ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんどうも♪
最近前々から友達にオススメと言われていたマギを読んで影響された夜叉猫ですっ!!!(>_<)

更新が遅くなってすみません(苦笑)
ちょっと他の事に頭を埋め尽くされてしまいまして……お恥ずかしい限りです(////∧////)

ひとまず!
本編をどうぞ♪


〜交渉しました〜

Side 一誠

 

「美味いっ!

日本の食事は美味いぞっ!!」

 

「うんうんっ!これよ!これが故郷の味なのよ!」

 

ガツガツとファミレスで注文したメニューを腹に収めていくゼノヴィアとイリナ。

……圧巻の食べっぷりだな……こいつら本当にキリスト教本部からの刺客なのか……?

 

ファミレスに着くまでに小猫ちゃんがお金を出しましょうか?と言ってくれたが流石に女の子に出してもらうのは俺のプライド的にダメだったため丁重にお断りした。

……が、ゼノヴィアとイリナの食べている量を見ると溜息が出てくる。

……あぁ……俺の財布が……軽くなっていく……。

 

「ふぅ~……落ち着いた。

キミたち悪魔に救われるとは、世も末だな」

 

「おいおい……遠慮なく食っておいてその言い草はないだろ」

 

ゼノヴィアの言葉に苦笑いが浮かぶ。

 

「はふぅ〜……ご馳走様でした。

あぁ……主よ。心優しき悪魔たちにご慈悲を」

 

胸で十字を切るイリナ。

 

「「「うっ!」」」

 

その瞬間、俺の頭に鈍い痛みがはしる。

周りを見れば小猫ちゃんと匙も同じように頭へ手を当てていた。

どうやら目の前で十字を切られたため、俺ら悪魔は軽めであったがダメージを受けたようだ。

 

「あー、ごめんなさい。

つい十字を切ってしまったわ」

 

てへっと可愛らしく笑うイリナ。

……普通に見るぶんには可愛い女の子なんだけどな……。

昨日の姿を思い出すとやはり苦笑いに包まれる。

水を飲み、息をついたゼノヴィアは改めて俺たちに訊く。

 

「で、私たちに接触してきた理由はなんだ?」

 

「あ〜……やっぱり偶然じゃなかったって分かっちまうか……」

 

まぁ、確かにあの出会い方は偶然ではないとわかるだろう。

 

「単刀直入に言わせてもらう。

―――――エクスカリバーの破壊に俺たちも参加させてくれ」

 

俺の言葉にゼノヴィアとイリナは目を丸くさせて驚いている様子だった。互いに顔を見合わせてもいた。

しばしの沈黙の後、ゼノヴィアが口を開く。

 

「……そうだな。1本くらい任せても良いだろう。……破壊できるのであればね。

ただし、そちらの正体がバレないようにしてくれ。こちらもそちらと関わりを持っているように上にも敵にも思われたくはない」

 

「……随分とすんなり許可してくれるんだな。

話を持ちかけた俺が言うのもなんだが……良いのか?」

 

「そ、そうよ!ゼノヴィア、本当に良いの?

相手はイッセーくんとはいえ、悪魔なのよ?」

 

俺の言葉に乗るようにして異を唱えるイリナ。まぁ、普通の反応はそうだ。

 

「イリナ、正直言って私たちだけでは3本のエクスカリバーを回収するのとコカビエルとの戦闘は辛い」

 

「それはわかるわ!けれど!」

 

「最低でも私たちは3本のエクスカリバーを破壊して逃げ帰ってくればいい。

私たちのエクスカリバーも奪われるくらいなら、自らの手で壊せばいいだろう。

……で、奥の手を使ったとしても任務を終えれる確率は高くて6割、無事帰れる確率にいたっては3割を切るだろう」

 

「それでも高い確率だと私たちは覚悟を決めてこの国に来たはずよ……?」

 

「そうだな、上にも任務遂行して来いと送り出された。

……これは自己犠牲に等しい」

 

「それこそ、私たち信徒の本懐じゃないの」

 

「気が変わったのさ。私の信仰は柔軟でね。いつでもベストなカタチで動き出す」

 

「あなたね!前々から思っていたけれど、信仰心が微妙におかしいわ!!」

 

「否定はしないよ。

……だが、任務を遂行して無事帰ることこそが、本当の信仰だと信じる。

生きて、これからも主のために戦う。―――――違う……?」

 

「……違わないわ。……でも……」

 

「だからこそ、【悪魔】の力は借りない。

―――――その代わりに【ドラゴン】の力を借りる。上もドラゴンの力を借りるなとは言っていない」

 

そう言ったゼノヴィアの視線が俺に向けられる。

何と言う屁理屈……だが、俺たちにとってはその屁理屈が都合がいい。

 

「まさか、こんな極東の島国で【赤龍帝】に出会えるとは思わなかった。

先日の戦いを少しだが見せてもらったが……かなりの実力を持っていると見た。

キミほどの実力があればエクスカリバーを破壊することも可能だろうし、この出会いも主のお導きと見るべきだね」

 

嬉々とした表情を浮かべゼノヴィアはそう語る。

 

「た、確かにドラゴンの力を借りるなとは言ってこなかったけど……。

いくらなんでも屁理屈が過ぎるわ!

やっぱりあなたの信仰心は変よ!」

 

「変で結構。しかし、イリナ。

彼はキミの古い馴染みだろう?信じてみようじゃないか。彼の実力とドラゴンの力を」

 

ゼノヴィアの言葉にイリナも黙り、承知の空気を出していた。

まぁ、そこまで期待されると答えないわけにはいかないだろう。

俺は頼んでおいたコーヒー口にし、笑う。

 

「OK。商談成立ってな。

俺はドラゴンの力を貸す。

んじゃ、今回の俺のパートナーを呼ばせてもらうぜ?」

 

俺は懐のスマホに手を伸ばし、木場へ連絡を入れたのだった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「話は分かったよ」

 

木場は真面目な表情を浮かべ、コーヒーに口をつけた。

 

「正直言うと、エクスカリバー使いに破壊を承認されるのは遺憾だけど……感謝するよ」

 

「へぇ……?なんだか雰囲気が変わったみたいだね?先輩?」

 

「……少しだけ冷静になっただけさ。

まだ憎いものは憎い。……けど憎しみにだけ目を向けていては出来るものも出来なくなるからね」

 

木場の瞳に一瞬灯った憎しみの炎は以前より濃くなっているように見えた。しかし、それを補うような冷静な雰囲気が今の木場にはあった。

 

「ところで、今回の件に関しての情報は?」

 

「……今のところこれと言ったものはない」

 

ゼノヴィアは難しそうな表情を浮かべる。

が、その一瞬後に、何か思い出したかのように口を開く。

 

「……いや、今思い出したが……今回の件にあの『皆殺しの大司教』バルパー・ガリレイが関与している可能性がある」

 

「……バルパー・ガリレイ?」

 

木場はその名前に疑問符を浮かべ復唱する。そして、それに対してゼノヴィアが表情を変えることももったいぶる事もなく、口を開いた。

 

「―――――『聖剣計画』の責任者だ」

 

「ッッ!?」

 

ゼノヴィアから告げられた言葉に、木場は動揺してか、慌てたように立ち上がる。

何か言いたそうな表情を浮かべたが、深呼吸すると、ゆっくりと座り、呟くような口調で口を開いた。

 

「……それが僕の……目標(ターゲット)

 

木場の瞳には新たな決意のようなものが生まれていた。明確な目標ができただけでもその情報はありがたい物だろう。

 

「僕も情報を提供した方がいいみたいだね。

先日、エクスカリバー―――――確か【天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)】と言ったかな?それを持った者に襲撃されたよ 」

 

「「「「「!!」」」」」

 

木場の話した内容にこの場にいた全員が驚きの表情を浮かべた。

―――――が、俺はそれだけでなく、一瞬だが浮かべられた木場の悔しそうな表情に意識を奪われた。

 

「相手の名はフリード・セルゼン。

この名前に覚えは?」

 

フリード・セルゼン……奴がまだこの町に潜伏してるのかよ……。

木場の言葉にゼノヴィアとイリナが目を細めた。

 

「なるほど、奴か……」

 

「フリード・セルゼン。

元ヴァチカン法王庁直属のエースエクソシスト。齢十三歳でエクソシストになったかと思えばその僅か1ヶ月後には最強の名を思うがままにした本物の天才……。悪魔や魔獣を次々と滅していく功績は大きかったわ」

 

「……だが、奴はあまりにも強すぎ、そしてやり過ぎた。同胞すらその手に掛けたのだからね。

フリード・セルゼンには信仰心なんてものは最初からなかった。あったのは人外、特に悪魔や堕天使への敵対意思と濃密な殺意。

そして、異常なまでの復讐心。

異端に掛けられるのも時間の問題だった」

 

「……復讐心?」

 

俺はその言葉に疑問を抱き、つい質問として言葉を発してしまう。

 

「……私はあまり知らないが……奴は『奴らは許さない……絶対に』繰り返しこう言っていたそうだ」

 

「『奴らは許さない……絶対に』……か」

 

ゼノヴィアからの返答に、フリード・セルゼンには何か裏があるのではないかと、そう思ってしまい、気になって仕方がない。

 

「しかし……そうか……。

あのフリード・セルゼンが聖剣を持っているのか……これは一筋縄では行かないようだな……」

 

苦虫を噛み潰したような表情で重々しくそう呟くゼノヴィア。イリナもそれと同意見らしく、表情が曇っていた。

……それほどまでに強いのか、あの男は。

 

「まぁいい。

取り敢えず、エクスカリバー破壊の共同戦線といこう」

 

ゼノヴィアはペンを取り出すと、メモ用紙にペンを走らせ、連絡先をこちらへとよこした。

 

「何かあったらそこへ連絡をくれ」

 

「サンキュー。じゃぁ、俺たちの方も―――――」

 

「イッセーくんの番号は葵泉さんから頂いてるわ」

 

「はぃ!?

母さん何勝手なことしてるの!?」

 

イリナの言葉にその場にはいない母さんへの疑問を口に出してしまう。

どうせ母さんのことだから軽い気持ちで「電話でもしてみたら?」と言う感じにわたしたのだろう……。

この分だと士織の番号も渡してるんだろうなぁ……。

俺は頭が痛くなるのを感じ、溜息を吐いた。

 

「では、そういうことで。

食事の礼、いつかかならず。赤龍帝の兵藤一誠」

 

「食事ありがとうね、イッセーくん!また奢ってね!

悪魔だけど、イッセーくんの奢りならアリだと主も許してくれるはずだわ!ご飯ならOKなのよ! 」

 

二人はそう言い残して席を立って行った。

 

 

 

 

 

見送りも軽く済ませた俺たちは再び元の席に戻る。

 

「……イッセーくん。どうしてこんなことを?」

 

木場が静かに訊いてくる。

こいつにしてみれば自分の私的な恨み事をどうして手助けしてくれるのか不思議なんだろうな。

 

「ま、仲間だし、眷属だしな。

それに、お前には助けられたことがあったし、別に借りを返すとかそんなんじゃないけど、今回はお前の力になりたくてな」

 

「僕が勝手に動けば部長に迷惑がかかるから。―――――それもあるんだよね?」

 

「まぁ、もう大丈夫だとか言われたけど……もしもってことがあるからな。

それに、お前が『はぐれ』になるよりはどんなことと比べてもマシだろ?」

 

俺の言葉にどこか納得できていないような表情を浮かべる木場。

そこへ小猫ちゃんが口を開く。

 

「……祐斗先輩。私は、先輩がいなくなるのは……寂しいです」

 

少しだけ寂しげな小猫ちゃんの表情に俺と匙は衝撃を受け、固まった。

 

「……お手伝いします。……だから、いなくならないで」

 

小猫ちゃんの訴え。

前のもう大丈夫発言を伝えたことでいなくならないことは小猫ちゃんにもわかっているはずだが、しかし思うところがあったのだろう。

それよりも……あの小猫ちゃんの訴えはやばい。何がやばいっていつもとのギャップが可愛さを増して俺の理性にダイレクトアタックを仕掛けているから。

匙の方をチラリと見てみるが幸せそうな表情を浮かべていた。余波だけで匙をココまでするとは……おそるべし、小猫ちゃん。

 

……とまぁ、そんな俺たちに対して、木場は優しく微笑みながら小猫ちゃんの頭を撫でた。

 

「小猫ちゃん……。流石にそんなこと言われたら僕も無茶はできないよ。

わかった。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな。

イッセーくんたちのおかげで真の敵もわかったしね。

でも、やるからには絶対にエクスカリバーを倒す」

 

木場の言葉に安堵したのか、小猫ちゃんは小さく微笑んだ。

 

「よし!んじゃ、話もまとまったことだし、これからエクスカリバー破壊に向けていっちょ頑張りますか!!」

 

パン!と柏手を打ち、俺はそう声を掛けた。

そうすれば、匙も木場も小猫ちゃんも、首を縦に振り拳を突き上げた。

 

 

 

此処にエクスカリバー破壊を目的としたチームが結成された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しで頂けたのなら幸いです♪

さてさて、ここからは雑談ですが……。
最近お土産と称してまとりょしかを貰ったのですが……これって何処のお土産何ですか……??(苦笑)
可愛い……?のでお部屋に置いているのですが……ちょっと異様です(笑)


それでは、また次回お会いしましょう♪


―――追記―――
七月十九日 本文改定
ゼノヴィアのセリフを一部変更しました。
フリードの憎しみの対象をバケモノから人外へと変更。
悪魔だけでなく、堕天使も憎しみの対象へと変更。

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