ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さん遅くなりましたっ!!!(>_<)
ちょっとした諸事情で更新が遅くなってしまったのです(苦笑)

ひとまず、本編をどうぞっ!!(>_<)


〜停止教室のヴァンパイア〜
第51話


どうも、兵藤 士織だ。

 

 

 

 

 

気がつけば季節も移ろい、蝉の鳴く夏へとなっていた。

原作の開始が春だったのを考えると今の夏という季節は案外早く訪れたように感じるものだ。

 

「―――――ねぇ、聞いてる?士織くん」

 

俺の名前が横から呼ばれる。

首をそちらに向けてみると、デニムのショートパンツに大きめのTシャツといったカジュアルな服装をした少女―――――祐奈がこちらをのぞき込むように見ていた。

 

「ん?……あぁ……昼は何を食べるかだったっけか?」

 

「違うよっ!!

もぅ……やっぱり聞いてなかったんだね……」

 

ジトッとした視線を向けながら頬をふくらませる祐奈。

……あらら……話聞いてなかったのがバレちまったか。

 

「悪ぃ悪ぃ。

んで?何の話だったっけ?」

 

「……この後僕の水着を選んで欲しいって話だよ」

 

仕方がないといったふうにそういった祐奈はそっぽを向く。

俺はそんな祐奈の頭を撫でることでご機嫌取りしようと近づいた。

 

「ほらほら、そんなに拗ねんなって」

 

「す、拗ねてないよっ!」

 

うりうりとからかうように、しかし、髪が乱れないような絶妙な力加減で撫でれば、案の定祐奈は言葉では嫌がりながらも頬を緩ませ始める。

 

「取り敢えず……水着買いに行くなら早速行動に起こそうぜ?」

 

俺はそう言うとテーブルに置かれた伝票を回収してスムーズに精算へと向かう。

……あぁ、言うのが遅くなったが俺と祐奈が今いるのは家からもそんなに遠くないカフェ。俗に言うデートっつうもんの最中だ。

 

「ま、待ってよ!」

 

祐奈も俺に続くようにテーブル席から立ち上がり、小走りに俺へと追いつく。

 

「僕もお金払うよ……って、あぁっ!」

 

そう言って財布に手を伸ばす祐奈だったがそれはいらない行動だ。何故ならもう既に俺が払い終えてる。

 

「気にすんな」

 

「で、でも僕パフェとか頼んじゃってるのに!」

 

「はいはい気にしない気にしな〜い」

 

俺はそう言いながら未だに何か言い続ける祐奈の背を押し、カフェを後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

所変わってショッピングモール。

俺と祐奈は水着売り場へと一直線で訪れていた。

 

「水着か……そういや俺、持ってなかったな……」

 

記憶を辿ってみても、小さな頃にプールに連れて行かれ女物の水着を身に着けた以外水着を着た覚えがない。

……とは言っても俺が実際に体験した記憶はどれだけ遡ろうと中学3年の時からしかないのだが……。

 

「士織くん水着持ってないの?」

 

祐奈は不思議そうにそう言った。

……俺が水着を持っていないのがそんなにも意外なのだろうか?

俺が軽く頷いてやると、祐奈はにこっと微笑みながら口を開く。

 

「ならこの機会に士織くんも水着買ったらどうかな?」

 

「……そうだな。

そういやオカルト研究部でプール開きするとか言ってたし……ついでに俺の水着も買っとくか」

 

この間生徒会からのお願いでプール掃除をしたが、その報酬がオカルト研究部が1番最初にプールを使用できるというものだったのを思い出す。

 

「祐奈が買いに来た水着ってその時に使うやつか?」

 

「もぅ……それもさっき言ったのに……。

本当に話を聞いていなかったんだね……」

 

再び頬を膨らませる祐奈。

おっと……これは薮蛇だったな……。

 

「悪かったって……ほら、せっかく来たんだし祐奈の水着選んじまおうぜ?」

 

女性用の水着の並んである場所を指さしながら祐奈の背を押す。

たくさんの水着が並ぶ中で立ち止まった祐奈はしなをつくりながらこちらを振り向く。

 

「ねぇねぇ士織くん」

 

「ん?どうした?祐奈」

 

「士織くんは僕にどんな水着着て欲しい?」

 

「祐奈にか?」

 

「そうそう♪

それに今なら―――――どんな水着でも着てあげるよ……?」

 

上目使いに笑いそう言う祐奈。何処か小悪魔的な笑みに思えるのは気のせいではないだろう。

……ほぅ?これは俺をからかって遊ぶつもりか……?

俺はニヤッと笑うと水着の方へ視線を移した。

そして、極端に面積の少ない青のマイクロビキニを手に取ると祐奈に見せつけるように持ち上げる。

 

「こんなのがイイんじゃねぇか?」

 

「ふぁっ!?

ちょ、ちょっと待って士織くんっ!

それは流石に……っ!!」

 

俺がこう返してくるとは思わなかったのか祐奈は慌てながら手をバタバタとしていた。

 

「んん〜?どうした?

何でも着てくれるんだろ?」

 

「そ、それは……その……っ!」

 

「取り敢えず試着室はすぐそこだし……ちょっと着てこいよ」

 

「えっ……?えぇっ!!?」

 

俺の手にした水着を祐奈の手に持たせて試着室の方へと誘導していく。

 

「ま、待って待ってっ!!

これは流石に着れな―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――あら?やっぱり士織に祐奈じゃない」

 

俺と祐奈が戯れていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

振り返ってみればそこには、

 

 

 

「2人も買い物かしら?」

 

 

 

明らかにプライベートの状態のリアス先輩の姿があった。

赤のフレアワンピースにブーツという出で立ちのリアス先輩。

 

「まぁ、祐奈の奴が水着が欲しいって言ったからな。

後はついでに俺の水着も買おうって話も出てる」

 

「そうなの……それで祐奈はそんな水着を持っているのね」

 

リアス先輩はそう言って、祐奈が持っている……正確には俺が持たせた水着を指さした。

 

「ち、違……っ!」

 

「あなたはもう少し大人しめの物を選ぶかと思っていたのだけれど……やっぱり恋で人は変わるのね」

 

分かっているわというような微笑みで祐奈を見つめるリアス先輩。そんな視線に祐奈は恥ずかしさいっぱいなのか顔を真っ赤にして縮こまっていた。

 

 

 

 

 

「―――――リアス!此処に居たか……」

 

と、そんな祐奈の姿を楽しんでいれば1人の男性が近づいて来る。

赤いスーツを見事に気崩し、胸までシャツをワイルドに開いている姿はどこかで見たような……。

 

 

 

「……あぁ、思い出した。ライザー・フェニックスか」

 

「そういう君は……確かイッセーの姉弟(・・)の兵藤士織だったか?」

 

ライザーは思い出すかのように顎に手を当てそう言った。

俺はリアス先輩をにやにやとしながら見る。

 

「なんだリアス先輩もデートかよ」

 

「え、えぇ……」

 

「仲良く進展してるようで良かったじゃねぇか」

 

恋人から始めたこの2人が仲良くデートしているのだ。

……こりゃ後日朱乃先輩たちに報告だな。

 

「と、とにかく!

今日は私たちも水着を買いに来たのよ」

 

若干頬を染めながら強引に話を変更させるリアス先輩。俺はくすくすと笑いながらも話を元に戻す事はしなかった。

 

「リアス先輩はライザーに水着を選んでもらうのか?」

 

「えぇ。ライザーの好みも知っておきたかったのよ。

そういう士織は祐奈に水着を選んであげたの?」

 

「まぁ、今祐奈の持ってるやつは流石に冗談だけどな。―――――本命はこっち」

 

そう言って顔を赤くし、呆然としていた祐奈から水着を回収すると密かに用意しておいたもう1着を祐奈に持たせる。

 

「え……?」

 

「ほら、ちょっと着てこいよ。

その水着は真面目に選んで祐奈に似合うだろうと思ったやつだからさ」

 

そう言って優しく頭を撫でてやれば祐奈は恥ずかしそうにコクリと頷き、試着室の方へと小走りで向かって行った。

 

「……また祐奈をからかって遊んでいたの?」

 

「まぁな。

祐奈の反応が良すぎてクセになっちまうんだよ」

 

「全く……程々にしておきなさい?」

 

「以後気をつけまーす」

 

カラカラと笑いながらリアス先輩の言葉に返事をすれば、リアス先輩は肩をすくめてくすりと笑った。

 

「それで?

リアス先輩はライザーに水着を選んでもらわなくても良いのか?」

 

「ふふふ……私はもう選んでもらって買ってるのよ」

 

そう言ってライザーの持つ袋を指さすリアス先輩。

 

「此処にはただあなたたちが見えたから来ただけなのよ」

 

「突然居なくなるから探したぞ?」

 

「あら、ごめんなさいライザー」

 

ライザーの言葉に素直に謝るリアス先輩。

それにしても俺たちが見えたから来たとは……デート中じゃなかったのか?

俺はひとまずそんな思考は置いておき、祐奈が入っていった試着室から祐奈の声がかかるのを待つことにした。

 

「あぁ……士織。

祐奈を待つつもりなら先にあなたの水着を見てきたらどうかしら?」

 

「いや、着替えくらいすぐに終わるだろ?」

 

「ふふふ……祐奈のことだから恥ずかしがってなかなか出てこないと思うわよ?」

 

そう言ったリアス先輩は咳払いをすると試着室の方を向いて口を開く。

 

「祐奈!」

 

『は、はいっ?!』

 

若干裏返ったような声で返事を返す祐奈。

 

「士織の水着を見てきてもいいかしら?」

 

『い、いいですよ!

ただ……その……着たところは士織くんに……』

 

「分かっているわ。

一番初めに見せたいのね?

私が此処に残っているから声をかけてくれれば士織を呼ぶわ」

 

『は、はぃ……。

あ、ありがとうございます部長……』

 

祐奈は消え入りそうな声でお礼を述べる。なかなかどうして恥ずかしがっているようだ。

リアス先輩は会話を終えるとこちらを向く。

 

「私は此処にいないといけないから……ライザー一緒に行ってあげて?」

 

「お、俺がか?」

 

突然の指名に驚くライザー。まさか自分が呼ばれるなんて思っていなかったのだろう。

 

「男性であるあなたの意見は必要なはずよ」

 

「ふむ……」

 

顎に手を当てたライザーは俺の方を見てくる。そして頷くと分かったと短く言った。

 

「じゃぁ、お願いね?ライザー。

ほら、士織も行ってきなさい」

 

「あ〜……わかったわかった。

んじゃ、適当に買ってくるわ」

 

踵を返しながら、後ろ手に手を振り歩み出す。すると、後ろからライザーがついてくるのが気配でわかった。

 

 

 

 

 

「―――――それで兵藤士織」

 

唐突に声を掛けてくるライザーは隣に並ぶように立ち、周りを見回す。

 

「お前はどんな水着を買おうと思ってるんだ?」

 

「あぁ〜……シンプルなやつだな。

それとライザー。フルネームはやめろ。俺のことは士織でいい」

 

フルネームで呼ばれ続けるというのもむず痒いからな。

 

「そうか。ならば士織と呼ばせてもらおう」

 

「そうしてくれ」

 

そんな、短い会話を交わすと俺も軽く周りを見回す。ライザーは俺に合いそうな水着を何着か見つけているようだが……期待はしない。

と、俺が周りをキョロキョロしているのがまるで水着選びに困っているようにでも見えたのかライザーが再び口を開く。

 

「なんだ水着選びに迷っているのか?

何なら俺が見繕うが……どうする?」

 

案の定、予想通りの言葉を発するライザー。まぁ、暇潰しにその案に乗るのも悪くは無いかもしれない。

そういうわけで、俺はその言葉に頷く。

 

「じゃぁ、少し待っていろ何着か目は付けていたからな。そんなに時間は取らせん」

 

ライザーはそう言い残すと迷いなく歩みだし、合計3着の水着を持って俺の方へと戻ってきた。

 

「ほら、こんな風な物はどうだ?」

 

そう言ってライザーが見せてきたのはまず、白のビキニ。これは至ってシンプルなもので、布が少ないだとかそういったことはない。

 

次に黒のリボンデザインホルターネックビキニ。どちらかといえばこれは白のビキニよりも布の面積がある。

 

最後にこちらも黒のバンドゥビキニ。チューブトップ型でフリルがあしらっているのが特徴だろう。

……ふむ……こういう水着を持ってきたか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――却下。

全部棚に戻してこいこのアホ雛鳥が」

 

「なっ!?

そ、そこまで言うか!?」

 

目を見開き俺からの暴言に驚くライザー。

 

「そもそも俺は水着選びに迷ってない」

 

「……そうなのか。

ならお前が選んだという水着は?」

 

明らかに不機嫌そうなライザー。

まぁ、折角選んだものを頭から否定され、暴言まで吐かれれば誰しも不機嫌になるか……。

ひとまず俺の選んだ水着を取りに行く。

 

「ちょ、ちょっと待て士織っ!そっちは―――――」

 

「何慌ててんだよ。

―――――ほら、これなんかシンプルでいいじゃねぇか」

 

そういいながら慌てだしたライザーに水着を見せる。

俺が手に取った水着は、ライザーが選んだような『女性物』ではなく、列記とした『男性物』―――――黒のサーフパンツだった。

 

「お、お前……それは……」

 

「うん。やっぱりこれイイじゃねぇか。

ちょっくら試着してくるわ」

 

そう言って試着室に向かおうとするとライザーが俺の目の前に立ちはだかった。

 

「ま、待て待て待てぇッ!!

百歩譲ってその水着は良しとしよう……だがお前上には何もつけない気かッ!?」

 

「はぁ?何言ってんだよライザー。

お前その程度もわかんねぇのかよ」

 

「……そ、そうだよな?

勿論パーカーくらい羽織って―――――」

 

「んな邪魔クセぇもんいらねぇだろ」

 

「アウトぉぉぉぉお!!!」

 

いきなりそう言うライザー。そして何処から取り出したのか、はたまた高速で取ってきたのか、ライザーの手には黒のパーカーが握られていた。

 

「せ、せめてこれくらい羽織れ……ッ!」

 

「嫌だよ。俺の水着程度で無駄な出費はいらん」

 

「よし分かった!このパーカーは俺が買ってやろう!だから着てくれッ!!」

 

必死にそう言うライザー。

……さて、そろそろからかうのも止めるとするか……。

 

「―――――ライザー」

 

「っ!わ、わかってくれたか!?」

 

俺はスーッとライザーに近づくと、その手を掴み―――――俺の胸板に触れさせた。

 

「なッッ!!!?

し、士織っ!?お前は一体何をッッ?!!!」

 

面白いように狼狽するライザー。

……あれ?こいつなんか異常なまでに焦ってねぇか?いくら俺が男だって言ってないから女だと勘違いしててもこの慌てようは一体……?

 

 

 

まさかこいつ―――――原作より女慣れしてない……??

 

 

 

……やべぇ……からかうの続行だわ。こりゃ面白そうだ。

 

「ん……っ。俺って胸ないから別に良いだろ?」

 

「い、いやいやいやッ!!

そんなこと関係ないだろ?!」

 

そう言って慌てて手を離そうとするライザー。しかし、そんなことはさせない。何せ……ある気配が近づいてきているから。

 

 

 

 

 

「―――――ライザー?」

 

「……り、リアス……」

 

顔面蒼白。

その言葉が似合うような表情をライザーは浮かべていた。

 

「こ、これは違うんだ!これは士織が勝手に俺の手を……!」

 

ライザーの言葉に俺の方を見るリアス先輩。

……流石にここまでだな。

俺はリアス先輩にニヤッとした笑みを向ける。

 

「……全く……。

ライザーをからかって遊ぶのも止めてちょうだい?士織。

それとライザー?そんなに慌てなくても大丈夫よ。

流石に私も―――――男の胸を触っていて怒りはしないわ」

 

「す、すまな―――――男……?」

 

顔面蒼白から一転、ライザーはキョトンとした表情を浮かべ、俺の顔を見、そして胸を見て、もう一度俺の顔を見た。

 

「……士織?お前は男……なのか?」

 

「あぁ。俺は列記とした男だぜ?

いつから俺が女だと勘違いしていた……?」

 

「う、嘘だろ……」

 

「本当よライザー。

私も学校で名簿を見るまで女の子と思っていたのだけれど……」

 

苦笑い気味にそういったリアス先輩。ライザーもリアス先輩の言葉と俺本人からの言葉にそれが真実なのだと認識したようだ。

 

「……取り敢えず手を離してくれないか?」

 

「ん?あぁ……からかうのに集中してて忘れてたわ」

 

ライザーからそう言われて掴んでいたライザーの腕手を話す。

そうすれば今度はリアス先輩が俺に声をかけてきた。

 

「そうそう、祐奈が着替え終わったそうよ?」

 

「おっけーおっけー。

んじゃ、会計は後にして祐奈を見に行くかな」

 

俺はリアス先輩からの報告を受けて、水着の会計は後回しにすることを即座に決め、祐奈の着替える試着室へと足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――その後、祐奈の水着姿を拝んだ俺は、その水着と自分の水着の会計を済ませ、リアス先輩とライザーと別れた。

ただひとつ、言いたいことがある。

 

 

 

―――――3人して俺にパーカーまで買わせるなッッ!!!

 

 

 

まさか男だとわかったのにも関わらず、ライザーまでもパーカーを買わせようとするとは……。

 

……まぁ、いろいろとあったが、今回のデートかなり楽しめたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

今回は久しぶりのライザーの登場となりましたっ!!(>_<)
本当は堕天使組の日常的なものも挟もうと思っていたのですが……それはまた今度ということで……!

それではまた次回お会いしましょう♪

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