ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりなのですっ!!(>_<)
予約投稿していたはずなのになっていなくて慌てた夜叉猫なのです(苦笑)

ひとまず!
本編の方をどうぞっ!!(>_<)


第52話

Side 士織

 

「冗談じゃないわ」

 

夜中の裏の部活―――――悪魔家業をするためにいつも通り部室に集まれば、紅髪の美少女さまはまゆを吊り上げて怒りを露にしていた。

俺はいつも通り……一つのソファーに3人で座っている。祐奈は言わずもがな……俺を挟むようにして小猫も座っていたりする。

 

「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて……」

 

「いや〜……営業妨害というかむしろイイお客さんだったと言うか……」

 

一誠は怒りで震えるリアス先輩を見ながら苦笑気味にそう言った。

……まぁ、つまりはだ。一誠の契約相手として、アザゼルの阿呆が接触していたということか……。

 

「しかも私の大切な眷属であるイッセーにまで手を出そうなんて……万死に値するわ!

アザゼルは神器(セイクリッド・ギア)に強い興味を持つと聞くわ。きっとイッセーが【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】を持っているから接触してきたのね……。

大丈夫よイッセー、私がイッセーを絶対に守ってあげる」

 

一誠の頭を撫でながらリアス先輩は言う。

……それにしても言われたい放題だなアザゼルのやつ。

まぁ、リアス先輩は眷属を大切に可愛がるタイプだし、何より自分の所有物を他人に触れられたり、害されたりするのを酷く嫌う節があるからなぁ……。

 

「士織くんは心配じゃないの?」

 

「ん?何がだ?」

 

唐突にかけられた祐奈の声に首をかしげて見せる。

 

「イッセーくんの神器が狙われるのがだよ」

 

「あぁ……まぁ、その辺の有象無象にやられるほど一誠は弱くねぇし……それにアザゼルなら警戒しなくてもただの神器オタクだから大丈夫だろ」

 

まぁ、今あいつが……というより各陣営が気になっているのは俺の【神器】だろうしな。

と、そんなことを考えていると小猫の座っている方の袖を引かれるのを感じた。

何事かと顔を向けてみると、

 

 

 

 

 

「……士織先輩……にゃーん」

 

そう言いながら本日のお菓子であろうチョコレートケーキをフォークですくい、こちらへと向けている小猫の姿があった。

 

「あーん」

 

それを何のためらいもなく頂く。

うむ、甘すぎないのがポイント高いな!

 

「こ、小猫ちゃんズルイ!」

 

それを見た祐奈は慌てながらそう言う。小猫はと言うと頬を染めながら幸せそうな表情を浮かべている。

 

「士織くんは僕のか、彼氏なんだよっ!」

 

「……士織先輩は私の食べ歩き仲間です」

 

俺を挟んで火花を散らす祐奈と小猫。

なんとも可愛い戦いである。

 

「しかし、どうしたものかしら……。

あちらの動きがわからない以上、こちらも動きにくいわ。

相手は堕天使の総督。下手に接することも出来ないわね」

 

祐奈と小猫の戦いをひとまず置いておくとして、リアス先輩の方へ耳を傾けるとそんなことを呟いていた。表情を見るにかなり悩んでいるように見える。

……お、その悩みの解決はすぐそこみたいだな。

俺は傍に感じる気配にそんなことを心の中で呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――アザゼルは昔から、あぁいう男だよ、リアス」

 

入口の方から、聞き覚えのある男の声が聞こえてくる。予想はついているが視線を移す。

―――――案の定、そこにいたのは紅髪の男。

朱乃先輩たち古参のグレモリー眷属は跪き、一誠、アーシアは遅れながらもゆっくりと跪く。ただ、新顔であるゼノヴィアだけは疑問符を浮かべながらアワアワとしていた。

 

「お、お兄さまっ?!」

 

そう、紅髪の男とは悪魔業界の現魔王『サーゼクス・ルシファー』だ。

 

「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。

今回みたいな悪戯はするだろうけどね。

しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな」

 

サーゼクスはそういった。いつも通りなのだろうが、サーゼクスの後方には銀髪のメイドである、グレイフィア・ルキフグスがいるのが見える。

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている。

そうだね……そこの士織くんのようにね」

 

跪くグレモリー眷属を見たサーゼクスは変わりなくソファーに腰を下ろす俺へと視線を移しながら手をあげて、跪くのを止めるように促す。

 

「やぁ、我が妹よ。

しかし、この部屋は殺風景だ。年頃の娘たちが集まるにしても魔方陣だらけというのはどうだろうか……?」

 

部屋を見渡しながら、サーゼクスは苦笑いを浮かべる。

……確かに変な部屋だが……慣れというのは怖いな。

 

「お兄さまど、どうして此処へ……?」

 

怪訝そうにリアス先輩が訊く。

すると、サーゼクスは1枚のプリント用紙を取り出した。

 

「何を言っているんだ。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。

是非とも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」

 

……あぁ〜……そういやもうすぐこの学園で授業参観があったな……。俺のところの父さんと母さんもノリノリで乗り込むと張り切っていた。

なんでも自分たちの子供の授業風景を見たいらしい。

しかも、堕天使組の3人も来るらしい。

 

「ぐ、グレイフィアね?お兄さまに伝えたのは……」

 

何処か困った様子のリアス先輩の問いにグレイフィア・ルキフグスは頷く。

 

「はい。学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任されている私のもとへ届きます。むろん、サーゼクスさまの【女王(クイーン)】でもありますので主への報告も致しました」

 

それを聞き、リアス先輩は嘆息する。

……まぁ、原作を知ってる身とすればリアス先輩の乗り気じゃない雰囲気も察することができるのだが……。

 

「報告を受けた私は魔王職が激務であろうと、休暇を入れてでも妹の授業参観に参加したかったのだよ。

安心しなさい。父上もちゃんとお越しになられる」

 

「そ、そうではありませんっ!

お兄さまは魔王なのですよ?仕事をほっぽり出してくるなんて!

魔王がいち悪魔を特別視されてはいけませんわ!」

 

確かに魔王という立場から身内だからといって特別にしてもらうのは問題があるな……。まぁ、今回は大丈夫だろうけど。

予想通り、サーゼクスはリアス先輩の言葉に首を横に振った。

 

「いやいや、これは仕事でもあるんだよ、リアス。

実は三すくみの会談をこの学園で執り行おうと思っていてね。会場の下見にも来ているんだよ」

 

サーゼクスの言葉に俺以外の全員が驚きの表情を浮かべている。

 

「―――――っ!!此処で?本当に?」

 

「あぁ。この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。

私の妹であるお前と、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王『セラフォルー・レヴィアタン』の妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。

更には……」

 

そう後を濁して、意味深な視線を俺の方へと向けるサーゼクス。俺は肩をすくめて軽く返す。

 

「……何はともあれ、これは偶然で片付けられない事象だ。

様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。

そのうねりを加速度的に増しているのは恐らく―――――兵藤くんたち(・・)だと思うのだが」

 

目を細めながらそう締めるサーゼクスに一誠は苦笑する。

 

「―――――そこで、だ。

士織くん、当日の会談に君も参加して欲しいんだが……」

 

「…………」

 

俺は無言で首を縦に振り、了解の意思を伝える。サーゼクスはそれに満足そうに微笑んだ。

 

 

 

 

 

「あなたが魔王か。

初めまして、ゼノヴィアという者だ」

 

そんな中、新たに話かけてきたのは緑色のメッシュを髪の毛に入れているポンコツ――――いや、新人悪魔のゼノヴィアだ。

 

「ごきげんよう、ゼノヴィア。

私はサーゼクス・ルシファー。リアスから報告を受けている。

聖剣デュランダルの使い手が悪魔に転生し、しかも我が妹の眷属となるとは……正直最初に聞いたときは耳を疑ったよ」

 

「私も悪魔に転生するとは思わなかったさ。

今まで屠ってきた側に転生するなんて、我ながら大胆なことをしたとたまに後悔して……いや、そんなことは無いな。毎日楽しく生活させてもらっている」

 

柔らかな笑みを浮かべてそう言うゼノヴィア。一誠もそんなゼノヴィアを見て安心しているようだ。

 

「ハハハ、妹の眷属は楽しい者が多くていい。

ゼノヴィア、転生したばかりで勝手がわからないかもしれないが、リアスの眷属としてグレモリーを支えて欲しい。

―――――宜しく頼むよ」

 

「聖書にも記されている伝説の魔王ルシファーにそこまで言われては私も後には引けない。

どこまでやれるかわからないが、やれるところまではやらせてもらう」

 

ゼノヴィアの言葉を聞き、サーゼクスは微笑む。何処かリアス先輩に似たものを感じるのはやはり兄妹だからだろうか。

 

「ありがとう」

 

サーゼクスのお礼を聞くと、ゼノヴィアは頭を下げて一誠の方へと近寄っていった。

 

「さて、これ以上難しい話をここでしても仕方が無い。

うーむ、しかし、人間界に来たとはいえ、夜中だ。

こんな時間に宿泊施設は空いているのだろうか……?」

 

……予約を取ってるわけじゃなかったのか……。

俺は溜息をひとつ吐くと、口を開く。

 

「だったら家に来るか?サーゼクス」

 

「ちょっと士織!

魔王さまにその口調は失礼よ!?」

 

リアス先輩は慌てた様子でそう言うが、サーゼクスは笑いながらそれを制する。

 

「いいんだよリアス。

彼にいつも通り接して欲しいと言ったのは私なんだからね。

それで士織くん。君の家にと言うのは?」

 

「なぁに、泊まるところがねぇんだろ?

だったら家に来ればいい。

……ただし、家には引き取った堕天使4人が居るがそれを気にしないなら、だが」

 

含みを持ったようにわざとらしく聞くとサーゼクスはクスリと笑って口を開いた。

 

「気にすることなんて何も無いよ。

じゃぁ、お願いできるかな?」

 

「任せておけ」

 

そう言って俺は家に電話を入れる。

―――――『友人を今夜泊めてもいいか』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

更新速度を上げると言ったはずなのに遅くなってごめんなさい……(*óㅿò*)シュン。。。
一応書き貯めはあるので少しは早くなると思うですっ!!!(>_<)

さて、それではまた次回お会いしましょう♪

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