ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりですっ!!(>_<)
更新が遅くなってしまってすみませんでした……(。í _ ì。)

本編の方を楽しんで貰えれば幸いですっ!!(>_<)


第63話

どうも、兵藤士織だ。

 

 

 

ギャスパーと語り明かした日から数日経った休日。

俺は目的もなく街をぶらついていた。

初めは一誠でも誘って組手でもしようとしていたのだが、今日は朱乃先輩に呼び出されていたらしく断られてしまった。

 

 

 

仕方無しに街に出てきたものの、如何せんやることが無い。

何か退屈を紛らわす事が無いものかと周りを見渡していると―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士織見つけた」

 

―――――何故か俺よりも少し高い位置に顔があるオーフィスと目が合う。

俺は冷静に視線をほんの少しだけ下に向けると、そこにあったのは見間違えるまでもなく、見知った()()の顔だった。

 

 

 

 

 

「……何してんの?()()

 

俺がそう言えば、ヤハハと苦笑混じりに笑う夜鶴。

 

「ちょっと食べ歩きしてたらこの娘に話しかけられちゃってね?

『空腹……士織探す。手伝って?』っていきなり言われた時はキョトンとなってしまったよ……」

 

「へぇ……良く夜鶴が俺のこと知ってるって分かったな?」

 

夜鶴に肩車された状態のオーフィスの頭を優しく撫でながらそう言うと、オーフィスは気持ちよさそうに目を細めて口を開いた。

 

「夜鶴、士織と似てる」

 

「そ〜か?

全く似てないと思うんだが……あぁ、女顔ってのは似てるな」

 

「違う。

()()()が、似てる」

 

オーフィスの言葉に夜鶴がぴくりと反応する。

 

「流石は【無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)】と言ったところかな?

まぁ確かにそう言われれば俺と士織くんは似てるよ」

 

「そうなのか?」

 

俺が首を傾げれば、夜鶴はにこりと笑って口を開く。

 

「此処で話すのもなんだから何処か落ち着けるところに行こうか?」

 

「それもそうだな……」

 

「士織、我空腹」

 

夜鶴の肩から俺の肩に飛び移ってきたオーフィスは俺の髪を引っ張りながらそういう。

 

「わかったわかった!

だから髪を引っ張るのは止めてくれオーフィス!

……オーフィスはお腹が空いてるみたいだし、近くの公園にでも行かねぇか?

ちょうど美味いホットドッグを売ってる所があるんだ」

 

「ふふふ……士織くんに任せるよ」

 

微笑んだ夜鶴はそう言って、俺とオーフィスを暖かい目で見ていた。

 

「なら……早速行くか」

 

「れっつごー」

 

上機嫌なオーフィスの掛け声とともに俺達は公園を目指した。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

公園に到着した俺達はまず初めにホットドッグを買うことにした。

後回しにしたら空腹のオーフィスに頭を食べられてしまいそうだったからである。

 

「お、いらっしゃい嬢ちゃん。

今日はお友達と一緒かい?」

 

ホットドッグを売る車の中から俺を見つけたのか、店主である筋肉隆々のスキンヘッドな男性が顔を出す。

 

「どーもオッサン。元気そうだな。

それと、俺は嬢ちゃんじゃないって言ってるだろ?」

 

「ガハハハハ!

悪ぃ悪ぃ!

今日もサービスすっから許してくれや嬢ちゃん」

 

「……わざとだな?わざとなんだろ?

いつになったらその嬢ちゃんっての止めんだよオッサン」

 

「そうだな……そのオッサン呼びを止めたらだな」

 

「そうだな……じゃぁ―――――」

 

俺は一瞬悩んだ後に、咳払いをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――オジサマ♪」

 

柔らかな笑みを浮かべて明るいトーンでそう言ってあげた。

 

「おいこら止めろ。

限りなく似合ってるが止めろ。

俺がアレな人みたいに聞こえるだろうが」

 

スキンヘッドの頭をぽりぽりと掻きながら、なんとも言えないような表情を浮かべる。

 

「えっと……注文してもいいですか?」

 

俺とオッサンがふざけあっていると、夜鶴は苦笑いを浮かべながら話しかけた。

 

「おぉ、悪ぃな。

嬢ちゃんの友達ってならサービスするぜ?

ウチのお得意様だからな!」

 

にかっと笑うオッサン。

夜鶴もそんなオッサンの人柄の良さが分かったのか柔らかな笑みを浮かべていた。

 

「オススメってなんですか?」

 

「ウチはなんでもオススメだぜ?」

 

「えっと……」

 

オッサンの答えに困ったような表情を浮かべる夜鶴。

なんでもオススメと言われると、オススメを聞いた方からすれば困ってしまう。

 

「そんなの悩むに決まってんだろ!

あ〜……俺はいつもので夜鶴は……まぁ、初回だしスタンダードなヤツで。

んで、オーフィスは……」

 

「コレがいい」

 

そう言ってオーフィスが指を指すメニューはこの店でも最大のボリュームを誇るホットドッグだ。

1m程もの大きさのパンに千切りのキャベツと自家製の長大ソーセージを挟み、ケチャップではなく特性の甘辛いソースを掛けたそれは空腹のオーフィスには輝いて見えたのだろう。

 

「……んじゃコレをひとつ」

 

「……いいのか?嬢ちゃん。

こりゃ食べ盛りの男やらが喰う用に作ったヤツだぞ?

そのちっこい嬢ちゃんが喰うにはデカすぎると思うんだが……」

 

流石のオッサンも真顔で止めにかかるがオーフィスなら大丈夫だろうと俺はそれを否定する。

 

「大丈夫大丈夫。

最悪残ったら俺が喰うし」

 

「……まぁ、無理にとは言わねぇ、喰えなかったら俺んとこに持ってきな。

分割して持ち帰れるようにしてやるからよ」

 

そう言ったオッサンは俺達の注文した品を作り始める。

 

「ほら、そこのベンチにでも座っときな。

出来上がったら持ってってやるからよ」

 

「サンキューオッサン。

お代は此処に置いとくぜー」

 

お代用のトレイにお金を置いた俺たちはオッサンの言うようにベンチに向かった。

 

「あの人優しい人みたいだね」

 

「優しいというかフレンドリーというか……悪い人じゃねぇってのは確かだ。

……まぁ、オッサンの前では言わねぇけどな」

 

そう言って笑えば、夜鶴も釣られたようにクスクスと笑い出す。

オーフィスは俺の膝の上に座って御機嫌の様子だ。

 

 

 

 

 

「―――――そんで?

本題に入ろうぜ?夜鶴」

 

俺と夜鶴が似ている、オーラ云々の話を聞こうと俺は切り出す。

 

「そうだね……簡単に言ってしまえば―――――俺も元は転生者なんだ」

 

「なっ?!」

 

サラッとそういった夜鶴だったが、しかし内容が内容。

俺はオーフィスが膝に乗っているのも忘れて立ち上がってしまう。

 

「か、神様が元転生者?!

何の冗談だよそりゃ……!」

 

「ふふふ……驚くのも無理はないね……。

まぁ、何はともあれ、君と俺が似ているというのはそういう訳さ。

1度死を経験した魂が再びリセットされること無く新たな輪廻の輪に乗った……その過程で特殊なカタチに変化するんだよ。

……オーフィスちゃんはその変化した魂から発せられる特殊なオーラを見たんだろうね」

 

「あ〜……どっから突っ込むべきか……。

……いや、深く考えるだけ無駄か。

まぁ、要するにだ、俺と夜鶴の魂のカタチが似てるってことと、夜鶴は転生者だけど神様になったってことだよな?」

 

「おそろしく簡単に纏めたね……。

だけど……うん、その考えは的を射てるよ」

 

簡潔に纏められた言葉に夜鶴は頷きそう言う。

俺はどさりとベンチに腰を下ろして溜息を吐く。

 

「あ〜……にしても夜鶴はすげぇな。

一般人から転生して更には神様にジョブチェンジ?

なんつーサクセスストーリーだよ」

 

「確かに文字に起こしてみたらとんでもない話だね……」

 

俺と夜鶴は顔を見合わせて笑った。

別に深く考える必要は無い。

俺は俺で、夜鶴は夜鶴。

元がどうであれ、今の関係を築けたのだし、驚くことはあるにせよ拒絶することなどない。

俺が何となくスッキリした気分で背伸びをしていると、突然何かが飛び付いてきた衝撃の後に俺の頭に鈍い痛みが走った。

 

「ってぇ?!

な、なんだなんだ!?」

 

「……士織、我、頭打った。痛い」

 

見てみればオーフィスがジトーっとした目を俺に向けながら手刀を落としたのがわかる。

 

「あぁ……俺がいきなり立ったから落ちちまったのか……悪ぃなオーフィス」

 

ぶつけたであろう部分を優しく撫でてそう言う。撫でられているオーフィスは目を細めて気持ちよさそうだ。

 

「……ん。

もっと、撫でて……」

 

撫でる手に擦り寄るオーフィス。

俺はそんなオーフィスに愛しさを感じながら優しく撫で続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――待たせたなぁ!

注文の品が出来たぜ、嬢ちゃん」

 

オーフィスを撫で続けてしばらく経っただろう頃に、オッサンの元気な声が響く。

その手には俺達の注文した品があった。

 

「ほら、嬢ちゃんはいつものでそっちの娘にはスタンダードな。

そんでちっこい嬢ちゃんは……これだよな」

 

俺の手に渡されたのはやや大ぶりのホットドッグ。

レタスやトマトなどの野菜と太めのソーセージが挟まれ、ピリ辛ソースのかかったものだ。

夜鶴に手渡されたのは俺のパンよりもやや小ぶりなパンにレタスとソーセージが挟まれ、マスタードとケチャップのかかった、いたってシンプルなもの。

そして、オーフィス渡されたのは下手をすれば身の丈サイズのホットドッグ……。

目をキラキラさせながらそのホットドッグを見つめていた。

 

「ほら、コイツはサービスだ。

嬢ちゃんはいつも通りコーラでいいよな?

そっちの娘には勝手なイメージだがコーヒーを、ちっこい嬢ちゃんにはオレンジジュースを用意したが……良かったか?」

 

「いつも悪いなオッサン」

 

「ありがとうございます。

俺はコーヒーが好きですから有難いです」

 

「我、感謝」

 

「がハハハハ!

先行投資だ先行投資!

これからも贔屓にしてくれよ?」

 

んじゃ、ゆっくり喰ってくれと言ったオッサンは戻って行った。

 

「取り敢えず腹ごしらえしようぜ?

温かいうちに喰った方が美味いしな」

 

「そうだね。

それじゃぁ……頂きます」

 

「頂きます」

 

夜鶴とオーフィスは行儀良く手を合わせて、ホットドッグを口に運んだ。

 

「これは……美味しいね」

 

1口齧って咀嚼した夜鶴は驚いたようにそう口にする。

 

「だろ?

此処なら俺も安心してオススメできるからな」

 

行儀が少々悪いが、手早く頂きますと呟いた俺はいつものようにホットドッグにかぶりついた。

ジューシーなソーセージと新鮮な野菜、そしてそれを纏めるピリ辛のソースが美味い。

オーフィスの方を見てみれば口いっぱいに頬張って幸せそうな表情を浮かべているのが見えた。

 

「オーフィス、そんなに慌てて食べなくてもいいんだぞ?」

 

俺の言葉に反応して、オーフィスはコクコクと首を縦に振るが、食べる速度は遅くならない。

 

「喉につまらせるなよ?」

 

そう言いつつ、頬が緩むのを感じた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「さて、俺はそろそろ行くよ」

 

ホットドッグを食べ終えて、公園でのんびりと雑談をしていると、夜鶴がそう言い出す。

 

「帰るのか?」

 

「ん〜……いや、街を少し散策して帰るとするよ」

 

「今日は悪かったな……オーフィスに付き合わせちまって」

 

「ふふふ……気にしなくていいよ?

結果、楽しい1日だったしね?」

 

柔らかな笑みを浮かべる夜鶴はお腹がいっぱいになって寝てしまったオーフィスの頭を優しく撫でた。

 

「それじゃぁ……また会おう、士織くん」

 

ベンチから立ち上がり、夜鶴はそう言うと歩んでいく。

 

 

 

―――――が、何かを思い出したかのように立ち止まると、こちらを振り返った。

 

「おっと……危ない危ない……伝え忘れるところだったよ……」

 

「ん?何かあったのか?」

 

「君に伝えておこうと思ってたことがあったんだ。

実はね?士織くん」

 

夜鶴は満面の笑みで口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――この世界にもう一人、転生させたからね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪(*´ω`*)


さて、今回のお話ですが……最後に夜鶴くんが爆弾を落としていきました♪(*´ω`*)
前々から考えていたことをやっと出すことが出来ました♪
今後、どうなっていくのかはお楽しみに♪(*´ω`*)


では、今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪

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