ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんにちは♪(*´ω`*)
いろいろありまして……やっと投稿できたのですよ……(苦笑)

何はともあれ、さっそく本編の方をどうぞ♪


第67話

Side 三人称

 

「ど、どうしたんだよ士織っ!」

 

一誠は割れたガラス片などを叩き落としながら立ち上がる士織に言う。

 

「おぉ、一誠。

ギャスパーは助けれたみたいだな」

 

しかし、慌てる様子の一誠とはうってかわり、呆気からんとした朗らかな雰囲気で、士織は笑った。

 

「そ、そうだけど……。

いや、なんでお前が吹き飛ばされてんだよ?!」

 

「そう興奮するな。

何、俺と()()の奴に一撃貰っただけだ。

大したダメージは入ってないから気にすんな」

 

そういう士織に何とも言えない表情を浮かべる一誠。

士織程の強者が一撃を貰ったのだと言うならば、それは一体如何程の強さなのか。

一誠は己の額から汗が一筋流れるのを感じた。

 

「あ〜……取り敢えず付いてこい一誠。

外でいろいろと厄介なことが起きてる。

……リアス先輩、ギャスパーを頼む」

 

士織はそれだけ言うと、一誠の返事も待たずにその手を引いて、たったいま飛び込んできた方向へと走り出し、跳躍して行く。

 

その場に残されたリアスはあまりに素早く進んでいく話についていけず、ぽかんとした表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

校庭に着地した士織と一誠は、上空を睨むアザゼルの姿を見つけた。

 

 

 

視線の先にいるのは―――――白龍皇ヴァーリ。

そして、ダボッとした和服を身に纏い、腰に刀らしき物を差す綺麗な黒髪をした女性。

 

「……まさかとは思っていたが……。

この状況下で反旗か!ヴァーリ!!」

 

「そうだよ、アザゼル」

 

眩い光を放ちながら、ヴァーリはアザゼルたちの前に舞い降りる。

和服の女性もヴァーリに続くように地面へと降り立った。

和服の女性は士織の姿を捉えると笑顔を浮かべて手を振る。

 

「あ、士織くんやっほ〜♪

さっきぶりだねぇ〜」

 

「まさか初対面で蹴り飛ばされるとは思わなかったけどな」

 

「ほら、挨拶的なぁ??」

 

ケラケラと笑う和服の女性。

一誠、そしてアザゼルは士織の蹴り飛ばされたという発言を聞き、その女性に注目する。

 

「それにわざと飛んでいったくせにぃ〜」

 

「威力を殺そうとしたら思いの外お前の蹴りが強かったんだよ」

 

軽い雑談のように交わされる言葉。

しかし、それは士織の実力を知るものからすれば驚愕に値するものだったに違いない。

 

「……まったく、俺もヤキが回ったもんだ……。

せっかくの身内がこんなだとはな……」

 

先程までの会話に驚いたが、ヴァーリを視界に入れるとそう言って自嘲するアザゼル。

ヴァーリはマスクを兜に収納させて顔を出した。

 

「いつからだ?

いつから、そういうことになった?」

 

「コカビエルを本部に輸送する途中でオファーを受けたんだ。

悪いね、アザゼル。

こちらの方がオレにとっては面白そうなんだ」

 

「ヴァーリ、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』がオーフィスに降るのか?」

 

「いや、違うよ。

俺をスカウトしてきたのはオーフィスじゃなかった。

だが、魅力的なオファーをされてね。

『アースガルズと戦ってみないか?』―――――こんなことを言われたら、自分の力を試してみたいオレでは断れない。

アザゼルはヴァルハラ―――――アース神族と戦うことを嫌がるだろう?

戦争自体が嫌いだものな」

 

「……俺はお前に『強くなれ』とは言ったが、同時に『世界を滅ぼす要因だけは作るな』とも言ったはずだぞ?」

 

「それは済まなかった、アザゼル。

でも、オレの性格上、無理なのは分かっていただろう?」

 

「……そうかよ。

確かに、俺は心の何処かで遅かれ早かれお前が手元から離れて行くのを予想はしていたさ。

―――――お前は出会った時から今日までずっと、強者との戦いを求めていたもんな」

 

そう言って苦笑を浮かべるアザゼル。

そんなアザゼルを尻目にヴァーリは自身の胸に手を当て、士織たちの方に向かっていう。

 

 

 

 

 

「―――――オレの本名は『ヴァーリ・ルシファー』だ」

 

いつの間にか静かになっていた校庭にはその名前が響き渡る。

 

「死んだ先代の魔王ルシファーの血を引く者なんだ。

けど、オレは旧魔王の孫である父と人間の母の間に生まれた混血児。

―――――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の神器は半分人間だから手に入れたものだ。まぁ、偶然だけどな。

でも、ルシファーの真の血縁者でもあり『白い龍(バニシング・ドラゴン)』でもあるオレが誕生した。

『運命』『奇跡』というものがあるなら、オレのことかもしれない。―――――なんてな」

 

そういうヴァーリの背中から光の翼の他にも悪魔の翼が幾重にも生え出す。

 

「……もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつの事に違いねぇ……。

俺が知ってる中でも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の【白龍皇】になる……」

 

アザゼルはそう言ったあと、その隣にいる和服の女性に視線を送る。

 

「……それよりもだ、お前は何者だ……?

あの士織を蹴り飛ばしたとかいう話を聞くに、もしそんな実力を持っているなら有名になっていそうなもんだが……」

 

「あ、私??

ん〜……私はねぇ〜」

 

口元に指を当て考える様子の女性。

ふと、士織の方に視線を向けた女性は微笑み、そしてアザゼルの方を向き直した。

 

「私の名前は【玉梓(たまずさ)】。

ん〜……楽しいこと大好きな半妖の自由気ままな野良狐だコーン―――――なんちって♪」

 

そう言った女性は頭に狐耳を、お尻の辺りから九本の尾を出した。

 

「なっ?!九本の尾に玉梓だと!?

まさかあの【玉梓の前】に関係があるって言うのか……っ?!」

 

アザゼルは驚愕の表情を浮かべて声をあげる。

それに対して玉梓と名乗った女性はニヤリと笑って口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――まったく関係ないよ!」

 

豊満な胸を張ってそう言う玉梓。

 

「紛らわしい言い回しすんなよ!」

 

士織のツッコミが炸裂。

アザゼルはなんとも言えない表情を浮かべていた。

 

「いや〜ごめんごめ〜ん!

こうした方が面白いかなーって!」

 

テヘペロと言わんばかりに舌を出す玉梓。

アザゼルは頭をガシガシと掻くと何処か緊張の解けたような雰囲気で口を開く。

 

「……まぁいい。

お前も【禍の団(カオス・ブリゲード)】の一員だな?」

 

「え?違う違〜う。

私はヴァーリちゃんに付いてきただけ。

流石にテロリストになるつもりはないでーす」

 

ケラケラと笑いながらそう言う玉梓に呆気にとられるアザゼル。

 

「……それで?

どうするんだ?ヴァーリ。

お前の性格上このまま大人しく捕まってくれる気はないんだろ?」

 

鋭い視線をヴァーリに向けたアザゼルは覇気を纏わせて言う。

ヴァーリは獰猛な笑みを浮かべていた。

 

「その言い方だとオレが捕まるのは前提条件みたいだなアザゼル」

 

「当たり前だろうが。

―――――説教タイムだ」

 

6対12枚の漆黒の翼を展開させたアザゼルはヴァーリに向かって突進していく。

 

「おっとっと〜!

おじさんは私と遊ぼっか!

ヴァーリちゃんは赤龍帝くんに興味があるらしいから〜」

 

しかし、アザゼルはその突進を玉梓に止められた。

ニコニコと笑いながら尾を振る玉梓。

アザゼルは舌打ちをしながら玉梓から少し距離を取る。

 

「しゃぁねぇ……おい、一誠!

ヴァーリのこと頼んだぞ!

俺はこのボイン狐と戯れてくる」

 

「ヴァーリちゃん!

あなたのお父さんすっごくヘンタイ!

なんだか邪な視線を感じる!

主に私の胸に向かって!!」

 

胸を尻尾で覆い隠しながらも玉梓は頬も染めずに言った。

アザゼルはその懐から1本の短剣らしきものを取り出して構える。

 

「お前さんが士織クラスってなら俺も瞬殺されちまうが……まぁ、堕天使の総督としては負けれねぇわな」

 

「ふっふっふ……私としては士織くんと戦いたかったんだけど……おじさんと遊ぶのも楽しそうだし良いよね☆」

 

アザゼルと玉梓は此処では戦いにくいと判断したのか、何処かへと移動していった。

 

 

 

 

 

「―――――さて、兵藤一誠」

 

ヴァーリの視線が今は士織ではなく、一誠に向けられる。

 

「此処で【赤】と【白】の戦いをしてみるのも良いと思わないか?」

 

「……拒否権は?」

 

「ないさ。

君が拒否するっていうなら、その気にさせるまでのこと。

そうだな―――――手始めに君の想い人を殺そう」

 

ぴくりと一誠の体が揺れる。

 

「君のことは少し調べた。

確か君の家には堕天使の3人がいたね?

その中の1人と君はかなり親しい仲だったはずだ。

―――――だからそいつを殺そう」

 

一誠は顔を上げ、ヴァーリを睨みつける。

その様子にヴァーリは満足気に表情を変えた。

 

「……戦ってやるよヴァーリ」

 

「いいね……!

あの時に感じた龍の波動よりも更に濃密になっている……ッ!!」

 

ヴァーリはマスクで顔を覆うと構える。

戦闘態勢は万全のようだ。

 

「……士織、手ぇだすなよ……」

 

「そんな無粋なことはしねぇよ。

―――――だから存分にやってこい、一誠」

 

士織はそれだけ言うと、離れるように跳躍して行った。

どうやら完全に傍観者となるようだ。

一誠は手のひらを握ったり開いたりを数回繰り返すと、息をひとつ吐き出した。

 

 

 

 

 

「―――――【禁手化(バランス・ブレイク)】」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker !!!!』

 

一誠が纏ったのは赤い龍を模した全身鎧(プレートアーマー)

ヴァーリの鎧【白龍皇(ディバイン・ディバイディング・)の鎧(スケイルメイル)】と対となる【赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)】だ。

 

「……行くぞ」

 

一誠の低く小さな呟きにヴァーリは興奮した様子を見せる。

 

「あぁ!来い兵藤一誠―――――」

 

しかし、その言葉は最後まで紡がれることは無かった。

何故なら、ヴァーリは一瞬で接近してきた一誠のボディブローを受けたのだから。

 

「かふ……っ?!!!」

 

地面を擦るように吹き飛ばされたヴァーリは体勢を立て直し立ち上がる。

見ればヴァーリが攻撃を受けた部分、腹部の鎧にヒビが入っていた。

一誠は冷ややかな視線をヴァーリに向けていた。

 

「倍加無しでこの威力か……!

想像以上だ!兵藤一誠ッ!!」

 

「あぁ……忘れてた。

取り敢えず1発ぶん殴らないと気がすまなかったから……発動させるの忘れてた」

 

そう言って、一誠は悪魔の翼を、ヴァーリは光翼を広げ空中で―――――衝突する。

 

 

 

―――――『Divide!!』

 

一方は相手の力を半減し、糧とする。

 

 

 

―――――『Boost!!』

 

一方は己の力を倍加し、力を高める。

 

 

 

 

 

『相棒!

半分にされた力は俺の力で元に戻るが―――――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の他の能力が厄介だ!』

 

「どういうことだ?!」

 

一誠はヴァーリと殴り合いをしながら叫ぶように聞く。

 

『奴は相手の力を半分にするだけでなく、減らした分の力を自分に加算するのさ!』

 

「なら、半分にされる前にぶん殴りゃ関係ねぇ!!」

 

『Boost!!』『Divide!!』という音声が幾度となく流れる。

 

『なんとも相棒らしい脳筋な考えだが……それもありだろう!』

 

ドライグの心底楽しそうな声に一誠も笑いながら向かっていく。

 

「これならどうだ!」

 

ヴァーリは接近してくる一誠に向けて無数の魔力弾をばら撒き、確実にダメージを与えようとする。

 

「しゃらくせぇ!!」

 

しかし、ヴァーリの避けるであろうという考えとはまったく真逆の行動を見せる一誠。

無数の魔力弾へと突っ込んでいくのだ。

その行動にはヴァーリも驚きを隠せない。

一誠はボロボロになりながらも前進をやめない。

 

「くたばれボケぇぇぇッ!!!」

 

叫びながら拳を振りかぶる。

 

『Boost Boost Boost Boost Boost!!』

 

『Explosion!!』

 

「【龍の剛腕】ッッッ!!!」

 

「ぐがぁ……っ!!??」

 

ヴァーリは防御障壁を張りはしたものの、一誠の拳はそれすらやすやすと貫き、ヴァーリの腹部を抉った。

地面へと落下していくヴァーリ。

衝突するかと思いきや、ヴァーリは光翼をはためかせて地面をすれすれで上昇する。

 

「くっ……!

半減が間に合ってなかったら今のは危なかった……!」

 

そういいながらも、壊れた兜から見えるヴァーリの顔は心底嬉しそうに笑っていた。

互いに鎧もボロボロになり、血を流していたが、戦意はむしろ向上しているように見える。

 

「あぁ、楽しいな!兵藤一誠!」

 

「別に楽しくねぇよ!」

 

「そういいながらも気がついているか?

―――――君も笑っているぞ!」

 

ヴァーリ同様に壊れた兜から見える一誠の顔には笑みが浮かんでいた。

 

「やはり、ドラゴン同士の戦いはこうでなくては!」

 

そう言ったヴァーリは壊れた鎧に自らの魔力を送り込み修復する。

 

「チッ!

修復機能とか勘弁してくれよ……!」

 

『相棒にも魔力さえあれば修復できるが……相棒は不自然なまでに魔力の絶対量が少ないからな……』

 

「ないものねだりなんてしても意味ねぇだろ、相棒!

俺には魔力はないけど、相棒(ドライグ)がいる!

それだけで十分だッ!!!」

 

『ふっ……嬉しいことを言ってくれる。

―――――しかし、どうする相棒。

このままではジリ貧だぞ?』

 

「【赫龍帝の四皇鎧(ブーステッド・ギア・プロモーションメイル)】ならどうだ?」

 

『なることは可能だろう。

しかし、今の相棒の残り魔力では【換装】は行えないぞ』

 

「チッ!

……最初から使っとくべきだったか……」

 

一誠は悔しそうに顔を歪める。

その体に残る最早雀の涙程もない魔力では、本来の性能を発揮することはできないとドライグは言っているのだ。

 

 

 

 

 

―――――そんな時、一誠の視界にあるものが映り込んだ。

 

そして閃く―――――奇策。

一誠は獰猛な笑みを浮かべて口を開いた。

 

「なぁ、ドライグ。

神器(セイクリッド・ギア)ってのは想いに応えて進化するよな……」

 

『あぁ、そのおかげで相棒は今までにない進化を遂げてきたではないか』

 

赫龍帝の四皇鎧(ブーステッド・ギア・プロモーションメイル)】。

それこそが良い例だろう。

一誠は己の視界に映り込んだモノ―――――『白い龍』の宝玉を拾い上げた。

 

『ま、まさか?!正気か相棒っ!?』

 

その行動で一誠が何をしようとしているのかを悟ったドライグは慌てた様子で言う。

ヴァーリはその様子を興味深そうに眺めるだけで、攻撃をしようという素振りは見えなかった。

 

「当たり前だろうが!

―――――無理を通して、道理を蹴っ飛ばす。

それが俺とお前の真骨頂だろ?」

 

『……ふっ。それもそうだな』

 

一誠はヴァーリの方を向くと、にやりと笑った。

 

 

 

 

 

「『白い龍』アルビオン!ヴァーリ!

―――――貰うぜ、お前たちの力を!!」

 

言って、一誠は右手の甲に存在する赤龍帝の宝玉を叩き割り、そこへ先程拾った『白い龍』の宝玉をねじ込んだ。

すると、一誠の右手から白銀のオーラが漏れ出し始め、そのまま右半身を覆ってしまう。

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぉぁあああッッ?!!!!」

 

苦悶の声を上げ、激痛に表情を歪める一誠。呼吸は荒くなり、体をガクガクと震わせる。

 

「まさか……オレの力を取り込むつもりなのか?」

 

一誠のやろうとしていることに気がついたのか、ヴァーリは驚愕の表情を浮かべた。

 

『無謀なことを……。

ドライグよ、我らは【魔】と【聖】、【邪】と【善】のように相反する存在だ。

それを混ぜ合わせようなど……自滅行為にほかならない。

―――――こんなことでお前は消滅するつもりなのか?』

 

『ぐぉぉぉぉぉおおおっっ!!』

 

ドライグもまた、一誠のように苦悶を漏らしていた。

だが、ドライグは悲鳴を出しながらも、笑いを含ませる。

 

『アルビオンよ!

お前は相変わらず頭が固いものだ!

我らは長きに亘り、人に宿り、争い続けてきた!

毎回毎回同じことの繰り返しだった!』

 

『そうだ、ドライグ。

それが我らの運命。

お互いの宿主が違ったとしても、戦い方だけは同じだ。

お前が力を上げ、私が奪う。

神器をうまく使いこなした方がトドメをさして終わりとなる。

……今までも、そしてこれからもな』

 

アルビオンの言葉にドライグは不敵な笑いを向ける。

 

『俺はこの宿主―――――兵藤一誠と出会っていいことを知った。

―――――無理を通して、道理を蹴っ飛ばす!そうすれば新しい世界を見れるのだと!!』

 

「俺の想いに応えろォォォォオッッ!!!!」

 

一誠は絶叫しながら、己の右手を天に掲げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Vanishing Dragon Power is taken !!』

 

 

 

 

 

その音声と共に、一誠の右手は眩い白光に包まれる。

そして現れたのは、白銀のオーラを発する白き籠手。

 

「―――――【白龍皇の籠手(バニシング・ギア)】ってところか?」

 

『有り得ん!こんなことは有り得ない!』

 

アルビオンの声は驚愕で染まっていた。

 

「いや、可能性はあったんだよ。

俺の仲間が【聖】と【魔】の力を融合させて、【聖魔剣】なんてものを創り出した。

神がいないから崩れたバランスのせいで現れたシステムバグ的なものを利用したのさ」

 

『……【神器(セイクリッド・ギア)プログラム】の不備をついて、実現させたというのか?

……いや、しかし、こんなことは……。

思いついたとしても実現に行うのは愚かだ……。

相反する力の融合は何が起こるかわからない。

それがドラゴンの関わるものだとしたら、死ぬかも知れなかったのだぞ?否、死ぬほうが自然だ』

 

未だ信じられない様子のアルビオン。

一誠はあっけらかんとして朗らかに笑った。

 

「あぁ、確かに無謀だった。失敗するかもしれなかった。死ぬかもしれなかった。

―――――だが、俺は生きている」

 

そんな一誠の言葉に嘆息するドライグ。

 

『だが、確実に寿命を縮ませたぞ?

いくら悪魔に転生し、永遠に近い時間を生きるとしても―――――』

 

「一万年も生きるつもりなんて無いさ。

俺は自分の大切な人たちの寿命より、1秒でも長く生きれたらそれでいい」

 

一誠は優しい微笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

さて、今回は一誠くんとヴァーリの戦いの序盤がメインとなりましたが、楽しんでいただけましたか??

次回も戦闘シーンがたくさんあるはずなのでおたのしみに♪(*´ω`*)


それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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