ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
まさかの書きだめしていた話が全ロストするという出来事が起きてしまって少しだけ泣いてしまった夜叉猫です……。
なんとか1話だけを再現できたので早速投稿なのですよっ!!
それでは本編をどうぞっ!!(>_<)
Side 木場 祐斗
土砂降りの雨の中、僕は傘もささずに歩いていた。
傘をさすのも億劫で……冷たい雨が僕を打つ。
……頭を冷やすのにはちょうどいい……。
―――――要らぬ迷惑をかけてしまった。
自分を救ってくれた主に、僕を慕ってくれる友に、そして……僕の好きな人に……。
呆れられただろうか……?
……そんなことはないと考えたい。
迷惑をかけるつもりなんて全く、これっぽっちもなかった……でも、最近は気持ちが落ち着かない。静めようとしても、波打つ。
……そう、聖剣エクスカリバーへの復讐心が溢れて仕方が無いのだ。
あぁ……制御できるようになった……そう思っていたのに……。
そもそも、今の僕は幸せすぎる。
仲間も、友も、生活も得て、素敵な名前を2つも与えられた。生き甲斐も貰った。
これ以上の幸せを願うのは悪いことだ。悪いことに決まっている。
想いを果たすまで、同志たちの分を生きていいなんて思ったことなど―――――。
……ぴちゃ……。
雨音ととは違う、水の音を僕の耳が捉える。
顔を上げれば、眼前には神父がいた。
十字架を胸につけ、憎き神の名のもとに聖を語る者。
僕の大嫌いなもののひとつだ。憎悪の対象とも言える。
エクソシストならば、此処で牽制しても構わないとさえ思った。
「―――――ッ!?」
神父は腹部から血を滲ませ、口から血反吐を吐き出すと、苦しげな表情を浮かべその場に倒れ伏した。
誰かにやられた……?誰だ……?―――――敵?
「ッッ!!」
異常な気配、殺気を感じ取り、僕は瞬時に魔剣―――今は魔刀か……―――を創り出し、振り抜いた。
雨の中で銀光が走り、火花が散った。やはり斬りかかってきていたようだ。
殺気を感じた方へ距離を取りながら体を向ける。相手は眼前で死んだ聖職者と同じ格好―――――神父。ただ、こちらは明確なほどの強烈な殺気を飛ばし、しかし、冷静に立っていた。
「やっほ、おひさだね
そう言いながら乾いた笑みを浮かべるその少年神父を僕は知っていた。
白髪の少年神父―――――フリード・セルゼン。
先日の堕天使との一戦で僕たちとやり合った輩だ。
……なかなかの強さだったのを僕は忘れもしない。
「……まだこの町に潜伏していたようだね?
今日は一体何の用かな?」
警戒の体勢をとりながらも、しかしそれを悟られないように……。そんな考えを巡らせながら言葉を紡ぐ。
「ん?別に騎士クンに用はなかったんだけど……まぁ、いっか。
ド腐れ神父の皆様の掃除もちょうど終わったとこだしぃ?
ついでに悪魔狩りするってのも……一興だよなぁ……?」
膨れ上がる殺気と威圧感。
そして、それに伴うように、彼の振るう長剣が聖なるオーラを発し始める。
そして僕は―――――冷静さを無くした。
「その……剣……ッッ!!!」
「おぉ〜怖い怖い……。
取り敢えず……殺りましょうぜ?」
そう言った彼が構えたのは、僕の怨敵―――――聖剣エクスカリバーだった。
頭が、目が、手が、足が……体全てが。
【憎悪】で埋め尽くされる。
僕は―――――無意識に
Side Out
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Side 三人称
しばしの間睨み合い、先に行動を起こしたのは祐斗。
自慢のスピードを最大限利用しフリードへと一瞬で肉迫する。
「ふ……ッ!!!」
―――――気合を入れた【一閃】。
祐斗はその手に持つ
「おっとっと……」
しかし、その単調な攻撃はフリードに通用しない。足を一歩下げるだけで躱すのだ。
そして反撃の斬り下しを祐斗へと放つ。
「……くっ!」
祐斗はフリードの一撃をなんとか身を捻り、紙一重で躱したが掠り傷を負ってしまう。
悪魔にとって聖剣というのはまさに天敵。斬られるのは勿論、掠ることすら避けたい存在である。
バックステップでフリードとの距離をとった祐斗は改めて西洋剣を構える。
互いにたった1度だけしか剣を振っていないのにも関わらず、フリードは何処かつまらなそうな表情を浮かべていた。
「ん〜……キレがないなぁ〜キレが。
全くオモシロクないねぇ〜……」
「うるさい。
無駄な口を叩かずに早く掛かって来なよ……っ!」
憤怒の表情を浮かべた祐斗を冷めた目で見つめるフリード。
構えも何もない、最早ただ立っているだけ。
「来ないならこっちから―――――ッッ?!」
祐斗が、一歩踏み出そうとしたその時、
「……全くダメ。
騎士クン……キミってこんなに弱かったっけ?」
いつの間にか祐斗はフリードに間合いを詰められていた。それも、剣を使う者として致命的な間合いを。
「―――――【
しかし、流石は士織に鍛えられただけはある。
祐斗は咄嗟に【魔剣創造】を解放し、地面から数々の魔剣を全方位に向かって大量に出現させたのだ。
それにより、フリードは斬りかかるよりも先に回避へと行動を移さなければならなくなってしまった。
「……ちっ……ちょーっと斬られちった……」
愚痴をこぼすかのようにそう言ったフリードは斬られた部分に舌を這わせ、ぺろりと血を舐めとる。
「……掠り傷……」
「ん?そっすねぇ〜……お揃いってか?
まぁ、さっきのは流石に危なかったわ〜。
このエクスカリバーじゃないとやばかったやばかった……」
フリードは危なかったと言いつつもその顔には獰猛な笑みが浮かんでいた。
「んじゃ、今度は……スピード勝負と行きましょーや……騎士クン?」
―――――瞬間、エクスカリバーから放たれる聖なるオーラが増大する。
祐斗は目を見開き、冷汗を流した。
「俺のエクスカリバーは【
スピード勝負には持って来いのエクスカリバーっしょ?」
聖なるオーラをその身に纏わせながら語るフリード。
悪魔として当たり前の聖なるオーラに対する【恐怖心】。祐斗はそれを憎悪という感情で塗り潰し新たな剣を構える。
雨音が響く。
互いに睨み合い、そして―――――
―――――すぐに決着は着いた。
「……かは……っ?!!」
倒れ込む人影。
雨に濡れた道に無様にうずくまる姿はまさに敗者のそれだ。
しかし、その身体に斬られた後は見当たらない。
見られたのは腹部に残る打撃後のみ。
「……何故……だ……っ!!」
苦痛に顔を歪めながら敗者は勝者を見上げる。
「今のキミは殺す価値もないよ―――――
―――――
見下した視線で
「本当に……弱くなったわ」
「……ッ!」
その言葉は地に伏す祐斗へ遠慮なく突き刺さる。
フリードは溜息を吐くと踵を返して雨音の響く中に消えていった。
「……そ……くそ……くそッ……くそォォォォォオッ!!!!!」
祐斗は顔を歪め、叫び声を上げた。
雨に濡れた地面を何度も、何度も何度も何度も殴りつける。
血だらけになった拳。
祐斗はゆらりと立ち上がると、おぼつかない足取りで歩み始めた。
雨によってぐしょぐしょになったその顔には、明らかに雨以外のモノが混じっていた。
―――――この日、祐斗は屈辱的な完全敗北を味わった。
本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いですっ!!
さてさて、先にも述べましたが……まさかの書きだめ全ロストです……(涙)
これはもうやけ食いだ!!という考えのもと、コンビニで買ってきたデザートを食べている真っ最中です!!(>_<)
ちなみにこのやけ食いに三千円が飛んでいきました……(涙)
……でも美味しいから許します……(笑)
とまぁ、愚痴も此処まで!!
また次回お会いしましょう♪