ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんは♪
テストの返却まで終わり、清々しい気分の夜叉猫です♪

それでは早速本編をどうぞ♪


~捜索しました~

オッス、兵藤一誠っス。

 

教会の関係者であるゼノヴィア、イリナとの衝突から次の日、俺は小猫ちゃんと会長眷属の【兵士(ポーン)】である匙を呼び出し、近場のカフェに訪れていた。

 

「あ〜……。で?俺を呼び出した理由は?」

 

気だるそうな匙。

今日は無理言って呼び出したために仕方がない態度だろう。

 

「……そうです。

私まで呼び出して何の用事ですか?」

 

小猫ちゃんはチョコレートパフェをつつきながら無表情にそう言った。

 

「あぁ……。

休みの日に呼び出しちまって悪いな。

……実は折り入って頼みがあるんだわ」

 

「……頼みですか?」

 

「面倒事の予感が……」

 

小猫ちゃんは首をこてんと横に倒し、匙は引き攣った表情を浮かべる。

……匙はまぁ、イイ勘をしているな。

俺は咳払いを挟みゆっくりと口を開いた。

 

 

 

 

 

「―――――聖剣エクスカリバーの破壊許可を取るのを手伝ってくれ」

 

俺の言葉に匙どころか、小猫ちゃんまで目を丸くして驚愕の表情を作り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌だぁぁぁぁぁっ!!俺は帰るんだぁぁぁぁぁっ!!!」

 

悲鳴をあげて逃げようとしている匙。それを小猫ちゃんが掴んで離さないでいる。

少々……いや、普通に騒がしいがこれを見越して外の席にしといて良かった……。

俺がエクスカリバー破壊作戦を提案すると、小猫ちゃんはしばしの間考え込んで『……私も協力します。祐斗先輩のことですよね?』と察してくれた。

匙の方は聞くなり青ざめて逃げようとしたのだが、それを小猫ちゃんが許さなかったと……。

 

「兵藤!なんで俺なんだよ!!

これはお前ら眷属の問題だろう!?俺はシトリー眷属だぞ!!

関係ねぇ!関係ねぇぇぇぇぇっ!!!」

 

匙は涙を流しながら訴える。

 

「まぁ、そう言ってくれるなよ。

俺が知ってる悪魔で協力してくれそうなのはお前くらいだったからよ」

 

「ふざけんなぁぁあっ!!!

俺がテメェの協力なんかするわけねぇぇえだろぉぉぉっ!!!

殺されるっ!!俺は会長に殺されるぅぅぅっ!!!」

 

更に青ざめた表情を浮かべる匙。

随分と会長のことが怖いと見える……。

 

「お前んところのリアス先輩は厳しいながらも優しいだろうよ!!

でもな!?俺ん所の会長はな!厳しくて恐ろしいんだぞ!!?」

 

「そうか、それはお気の毒様。

……んじゃ、イリナたちを探しに行くか……。

小猫ちゃん、匙を連れてきてもらっていいか?」

 

「……わかりました」

 

「ちょっ!?

俺の意思はどうなって―――――って力強っ!?」

 

なんとか逃げようとする匙であったがしかし、小猫ちゃんに引きずられながら連行されていく。

 

 

 

「なぁ、小猫ちゃん。

小猫ちゃんは木場が『聖剣計画』の犠牲者でエクスカリバーに恨みを持っているのは知ってるよね?」

 

俺の問いかけに小猫ちゃんは首を縦に振り、肯定の意をあらわす。

 

「イリナとゼノヴィアが俺たちのところへ来た時に2人は『教会は堕天使に利用されるぐらいなら、エクスカリバーが消滅しても構わない。

私たちの役目は最低でもエクスカリバーを堕天使の手から無くすことだ』って言った。

つまり、2人は奪われたエクスカリバーを最悪破壊して回収するってことだろ?」

 

「……はい、そうですね」

 

「なら、その奪還作業を手伝わせてくれないかなって思ったんだよ。

勿論だけど木場を中心にして。

3本も奪われたんだから1本くらい俺らがやっちまっても構わないだろ?」

 

「……祐斗先輩にそこでエクスカリバーに打ち勝ってもらい、想いを果たして欲しいと言うわけですね?」

 

「そ〜ゆうこと」

 

俺は小猫ちゃんの言葉に笑顔で頷く。

木場自身はもう大丈夫だと言ったけどいつまた暴走するかわからない。

だったら、合法的にその想いを果たして貰えばいいというわけだ。

 

「木場はエクスカリバーに勝って、自分と昔の仲間の復讐を果たしたい。

ゼノヴィアたちは堕天使たちからエクスカリバーを破壊してでも奪いたい。

この2つの意見は一致してる。後は2人が俺ら【悪魔】の言葉に耳を傾けてくれるかが問題だな……」

 

「……それは難しそうですね……」

 

「あぁ〜……やっぱり?

小猫ちゃんもそう思う?」

 

やはり俺たちが【悪魔】だってことがマイナスだろう。可能性は高くない。しかも―――――。

 

「……部長やほかの部員には内緒」

 

そう。小猫ちゃんの言う通りだ。

この話、リアス部長や朱乃先輩の耳にいれるわけにはいかない。リアス部長は絶対に拒否するだろう。

『祐斗のためとはいえ、天使側の問題に首を突っ込むべきではないわ』―――――と。

上級悪魔だもんな、その辺厳しいはずだ。

 

「……その話し合いがうまく行ったとしても相手はかなりの手練れみたいだし……もしかしたら……というかほぼほぼ確実に危険な目に遭う……」

 

敵はコカビエルとかいう名の知れた堕天使らしいし、更にはエクスカリバーという悪魔の天敵を相手にしなければならない。

 

「だから、小猫ちゃんは降りてもいいよ。

匙は……まぁ、ギリギリまで踏ん張ってくれ」

 

「いや、降りさせろよ!?

それだけ脅しておいて俺だけ降りる選択肢がないとかどういう了見だ兵藤!!?

しかも、エクスカリバー破壊なんて勝手なことしたら会長に殺されちまう!絶対に拷問だぁぁぁぁぁっ!!!」

 

小猫ちゃんに連行されながらじたばたと体を動かしてなんとか逃げ出そうとする匙。

おぉ……男の号泣とか滅多に見られねぇわ……。

 

「私は逃げません。仲間の為です」

 

「……そっか」

 

小猫ちゃんのはっきりとした物言いとその強い眼差しに俺は頬が緩むのを感じる。

小猫ちゃんってなんだかんだ熱い娘だな……。

 

 

 

と、ゴタゴタがありながらも町中を探すこと約20分。

やはり、ゼノヴィアたちは見つからない。

……それもそうか。極秘任務中である白いローブを着た女性2人組みなんてそう簡単に見つかるはずが―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、迷える子羊にお恵みを〜」

 

「どうか、天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をぉぉぉぉお!!!」

 

―――――簡単に見つかった……。

 

「……何やってんだ?あいつら」

 

「……怪しすぎます」

 

「……おい兵藤。あいつらが探してた奴らなのかよ?

……どう考えてもアホの子だろアレは……」

 

先程まで泣き喚いていた匙が突然真顔になったかと思うとそんなことを呟く。

俺たち3人は物陰に隠れて、そんな言われたい放題の2人を観察してみる事にした。

路頭で祈りを捧げる白いローブの女の子2人組み。……いや〜、目立つ目立つ。

何やら相当困っているようだ。通り過ぎて行く人々も奇異な視線を向けていた。

 

「……なんてことだ。これが超先進国であり経済大国日本の現実か……。

これだから信仰の匂いもしない国は嫌なんだ」

 

「毒づかないでよゼノヴィア。

路銀の尽きた私たちはこうやって、異教徒どもの慈悲なしでは食事を取ることもままならないのよ?

あぁ……パンひとつさえ買えない私たち!」

 

「ふん。もとはといえば、お前が詐欺まがいのその変な絵画を購入するからだろう」

 

ゼノヴィアが指さす先には辛うじて人と認識できる物体が描かれた下手な絵画があった。

……何故買った?イリナ、お前は何故その変な絵を買っちまったんだ……?

 

「何を言うの!この絵には聖なるお方が描かれているのよ!

展示会の関係者もそんなことを言っていたわ!」

 

「ほぅ?じゃぁそれが誰かわかるのか?

私には誰一人として脳裏に浮かばないぞ?」

 

ゼノヴィアは腕を組みジトっとした視線をイリナに向ける。

 

「……私には変なオブジェクトにしか見えません」

 

「右に同じく」

 

「以下同文」

 

俺たち3人はそんなことを呟く。

 

「……多分……ペトロ……さま?」

 

「ふざけるな。聖ペトロがこんな姿をしているわけ無いだろう」

 

ゼノヴィアの言う通りだと俺たち3人は合わせてもないのに同時に首を縦に振る。

 

「いいえ!こんな姿なのよ!

私にはわかるもんっ!!」

 

「……あぁ……どうしてこんなのが私のパートナーなんだ……。

主よ……これも私に課された試練なのですか……?」

 

「ちょっと!頭を抱えないでよ!

あなたって沈むときはとことん沈むわよね」

 

「うるさい!

これだからプロテスタントは異教徒だと言うんだ!

我々カトリックと価値観が違う!聖人をもっと敬え!」

 

「何よ!古臭いしきたりに縛られてるカトリックの方がおかしいのよ!!」

 

「……なんだと?異教徒め」

 

「何よ!異教徒!!」

 

ついには頭をぶつけながら喧嘩を始めてしまう始末……。

 

 

 

―――――ぐぅぅぅぅぅぅぅぅう……。

 

 

 

しかし、離れたところで観察していた俺たちのもとにも届くほど大きな腹の虫。

腹がなるなり、2人は力なくその場に崩れ落ちる。

 

「……まずはどうにかして腹を満たそう。

そうしなければエクスカリバー奪還どころではない……」

 

「……そうね。それじゃぁ、異教徒を脅してお金を貰う?

主も異教徒相手なら許してくれそうなの……」

 

「寺を襲撃するのか?それとも賽銭箱とやらを奪うか?どちらもやめておけ。

此処は剣を使って大道芸でもしよう。

どの国でも通じるインターナショナルな娯楽だ」

 

「それは名案ね!エクスカリバーで果物でも斬れば路銀は溜まるはず!」

 

お前たちはエクスカリバーをなんだと思っているんだ……。

俺は2人の会話に頭を抱える。

すると、小猫ちゃんと匙がポン、と肩を叩いてくれた。

……2人も俺と同じ気持ちなのか……。

 

「まぁ、その、果物がない訳だが。

……仕方がない。その絵を斬るか」

 

「ダメっ!これはダメよ!」

 

そういいながら再び喧嘩を始めてしまう2人。

俺はそんな2人の様子に溜息をつきながらと、小猫ちゃんと匙に待っているよう伝える。そして、立ち上がるとゆっくりとアホの子2人組みに近づいていった。

 

 

 

「そこの御2人さん?」

 

俺が声をかければ今にも泣き出しそうな表情をしながらこちらに振り向くイリナとゼノヴィア。

 

「今から飯食いに行くんだけど……来る?」

 

「「行くっ!!!」」

 

瞳を輝かせ身体を乗り出しながら即答するイリナとゼノヴィアだった。

……何このちょろい2人組み……。

俺は苦笑いを浮かべながらも近くのファミレスに2人を案内した。

勿論だが、小猫ちゃんと匙も一緒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!

さてさて……最近ではマインクラフトで半自動収穫機を作ったり……8×8マスを岩盤まで掘ったりと……暇人を謳歌していました……(笑)

それでは、また次回お会いしましょう♪

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