが……暖かくていいですね〜♪(*´ω`*)


それでは早速本編をどうぞ♪(*´ω`*)


第68話

Side 三人称

 

「―――――面白い。

オレの知っている中でも君の意外性はピカイチだ!」

 

一誠に向けて拍手を送るヴァーリ。

その視線には熱っぽいモノが混じっているようにも見えた。

 

「ひとつ、賭けをしよう兵藤一誠」

 

「……賭けだと?」

 

怪訝そうな表情を浮かべてヴァーリを見つめる一誠。

 

「オレが勝ったら君の全てと君の周りにある全ても白龍皇の力で半分にしてみせよう!」

 

ヴァーリが空中を漂い、腕を大きく広げる。背にある光の翼もその大きさを増して行く。

 

「半分?

俺の力ならともかく、俺の周囲を半分にするってどういうことだ……?」

 

一誠の問いかけにヴァーリは哄笑をあげる。

 

「無知は怖いな!

知らずに死ぬのも悪くないだろうが……今回は教えてあげよう!」

 

Half(ハーフ) Dimension(ディメンション) !!』

 

宝玉から響く音声と共に眩いオーラに包まれたヴァーリが眼下に広がる木々へ手を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――は……?」

 

漏れたのは間抜けな声。

一誠はその光景に開いた口が閉じなかった。

 

―――――木々が一瞬で半分の太さになってしまっていたのだ。

さらに、周囲の木々も圧縮されるかのように半分になっていく。

 

『相棒、わかりやすく教えてやる』

 

半分になっていく光景に唖然としていた一誠にドライグの声がかかる。

 

『あの能力は周囲のモノを全て半分にしていく。

―――――つまり、もしアレをお前の護るべき対象に使われれば寿命という概念ですら半分にされかねんぞ。

それを繰り返し使われてみろ―――――幾ら永遠に近い時間を生きるとしても……すぐに死んでしまうぞ?』

 

「……は……??」

 

再び間抜けな声がもれる。

一誠は表情というものを忘れたかのように無表情になり―――――次の瞬間には憤怒の表情を浮かべた。

 

―――――そして溢れる龍のオーラ。

 

 

 

 

 

「ふざけんなァァァァァァァァァァァァァァァァアッッッッ!!!!!!」

 

一誠の周囲が弾け飛ぶ。立っていた地面も大きく抉れ、クレーターと化している。

旧校舎の窓ガラスが全て割れ、外壁にヒビが入り、崩れていく。

 

「俺の……俺の仲間に手ぇ出してみろ……お前、この世に生を受けたことを後悔させてやるッッッ!!!」

 

『Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost !!!!!!』

 

「特に……士織に……家族に手ぇ出してみろ……。

そんときは―――――お前という存在そのものをぶち殺すッッッッ!!!!」

 

特大の殺気を乗せた一誠の視線がヴァーリを射抜く。

 

「……イィ……イィなぁ!

その殺気、その視線!

まさに狩られる寸前のこの獲物の気持ちッ!!」

 

そんな視線に射抜かれながらも、恍惚の表情を浮かべて一誠を見つめるヴァーリ。

 

「さぁ!殺ろう!

君のその力をオレにぶつけてくれ!

オレはそれを―――――上回ろう!!!」

 

「言われなくても……殺ってやるよ!」

 

『Explosion!!』

 

その音声と共に一誠のオーラが莫大に増長された。

先に仕掛けたのはヴァーリ。

その身を光速で動かし、一誠へと接近する。

 

「―――――士織より、遅い」

 

しかし、一誠はその姿をしっかりと捉えていたらしく、逆にヴァーリの体へボディブローをカウンターで叩き込む。

 

「がふっ?!!」

 

吐瀉物を口から吐き出すヴァーリ。

一誠は今が好機と思ったのか、吹き飛んで行こうとするヴァーリの腕を乱暴に掴み自分へと引き寄せた。

 

『Divide!!』

 

同時に、移植したばかりの白龍皇の力までも発動し、ヴァーリを包むオーラは激減する。

 

「―――――墜ちろッッ!!!」

 

一誠は右足を振り上げると、踵落としの要領でヴァーリの頭を蹴りおろした。

 

「〜〜〜〜〜〜ッッ!!?」

 

声にならない声を上げ、ヴァーリは地面に叩きつけられる。

ヴァーリの鎧はボロボロに砕け、ヒビが入り、まさに満身創痍の状態となり、当の本人は血反吐を吐き出しながらヨロヨロと立ち上がった。

 

「あ、圧倒……的……だな……」

 

しかし、その表情は満足げであり、楽しげである。

一誠はそんなヴァーリの様子に舌打ちをする。

 

「……まだ倒れねぇのかよ……」

 

「あぁ……こんなところで倒れてしまっては、勿体無いだろう……?」

 

『ヴァーリ、奴の半減の力に対する解析は済んだ。

こちらの力の制御方法と照らし合わせれば対処できる』

 

「……そうか……なら、もうアレは怖くないな」

 

ヴァーリは口から血の塊を吐き出すと深呼吸をした。

ボロボロの鎧は修復されることはなく、しかしヴァーリは俄然やる気である。

 

「アルビオン、彼ならば【覇龍(ジャガーノート・ドライブ)】を見せるだけの価値があるんじゃないか?」

 

【覇龍】という言葉に一誠は眉をひそめる。

 

『ヴァーリ、この場でそれは良い選択ではない。

無闇に【覇龍】となればドライグの呪縛が解けるかもしれないのだ』

 

「願ったり叶ったりだ、アルビオン。

―――――『我、目覚めるは、覇の理に―――――』」

 

『自重しろヴァーリッ!!!

我が力に翻弄されるのがお前の本懐か?!』

 

怒りの色を含ませて声を上げるアルビオン。

一誠はヴァーリが何かを唱えようとした瞬間、接近し、攻撃を与えようとしていた。

 

「させるか……ッ!!」

 

ただ拳を握り、ヴァーリに放つ一誠。

 

 

 

 

 

―――――しかし。

 

一誠の攻撃はヴァーリをとらえることはなかった。

 

 

 

 

 

「―――――ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」

 

一誠の拳は突然現れた三国志の武将が着ているような鎧を身に纏った男性に止められていたのだから。

一誠はバックステップでその男性から離れると、鋭く睨みつける。

 

「美候か……。

何をしに来た?」

 

「それは酷いんだぜぃ?

相方がピンチだっつーから遠路はるばるこの島国まで来たってのによぅ?

他の奴らが本部で騒いでるぜぃ?

北の田舎(アース)神族と一戦交えるから任務に失敗したのならさっさと逃げ帰って来いってよ?

カテレアの奴、暗殺に失敗したんだろう?

なら監察役のお前の役目も終わりだ。

俺っちと一緒に帰ろうや」

 

「……そうか、もう時間か」

 

明らかに残念そうな表情を浮かべるヴァーリ。対して突然現れた男性はカラカラと笑っていた。

 

「なんだ、お前は?」

 

一誠の問いに男性は笑いながら答える。

 

「俺っちか?

俺っちの名前は美候。

闘戦勝仏の末裔さぁ〜」

 

突然現れた男性―――――美候は手元に棍を出現させるとクルクルと器用に回して遊んでいた。

 

「闘戦勝仏……?

……あぁ!孫悟空か!!!」

 

「おぉ!

ビンゴだぜぃ、赤龍帝。

ただ、俺っちは仏になった初代とは違うんだぜぃ?

自由気ままに生きるのさ〜。

まぁ、何はともあれよろしくなぁ〜」

 

毒気も抜けるような気楽さでそう言う美候。

 

「あ、お猿さん来てたんだ!」

 

そんな時、一誠の背後から女性の声が響く。

一誠はその声にびくりと身体を震わせると、直ぐにその場から離れた。

 

「おぉ、乳狐(ちちぎつね)

お前こんなところにいたのかぃ!」

 

乳狐と呼ばれた女性―――――玉梓は美候の言葉に頬を膨らませる。

 

「もぉ〜!

その名前は止めてよお猿さん!

セクハラだよぉー!

それに猫さんの方が私よりおっきいでしょ!」

 

「んならアイツは乳猫だな!」

 

「そういう問題じゃないでしょー!!」

 

玉梓は美候に近づいていくとまるで絵文字の『(>_<)』のような表情を浮かべて抗議するが、美候は笑うだけで真剣に聞こうとはしない。

 

「あ、ヴァーリちゃん!

あなたのお父さん、あっちに寝かせてるから!

安心して!怪我はないから!」

 

玉梓はそういいながら満身創痍のヴァーリに抱きつく。

 

「……止めろ玉梓」

 

「えぇ〜!

いーじゃんいーじゃん!

治療してあげるんだし〜♪」

 

玉梓がそういった瞬間、ヴァーリの体がオレンジ色の暖かそうな光に包まれた。

 

「なっ……?!」

 

今まで黙っていた一誠もその光景に声を上げる。

―――――ヴァーリの傷が全て治って行くのだ。

 

「……別に抱き着かなくても良いだろう?」

 

「役得役得♪」

 

玉梓はにこにこと笑ってそう言う。ヴァーリは今にもため息を吐きそうな表情を浮かべていた。

 

「ヴァーリの治療も済んだことだし、帰ろーぜぃ?」

 

 

 

 

 

「―――――帰らせると思うか?」

 

―――――その場の誰の声でもないものが響いた。

声の発生源、そこにいたのは―――――士織だった。

 

「ありゃ〜……バケモン出てきちった……」

 

士織の姿を確認すると同時に引き攣った笑みを浮かべる美候。

 

「オーラの量がわかんねぇや……。

あれか?次元が違うってやつ……」

 

「まだお猿さんには早かったんだよ……」

 

戦慄する美候の肩をポンポンと優しく叩く玉梓。が、その表情は笑いをこらえているようだ。

 

「ねーねー士織くん!

お土産あげるから此処は見逃してくれないかなぁ??」

 

「寝ぼけてんのか?

土産なら俺の目の前に3人いるんだが?」

 

士織はそう言うと指の骨をポキポキと鳴らす。

 

「そ〜いわずに!

―――――ほら!ぷれぜんとふぉーゆー!」

 

玉梓はそういいながらいつの間にか取り出したラッピングされた大きな箱を士織に投げつける。

士織はその箱を破壊しようと拳を振り上げたが、次の瞬間眉をひそめてその箱を受け止めた。

 

「気に入って貰えた??

曹操くんにバレないように用意するの大変だったんだよ〜??」

 

「…………」

 

「敵意も無くなったし、ありがたく帰らせてもらうね?

ほら、お猿さん!帰るよっ!」

 

玉梓はそう言って美候のお尻をひっぱたいた。

 

「痛ぁっ?!

て、手加減しやがれぃ!」

 

美候は若干涙目になりながらも、手に持つ棍を地面に突き立てる。

刹那、地面に黒い闇が広がり、ヴァーリ、美候、玉梓の3人を捉えると、ズブズブと沈ませていく。

 

 

 

 

 

「―――――兵藤一誠!!」

 

ヴァーリの声が響く。

一誠はヴァーリの方を向くと睨みつけた。

 

「オレは君を気に入った。

その俺をも超える強さ……実に惹かれる」

 

「……だからなんだよ」

 

不機嫌そうに吐き捨てる一誠。

それに対してヴァーリは不敵に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレは決めたぞ。

―――――君をオレの()()にする!」

 

 

 

 

 

―――――瞬間、場の空気が凍った。

一誠は一瞬何を言われたかわからなかった様だが、しばしの間を開けて顔を真っ青に変化させる。

 

「や、やめろッ!?

お、俺はノーマルなんだ!

男色の気なんてねぇんだよぉぉぉぉお!!!」

 

士織の影に隠れるようにすると体を震わせる一誠。

 

「……何を言っているんだ?

オレはお―――――」

 

ヴァーリの言葉は最後まで紡がれることなく闇の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪(*´ω`*)


さて、今回はヴァーリが最後に爆弾を落としていきましたね〜(笑)
こういう展開もいいのでは?と思って書いてみました♪

問題児の方も待って下さる読者様がいるので早く書かないとと思いながら今日も今から昼寝です(笑)

みなさんも日向ぼっこをしてみると案外ハマっちゃうかもですよ??(*´ω`*)


それでは今回はここまで♪
また次回お会いしましょう♪

感想など、お待ちしてます!(>_<)

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