ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

66 / 80
皆さんこんにちは♪(*´ω`*)
最近はもう3年生かぁ……なんて思っている夜叉猫ですっ!(>_<)

今回も比較的早く投稿できてほっとしています(*´ω`*)
それでは早速本編の方をどうぞ♪


第66話

Side 士織

 

リアス先輩と一誠が転移してすぐ、俺は溜息を吐く。

職員会議室の床に現れた魔法陣。

それを見て、3大勢力のトップの面々は驚愕の表情を浮かべていた。

 

―――――いや、アザゼルは笑い、サーゼクスは苦虫を噛み潰したような表情だ。

 

 

 

 

 

「―――――レヴィアタンの魔法陣」

 

サーゼクスの呟きにゼノヴィアが反応する。

 

「ヴァチカンの書物で見たことがあるぞ……。

―――――アレは『旧魔王レヴィアタン』の魔法陣だ……」

 

魔法陣から現れたのは1人の女性。

胸元が大きく開き、深いスリットの入った何とも露出の多いドレスに身を包む、さながら痴女のようだ。

 

「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス殿?」

 

不敵な物言いで、サーゼクスへの挨拶を口にする痴女。

 

「先代レヴィアタンの血を引く者……カテレア・レヴィアタン。

これは一体どういうことだ?」

 

痴女―――――カテレア・レヴィアタンは挑戦的な笑みを浮かべて言う。

 

「旧魔王派の者達はほとんどが『禍の団(カオス・ブリゲード)』に協力する事に決めました」

 

「……新旧魔王サイドの確執が本格的になったわけか……。

あらら……悪魔も大変なこった……」

 

アザゼルは他人事のように笑い頭を掻く。

 

「カテレア……それは……言葉通りと受け取っていいのだな……?」

 

悲しそうな表情を浮かべて言葉を吐き出すサーゼクス。

しかし、そんなサーゼクスをよそにカテレア・レヴィアタンは誇らしげに口を開く。

 

「サーゼクス、その通りです。

今回のこの攻撃も我々が受け持っております」

 

「―――――クーデターか」

 

『現魔王派』に対する『旧魔王派』の反乱。

それをこの和平を願う会談出するところを見ると余程『現魔王派』が気に入らないらしい。

 

「……カテレア、何故なんだ……?」

 

「サーゼクス、それは簡単なことです。

今日この会談のまさに逆の考えに至っただけなのですよ。

神と先代魔王がいないのならば、この世界を変革すべきだと、私たちはそう結論付けました」

 

至った思考は真逆の、『戦乱』を望むもの。サーゼクスの顔は更に曇る。

 

「オーフィスの野郎はそこまで未来を見ているのか?

……到底そうとは思えないんだがな……」

 

アザゼルの問いかけにカテレア・レヴィアタンは溜息を吐く。

 

「そんなはずがないでしょう?

オーフィスには、力の象徴として力を集結する為の役を担って貰っているだけ。

言わばお飾りのトップです。

彼の力を借り、一度世界を滅ぼし、もう一度構築します。

―――――新世界を私たちが取り仕切るのです」

 

そう言って、高笑いを始めるカテレア・レヴィアタン。

 

―――――嗚呼、五月蝿い。

 

―――――嗚呼、煩わしい。

 

―――――嗚呼、なんて―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――馬鹿馬鹿しいんだ」

 

俺の呟きを境に、その場に静寂が広がる。

先程まで高笑いをしていたカテレア・レヴィアタンですら、口をつぐんでいた。

 

「……お前ら……こぞって世界の変革の真似事か?」

 

カテレア・レヴィアタンは見下した視線を向けてイラついた様子で口を開く。

 

「……ふん!

たかが人間が……。

そうです。それが一番正しいのですよ!

だいたいこの世界は―――――」

 

「腐敗している?人間が愚か?地球が滅ぶ?

―――――おいおいおい……今時そんなの流行らねぇよ」

 

俺は吐き捨てるように言う。

カテレア・レヴィアタンは目元を引き攣らせていた。

 

「そもそも、オーフィスがお前たちに力を貸した理由を覚えていねぇのか?」

 

「ふん!そんなもの―――――」

 

「『静寂を得るためグレートレッドを倒すのを手伝って欲しい』」

 

「な……ッ?!!

な、何故それを人間ごときが!?」

 

『―――――ッ?!!』

 

カテレア・レヴィアタンを含め、その場の全員が俺の言葉に驚愕の表情を浮かべる。

 

「士織くん……君は……」

 

「別に俺は『禍の団(カオス・ブリゲード)』の一員じゃねぇから安心しろサーゼクス」

 

その一言で、サーゼクスたちはほっとした表情になる。

 

「……お前まで『禍の団(カオス・ブリゲード)』所属とか言い出したらもうどうしようもねぇところだったわ……」

 

アザゼルはそう言いつつ、冷や汗を浮かべていた。

周りをちらりと見たところ皆その言葉に賛同しているのを見る限り俺の認識はそのようなものらしい。

俺は溜息を吐きながら、再びカテレア・レヴィアタンの方へ視線を向けた。

 

「……お前らみたいな奴らに利用されるなんて……オーフィスが可哀想だ……」

 

憐れむような視線でそう言えば、カテレア・レヴィアタンは激怒し、全身から魔力を迸らせる。

 

「黙って聞いていれば……ッ!

たかが人間ごときが調子に乗るなッ!!!」

 

「……サーゼクス、ミカエル、アザゼル。

お前らは手を出すなよ?

俺は今―――――怒ってんだ」

 

後輩を悪用されたのには勿論怒っている。

しかし、それよりも何より許し難いのは―――――オーフィスをこんなことのために利用したということだ。

 

「……カテレア、降るつもりは……ないんだね……?」

 

「何を当然のことを。

此処までしておいて投降など……有り得ません」

 

「……そうか。残念だ」

 

そういったサーゼクスは目を伏せた。

以前聞いた『甘すぎる』という言葉。

今ここでその実例を見たような気がした。

 

 

 

俺は窓際に手を向けて、ただ魔力を放出した。

それだけで窓際全域は吹き飛び、風穴が開く。

 

「来いよ旧魔王レヴィアタンの末裔、カテレア・レヴィアタン。

お前は俺の逆鱗に触れた―――――万死に値する」

 

「ふん!

良いでしょう。

格の違いというものを見せてあげます」

 

そうして、俺とカテレア・レヴィアタンは外へと飛び出した。

 

 

 

 

 

Side Out

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

Side 三人称

 

外へと飛び出した士織とカテレア。

カテレアは空を飛び、士織は構えることもなく地上でカテレアを見据えていた。

 

「空も飛べないとは、やはり人間は劣等種ですね!」

 

「うっせぇなぁ……いいから来いよ」

 

士織の言葉に嘲笑を止め、明らかにイラついた表情を浮かべたカテレアは魔力弾を放つ。

流石は旧魔王レヴィアタンの末裔というべきだろうか。その数は多く、士織の視界を埋めていた。

 

「……はぁ……」

 

しかし、士織はそれを見つめて溜息を吐く。

 

「……これならコカビエルの方が良かったかもな」

 

そう呟きながら、顔の前に魔法陣を出現させる。

 

「散れ……【炎神の怒号】」

 

―――――溢れるは黒き焔。

全てを飲み込み全てを焼き尽くす神の焔はカテレアの魔力弾と拮抗することなどなく、ただ一直線にカテレアへと向かった。

 

「な……ッ?!!」

 

驚愕の表情のカテレア。

慌てて防御障壁を展開するがそれも意味をなさない。

一瞬の拮抗すら許さず、神をも焼き尽くす黒き焔はカテレア・レヴィアタンという存在ごと消し去ってしまった。

 

「…………」

 

なんとも味気なく、恐ろしく早い決着。

士織は冷めた目をしていた。

 

「はぁ……」

 

吐き出すのは溜息。

周りを軽く探るが敵の気配はない。

士織はアザゼルたちのいる校舎の方へ方向を変えて歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――うわぁ〜強そーなヒトぉ〜」

 

「……ッッ?!!」

 

何処か間延びしたその声は、突然、士織の背後から聞こえた。

 

 

 

その時の士織の表情は―――――過去最高の驚愕の色を浮かべ、狼狽しているように見えた―――――。

 

 

 

 

 

Side Out

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

Side 一誠

 

気がついた時、そこは既に部室だった。

あのドタバタの中、転送は成功したようだ。

……ただし―――――。

 

 

 

 

 

「―――――ッ!

まさか、此処に転移してくるとは!」

 

「悪魔めッ!」

 

部室内は悪趣味なローブを着た魔術師の集団で占拠されていた。

まさに敵地のど真ん中に放り出された。

 

「ぶ、ぶちょー!いっせーせんぱぃ!」

 

ギャスパーの声が聞こえる。

そちらへ視線を向ければ、ベソをかきながら椅子に縄でくくりつけられているギャスパーの姿が視界に入った。

一応の無事を確認し、リアス部長もほっとした表情を浮かべる。

 

「ギャスパー!

良かったわ……無事だったのね……」

 

「ごめん……なさぃ……。

ぼく、またみなさんに……めいわくを……っ!」

 

ぼろぼろと涙をこぼすギャスパー。

利用されたことを悔いているのだろう。

 

「気にするなギャスパー!

お前が悪いんじゃない。

だから泣くな!

向き合うって、決めただろ!」

 

俺がそういって励ますと、ギャスパーは涙をこぼしながら無理矢理笑った。

そんなギャスパーについ微笑んでしまう。

 

 

 

―――――が、次の瞬間、俺の目の前でギャスパーが女の魔術師に殴られた。

 

「愚かね、あなたたち。

こんな危なっかしいハーフヴァンパイアを普通に使うなんて。

旧魔王派の言う通りね。

グレモリー一族は情愛が深くて力に溢れている割には頭が悪いって」

 

魔術師はリアス部長を侮蔑的な視線で見ている。

 

「さっさとこんなヴァンパイア、洗脳して道具として有効活用すればいいのに……。

敵対している堕天使の領域にこの子を放り込んで神器を暴走させれば幹部の1人でも退けたかもしれないわ。

それをしないのは何?もしかして、仲良しこよしで下僕を扱う気なの?」

 

ギャスパーが殴られ、【(キング)】を侮蔑され、憤怒の感情が溢れかけるが、止まる。

今ここで俺がなすべきは怒るだけではないのだから。

 

「―――――私は自分の眷属を大切にするわ」

 

リアス部長の冷静な言葉。

それが気に入らなかったのか、魔術師が小さな魔力弾をリアス部長目掛けて放つ。

俺はそれを【赤龍帝の篭手】を出現させて防ぐ。

 

「チッ!

……生意気な口ね。

それに悪魔のくせに美しいのも気に入らないわグレモリーの娘」

 

嫉妬にまみれたどうしようもない言葉に失笑が浮かぶのを止められない。

魔術師はギャスパーの首元に刃を突きつける。

 

「……動くとこの子が死ぬわちょっと遊びましょう?

―――――そこのボウヤ。

もし勝手に動いたら……分かってるわね?」

 

脅しのつもりか、殺気を向けてくるがそれは貧相なものだった。

 

「まずはその綺麗な顔……ボコボコにしてあげる」

 

そういって、魔力弾を連続して放つ魔術師。

リアス部長は躱す素振りもなくただその攻撃を受けた。

 

「ぶちょーっ!!」

 

ギャスパーの叫びが反響する。

 

「あはははは!

いい気味ね!グレモリーの娘ぇ!!」

 

リアス部長の顔は魔力弾の直撃により血にまみれている―――――はずだった。

 

 

 

 

 

リアス部長の顔の前には俺が出現させた()()()()()

魔力弾はこれに当たっていたのだ。

 

「―――――もう、そろそろうるさいわ」

 

『Explosion!!』

 

俺は倍加3回分の力を解放する。

そして魔力を握り締め、床へと叩きつけた。

そうすれば、ギャスパーの近くにいた魔術師に向けて地面から鋭く尖った木材が飛び出す。

 

「なっ?!」

 

魔術師はその現象に驚いたのか、ギャスパーから離れて躱す。

俺はその隙にギャスパーに近づき、自らの人差し指の皮膚を噛み切った。

 

「ギャスパーもう、逃げないよな」

 

「いっせー、せんぱい……」

 

指からは俺の血が滴る。

俺はギャスパーが拘束されている縄を切り、口を開く。

 

「―――――飲めよ。

最強のドラゴンを宿してる俺の血だ。

これからはお前も一緒に戦うんだろ?」

 

ギャスパーは強い眼差しでその言葉に頷くと、俺の人差し指を咥えた。

 

その瞬間、この部室内の空気が一気に変化する。

悪寒とも言い得るそれはしかし敵意によるものではなかった。

 

『ふふ……ふふふ……ふふふふふ……』

 

何処か艶やかな笑い声。

それとともに不気味な鳴き声が聞こえてくる。天井近くを無数の赤い瞳をしたコウモリが、飛んでいたのだ。

コウモリたちは一斉に魔術師たちに襲いかかる。

魔術師たちはそれを迎撃しようと魔力弾を放とうとするが、いきなり大きく大勢を崩して不発に終わってしまった。

―――――魔術師たちの影から黒い手がいくつも伸びていたのだ。

 

「吸血鬼の能力か!」

 

「くらえ……っ!」

 

影へ魔力弾を撃ち出すが、影の手は何事もなく霧散し、そして再び形を作る。

その間にもコウモリは魔術師の体を包み込んで、各部位へと噛み付いた。

 

「血を吸うつもりか?!」

 

「いや、私たちの魔力も吸い出しているぞ!」

 

明らかに苦戦する魔術師たち。

もう、俺の出番はなさそうだ。

リアス部長もその様子に何処か嬉しげである。

 

「くぅ……ッ!

ならば……こうするだけよ!」

 

魔術師たちは影を相手にするのを諦め、こちらに魔力弾を放ってきた。

全て直撃コースであるが、しかし、俺とリアス部長は動かない。

なにせ魔力弾は―――――空中で停止してしまったのだから。

 

 

 

『無駄ですよぉ〜。

あなた達の動き、攻撃、すべては僕がみてるんですからぁ……』

 

部室内に響き渡るギャスパーの声。

その声に恐怖する魔術師たち。

 

『次はぁ……あなた達自身を停めますよぉ……』

 

無数のコウモリたちが赤い瞳を光らせる。

すると、全ての魔術師たちはぴくりとも動かなくなる。

―――――つまり、『停止』したのだ。

 

無数のコウモリたちが集まり、形を作ると、それはギャスパーへと変化する。

 

「お疲れ様、ギャスパー。

よく頑張っ―――――」

 

俺の言葉を言うよりも早く、ギャスパーが俺に体当たりを食らわせる。

あまりにも不意打ち過ぎて俺は尻餅をついてしまった。

 

「せんぱぁぃ……」

 

ギャスパーから聞こえたのは甘えるような声。ギャスパーの様子がえらくおかしい。

擦り寄るように、ギャスパーは俺と密着する。

 

「ど、どうした?ギャスパー」

 

「せんぱぁぃ……。

せんぱいの血、美味しすぎますよぉ……」

 

語尾にハートマークが付いていそうなほどに甘ったるい声を上げるギャスパー。

どことなく体が柔らかく感じるのは気のせいだろうか。

 

「知ってますかぁ?せんぱぁぃ……。

吸血鬼が吸血した時に満たされるのはぁ……『食欲』だけじゃないってことぉ……」

 

ギャスパーは舌舐りしながらそういう。

 

「ごく稀になんですけどぉ……『性欲』が刺激されることがぁ……あるんですぅ……」

 

「性欲?!!」

 

俺はつい、ギャスパーの言葉で声を上げてしまう。

 

「ふふふ……せんぱぁぃ……」

 

俺の首筋に近づくと、ギャスパーは口を開く。血を吸われるかと思ったが、次の瞬間感じた感覚はぬるりとしたものだった。

 

「お、おいギャスパー!舐めるな!!」

 

「慌てるせんぱいもぉ……イイですぅ……」

 

「だぁーっ!!

俺は男色の気はねぇって!」

 

ギャスパーの肩を掴んで俺から引き離させる。

ギャスパーは一瞬きょとんとした表情を浮かべたが、その表情は直ぐに怪しげな笑みに変わった。

 

「大丈夫ですよぉ……だってぇ―――――()()()()()ですからぁ……」

 

「……は?」

 

今度は俺がきょとんとした表情を浮かべただろう。

ギャスパーは俺の手を掴むと自分の胸へと誘導する。

 

「……んっ……。

小さいけどぉ……ある、でしよぉ……?」

 

手のひらに伝わるのは柔らかな感触。

俺は手を直ぐにギャスパーから離した。

 

「お、お前……男……女……あれ……??」

 

「ふふふ……僕はぁ……半端者なんですよぉ……。

純粋なぁ……吸血鬼でも、人間でも、悪魔でもなくてぇ……男でもぉ……女でもないんですぅ……」

 

俺にはそれが悲しげな呟きに聞こえた。

ギャスパーは一瞬影の差した表情を浮かべていたように見えたが、それが気のせいだと感じてしまう程に、再び表情を艶やかに緩める。

 

「せんぱぁぃい……」

 

再び首元に近づいてきたギャスパーは今度は甘嚙みしてくる。

歯は当たっているものの、皮膚を破る程の強さではない。

 

「……()()()()()()()……()()()()()……?」

 

淫靡なギャスパーの呟き。

頭が真っ白になる感覚が俺を襲う。

俺はギャスパーの呟きに答えるように、口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――正気に戻れボケナス」

 

「きゃん……っ?!!」

 

ギャスパーの首筋へ手刀を落として一瞬で意識を刈り取る。

ぐったりとするギャスパーを抱えて、部室のソファーに寝かせた。

 

「あっぶねぇ……なんだ今の……一瞬……」

 

―――――このままギャスパーの言葉通りにしてもいいかも、などと考えてしまった。

 

『相棒、それは吸血鬼の【魅了】の力だ』

 

突然、ドライグから声が上がる。

 

「【魅了】?」

 

『あぁ。

全ての吸血鬼が扱える訳では無いが、一応強者に分類されるであろう相棒を【魅了】させたところを見ると、このヴァンパイアの……娘?はかなりの力を有してるのだろうよ』

 

「そうか……」

 

『全く……俺が【魅了】を打ち消さなければ今頃相棒はあのヴァンパイアの娘と生殖行為をおこなっていたかもしれんのだぞ?』

 

ドライグは溜息を吐くようにそう言った。

 

「ま、マジか……すまんドライグ。

助かった……凄く助かった……」

 

俺は驚きの事実に心臓がバクバクとなる。

自らを落ち着かせるために深呼吸を行う。

 

 

 

 

 

「あら?なんでギャスパーが寝ているのかしら?」

 

その時、リアス部長の声が聞こえた。

それはまるで、今までのことがわからないかのような言葉だった。

 

「あれ……?

リアス部長、見てたんじゃないんですか?」

 

「何のことかしら?

イッセーがギャスパーに血を飲ませたところまでは覚えているのだけれど……」

 

頭の上にハテナマークを浮かべるリアス部長。

つまり、リアス部長はギャスパーに停止させられていたということになる。

 

「まぁいいわ。

何より……ギャスパーが無事ならそれで……」

 

気絶しているギャスパーに近づくと、愛おしそうに頭を撫でるリアス部長。

……それにしてもギャスパーは何故リアス部長まで停めたのだろうか……。

 

『邪魔されたくなかったのだろう。

相棒との生殖行為をな』

 

(……生々しいこと言うなよ。

もしかしたら間違えて停めたのかもしれねぇだろ?)

 

そうだ。

間違えてリアス部長まで停めてしまったのだ。それしかありえない。

俺が自分に言い聞かせるように心の中でそう言っていると―――――突然、窓際ごと吹き飛ばし、何かが飛び込んできた。

俺はその姿に驚愕する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――()()ッ?!!」

 

何せそれは、あの、士織だったから―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪(*´ω`*)


さてさて、今回はの話ではギャスパーくんの性別がどちらにでもなれるという設定を出しましたが……書いていて思いました。


―――――一誠の血を吸ったギャスパーちゃんが何故かエロ路線に乗ってしまっているっ?!Σ(///□///)

……まぁ、それもまた一興ですよね?!


とまぁ、今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪(*´ω`*)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。