ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんにちは♪(*´ω`*)
筆が進む夜叉猫ですよ〜♪

再び早めの投稿となりましたっ!!(>_<)
楽しんでいただけたら嬉しいですっ♪

それでは、早速本編をどうぞ♪(*´ω`*)


第65話

Side 士織

 

「これは……」

 

「……チッ!やっぱり来やがったか」

 

アザゼルは忌々しそうに悪態を吐く。

 

「動ける奴は返事をしろ。

現状を確認しときたい」

 

そういって周りを見回すアザゼル。

俺も誰が動けるのかを確認していった。

各陣営のトップは言わずもがな、停止しておらず、オカルト研究部のメンバーではリアス先輩、祐奈、ゼノヴィア、そして一誠か……。

 

「眷属で動けるのは私とイッセー、祐奈にゼノヴィアだけよ」

 

アザゼルの言葉にいち早く反応したのはリアス先輩。

冷静な判断が出来ているようだ。

 

「イッセーは赤龍帝、祐奈は禁手(バランス・ブレイカー)に至り、イレギュラーな聖魔剣を持っているから無事なのかしら……。

ゼノヴィアは直前でデュランダルを発動させたのね?」

 

リアス先輩の言うように、ゼノヴィアは聖なるオーラを放ち続けるデュランダルを持っていた。

ちょうど、しまうところだったらしく、空間の歪みに聖剣を戻している。

 

「時間停止の感覚はなんとなく体で覚えた。

―――――停止させられる寸前にデュランダルの力を盾に使えば防げると思ったのだが……正解だったな」

 

にやりと笑ってそういうゼノヴィアは何処か得意気であった。

 

「おい、アザゼル。

これはやっぱり……」

 

俺が呼べば、アザゼルは頷き、口を開く。

 

「あぁ……こりゃテロだ。

外見てみろ……面倒ったらありゃしねぇ……」

 

職員会議室の窓の方を顎で示し頭を掻く。

それと同時に、窓の外で閃光が広がり、建物も微妙な揺れが襲う。

 

「攻撃を受けているのさ。

何時の時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとすると、それを何処ぞの集まりが嫌がって邪魔しようとするのさ……」

 

窓の外に視線を移せば、そこには無数の人影があった。

黒いローブを着込んだ魔術師のような連中がこちらへ魔力弾を撃ち込んでいるのだ。

 

「一体誰ですか?あいつら」

 

一誠が眉をひそめながらアザゼルに問う。

アザゼルは不敵な笑みを浮かべながら一誠に近づくと、肩を組んで口を開く。

 

「ありゃ所謂『魔法使い』って連中だな。

悪魔の魔力体系を伝説の魔術師『マーリン・アンブロジウス』が独自に解釈して再構築したのが【魔術】・【魔法】の類だ。

……放たれてる魔術の威力から察するに一人一人が中級悪魔クラスの魔力を持ってやがりそうだ。

……まぁ、今は俺とサーゼクスとミカエルで強力無比な防壁結界を展開してるからどうってことはねぇけどな?」

 

一誠の肩をパンパンと叩きながら笑うアザゼル。一誠の表情は何とも言えないものになっている。

 

「あ〜……じゃぁ、さっきの時間停止は?」

 

「それは力を譲渡できる神器か魔術かでギャスパーの神器を強制的に禁手状態にしたんだろうよ……。

……ったく……イラつかせるのが上手い奴らだ」

 

俺がアザゼルに代わって言えば、一誠も表情に怒りを浮かばせる。

 

「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている……。

何処で私の眷属の情報を得たのかしら……。

しかも、大事な会談をつけ狙う戦力にされるなんて……ッ!

これ程、侮辱される行為はないわっ!、」

 

リアス先輩は紅いオーラをほとばしらせながら怒りを主張していた。

 

「ちなみにこの校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全員停止させられてるようだぜ?

まったく……リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい奴らばかりだな」

 

アザゼルがリアス先輩の肩に手をポンと置くが、リアス先輩は容赦なくその手を払い除ける。

払い除けられたアザゼルは肩をすくめながらその手を窓へ向ける。

すると、外の空に無数の光の槍が現れ、アザゼルが何でもないように手を下ろせば、その光の槍が雨となって地上の魔術師たちに降り注いだ。

防御障壁を展開していたものの、そんなものなどなんなく貫き、魔術師たちを一掃するアザゼルの光の槍。

 

「うわ……すげぇ……」

 

その光景に一誠は声を上げる。

しかし、アザゼルにとってこんなことは朝飯前よりも楽な仕事だろう。

 

「この学園は結界に囲われている。

それにも関わらず、こいつらは結界内に出現してきた。

つまり、この敷地内に外の転移用魔法陣とゲートを繋げている奴がいるってことだ。

どちらにしても【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】の効果をこれ以上高められると、俺たちも誰か1人ぐらい停止させられるかもしんねぇ。

この猛攻撃で此処に俺達を留まらせて、時間を停めた瞬間校舎ごと屠るつもりだろう。

あちらは相当な兵力を割いてきているようだしな……」

 

アザゼルの視線の先、校庭の各所で魔法陣が出現し、怪しく輝き始める。

魔法陣から現れるのは先程アザゼルにやられた魔術師集団と同じ格好の者たち。

塵芥のように性懲りもなく現れるとは……。

頭が痛くなるのを感じた。

 

「さっきからこれの繰り返しだ……。

俺たちが倒しても倒しても次の奴らが現れる。

しかし、タイミングといい、テロの方法といい、こちらの内情に詳しい奴がいるのかもしれない。

案外此処に裏切り者がいるのかもな?」

 

呆れるようにアザゼルは息を吐く。

しかし、アザゼルの言い方からは大方予想がついているように聞こえる。

 

「取り敢えず、この結界を解いちまえば人間界に被害を出すかもしんねぇし、俺は相手の親玉が出てくるのを待ってんだ。

しばらくここで篭城でもしてりゃ痺れを切らして顔出すかもしんねぇだろ?

早く黒幕の顔を拝みたいもんだぜ……」

 

余裕の表情を浮かべてそう語るアザゼル。

 

「……というように、我々首脳陣は下調べ中で動けない。

だが、まずはテロリストの活動拠点となっている旧校舎からギャスパーくんを奪い返すのが目的となるね」

 

サーゼクスはこれからのことを口にする。

つまりは現状一番危険なものを先に返してもらうということか。

 

「お兄さま、私が行きますわ。

ギャスパーは私の眷属です。

私が責任を持って奪い返してきます!」

 

強い意志を瞳に乗せてリアス先輩が進言する。その様子にサーゼクスはふっと笑う。

 

「言うと思っていたよ。

妹の性格ぐらい把握している。

―――――しかし、旧校舎までどう行く?

この新校舎の外は魔術師だらけだ。

勿論、通常の転移も魔法に阻まれる」

 

「旧校舎―――――根城の部室に未使用で残りの駒である【戦車(ルーク)】を保管していますわ」

 

「なるほど『キャスリング』か。

普通に奪い返しに行くのは彼らも予想しているだろうから、これは相手の虚をつける。何手か先んじえるね」

 

『キャスリング』―――――確か【(キング)】と【戦車(ルーク)】の位置を瞬間的に入れ替わらせる技だったはず。

なるほど、リアス先輩はそれを利用して旧校舎に行こうという考えか。

 

「よし。

だが、1人で行くのは無謀だね。

―――――グレイフィア、『キャスリング』を私の魔力方式で複数人転移可能にできるかな?」

 

「そうですね、此処では簡易術式でしか展開できそうにありませんが、お嬢さまともうひとりなら転移可能かと」

 

「リアスと誰かか……」

 

サーゼクスはもう1人を誰にするか悩んでいるようだった。

 

「サーゼクス。

もう1人なら一誠を連れていけ。

―――――良いな?一誠」

 

俺がそう言って、一誠の方を向く。

一誠は一瞬驚いた表情を浮かべたが、直ぐににやりと笑って頷く。

 

「勿論だ!

俺が行きます!ギャスパーは俺の大切な後輩ですから!」

 

その言葉を聞いたサーゼクスは満足気に頷くとアザゼルに視線を向けた。

 

「アザゼル、噂では神器の力を一定時間自由に扱える研究をしていたね?」

 

「あぁ、そうだが、それがどうした?」

 

「ギャスパーくんの力を抑えれるだろうか?」

 

「…………」

 

サーゼクスの問いにアザゼルは黙り込んだ。

しかし、アザゼルは懐を探り出すと一誠に向けて何かを投げた。

 

「おっと……」

 

「そいつは神器をある程度抑える力を持つ腕輪だ。

例のハーフヴァンパイアを見つけたらそいつを付けてやれ。

多少なりとも力の制御に役立つだろう」

 

「オッケーです!

ギャスパーに会ったら直ぐに渡します!」

 

にかっと無邪気に笑う一誠。

にやりと不敵な笑みを浮かべるアザゼル。

……こいつら案外相性がいいのかもな……。

 

「アザゼル、神器の研究は何処までいっているというのですか?」

 

ミカエルが嘆息しながらアザゼルに訊くが、アザゼルは笑ったまま詳しくは語らない。

 

「イイじゃねぇか。

神器を作り出した神がいないんだぜ?

少しでも神器を解明できる奴が居た方がいいだろ?

お前だってしらないことだらけだと耳にしたぜ?」

 

「研究しているのがあなただというのが問題だとは思うのですが……」

 

額に手を当てて頭を横に振るミカエル。

その様子を見てケラケラと笑うアザゼルはまるで悪戯っ子のようだった。

 

「お嬢さま、しばしお待ちください」

 

「急いでね、グレイフィア」

 

ふと、視線を向ければ、リアス先輩はグレイフィアに特殊な術式とやらを額から受けているのが見える。

 

「おい、ヴァーリ」

 

「なんだ?アザゼル」

 

「お前は外で敵の目を引け。

白龍皇が前に出てくれば、野郎どもの作戦も多少は乱せるだろうさ。

それに何かが動くかもしれない」

 

「……オレが此処にいることはあっちも承知なんじゃないかな?」

 

「だとしても『キャスリング』で赤龍帝が中央に転移してくるとまでは予想していないだろう。

注意を引きつけるのは多少なりとも効果はあるさ」

 

「ハァ……。

旧校舎のテロリストごと、その問題になっているハーフヴァンパイアを吹き飛ばした方が早いんじゃないかな?」

 

ヴァーリは何処か面倒くさそうに言うが、アザゼルは苦笑いを浮かべて首を横に振る。

 

「和平を結ぼうって時にそれはやめろ。

最悪の場合、それにするかもしれないが、魔王の身内を助けられるのなら、助けた方がこれからのためになるのさ」

 

「了解」

 

アザゼルの意見にヴァーリは息を吐きながらも同意する。

そして、ヴァーリはその背から光の翼を展開した。

あれが【白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)】か……。

 

 

 

 

 

「―――――【禁手化(バランス・ブレイク)】」

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker !!!!』

 

音声が響いた後、ヴァーリの体を真っ白なオーラが覆う。

光が止んだ時、ヴァーリの体は白い輝きを放つ全身鎧(プレート・アーマー)に包まれていた。

ヴァーリはこちらを一瞥した後、にやりと笑い、マスクが顔を覆う。

そして、職員会議室の窓を開き、空へ飛び出していった。

 

 

 

 

 

―――――刹那。

 

激しい爆音と爆風が巻き起こる。

見れば、魔術師の群れが白い鎧を着込んだヴァーリに蹂躙されていた。

夜の空に光の軌跡を描きながら舞うように蹴散らし、一騎当千の様相を見せていた。

ちらりと一誠の方を見てみれば、その様子を真剣な表情をして見つめている。

自分のライバルの様子を焼き付けようとしているようだ。

 

 

 

 

 

「アザゼル。先程の話の続きだ」

 

不意に、サーゼクスの声が響く。

 

「あー……なんだ?」

 

「神器を集めて、何をしようとした?

神滅具(ロンギヌス)】の所有者も何名か集めたそうだね?

神もいないのに『神殺し』でもするつもりだったのかな?」

 

アザゼルはその問いに首を横に振った。

 

「―――――備えていたのさ」

 

「備えていた?

……戦争を否定したばかりで不安を煽る物言いです」

 

ミカエルはアザゼルの物言いに呆れるように言う。

 

「言ったろ?

お前ら相手に戦争はしない。

こちらからも戦争を仕掛けない。

―――――ただ、自衛の手段は必要だ。

何回も言うがお前らの攻撃に備えているわけじゃねぇぞ?」

 

「では?」

 

アザゼルは突然真面目な表情になり、呟く。

 

「―――――【禍の団(カオス・ブリゲード)】」

 

「カオス、ブリゲード……?」

 

サーゼクスもその存在を知らなかったらしく、眉根を寄せていた。

 

「組織名と背景が判明したのはつい最近だが、それ以前からもうちの副総督シェムハザが不審な行為をする集団に目をつけていたのさ。

そいつらは3大勢力の危険分子を集めているそうだと……。

中には【禁手】に至った神器持ちの人間も含まれている。

……最悪なことに【神滅具(ロンギヌス)】持ちも数人確認してる……」

 

「その者たちの……目的は……?」

 

「破壊と混乱。単純だろう?

この世界の『平和』が気に入らないのさ。

―――――テロリストだ。

しかも最大級にタチが悪い……」

 

「……【神滅具(ロンギヌス)】持ちがいる時点で最悪ですね……」

 

ミカエルは忌々しそうに呟く。

神をも滅ぼす神器……それを持った者が複数人いるという事実に、サーゼクスも頭を抱える。

 

「しかもだ、組織の頭は『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の他に強大で凶悪なドラゴンだ……」

 

『―――――ッ!?』

 

アザゼルの言葉に俺以外の全員が絶句していた。……いや、一誠は若干わかっていないようだ。

 

「……そうか、彼が動いたのか。

無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)】オーフィス―――――。

……神が恐れたドラゴン。

この世界が出来上がった時から最強の座に君臨し続けている者……」

 

サーゼクスは険しい表情を浮かべてそう言い、この場にいる他の皆は表情を曇らせていた。

俺は内情について触り程度だが知っており、その『強大で凶悪なドラゴン』と接点もあるため、何とも言えず、ただ苦笑いを浮かべる。

 

「あ〜……サーゼクス?

その件についてだが―――――」

 

俺が口を開こうとした瞬間、職員会議室の床に魔法陣が浮かび上がった。

 

 

 

 

 

『―――――そう!

あのオーフィスが【禍の団(カオス・ブリゲード)】のトップなのです!』

 

何処からともなく響く声にサーゼクスは舌打ちをして眉をひそめる。

 

「そうか。そう来るわけか!

今回の黒幕は……ッ!

グレイフィア!

リアスとイッセーくんを早く飛ばせ!」

 

「はいっ!」

 

グレイフィアはリアス先輩と一誠を職員会議室の隅に行くよう急かせると、小さな魔法陣を床に展開させた。

 

「お嬢さま、ご武運を」

 

「ちょ、ちょっとグレイフィアっ?!お兄さま!」

 

転送の光が広がり始めまさに転送直前、一誠がこちらを真っ直ぐ見つめてくる。

 

「士織!

こっちは任せとけ!」

 

俺は何を言うわけでもなく、一誠に背を向けて後ろ手を振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まぁ、頑張れや」

 

俺の呟きが一誠に聞こえたかは分からない。

―――――しかし、後ろで一誠が笑ったような、そんな気配を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さん、本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


さて、今回はまったく関係ない雑談なのですが……。
私はFGOをしているのですが、先日何気なくガチャを回すと……来ました!
とうとう来てくれました!!!
初の☆5サーヴァントさんですっ!(>_<)
その名も『ヴラド三世』さん!
ついつい飛び上がりました……(苦笑)
ホクホク顔ですよぉ〜(*´ω`*)



さてさて、今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪(*´ω`*)

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