ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんは♪
今回もまたまた遅くなってしまったです……(苦笑)
問題児の方も書こうかなぁ……なんて思って手をつけたら全く進まずに気がつけば日にちが過ぎてました……っ!!(>_<)

ひとまず、本編をどうぞ♪


〜『女の幸せ』返しました〜

Side 一誠

 

士織によるコカビエルの蹂躙。

それが終わればまさかの俺のライバルである白龍皇の登場。

色々と驚きはあったものの、これだけは言える。

 

―――――やっと、終わったんだ。

 

俺はぐったりとしているアーシアを支えながら、失意のうちに呆然としているゼノヴィアへと近づいていく。

 

「……ゼノヴィア」

 

「……あぁ……赤龍帝か……。

……はは……聞いたか?神が……神がいないそうだ……」

 

そう言うゼノヴィアの顔は見ていられないほどに酷かった。

士織の姿を見て、少しは元気を取り戻すかと思っていたが……どうやら、その姿を見ることすら出来ないほどに狼狽し、周りのことが頭に入っていなかったようだ……。

アーシアもそうだったように、ゼノヴィアもまた精神的なダメージが大きいように見える。

 

「神がいなければ……私の……存在意義は……」

 

乾いた声で笑うゼノヴィア。

俺はそんなに彼女を見ていられず、ただ―――――抱き締めた。

 

「……せき……りゅうてい……?」

 

 

 

 

 

「神はいない……だけどな、ゼノヴィア。

―――――お前はお前だろう?

お前は神がいるから生きてるんじゃない。

生きているからこそ、神を信仰するっていう一つの行動を取れたんだ。

 

それになぁ……ゼノヴィア。俺は神様ってやつを信じてない。

だってそうだろ?神様ってやつは気まぐれすぎる。

 

無償の愛?そんなもの神がくれなくたって俺が、家族が、仲間が与えてくれる。

 

救済?そんなもん俺がなんとかしてやる。

 

もし何かに縋りたい時があるのなら、神じゃなくて、周りの、自分が一番信用できる奴に縋れ。

それが俺だって言うなら、それもいいさ。

 

泣きたいならいくらでもこの胸を貸してやる。

疲れたなら一緒に休もうぜ?

助けて欲しいなら俺はこの力を使うのを迷わねぇ。

 

俺が目指してるのは【最高の赤龍帝】。

仲間1人支えてやれないでなれるわけねぇだろ?」

 

我ながら小っ恥ずかしいことばかりを言ってる気がする。……けど、これは俺の本心。

 

「……仲間……?」

 

「あぁ……。

ゼノヴィア、俺たちは力を合わせて戦ったんだ。もう、仲間だろ……?」

 

俺の言葉を聞いていたゼノヴィアの瞳にほんの少しだが、光が灯った気がした。

 

「それと……アーシア。

アーシアは俺の大切な家族だ」

 

ゼノヴィアだけではなく、今度はアーシアも一緒に包み込み、抱き締める。

 

「神様はいないかもしれない。

だけどな?アーシア。

アーシアにはその代わりに大切なものができたはずだ」

 

「……大切な……もの……」

 

「あぁ。

リアス部長たちや俺たち……それに学校の友達たち。

沢山の優しい人たちに、アーシアは今囲まれてる。

これから先、アーシアには沢山の友達が、仲間が増えるさ。俺が保証してやる。

……だからさ、アーシア。

そんなに悲しまないでくれ……俺の大好きなアーシアはやっぱり、笑顔が一番だ」

 

そう言って、俺はアーシアに微笑みかけた。

 

「……イッセーさん……」

 

そのつぶやきを境に、段々と光が宿り始めるアーシアの瞳はキラキラと輝いて見える。

俺はゼノヴィアを、アーシアを優しく抱き締めた。すると、今度は2人も抱きしめ返してくれた。

2人は瞳に涙を溜めていたが、それは悲しい涙ではないと、俺は断言できる。

何故って……?それは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――こんなに綺麗な涙……悲しくてでるわけないだろ……」

 

 

 

俺は2人の頭を優しく撫で、泣き止むのを待った。

 

 

 

 

 

Side Out

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

Side 士織

 

「祐斗……いえ、祐奈。

よく、頑張ったわね……。

それにその姿……きちんと過去と決別出来たのね?」

 

リアス先輩は優しげな声で祐斗……いや、祐奈へと話しかけ始めた。

祐奈は感慨深そうに頷くと、表情を曇らせ、俯く。

 

「……部長、僕は……部員の皆に……。何よりも、一度命を救ってくれたあなたを危険に晒し、あまつさえ過度の心配をかけてしまいました……。

……お詫びする言葉が……見つかりません……」

 

そう言う祐奈にリアス先輩は近寄り、優しく頬を撫でた。

 

「いいのよ祐奈……。

私はあなたの悩みが消えてくれたのなら、この程度のこと気にしないわ。

それに【禁手(バランス・ブレイカー)】だなんて……あなたは私の誇りよ」

 

慈愛深い笑みを祐奈に向けながらそう言うリアス先輩。祐奈は今にも泣きそうになりながらも、肩膝をつき、跪く。

 

「部長……。僕はここに改めて誓います。

僕、『木場祐奈』は主リアス・グレモリーの眷属―――【騎士(ナイト)】として、あなたと仲間たちを終生お守りする、【最強の騎士】となることを」

 

強い決意の篭った言葉。

祐奈は揺らぎのない覇気を纏いながらそう宣言した。

……迷いがなくなるだけでここまで変わるとはな……。

 

「【最強の騎士】……大きく出たわね、祐奈」

 

リアス先輩は跪く祐奈をじっと見つめながらぽつりと呟く。

そして、一瞬瞳を閉ざすとふぅ、と息を吐き口を開いた。

 

 

 

 

 

「―――――言ったからにはなりなさい。あなたの師をも越え、【最強の騎士】に」

 

「はい……っ!!!」

 

リアス先輩の言葉に祐奈は大きな返事を返す。

そんな2人の表情は何処か満足気だったのをここに記そう。

 

 

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

 

 

「士織さん」

 

リアス先輩への宣言を終えて、祐奈は立ち上がると俺の方へと近づいてくる。

 

「おう、祐奈」

 

短く淡々としたそんな言葉を口にし、俺は祐奈の方を向き直す。

 

「その……ね……?

全部終わったから……その……来たよ?」

 

もじもじとしながらそう言う祐奈は頬を赤く染めていた。

 

「んん?なんだ?褒めてもらいに来たのか?」

 

祐奈が何をしに来たのかは薄々分かってはいたが、少し意地悪をしてみることにする。

 

「えっ……?ち、違うよ!

いや、確かにそれもして欲しいけど……。

もう!忘れちゃったの……?」

 

俺を見つめながらの不安げな表情と声音。

……ふむ……これはこれでイイな。

 

「さぁ……?

何を言ってるのか分かんねぇけど……祐奈が自分から言ってくれると分かるかもな?」

 

「ぼ、僕から……っ?!」

 

面白いように慌て出す祐奈。どうやら俺から言ってくれると思っていたようで……ところがどっこいこれが現実ですってな。

 

「う、う~~~~……」

 

顔をさらに赤く染めながら唸るように声を出す祐奈に俺はにやにやとした笑みを向ける。すると、ようやく気がついたようで、ジトっとした目で俺を見始めた。

 

「……また僕で遊んで楽しんでるね……?」

 

「ははっ!気がつくのが遅ぇよ祐奈。

だいたい俺が約束を忘れるわけねぇだろ?」

 

そう言ってやれば、祐奈はほっとしたような表情を浮かべる。

俺はそんな祐奈に自ら近づくと、優しく頭を撫でた。

 

 

 

 

 

「―――――俺でいいのか?」

 

祐奈は俺の言葉に少しだけ目を開くと恥ずかしそうに顔を俯かせ、こくりと小さく首を振った。

 

「……そうか。

ならまぁ……俺が教えてやるよ―――――『女の幸せ』ってやつをな」

 

言って、俺は祐奈を抱き締めた。すると、祐奈は俺の胸に顔を埋めた。

ドクンドクン、と脈打つ鼓動が俺の方にまで伝わってくる。

 

「……どんだけ緊張してたんだよ」

 

「し、仕方ないよ……僕の……その……初恋なんだし……」

 

「へぇ……?

なぁ知ってるか?『初恋は実らない』ってやつ」

 

俺が意地悪にもそう言うと祐奈は抱き締める俺の背に腕を回してぎゅっと力を入れた。

 

「……僕の場合は実ったから関係ないよ」

 

「ははっ!そりゃ違いねぇな」

 

俺がからからと笑うと、祐奈は俺の胸から顔を上げて俺の顔を見つめる。

 

「ねぇ、士織さん」

 

「ん?今度はなんだ?」

 

俺がそう返せば、祐奈はちらりと周りを見て、体を反転させ俺が後ろから抱きしめている形にする。そして、大きな声で言った。

 

 

 

 

 

「―――――誰にも負けないから。

一番は……僕だよ!」

 

その声は俺に向けて言ったのか……はたまた、()()()に言ったのか……。

まぁ、おそらくは後者なのだろうが……。

 

 

 

 

 

「ったく……可愛い奴め」

 

俺は祐奈の行動にそんな感想を漏らす。

周りを見ればいろんな反応を返す者が見えた。

暖かな微笑みを向けるリアス先輩と朱乃先輩。

ゼノヴィアとアーシアを抱き締めながら器用にもこちらににやにやとした笑みを向ける一誠。

そして……羨ましそうな表情を浮かべる小猫。

 

 

 

 

 

(……悪ぃ……祐奈)

 

想いを伝えてくれた祐奈には悪いが、今後の自分を考えて心の中で先に謝っておく。

 

(……おそらく俺は最低な事をするだろう。

それでもイイって言うのなら……俺は……)

 

無意識のうちに抱き締める腕に力を入れる。

すると、祐奈は俺の手を胸に抱きながら、優しく呟いた。

 

 

 

 

 

「―――――良いよ。全部分かってたから」

 

「……っ!?

……祐奈……お前……」

 

そのタイミングで言われた祐奈の言葉に驚く。まるで心の中を透かされたようで。

 

「だけど……」

 

また体を反転させ、俺の方へと向き直る祐奈。頬をふくらませながら言う。

 

「あんまり多いと怒っちゃうからね!」

 

そして、俺の胸に顔を埋め、強く、強く抱き締めた。

俺はその言葉に間抜けな表情を浮かべていたと思う。だからこそ、直ぐに笑みへと表情を変え、抱きしめ返した。

 

「寛容過ぎやしませんかねぇ……祐奈さんよ」

 

俺がうだうだと考えていたのが馬鹿馬鹿しくなるというもんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――その後、魔王の加勢が到着したのは全てに決着が着いた30分ほど経ってからだった。

 

その時に俺の【神器】の情報が渡ってしまったが……まぁ、何とかなるだろう。

 

今後の事に少々の不安を抱きながらも、俺は苦笑いを浮かべ空を見上げた―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい♪
というわけで……士織のヒロインその1!!
祐斗くんならぬ祐奈ちゃんとくっついた今回の話でした♪

結構無理矢理感が出てしまいましたが……お許しください……っ!!(>_<)


それでは、また次回お会いしましょう♪

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