ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~ 作:夜叉猫
最近はやっと暇になって更新できている夜叉猫なのです♪
さてさて、今回の話なのですが……とても短いです……(苦笑)
それでも一生懸命書きましたので、楽しんで頂けると幸いですっ!!
それでは、本編をどうぞっ♪
Side 一誠
真正面から激突した俺とライザー。
―――――片や炎を纏った右拳。
―――――片や籠手に包まれた右拳。
互いにぶつかり合い、そして仰け反る。
俺は鎧を纏っているために無傷。ライザーも再生することで外傷は見当たらない。
「燃やせ……!【
言って、ライザーの放った炎球は俺の足元へと着弾し、一瞬にして燃え広がる。
鎧を纏っているのにも関わらず、ジリジリと焦がすような火力は侮れない証だろう。
俺は抜け出すために龍の翼を広げ飛び上がる。
『相棒!!
先に行っておくが今回【換装】は2度しか使えないと考えておけ!
まだ調整が完璧ではなかったようだ!』
(了解っ!!)
ドライグの言葉に短く返事を返した俺は急降下を始めた。
目標はライザー!ダイブアタックを決める!!
「焦がせ!!【
ライザーが腕を振り上げた瞬間、まるでライザーを囲むかのように巨大な炎の柱が噴出された。
俺はダイブアタックを急遽停止し、その炎の柱を回避する。
「討てッ!【
ほんの一瞬、ライザーに背を向けた時、その声が響き渡る。そして、その声から数秒も経たぬうちに、背後から無数の爆撃を受けたかのような衝撃が襲って来た。
「ぐぅ……っ!」
空中を錐揉み回転しながら吹き飛ぶも、何とか体制を立て直す。
『相棒……』
そんな時、ドライグから低い声を掛けられた。
……しまった……ドライグを怒らせたか……。
『―――――何時まで遊んでいるつもりだ……?』
不満げなドライグの声は嫌に響く。
俺は空中で静止しながら頭を掻き苦笑いを浮かべる。
「悪い悪い……ちょっとライザーの技が見たくてな……」
『ふん……早く決めてしまえ。
お前はあの男に敬意を評してこの鎧を纏ったのだろう?
ならば遊んでいるのは些か礼儀がなってないぞ?』
その正論にグウの音も出ない。
俺は悪いなと短く呟くと深呼吸をし、言葉を紡ぐ。
―――――勝利への一言を。
「―――――換装……【
『
その音声と共に、俺の鎧は変化を始める。
左右の腰辺りに二丁のレールガンが装備され、両肩に出現するビーム砲。両腕には二丁のビームライフルを持ち、極めつけは背後に浮遊する四対八機のドラグーン。
形は剣の刀身部分に酷似している。
「行くぞ……
『直ぐに終わらせるぞ……
呟きざまに移動を始める。
視界に入るライザーからは驚愕と、それ以上の期待の視線を感じた。
薄く笑っているライザーに俺は遠慮などいらないことを悟る。
「本当に面白いぞイッセー!!!
お前はまだ強くなるのか!!!」
そう言いながら炎の翼を羽ばたかせるライザー。そして、まるで弾幕の如く炎弾をばら撒く。
「ドラグーン起動ッッ!!!」
『Starting Dragoon!!!!!!!』
背後に浮遊していたドラグーンが赤い粒子を撒きながら動き始める。
「向かい撃て……ドラグーン!!!!」
『Boost Boost Boost Boost Boost!!』
『Explosion!!』
弾幕となった炎弾に向かってドラグーンは赤いレーザーを放つ。
元々魔力の少ない俺が普通にドラグーンを使えば直ぐに空になってしまう。そのため、俺は別の力に目をつけた。
それは―――――【龍の力】。
幸いにも俺の中には二天龍の片割れであるドライグがいるため殆ど無尽蔵に引き出すことが出る。
つまり、今ドラグーンから放たれているのは【龍の力】。
威力は……言うまでもないだろう。
「焼き斬れッ!【
爆煙に紛れて近付いて来ていたライザーがその手に炎を剣状にしたモノを持ち横薙ぎに振るってくる。
近接武器を持たない今の俺はただそれを避けるしかない。半身になりライザーからの攻撃を避けた俺は零距離でビームライフルを放つ。
「ガグゥ……ッ!!?」
ライザーは苦悶の声を漏らすと、腹を貫かれた姿で後方へと吹き飛ばされる。しかし、今回は壁にぶつかることはなく、炎を吹き出すことで減速し、着弾した。
「くっ……!【
貫かれた腹を再生させるライザーだったが見るからに再生速度が遅くなっている。
俺はそんなライザーに向かって口を開く。
「ライザー……次で終わらせようぜ?
俺は最大の攻撃を放つから……お前も最大の攻撃をぶつけて来い!!」
ライザーは一瞬目を見開くとニヤリと笑い俺を見上げてきた。
かなり好戦的な瞳だ……!
「良いだろう……!
次で決着といこうじゃないか!!!」
そう叫んだライザーは両腕を頭上に掲げると巨大な炎の球を作り始めた。
ライザーの行動に頬が緩むのが分かる。
俺は両足を肩幅に開くと最大火力をもつ攻撃を放つための準備へと移った。
「……全武装開放」
『Armament All Clear!!!!』
―――――腰辺りにある二丁のレールガンは可動し、前方へと向けられ、固定。
―――――肩のビーム砲はスライドすることで開き、準備完了。
―――――両腕のビームライフルは腕を締めることで固定し、ブレを無くす。
―――――ドラグーンは俺の背後を円状に浮遊することで発射準備を整える。
『相棒……準備が完了した。
後はエネルギーを装填するだけだ』
ドライグの言葉を受けた俺はライザーの方へと視線を移動させる。
「ぐっ……!
やっと……やっと完成したか……!!」
炎球は最早―――――小さな太陽。
ライザーは顔を歪めながらもその炎球を支えていた。
「遅かったな?ライザー。
やっと完成したか??」
「はっ……!抜かせ……。
貴様もつい先程準備が終わった癖によく言う……!」
ライザーはそう言いながら笑う。
その姿は何処かボロボロで……しかし、自信に満ち溢れたものだ。
「なら……やるか?」
「あぁ……良いだろう」
その短い呟きの後俺とライザーは動いた。
―――――最後の一撃を放つため。
「―――――尽きることなきこの炎は我らが魂ッッ!!
滅せよ炎……【
その叫びと共にライザーは頭上の炎球……いや炎星を放った。それと同時に、放ったライザーは膝をつき肩で息をする。
「過去……最高の……一撃……だ……っ!!」
見るからに疲労困憊のライザーはそう呟き、事の終りを見守る。
俺はそのライザーの姿に笑みを浮かべてしまう。
「俺も……最高の一撃で迎え撃とう!!」
その声に呼応してか、鎧に付いた宝玉が一層煌めく。
『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBust!!!!!!』
音声の間に合わないほどの瞬間倍加。
身体からミシミシ……という限界を告げる悲鳴が聞こえてくる。
『Explosion!!!!』
力の開放に皮膚が裂けた音が耳へ届く。
しかし、不思議と痛みはない。
俺は開放した力を全て武装へと送る。
「これが……っ!
最高の一撃だ、ライザーァァァァァァア!!!!」
「『FULLBURST!!!!!』」
そのドライグの声と俺の声を受けて、全ての武装から極太の光線が放たれる。
ライザーの一撃は一瞬拮抗したかとも思われたが直ぐに飲み込まれてしまう。
……これが力の暴力。
俺は自らの一撃にそんな感想を持った。
(……どうだライザー……これが俺の……最高の一撃だ……)
身体から力の抜けた俺は頭から地へと落ちてゆく。
偶然にも一瞬ライザーの姿が視界に入る。
腕を前に……いや、俺の方へと突き出しクールに笑っていた。
その姿からは―――――
―――――お前の勝ちだ。
そんな意志を感じた。
『ライザー・フェニックスさま……戦闘不能。ゲーム終了となります。
よって勝者はリアス・グレモリーさまとなります』
本編はいかがでしたでしょうか??
楽しんでいただけたのなら幸いです♪
さて、今回登場致しました一誠くんの【赫龍魔帝】の見た目ですが……わかる人にはわかるかもしれません(笑)
そして、ちょっとした情報ですが……【赫龍帝の四皇鎧】は切り札の一つであって奥の手ではないのですよ??ニヤリ
それではまた次回お会いしましょう♪