ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
更新が遅くなってしまってすみません……。
学校での実習などで忙しくて遅くなってしまいました……。
なんとか今日中にっ!!と書き上げた話なのであまり面白くないかもしれませんが、楽しんでいただけると嬉しいですっ!!(>_<)
それでは本編をどうぞ♪
Side 木場 祐斗
「バルパー・ガリレイ。
まだ全てが終わったわけじゃない。
あなたを滅ぼさない限り、第二、第三の僕たちが生まれてしまう」
僕は迷いなく、バルパー・ガリレイを見据えた。
「ふん。研究には犠牲はつきものだと昔から言うではないか。ただそれだけのことだぞ?
それに、さっきまでボロボロと泣いていた奴がよく言う。
ただの幽霊どもと戦場のど真ん中で聖歌など歌いおって……。
私はな、聖歌というものが大嫌い―――――「黙れよクソ野郎」―――――クハッ!!!?」
「な……っ?!」
バルパーが喋っている時、背後から襲う影があった。―――――フリード・セルゼンだ。
フリード・セルゼンはバルパーをエクスカリバーの柄で殴りつけると踏みつけた。
「あんたさぁ……俺のほかにも実験してたんだな」
「ふ、フリード……っ!
き、貴様どういうつもりだ……っ!!」
「どうもこうも……あんたが俺にした所業を胸に手を当てて考えてみろよ」
フリード・セルゼンは冷ややかな視線をバルパー・ガリレイに向けたかと思うと、その体を蹴り飛ばした。
そして、僕の方を向くとエクスカリバーを肩に担いだ。
「……さっきの言葉、どういう意味だい?」
「ん〜?何?知りたいの?」
フリード・セルゼンは首を軽く横に倒すとそういった。僕は無言のままフリード・セルゼンを見つめる。
すると、肩をすくめて口を開いた。
「可愛い女の子にそんなに見つめられたら話さざるおえないなぁ〜。悪魔だけど。
じゃ、ほんの少しだけ昔話をしよーじゃあ〜りませんか〜」
そう言ったフリード・セルゼンは顎に手を当てながら話を始めた。
「そうだなぁ……まずは俺がなんでエクソシストになったか……ってとこから話すかな〜」
「俺ってさ、元はただの一般家庭の産まれなわけ。
父親と母親と妹2人と俺で幸せに暮らしてたんだよねぇ〜」
「でもさ〜ある日突然悪魔がやってきてねぇ〜……」
「父親と母親は俺と妹2人を逃がした後に悪魔に殺されちゃった★」
「それから俺たち兄妹は行くあてもなく彷徨ってたんだけどさ〜……餓死しかけの時に一人のエクソシストに拾われたんだわ」
「んで、そっから金稼ぎと憎い悪魔を殺すためにエクソシストになったわけ〜。
運良く俺には戦闘の才能があったから困らなかったんだよねぃ」
「エクソシストになってからはろくに家にも帰らず悪魔殺しの日々。
たまに電話で妹たちの声を聞くぐらいだったのよ〜」
「で、ある時そこの爺さんが現れて『力が欲しくはないか?』って言ってきたんだよねぃ」
「そん時の俺はまだ餓鬼も餓鬼でさぁ〜。
力欲しさに爺さんにホイホイついて行っちまったわ。笑えるだろ?」
「爺さんについて行ったら一つの結晶を渡された。
それを身体に取り込んだら確かに力は手に入ったさ……それも飛びっきりのな」
「―――――けどな」
「俺は力と引き換えに大切なもんを失ってたのさ」
「……唯一の家族―――――2人の妹を……な……」
フリード・セルゼンは顔を少しだけ伏せるとそう言った。
「い、一体……どういう……」
「あん?
なに、簡単なことさ。
俺の妹たちは―――――聖剣適合の因子を命ごと抜かれて死んでたのさ★」
―――――それに気づいたのは爺さんから因子をもらってゴキゲンに帰った時だけどな、とフリード・セルゼンは自嘲気味な表情を浮かべて僕にそう言った。
「聞いたところによると俺の妹たちは他の奴らよりも聖剣適合の因子を多く持ってたみたいでなぁ……」
フリード・セルゼンはゆっくりとバルパー・ガリレイに近づいていく。
「この爺さんは妹たちを攫って因子とさらに命まで抜いて、それを兄妹だから適合率が高いだろって理由で俺に渡したんだとッ!!!」
「ぐふ……っ?!!!」
フリード・セルゼンはバルパー・ガリレイの腹部を思いっきり蹴り、地面を転がした。
「いやぁ〜あん時は荒れたなぁ……。
なんたって関係者皆殺しにしたし★
まぁ、逃げてた何人かは殺し損ねたけどぉ~」
フリード・セルゼンは憤怒の表情を一瞬だけ浮かべると、直ぐにヘラヘラと笑う。
「……なら、何故バルパー・ガリレイに協力を……。
君にとっては復讐の対象だろう?」
「協力?バカを言わないでくれたまえ~。
俺はコイツの全てを奪うために力を蓄えてたのさ!
だから、この爺さんの実験も素直に受け入れた!何せ力が手に入るんだからな!!」
フリード・セルゼンは瞳を黒く濁らせてそう言った。
……何という黒い感情なのだろうか……。
僕には到底予想できないほどのモノがそこにはあった。
「……とまぁ、これが不肖私めの人生ですぜぃ」
フリード・セルゼンは濁らせた瞳を元に戻し、わざとらしく礼をした。
「……キミも辛い思いを……」
「あ〜……やめてくれやめてくれ。
悪魔に憐れんでもらわないといけないほど俺も落ちぶれちゃいねぇよ」
フリード・セルゼンは手をひらひらとさせると迷惑そうな表情を浮かべた。
―――――閑話休題。
「さてさてさて……
この前の続き……殺りましょーぜぃ」
そう言ったフリード・セルゼンはエクスカリバーを軽めに構えた。
「……わかった。
やろうか―――――フリード」
僕は目を閉じて集中する。
すると、突然仲間の、部長たちの声が聞こえてきた。
「木場!!
お前の覚悟見せつけてやれ!!!」
―――――イッセーくん。
「お前は、リアス・グレモリー眷属の『騎士』で、俺の仲間だ!俺のダチなんだよ!
それはお前が男だろうと女だろうと関係ねぇ!!!」
キミは僕を助けてくれた。何も得がないのに、主に罰を受けるかもしれなかったのに―――――。
「祐斗……いえ、『祐奈』!
あなたがその姿になるってことはもう迷わないのね……なら、行きなさい。あなたの信じるあなたの道を行きなさい!
私の『騎士』はエクスカリバーごときに負けはしないわ!」
「祐斗くん……いえ、祐奈ちゃん!信じてますわよ!」
部長、副部長……。リアス部長!朱乃さん!
「……ゆ、祐奈……先輩!」
小猫ちゃん。
「ファイトです!」
―――――皆。
自然と笑みがこぼれてくる。
僕にはこんなにも優しい仲間がいるんだ……。
僕は目を開けると魂に呼びかけ、決意を口にする。
「―――――僕は、剣になる」
一緒に超えよう―――――。
あの時、達せなかった想いを、願いを、今こそッッ!!!
「部長、仲間たちの剣となる!
今こそ僕の思いに答えてくれッ!
―――――『
僕の
魔なる力と聖なる力。相反する2つの力が反発することなく融合して行った。
―――――そう、この感覚。
僕の神器が、僕の同志たちが教えてくれる。これは『昇華』だと。
神々しい青白光と禍々しいオーラは螺旋を描きながら僕の手元へと集まっていく。
そして、現れたのは鞘に納刀された一振りの日本刀。
―――――完成したよ、皆。
「―――――【
【聖】と【魔】を有する剣―――――今は日本刀だけどね―――――の力、その身に受け止めるといいよ」
そう言って、僕は日本刀を腰に差し、フリード目掛けて走り出した。
『
僕はフェイントを織り交ぜながらフリードに接近していく。
しかし、フリードはそのフェイントに反応し、目で追って来ていた。
「流石だねッ!」
「いや〜!
これは本当に追うので精一杯だ!」
そう言ったフリードの表情には余裕は見当たらない。
そうはいうものの、これでは拉致があかない。
僕はフェイント無しにフリードに接近するのを最優先に動いた。
(まずは一撃……ッ!)
接近と同時に抜刀、そして斬る。
「ひゅ〜!
今のは危なかったわぁ〜」
フリードはそういいながらエクスカリバーでガードしていた。その刀身は広がり、まるでシールドのようになっている。
「……【
「ご名答〜★」
僕は一旦フリードとの距離を取り、再び納刀する。
「……もう1段階、上のステージに……」
僕は納刀した刀の性質を創り変える。何の能力も付与していないままの聖魔剣ではフリードには届かない。そう感じたから。
「……くっ!」
今までとは比べ物にならない程の扱いの難しさ。
―――――だが、僕は負けるわけにはいかない。
(聖魔剣……僕の魔力をありったけ……喰らえ……っ!!)
魔力が枯渇する寸前まで聖魔剣に供給する。
思い描け……。
僕が今欲している聖魔剣の姿を―――――っ!!!!
―――――そして僕は、
「がぁあぁ……っっっ!!!?」
―――――極地に1つ近づいた。
僕の背後には斬つけられ膝をつくフリードの姿がある。
そして、僕は納刀し、柄に手を添える姿で静止していた。
「……名付けるとしたら【
僕がやったのはフリードに近づき、抜刀術の要領で斬つけ、走り去り納刀しただけだ。
フリードは顔をひそめながらも立ち上がり、僕の方へと視線を移す。
「こりゃ……大化け……しやがったな」
苦しそうに言葉を紡ぐが、しかし、その体には斬傷が見当たらない。
「咄嗟に……【
そう言って血を吐きだすフリード。口元を拭いエクスカリバーを再び構えた。
僕もそれに対して抜刀術の構えを取ろうとしたのだが、体に力が入らず、膝をついてしまう。
「……ま、魔力が……っ!」
「あれ~……?
騎士チャン……満身創痍……?」
聖魔剣に魔力が枯渇する寸前まで与えたため、魔力枯渇による脱力が僕の体を襲っているのだ。
あの一撃で決めようと思っていた僕としてはかなりのピンチに陥っている。
「―――――では、私が引き継がせて貰おう」
そんなとき、先程まで静かだったゼノヴィアの声が響いた。
僕が膝をついている横まで歩いてくると勇ましく仁王立ちになる。
「私では力不足かな?」
ゼノヴィアの言葉にフリードが反応、そしてその姿をじっくりと見ると眉をひそめて口を開いた。
「ん~……やっぱり、騎士チャンと……比べると、ねぇ……」
「そうか……ならば……」
ゼノヴィアは左手に聖剣を持ち、右手を宙に広げた。
「―――――ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」
何かの言霊を発し始めている。彼女は一体何を……?
疑問に感じていた僕の視界で空間が歪む。そして、歪みの中にゼノヴィアが手を入れた。
無造作に探り、何かを掴むと次元の狭間から一気にソレを引き出す。
―――――そこにあったのは1本の聖なるオーラを放つ剣。
「この刃に宿りしセイントの御名において、我は開放する。―――――【デュランダル】!」
デュランダル!?
エクスカリバーに並ぶほど有名な伝説の聖剣じゃないか!確か斬れ味だけなら、最強だと聞いている。何故彼女が……?
「イリナたち現存する人工聖剣使いと違って私は数少ない天然モノの1人でね。
エクスカリバーの方は兼任していただけなのさ」
周りの視線に気がついてか、彼女はそう説明をした。
ゼノヴィアはフリードの方を見つめると再び口を開く。
「デュランダルは想像を遥かに超える暴君でね。触れたものは何でもかんでも切り刻んでしまう。
所有者である私の命令でさえろくに聞かない。故に異空間へ閉じ込めておかないと危険極まりないのさ。使い手の私ですら手に余る剣だ。
―――――さて、フリード・セルゼン。
今の私でも……力不足と言うかな?」
そう言って、左手の【
「いいや―――――イイよイイね!!
騎士チャンとまでは行かないけどキミとも戦いたいね!!!」
フリードは楽しそうに笑いゼノヴィアをしっかりと見た。
ゼノヴィアは僕に視線だけ向けると、柔らかく笑う。
「……ここからは任せてくれ先輩」
僕にかろうじて聞こえるような声でそう言った。
「……じゃぁ、頼んだよ後輩」
僕はそう言うと聖魔剣を消した。体はもう動かない。フリードに勝てなかった。悔しい思いはあるけど……もう、いいかな……。
(復讐はもう、良いんだ……。
これから強くなって、僕の、僕たちの【チカラ】を証明していこう……)
何処からか、みんなの声が、聞こえた。
本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!!(>_<)
ちなみにですが……サブタイトルが全く思いつきません……(苦笑)
しばらくは無題で行かせてください……っ!!!(>_<)
さてさて、今回ですが……フリードくんの過去話が大雑把に登場しました!!!(>_<)
フリードくんの今後は一体!?
それではまた次回お会いしましょう♪