ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
最近ではテストや検定などがあって忙しくて更新が遅くなってしまいました……(。í _ ì。)シュン
楽しみにしていただいている皆様、本当にごめんなさいですっ!!(>_<)
ひとまず、最新話をどうぞっ!!(>_<)
side 士織
「あ~……疲れた……」
教室で開催されたオークションをなんとか回避し、自分で作った紙粘土の作品を死守した俺たちは自販機の前まで来ていた。
「しっかし……みんな鬼気迫る表情だったな……」
「確かに……。
あそこまでされると怖いな……」
「皆さんそんなに欲しかったんでしょうか?」
一緒に来ていた一誠、アーシアは苦笑いを浮かべてそう言った。
「あら、士織たちも飲み物を買いに来たの?」
3人で話していれば、リアス先輩と朱乃先輩が近づいてくる。
「正確には教室から逃げ出すついでに喉を潤しに来たんだよ……」
「ちょっと授業がおかしな方に行っちゃったんですよ……」
俺と一誠はため息を吐くようにそう口にする。2人の表情を見たリアス先輩、朱乃先輩は何かを察したように苦笑いの表情を浮かべた。
「た、大変だったのね……」
「あらあら……お疲れですわね……」
「……取り敢えず飲み物でも買おうぜ?
特別に奢ってやるから……何が飲みたい?」
俺はそう言ってズボンのポケットから財布を取り出す。皆は俺が奢ってやると言ったのを聞いて表情を緩めた。
「俺は炭酸ならなんでも」
「私はオレンジジュースがいいです!」
「私は紅茶をお願い」
「私はお茶がイイですわ」
4人のリクエスト通りの飲み物を買い、俺の分を買おうと硬貨を入れる。何を飲もうか考えていれば、横から人影が現れて自販機のボタンを押した。
「僕はりんごジュースで♪」
「いきなり現れるなよ……祐奈」
自販機からジュースのパックを取り出しながら笑顔を浮かべる祐奈に、頬が緩むのを感じる。
そんな俺と祐奈を一誠たちは飲み物を口にしながらニヤニヤと見ているのを視界の端で捉えた。
「……なんだよ」
「いや?ホントにラブラブだなぁってな?」
一誠がそう言うと、他の3人も頷いて同意していた。
「あ、そう言えば士織くん知ってる?」
そんな中、4人からの視線なんて何でもないといった様子の祐奈がそう問う。
……随分と精神が強くなった……いや、そんなことないか……よく見りゃ顔赤いじゃねぇか。
そんな祐奈についついクスリと笑ってしまう。
「な、なんで笑ってるの……?」
「いや?笑ってないぜ?」
俺は口元を隠しながらそう言うと、頬を膨らませてジトっとした視線を向けてくる。
「ほら、そんなに拗ねた表情すんなって。
それより、さっきの話の続きは何なんだ?気になるじゃねぇか」
祐奈の頭を優しく撫でてやれば、拗ねた表情から柔らかな表情に変化させる。
「あ、あのね?魔女っ子が撮影会をしてるんだって。
ちょうどその魔女っ子を見に行こうとしてたんだ」
そう言い終えた祐奈は頭を撫でる俺の手に擦り寄り、もっと撫でてとアピールしていた。俺はそんな祐奈を撫でながら耳元に顔を近づける。
「……可愛いな祐奈」
「ふぁっ?!!」
それには耐えきれなかったのか、祐奈の顔が爆発的に赤に染まった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お、アレじゃねぇか?」
「人もいっぱい集まってるし、多分そうだよ」
祐奈からの話を聞きながら魔女っ子とやらを探していると、廊下の一角でカメラのフラッシュがたかれているのが目に入った。
人垣をなんとかくぐり抜けて、前の方に体を向ける。
そこにいたのは1人の少女だった。
(……なんだっけか?確か……アニメのキャラだったはずだけど……)
その少女の
俺に少し遅れて人垣を通り抜けてきたリアス先輩たちが俺の周りに到着し、前方でカメラ目線でポーズ決める少女を目にした途端、慌てふためく。
「なっ?!」
特にリアス先輩の狼狽ぶりには苦笑いが浮かんでしまいそうな程だ。
「オラオラ!天下の往来で撮影会たぁーイイご身分だぜ!」
そんなことを言いながら、生徒会所属の匙が人だかりに飛び込んでいく。
「ほらほら、解散解散っ!
今日は公開授業の日なんだぜ?
こんなところでいらない騒ぎを作るな!」
あれほどの人だかりが蜘蛛の子を散らすようになくなっていく。撮影していたカメラ男子も渋々の様子だったが去っていった。
……匙もなかなかいい仕事をするじゃねぇか。
その場に残っているのは俺たちと匙たち、コスプレ少女だけだ。
「アンタもそんな格好しないでくれ……って、もしかして……親御さん……ですか?
……いや、そうだとしても場に合う衣装ってものがあるでしょう?そんな格好されてちゃ困りますよ」
「え〜、だって、これが私の正装だもん☆」
匙が注意を促すが、少女はポージングするだけで聞く耳を持たない。
その様子に奥歯をギリギリと鳴らす匙だが、リアス先輩を確認するなり頭を下げる。そして、少女をチラリと横目で見て、咳払いをした。
「―――――これはリアス先輩。ちょうど良かった。
今、先輩の親御様方をご案内していたところなんですよ」
匙が廊下の後方へ顔を向けると、支取
「何事ですか?サジ、問題は簡潔に解決しなさいといつも言って―――――」
厳しい表情を浮かべて匙に注意をしていた支取先輩はそこまで言いかけて、コスプレ少女を見るなり言葉を止めた。
「ソーナちゃん!やっと見つけた☆」
コスプレ少女は支取先輩を見つけると嬉しそうに抱きついていく。
その様子に匙も対応に困り出した表情を浮かべ始める。
そして、そんな中サーゼクスが構わずにコスプレ少女に声をかけた。
「あぁ、セラフォルーか。
キミもここへ来ていたんだな」
その言葉に空気が凍った。……主に一誠とアーシアの。
眼を剥いてコスプレ少女改めセラフォルー・
一誠は引き攣った笑みを浮かべながらリアス先輩に質問する。
「……あ、あの……リアス部長?
『セラフォルー』ってまさか……」
「……えぇ、そうよ。
あの方は現四大魔王のお1人、【セラフォルー・レヴィアタン】さま。
そして、ソーナのお姉さまよ」
「ま、マジっすか……」
引き攣った笑みが苦笑いへと変化する一誠。
俺はふと、魔王の名前は教えたことはあったが性格などを伝えた覚えがないのを思い出す。
「セラフォルーさま、おひさしぶりです」
「あら、リアスちゃん☆おひさ〜☆
元気にしてましたか〜??」
彼女が魔王だと言われても今の状態では納得できる者はいないのではないか?そんな風に思わせるセラフォルー・レヴィアタンの口調にリアス先輩も困り顔だ。
「は、はい。おかげさまで。
今日はソーナの授業参観に?」
「うん☆
でもねでもね?ソーナちゃんったら酷いのよ??
今日のこと黙ってたんだから!
もぅ!お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込んじゃおうかと思っちゃった☆」
「冗談にしてもなかなか怖いことを言うんだな」
セラフォルー・レヴィアタンの言葉に俺がそう返せば頭上に『???』を浮かべて俺の方を見てくる。
「初めまして、四大魔王の1人セラフォルー・レヴィアタン。
俺は兵藤士織。ただの人間だ」
そう言って手を差し出せば、セラフォルー・レヴィアタンは一瞬キョトンとした表情を見せたが次の瞬間にはにっこりと笑ってその手を取った。つまりは『握手』だ。
「初めまして☆
もう知ってるみたいだけど私はセラフォルー・レヴィアタンです☆
気軽に『レヴィアたん』って呼んでね☆」
握手していない方の手を顔の前で横ピースにするセラフォルー・レヴィアタン。なんとも軽い展開だ。
「ねぇ、サーゼクスちゃん。
この子ってサーゼクスちゃんの言ってたあの子?」
「そう、彼があの『兵藤士織』くんだ」
サーゼクスとセラフォルー・レヴィアタンのいう【あの】という単語が気になるが……まぁ、次の機会にでも聞けば良いだろう。
「そうなんだ☆
じゃぁ……もしかしてこっちの子は?」
俺との握手を何故か崩さないまま今度は一誠の方を向く。
「彼は兵藤一誠くん。
彼が『
「やっぱり!私の予想通り☆」
あいもかわらずテンションの高いセラフォルー・レヴィアタン。
「……つうか、そろそろ手を離してくんねぇか?」
俺が呆れ気味な声でそう言うと、セラフォルー・レヴィアタンは口に手を当てて俺の手を離した。
「ごめんね?士織ちゃん☆
ついつい可愛くてずっと握っちゃってた☆」
「あ〜……言っとくけど俺は男だぜ?」
「またまたぁ〜☆
そんな冗談通じないぞ☆
ね?サーゼクスちゃん☆」
ニコニコと笑いながらサーゼクスの方を向くセラフォルー・レヴィアタン。
しかし、その視線の先に居るサーゼクスは苦笑いを浮かべるだけでセラフォルー・レヴィアタンの言葉に同意はしない。
「えっと……冗談じゃないの……??」
「まぁね。
士織くんは列記とした男の子だよ」
「うっそぉ!!?」
わざとのような大きな身振りで驚きを表現するセラフォルー・レヴィアタン。
そして、俺にいきなり接近してきたかと思うと俺の顔をジロジロと遠慮なく見始めた。一通り見て満足したのか、セラフォルー・レヴィアタンは俺から離れていき、ふぅ、と一息つく。
「―――――これが【男の娘】ってやつなんだね☆」
セラフォルー・レヴィアタンはサムズアップしながらイイ笑顔でそう言った。
……俺は今後の自分の扱いを考えてついついため息が漏れてしまうのを感じた。
―――――閑話休題。
「それにしても、セラフォルー殿。
これはまた奇抜な衣装ですな。いささか魔王としてはどうかと思いますが……」
グレモリー卿は
「あら、グレモリーのおじさま☆
ご存知ないのですか?今この国ではこれが流行りですのよ?」
くるりとその場で一回転してからポーズを決めるセラフォルー。
「ほう、そうなのですか。
これは失礼。私が無知だったようだ」
「ハハハハ、父上。信じてはなりませんよ」
サーゼクスは半分信じかけていたグレモリー卿に笑いながらそれは嘘だと伝える。
「……なぁ、士織。
俺の見間違いとかじゃなけりゃセラフォルーさんのノリがすごく軽いんだけど?」
「あ〜……まぁ、確かにな。
そういうのはリアス先輩にでも聞いたらどうだ?」
俺がリアス先輩の方を向いてそう言えば額に手を当てながら口を開いた。
「……言うのを忘れていた―――――いえ、言いたくなかったのだけれど、現四大魔王さま方は、どなたもこんな感じなのよ。
……つまり、プライベート時、軽いのよ、それは酷いくらいに……ね……?」
頭を抱えてため息を吐くリアス先輩。
それと似た状況か、支取先輩も顔を真っ赤にして羞恥を噛み締めていた。
まぁ、支取先輩の場合は姉の言動への恥ずかしさだろうがな……。
そんな支取先輩の様子を見たセラフォルーはその顔を心配そうにのぞき込んだ。
「ソーナちゃん、どうしたの?
お顔が真っ赤ですよ?せっかくお姉さまである私との再会なのだから、もっと喜んでくれてもいいと思うのよ?
具体的には『お姉さま!』『ソーたん!』って抱き合いながら百合百合な展開でもいいと思うのよ、お姉ちゃんは!」
支取先輩は遺憾そうな表情で口を開く。目元を引き攣らせながら。
「……お、お姉さま。ここは私の学舎であり、私はここの生徒会長を任されているのです……。
いくら身内だとしてもお姉さまの行動は、あまりに……。
そのような格好は容認できません」
「そんなソーナちゃん!
ソーナちゃんにそんな事言われたら、お姉ちゃん悲しい!
お姉ちゃんが魔法少女に憧れているって、ソーナちゃんは知っているじゃない!
きらめくスティックで天使、堕天使をまとめて抹殺なんだから☆」
「お姉さま、ご自重ください。
魔王のお姉さまがきらめかれたら小国が数分で滅びます」
「……だから会話内容が物騒だと言っとろーが……」
誰にも聞こえないレベルでため息を吐くかのようにそう呟く。
「うぅ……もう耐えられませんっ!」
支取先輩は目元を潤ませながら、この場を走り去っていく。
「待って!ソーナちゃん!お姉ちゃんを置いて何処に行くの!」
魔法少女ならぬ魔王少女なセラフォルーがそれを追って走り出した。
「ついてこないでください!」
「いやぁぁぁん!お姉ちゃんを見捨てないでぇぇぇぇぇぇっ!ソーたぁぁぁぁん!!」
「『たん』付けはお止めになってくださいとあれほど!!」
魔王姉妹の追いかけっこ……下手なことが起きなけりゃいいのだが……。
俺は2人の走り去っていく様を暖かな目で見守った。
本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!(>_<)
それにしても最近急に冷え込んできたですが……みなさんは体調管理はできてるですか??
私は寒くて寒くてお布団で丸まってるです……(苦笑)
皆さんも暖かくしないとですよっ!!(>_<)
それではまた次回お会いしましょう♪