ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんはっ!!!(>_<)
私には珍しい、連日投稿なのですっ!!!o(`・ω´・+o) ドヤァ…!

これからは短いものを短いスパンで更新できるように頑張るのですよっ!!!(>_<)

それでは早速本編をどうぞ♪


〜白と出逢いました〜

Side 3人称

 

「『ヤハウェ』……だと!?

……貴様……『人間』ではなかったのか……っ!?」

 

笑う士織をコカビエルは眉をひそめて見つめると、慌てたように声を荒げる。

 

「俺は人間さ。

初めに言っただろう?

それとも何か?お前はそれくらいも記憶出来ない程の鶏頭なのか?

カラスなのに鶏頭とは傑作じゃねぇか」

 

「……貴様ぁ……っ!!」

 

コカビエルは殺気を振り撒きながら、士織を射殺さんばかりに睨む。しかし、当の士織はその視線をまるで微風だと言わんばかりに気にしない。

 

「さぁて……さっきも言ったけど……消される覚悟は出来たよな?」

 

士織の問いにコカビエルは額から汗を垂らす。今この場を支配しているのはコカビエルの殺気ではない。

 

―――――士織のコカビエルに対する敵意だ。

 

「く……っ!」

 

コカビエルは構える。士織の一挙一動を見逃すことがないように。

重心は低く、咄嗟の判断もミスしない。そんな雰囲気を漂わせ、コカビエルは士織の行動を見守る。

 

「ふぅ……」

 

士織は小さく息を吐くと、手を動かす。

それを見たコカビエルは大袈裟に反応すると、その手に光の槍を作り出し、迎撃の体勢をとった。

そんなコカビエルを嘲笑うかのように、士織は背後の光り輝く果実に手を伸ばした。

 

「じゃぁ……これ♪」

 

碧色に輝く果実を握り、口づけを落とす士織。

そして、その果実を―――――噛じる。

 

 

 

 

 

「―――――おいで【ハーミット】」

 

 

 

瞬間、その場の気温が急激に下がった。

 

「な、何事だ……っ!?」

 

コカビエルはその現象にキョロキョロと目を動かす。

見れば士織の傍に大小2匹の碧色ウサギが飛び跳ねていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっほーしおりくーん♪

よしのんを使ってくれるなんてうれしーなーこのこのー♪』

 

 

 

「っっ!!!?」

 

突然聞こえてくる声にコカビエルは反応する。その声は一体何処から聞こえてくるのか、コカビエルは発生源を探し、発見した。

その声は、士織の傍にいるウサギから聞こえてきていたのだ。

 

「おぉ、よしのん。

元気がいいなぁ……何かイイことでもあったか?」

 

『もっちろん♪

よしのん的には士織くんに会えてすごくうれしいよー』

 

ぴょんぴょんと元気よく飛び跳ねる小ウサギ。士織はそれを笑って見ると、縮こまっている大ウサギの方へと視線を移した。

 

「四糸乃はご機嫌斜めか?」

 

『……っ!?……そ、そんなこと……ない、です……!

……わ、私も……士織さんに、会えて……その……嬉しい、です……っ!』

 

慌てたようにふるふると首を振る大ウサギ。士織はそれを微笑ましそうに見つめて、ニコリと笑った。

 

「それなら良かった。

……さて、今回はちっとばっかし荒々しい事しないとだけど……力、貸してくれるか?」

 

『もちろんさー』

 

『も、もちろん……です……!』

 

大小のウサギは2匹とも飛び跳ねた。

士織はそんな2匹にありがとうと言うと、優しく撫でる。

 

 

 

「じゃぁ……やろうか。

―――――【氷結傀儡(ザドキエル)】」

 

士織の呼びかけ。

氷結傀儡(ザドキエル)】とそう言うと、2匹のウサギは今までで一番大きく飛び跳ねた。2匹は形を崩し、溶けるように交わると、士織の前で新たな形を成した。

 

それは(しゃく)

碧色の美しい笏はおおよそ二尺ほどの大きさ。淡い氷の結晶のような模様が見え、芸術品のようだ。

 

士織はその笏を手に取ると、コカビエルを見据える。

 

「……あんなに無防備に話してたのに攻撃の一つもしてこないとは……堕天使の幹部が聞いて呆れるな」

 

「ぐうぅ……っ!!」

 

怒りの形相でコカビエルは歯軋りをする。

そう、士織とウサギたちの会話は無防備で、攻撃する隙などいくらでもあったのだ。

 

「まぁいい……取り敢えず……速やかに退場願う。―――――この世からな」

 

そう言った士織は笏を横薙ぎに軽く振った。すると、その軌跡をなぞるように氷の帯が現れ、そこから幾数もの氷の塊が打ち出され始めた。

 

「そんなもの……っ!!」

 

コカビエルは魔法陣を広げ防御の体勢をとる。しかし、氷の塊はその魔法陣をまるで豆腐を崩すかのように破壊してしまう。

 

「んな……っ!!?」

 

コカビエルは目を見開きながらも、次の行動は早かった。魔法陣の破壊を認識した瞬間、翼を羽ばたかせ後退し、氷の塊を躱したのだ。

そして、間髪入れずに己の持っていた光の槍を投げつけ士織へと反撃を行った。

 

「【氷結領域(アイス・テリトリー)】」

 

士織がそう呟くと、士織を中心に半径3メートル程の場所が一瞬で凍りつく。コカビエルの槍もその範囲に入った途端、凍りつき、砕け散る。

 

「……通用せんか……」

 

コカビエルはその光景に驚くことはなく、予想通りと言ったふうに納得の表情を浮かべた。

 

「驚きなれちまったか?」

 

「……ふん。普通にやっても通用しなかった物が通用すると思うほど俺も馬鹿じゃないんでな」

 

そう言ったコカビエルはその手に新たな光の槍を作り出した。

 

「まぁ、あんまり時間をかけるのも面倒だからな……次で終わらせてやる」

 

士織がそう言うとコカビエルは槍を構えるがその穂先が震え始める。心なしかコカビエルの額の汗の量も増えたように思える。

それを見た士織はクスリと笑い、笏を天へと掲げた。

 

 

 

「―――――舞え永久(とわ)氷花(ひょうか)

 

士織の頭上に氷で出来た美しい花が咲き乱れる。

 

 

 

「―――――散らせ刹那の生命(いのち)

 

舞い散る花びらが地に落ち、そして凍りつく。

 

 

 

「―――――凍てつく世界に、一輪……」

 

士織は掲げた笏を振り下ろし、コカビエルへと向けた。

―――――瞬間、氷の花たちは舞い踊り、コカビエルへと襲いかかる。

コカビエルは花びらたちを迎撃するために槍を振るうが、しかし、花びらが槍に触れた途端凍りつき……そしてコカビエル自身の命すらも凍りつかせる。

コカビエルの命を土台に、氷の花たちは美しく舞い、姿を変える。

 

 

 

 

 

「咲け……【生命の氷花(ライフ・アイス・フラワー)】」

 

 

 

士織は目を閉じそう言う。

コカビエルのいた場所には巨大な花が一輪咲いていた。

冷気を漂わせ咲くその花は美しく、目を奪われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――これは凄いな」

 

その時、今まで聞かなかった声がその場に響いた。

今まで士織の戦いに圧倒され無言だったリアスたち、そして士織が声の主の方へと顔を向ける。

 

 

 

―――――闇の中で輝く、一切の曇りも陰りも見せない白きモノ。地面すれすれにそれは浮かんでいた。

白き全身鎧(プレートアーマー)。体の各所に宝石らしき物が埋め込まれ、顔まで鎧に包まれており、その者の表情は窺えない。

背中から生える八枚の光の翼は、闇夜を切り裂き、神々しいまでの輝きを発している。

一誠はその姿に目を細め、士織は無表情に見つめていた。

 

 

 

 

 

「……何だ?白龍皇(・・・)

今頃現れて何か用かよ?」

 

士織の『白龍皇』という言葉に息を呑むリアスたち。

一方、白龍皇呼ばれた全身鎧の者は士織の言葉への返答を行う。

 

「へぇ……オレが白龍皇だってことはバレてるんだ?

……まぁ、アザゼルにコカビエルを連れて帰るように言われてたんだが……」

 

自らを白龍皇だと認めた全身鎧の者はちらりと氷の花となったコカビエルへと視線を移す。

 

「……少し遅かったようだね」

 

苦笑気味の声でそう言うと士織の方へと改めて視線を向けた。

 

「で?

コカビエルは連れていけないんだし……後は帰るだけってか?」

 

「オレとしては君と一戦交えたいところなんだけど……」

 

白龍皇から、威圧的なオーラが吹き出す。それはコカビエルよりも濃く、猛々しい。

白龍皇という存在がコカビエルよりも格上なのがよく分かるオーラだ。

しかし、そのオーラもすぐに止んでしまう。

 

「……今回はコカビエルの回収しか命じられてないし……何よりオレが勝手したらアザゼルが怒るからな。

別に怖くないが……説教が面倒だ……」

 

肩をすくめてそう言う白龍皇。

士織は白龍皇の物言いに少々の苦笑を浮かべていた。

 

「残念だけど今回は大人しく引き下がるさ。

だけど覚えておいてくれ……。

―――――オレは君といつか死闘をする」

 

それを言うと満足したのか光の翼を展開し、空へ飛び立とうとした。

 

 

 

 

 

『無視か、白いの』

 

―――――しかし、それを止める声が響く。

その声の発生元は一誠の籠手、【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】だ。

 

『起きていたか、赤いの』

 

白龍皇の鎧に付いている宝玉も白き輝きを発し、声を響かせる。

 

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

 

『いいさ、お前の宿主は俺以外に興味を持ったようだしな。

それが士織というのなら仕方が無いというものだ。

しかし、白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』

 

『赤いの、そちらも敵意が段違いに低い……いや、最早感じぬではないか』

 

『今代の宿主はちょっと変わっていてな。

何、戦い以外への興味が深いのさ』

 

『ふっ……。

そういうことならこちらもしばらく独自に楽しませてもらうよ。

たまには悪くないだろう?

また会おう、ドライグ』

 

『それもまた一興。

じゃぁな、アルビオン』

 

赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンの会話。

互いが別れを告げると、白龍皇は空へと飛び上がり、口を開いた。

 

「君と戦うのは運命。

―――――強くなれよ、いずれ戦うオレの宿敵くん」

 

「お前に負ける気なんて毛頭ないね。

俺の目標はお前に負ける程度じゃ達成できねぇんだよ」

 

白龍皇の挑発とも取れる言葉に強気で返す一誠。白龍皇はふっ、と短く笑うと、白き閃光と化して、飛び去っていった。

 

 

 

―――――こうして、堕天使の幹部コカビエルとの戦いは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はいかがでしたでしょうか??
楽しんでいただけたのなら幸いです!!(>_<)

さてさて……今回でやっとコカビエルをぼこぼこにしましたが……士織の神器のせいで今後の展開が難しくなったです……っ!!(>_<)
オリジナルが入るとなると悩むところが多いですが……みなさんに楽しんでもらえるようなものにできるように頑張るのですよっ!!!

それではまた次回、お会いしましょう♪

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