ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
せっかく楽しみにしてくださいっている方もいらしたのに更新出来なくて本当に申し訳ないです……。
遅くなりましたが、新話を楽しんで頂けると幸いですっ!!(>_<)
side 士織
「うむ。シトリー家は平和だ。
そう思うだろう?リーアたん」
「……お兄さま、私の愛称を『たん』付けで呼ばないでください……っ!」
サーゼクスの言葉にリアス先輩は嫌がるような言葉を返す。
「そんな……リーアたん。
昔はお兄さまお兄さまといつも私の後ろを付いてきていたのに……。反抗期か……」
ショックを受けたような様子のサーゼクス。しかし、その表情には少しばかりからかいも入っているように見える。
……全く……子供みたいな奴だ……。
「もう!お兄さま!どうして幼少時の私のことを―――――」
―――――パシャッ!
怒っているリアス先輩を余所に突然カメラのフラッシュが焚かれる。
カメラを構えていたのはリアス先輩の父親であるグレモリー卿。その表情から読み取るに感無量の様子だ。
「良い顔だ、リアス。
よくぞここまで立派に育って……。
此処に来られなかった妻の分まで私は今日張り切らせてもらおうか」
「お、お父さま!もうっ!」
怒るに怒れないと言った様子のリアス先輩。
そんな、平和な家族の姿を見てついつい微笑みが漏れる。
「魔王さまと、魔王さまの御家はおもしろい共通点があるのですよ」
朱乃先輩は心底愉快そうに微笑みながら口を開く。そうすれば、一誠は首をかしげて朱乃先輩の方を向いた。
「共通点?」
「魔王さまは皆さまおもしろい方々ばかりなのです。
そして、そのご兄弟は例外なく真面目な方ばかり。
うふふ。きっとフリーダムなご兄弟が魔王さまになったせいで、真面目にならざるを得なかったのでしょうね」
「……まぁ、シトリー家がいい例だってことだな」
朱乃先輩の言葉に補助をつけるように俺はため息混じりに言う。
「―――――士織、一誠、アーシア此処に居たのか」
―――――と、そんな時。聞きなれた声が耳に届いてくる。
声の方へと視線を送ると、そこには学内を一通り見回ったのか、父さんと母さんの姿があった。
「兵藤一誠くん、お父さまかな?」
グレモリー卿が一誠に訊いているのが視界の端に見える。
「はい。
……と、いうより父さんだけじゃなくて母さんもいますよ?」
「……なんと、あの少女はお母さまなのかね?」
「えっと……まぁ」
……やっぱり母さんは親に見られないんだな……。
あの若過ぎる容姿はメリットもあるだろうけどデメリットも存在するようだ。
「初めまして、リアスの父です」
グレモリー卿は父さんと母さんの前まで移動すると、握手を求めながら挨拶をしていた。
「ご丁寧にどうも。
士織たちの父親の兵藤賢夜という」
堂々とした様子だが、少しばかり厳しめの表情の父さんはグレモリー卿からの握手を受ける。
「先日は私の息子たちがお世話になったそうで……。
日頃から娘たちとも仲良くして下さっていると聞いて、ご挨拶に伺おうと思っていたのですが、なにぶん私もサーゼクスも多忙な身でして、なかなか機会を作れませんでした。
この度、幸運に恵まれたようです。今日はお会いできて光栄です」
「リアスちゃんたちみんな良い子たちですから当たり前ですよ♪」
母さんは優しく微笑みながらそういうと父さんにも微笑みを向けた。
その微笑みが効いたのだろう。父さんの表情は少し、柔らかくなり角が取れたように見える。
「うむ。落ち着いた場所でゆっくりとお話したいものです。
此処はどうしても目立つ。何よりお互いの子供たちが恥ずかしいでしょう」
グレモリー卿は周りを見渡し、集まっている視線を感じていたのだろう。そう提案した。そして、祐奈の方へ手をあげる。
「木場くん」
「はい」
「すまないが、落ち着ける場所まで案内してくれないだろうか?」
「……はい。それでは、ご案内します」
一瞬、俺の方を見て詰まった祐奈だったが、すぐに持ち直してそう口にする。
「ふふふ……気にせずとも、案内してくれればすぐにでも彼女……いや、彼に合流してもらって構わないよ」
祐奈の様子に気がついたのだろう。グレモリー卿は祐奈に微笑みかけた。
当の祐奈本人は顔を赤くしてわたわたとしている。
「それでは私は少しお話してくる。
サーゼクス、あとは頼めるかな?」
「はい、父上」
なるほど、サーゼクスは残るのか。
この間挨拶を済ませたばかりだしな。今回は互いの親だけの話ということだろう。
「士織ちゃん、一誠ちゃん、アーシアちゃん、私たちはちょこっとお話してくるね?」
「いってらっしゃい。
変なことは話さないでくれよ?
もちろん、父さんも。くれぐれも威嚇なんてしないように!」
「……善処しよう」
俺が父さんを指さしながらジト目でそう言うと、間を開けてそう口にした。
……本当に大丈夫かは定かではないが、父さんと母さん、グレモリー卿は祐奈の先導のもとこの場を後にして行った。
「―――――リアス」
4人を見送った後、サーゼクスはくるりと向きを変えてリアス先輩の名を呼ぶ。
「なんでしょう、お兄さま」
「ちょっと、いいだろうか。
すまないね、士織くん、イッセーくん。
妹を少し借りるよ。朱乃くんも一緒に来てくれるかな?」
「はい」
朱乃先輩もサーゼクスの言葉に応じる。
「俺たちのことは気にせずに行ってこい、サーゼクス。
聴いた感じだと結構重要なお知らせ話みたいだしな」
「分かってくれて嬉しいよ」
にこりとサーゼクスは笑みを俺に向けてそう言った。そして、サーゼクスはリアス先輩、朱乃先輩を連れて、いずこかへ消えていく。
その場に残されたのはアーシアと一誠、そして俺。
「……取り敢えず教室に戻るか」
「そうだな」
「はいっ!」
こうして、俺たち3人は1度教室へと戻ることにしたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うふふ♪アーシアちゃん、よく映ってるわ♪」
テレビに映し出されたアーシアの姿を見て、にこにこと笑う母さん。
「ハハハハ!やはり娘の晴れ姿を視聴するのは親のつとめです!」
父さんの用意した日本酒を飲みながら、豪快に笑うグレモリー卿。酒を飲むと人が変わったように陽気になったのだ。
兵藤家の夕食後、リビングではお酒を飲みながらの今日あった授業参観映像の鑑賞会が行われていた。
参加者は父さん母さん、グレモリー卿とサーゼクス、グレイフィアである。
酒をあおりながら、ビデオで撮影したものを交互に見比べていた。
一誠とリアス先輩は顔を赤くしながら「早く終われ早く終われ早く終われ!」と念じているのが視界の端に見える。
「これは……かつてないほどの地獄だわ……」
顔を最大に紅潮させたリアス先輩は全身をぷるぷると震わせてそうつぶやく。
「見てください!うちのリーアたんが先生にさされて答えるのです!」
サーゼクスはアルコールが入っているためか、いつもよりもハイテンションでリアス先輩の晴れ姿を解説し始めた。
「た、耐えられないわっ!お兄さまのおたんこなすっ!」
リアス先輩は我慢の限界なのか、そう叫ぶとこの場を走り去っていく。一誠も今が機会かとリアス先輩を追って逃げ出した。
「リーアたんが……。
……仕方がない……」
サーゼクスはため息をつきながらふところを探り始める。
そして、1冊の本を取り出す。
「っ!?さ、サーゼクスそれは―――――」
その本を見た途端、グレイフィアが慌て始める。
「ここは―――――嫁自慢でもいかがですか?」
ニヤリ、と笑いながらサーゼクスは言った。
本編の方はいかがでしたでしょうか??
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!(>_<)
さて、次回はサーゼクスたちのハッチャケを見せれると思うので、お楽しみにっ!!(>_<)
それでは、また次回お会いしましよう♪