ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
私には珍しい連日更新が再びなのですっ♪
とは言っても短いものなのですが……(苦笑)
それではさっそく、本編をどうぞっ!!
どうも、兵藤 士織だ。
俺たちは部室での悪魔家業終了後、約束通り、サーゼクスとグレイフィアを連れて兵藤家に向かっていた。
「ただいま〜」
「おかえりなさい♪士織ちゃんに一誠ちゃんにアーシアちゃん♪」
まず初めに玄関で出迎えたのは母さん。
客が来ると言ったのに、母さんは全くブレず俺たちを一人一人抱き締めていく。こうして俺たちの存在と成長を確認しているらしい。
「ほら、お客さんがいるんだから離れて!」
「あ、ごめんなさいね!
ついついいつもの癖が抜けなくって……」
恥ずかしがる一誠に肩をつかんで離された母さんは笑顔を浮かべながらそう言った。
「いやいや、気にしないで。
所でお母さんはいらっしゃるかな?」
サーゼクスは微笑ましいものを見たという風に笑うと優しい声音で訊ねた。
「えっと……」
その言葉に母さんは首をこてんと横に倒す。……どうやら母さん、サーゼクスが自分を母親だと認識されていないのに気が付いていないようだ。
……まぁ、この見た目だとな……。
「……サーゼクス。
今目の前にいるのが俺たちの母さんだ」
「何冗談を……―――――本当かい……?」
こちらを見て笑うサーゼクスに真顔で返すと、母さんの方を二度見した。
そして、咳払いをすると改めて笑みを浮かべて口を開く。
「これは失礼致しました。
お若く、可愛らしいので、てっきり妹さんかと思ってしまいました。
私はサーゼクス・グレモリーと申します」
「えへへ♪
そんなに褒めないでくださいよ〜♪
あ、士織ちゃんたちの母親の兵藤 葵泉です♪」
にへらと表情を緩め、自己紹介を返す母さん。――――――と、その背後から1人の男が現れた。
「―――――士織、一誠、アーシアお帰り。
そして……いらっしゃい。
玄関で立ち話もなんだ、士織、リビングにお通ししろ」
母さんを守るように仁王立ちして凄む我らがお父様……。
……父さん……サーゼクスを威嚇するのはやめろ……。最早サーゼクスが苦笑いを浮かべてるから……。
「ふふっ♪
大丈夫よ賢夜さん♪」
そう言って父さんの頬に口づけする母さん。それだけで父さんからの威嚇は消え、頬がほんの少しだけだが緩む。
……だから客の前では自重しろし……。
俺は溜息を吐き、ひとまずリビングへとサーゼクスとグレイフィアを案内することにした。
……ちなみにだが、母さんを褒めるサーゼクスを見て、いつもは無表情のグレイフィアが一瞬だけ表情を崩したが……これは言わぬが良しだろう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
リビングにおいてあるソファーに父さんと母さん、対面にサーゼクスが座り、その隣にグレイフィアが立つ構図となり、俺と一誠、アーシア、そして何処からともなく現れた堕天使4人娘は少し離れた所から4人の様子を窺っていた。
「こんな夜分遅くに宿泊を許可していただきありがとうございます。
奥さまには自己紹介しましたが、私はサーゼクス・グレモリーと申します」
「兵藤 賢夜だ。
何、士織の友人だと聞いたら断るわけにはいかんからな……。
で、その隣のメイドさんは……?」
簡単な自己紹介を交わした後に、父さんはグレイフィアの方に視線を移すとそう口にする。
「ええ、彼女はグレイフィアと言います。
私の仕事の補佐をしているのですよ」
サーゼクスがそう返すと、グレイフィアは頭を下げる。
「ほぅ……会社か何かを経営で?」
「えぇ、まぁ、父の経営していた会社を継いだような形になりますが……。
未だに若輩者故に、グレイフィアが居なければ仕事も思うように回せません」
サーゼクスは苦笑しながら隣のグレイフィアを見つめる。
そんなサーゼクスの様子を見た父さんは顎に手を当てながら口を開いた。
「随分と彼女を大切にしているようですな?」
父さんのその発言に一瞬驚いた様子のサーゼクスだったがクスリと笑い言葉を発する。
「それはもちろん。
なにせ彼女は――――――私の愛する妻ですから」
サーゼクスは先程まで浮かべていた苦笑から、暖かな微笑みへと表情を変貌させて見るもの全てが彼は幸せなのだろうとわかるような表情を見せた。
「さ、サーゼクスっ!」
そんなサーゼクスの頬をグレイフィアは抓る。だが、頬を抓るグレイフィアはいつもの無表情から一転、恥ずかしそうな表情を浮かべていた。
「め、メイドのグレイフィアです。
我が主がつまらない冗談を口にして申し訳ありません……っ」
「いたひ、いたひひょ、ぐれいふぃあ」
頬を羞恥に染めるグレイフィアと涙目で朗らかに笑っているサーゼクス。
……こりゃ見てたら一目瞭然だな……。
2人の仲の良さがよく分かる一面を見たような気がする。
―――――閑話休題。
「御二人も授業参観に参加しに来たんですか?」
母さんがサーゼクスに話しかける。
先程まで立っていたグレイフィアも今ではサーゼクスの隣に腰掛けている。
「えぇ、仕事が一段落しているので、この機会に1度妹の学舎を見つつ、授業の風景も見学出来たらと思いましてね。
当日は父も顔を出す予定です」
「まぁ、お父さんもいらっしゃるんですか」
「父は駒王学園の建設などにも携わっておりまして、私同様、良い機会だからと顔を出すようです。
……まぁ、本音はリアスの顔を見たいだけだと思いますが」
「サーゼクスもそうでしょう?」
「ははは……これは痛いところをついてくるね」
グレイフィアからの言葉に笑いながら頬を掻くサーゼクス。
「グレモリーさん、お腹は空いていませんか?」
そんな2人の様子を微笑ましそうに見つめていた母さんが手をパン、と叩くとそう言った。
「えっと……お恥ずかしながら少し……」
「うふふ♪良かった♪
ちょうど料理を作ってたんです♪
どうですか?お食べになられます?」
「本当ですか?
では……お言葉に甘えて……」
「申し訳ありません……」
サーゼクスとグレイフィアは頭を下げながらそう言う。それを見た母さんは待っててください♪と言い、機嫌も良さそうにキッチンの方へと向かっていく。
「2人はお酒はいけるクチかな?
ちょうど日本の美味い酒が手に入っていてね」
そう言った父さんは自分専用の酒部屋から数本の日本酒らしきものを持ってきた。
「そ、それは!」
「……ほぅ?コイツを知っているようで?」
父さんの持ってきた日本酒のラベルを見たサーゼクスが目を見開いて声を上げる。
「それは勿論!
【悪魔殺し】に【冥界崩し】、それに【魔王の涙】じゃないですか!
そのような高級品を見たのは初めてです!」
目を輝かせながら興奮気味に喜ぶサーゼクス。
……なんだそのいかにも含みのある酒のチョイスは……。偶然か?偶然だよな??
俺は父さんの顔をついつい見てしまう。
「料理お待ちしました〜♪」
そんな時、キッチンからたくさんの料理を皿に盛り付けて持ってくる母さんの声が響く。
「―――――
酒を飲みながら一緒に味わおうではないか」
「ふふふ……!
それは素晴らしい!是非とも味わわせてください!」
父さんとサーゼクスはニヤリと笑い意気揚々と、コップを手に持った。
……こりゃ、この飲み会は長いな……。
俺は苦笑しながら、部屋へと戻ろうという旨の話をみんなにしたのだった。
―――――これは完全に余談だが、次の日の朝、遅くまで客間で仲良く眠るサーゼクスとグレイフィアの姿を見た。
どうやら2人して父さんに飲み負かされたようだ。
本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪
さてさて、今回の話でわかった人もいるでしょうが……グレイフィアさんの微妙なキャラ崩壊がっ!!(>_<)
今後どんな変化が出てくるかはお楽しみに♪
それでは、また次回お会いしましょう♪