ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんゎ♪
ウイルス性胃腸炎でダウンしていた夜叉猫です(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

やっと更新することができました……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

ひとまず、本編をどうぞ♪


~ゲーム開始直前です~

どうも、兵藤士織だ。

 

ライザーとのゲーム当日。

俺は指導役のためゲームには参加しないがグレモリー眷属全員からの希望によりゲーム開始まで一緒にいることとなった。

 

 

 

 

 

「……うにゃぁ~♪」

 

「随分とリラックスしてるな?小猫」

 

俺の膝枕に寝ている小猫の頭を撫でながらそう言う。

小猫の両手にはオープンフィンガーグローブがはめられている。服装は制服のようだがこれが小猫の戦闘スタイルなのだろう。

 

「随分と羨ましいことをしているみたいだね」

 

俺の隣にあるソファーに腰を下ろしている祐斗がそう言う。何処か皮肉の混じったような言葉だったが俺はわざと気が付かなかったふうに口を開く。

 

「そうか?祐斗なら膝枕して欲しいって言う女子はたくさんいるだろ?」

 

「……そういう意味じゃないよ」

 

思いのほか不機嫌になった祐斗。ムスッとした表情で腕を組み、そっぽを向いてしまった。どうやら少々言葉の選択をミスしてしまったようだ。

俺は小猫を膝枕したまま、隣の祐斗の耳元まで顔を近づけ、本当に小さな呟きを伝える。

 

「……今度してやるから機嫌直せ」

 

「……っ!!」

 

祐斗の頭を優しくポンポンと叩き元の姿勢に戻った。祐斗は先程とは一転し、顔を紅くしながら俯いている。簡単なご機嫌取りのつもりだったのだが祐斗があまりにもいい反応を見せてくれたため、俺はそれが微笑ましくて、ついクスクスと笑ってしまった。

 

「そういや祐斗。

お前武器を変えたんだな」

 

「はぇっ!?

う、うん。まだ未完成とはいえ抜刀術を使うには『(こっち)』の方が都合が良いからね」

 

祐斗は以前のような片手用の直剣ではなく、日本刀に限りなく近い刀を持っていた。

祐斗も制服姿だが防具を付けていない所を見ると行動の邪魔だと考えたのだろう。

修行編前と比べると随分と変わったものだ。

 

「お前はスピード特化のテクニックタイプだということを忘れるなよ?

それさえ忘れなければお前は確実に勝てる」

 

「ありがとう士織さん。

肝に銘じておくよ」

 

爽やかなスマイルを浮かべる祐斗。

それにしても祐斗はグレモリー眷属の中で一番成長したと思う。そのスピードは並の悪魔では追いつけないだろう。

俺がそんなことを考えていると膝枕で寝ていた小猫が俺の服を引っ張ってくる。

 

「……祐斗先輩だけアドバイスはズルいです」

 

「なんだ?俺からのアドバイスが欲しいのか?」

 

俺が悪戯っぽい笑みを浮かべながら聞くとコクりと頷く小猫。

俺は素直に反応した小猫の頭を撫でながら思いついた事を伝える。

 

「そうだな……小猫は一撃で倒しに行こうとするな。

お前は細かな連続攻撃で確実に仕留めにいくんだ」

 

「……ありがとうございます」

 

俺は小猫からの言葉に微笑みを返した。

 

 

 

「―――――そろそろ時間です。

皆様、転移用の魔法陣の上へ……」

 

俺たちが個々リラックスしていると、控えていたグレイフィア・ルキフグスがそう言った。

俺はグレモリー眷属一人一人と少しばかり会話をすると、1人魔法陣の上には立たず、少し離れてグレモリー眷属たちが転移して行くのを見守った。

 

「勝ってこい、みんな」

 

俺の呟いたその言葉に、グレモリー眷属の皆は自信のある笑みを浮かべ、そして消えていった。

―――――全く……いい顔をするもんだ……。

俺が微笑みながらしばらくそのままでいると、グレイフィア・ルキフグスが俺の前に立ち、何処か畏まった態度を取り口を開いた。

 

「―――――兵藤士織様。

魔王ルシファーさまからの提案なのですが、兵藤士織様も観覧席へいらっしゃいませんでしょうか?」

 

「観覧席?」

 

「今回のゲームを観覧するための特等席となっております。

如何でしょうか?」

 

「そうだな……ありがたく行かせてもらう事にしよう」

 

俺がそう言うと、グレイフィア・ルキフグスは魔法陣を広げた。

 

「こちらの魔法陣の上へお願い致します。

此処から転移致します故に……」

 

「了解した」

 

俺はグレイフィア・ルキフグスの言葉に従い、魔法陣の上へと移動する。

魔法陣は光を発し始め、視界を閃光で染めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Side 三人称

 

「へぇ~今回のゲームのフィールドは学校のコピーなんだな」

 

転移が終了し、目を開いた一誠は辺りを確認するとそう呟いた。

オカルト研究部の部室。その風景は寸分の狂いもなく再現されており、アーシアは目を見開いて驚いている。

 

 

 

『皆様。この度グレモリー家、フェニックス家の【レーティングゲーム】の❮審判(アービター)役❯を担うこととなりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでございます』

 

校内放送のチャイムの後に流れてきたのはグレイフィアの声。凛としたその声はよく通り、響いていく。

 

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを公平に見守らせて頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。

……早速ですが今戦いのフィールドについてのご説明をさせて頂きます。

フィールドはライザーさま、リアスさまのご意見を参考にし、リアスさまが通う人間界の学び舎【駒王学園】のレプリカを異空間にご用意致しました』

 

窓の外に見える景色は駒王学園の敷地内そのもの。違う点といえば空が―――――白い。深夜であるにも関わらず、フィールドは明るく照らされているのだ。

 

『両陣営、転移された場所が【本陣】でございます。

リアスさまの本陣が旧校舎のオカルト研究部の部室。ライザーさまの本陣は新校舎の生徒会室。【兵士(ポーン)】の方は【プロモーション】をする際、相手の本陣の周囲まで赴いて下さい』

 

グレイフィアの放送で流れた【プロモーション】とは、チェスのルールと同様、【兵士】が相手陣地の最新部に駒を進めた時に発動できる特殊なものだ。【(キング)】以外の駒である、【騎士(ナイト)】、【僧侶(ビショップ)】、【戦車(ルーク)】、【女王(クイーン)】のいずれかの駒の特性を得ることができる、言わば戦略の要となるもの。

一誠もそれがわかっているからこそ【プロモーション】の単語が聞こえた後、表情を引き締めたのだろう。

 

「全員、この通信機器を耳につけてください」

 

朱乃はイヤホンマイクタイプの通信機器を配る。全員の目に緊張の色が浮かぶが、1人だけは静かに瞑目していた。

 

『―――――開始の時間となりました。

なお、今回のゲームの制限時間は人間界の夜明けまでとします。

それでは、ゲームスタートです』

 

―――――キンコンカンコーン。

一般的な学校のチャイム。

その音が途切れる頃には、皆がリアスの方を向いていた。

 

―――――祐斗は刀の柄に手を添え。

 

―――――小猫はグローブを直し。

 

―――――朱乃は真剣な表情を浮かべ。

 

そして。

 

―――――一誠は静かに瞳を開いた。

 

 

 

「―――――皆、勝つわよ。絶対に」

 

その声への返事はゆっくりとした頷きだけだった。

 

 

 

今、【レーティングゲーム】の狼煙が上がる。

 

 

 

 

 

Side Out

―――――――――――――――――――――――

 

グレイフィア・ルキフグスの転移魔法陣により転移してきた俺は一人の男と向き合っていた。

周りからは殺気立った様な視線を感じるが気にするまでもない。今の俺は目の前の男にしか興味がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――初めまして、だな。【紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)】サーゼクス・ルシファー」

 

「こちらこそ初めまして。君が兵藤士織……君だね?」

 

紅髪の男―――――サーゼクス・ルシファーは『(くん)』と言うのを少し躊躇った後、手を出し握手を求めてくる。

俺はその手を拒むことなく握り握手をした。

 

「リアス達を鍛えてくれたそうだね?

お礼を言わせてくれ」

 

フレンドリーな笑顔を見せながらそう言うサーゼクス・ルシファー。

 

「いやいや、あの程度のことなら苦労はしない。

それに、俺がやりたくてやっただけだ」

 

「それでもだよ。

リアス達は随分と強くなったようだしね……」

 

モニターに視線を移したサーゼクス・ルシファーは優しい微笑みを見せる。ゲームが始まったばかりだというのにそれを感じ取るということは、流石は四人の魔王の1人だと言うべきだろうか。

 

―――――その後、俺はサーゼクス・ルシファーに勧められるがまま、隣の席に座った。

……それにしても先程から周りからの視線が鬱陶しい……。初めはサーゼクス・ルシファーへの興味でスルーしていたが流石にぼそぼそと聞こえるか聞こえないかといった声で陰口を叩かれると腹が立つというものだ。

 

「……魔王様」

 

「ははは、そんな堅い呼び方じゃなくても、サーゼクスと呼んでくれればいいよ」

 

「じゃぁ、サーゼクス。

―――――ちょっと黙らせても?」

 

「ふふふ……君に任せようじゃないか」

 

サーゼクスからの許可も得たため、俺は立ち上がりくるりと後ろを向く。

そこにあるのは俺の方を見下すように見つめる数人の悪魔の姿。

……どいつもこいつも偉そうなだけで力は本当に弱そうだ。

俺は自身に掛けられたリミッターを全て(・・)外す。そしてふぅ、と一息付くと―――――魔力を少しだけ漏れ出させる。

少しだけ、とは言っても俺の持つ魔力は【無限】。その結果―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――【黙れ】」

 

 

 

魔力の重圧に耐えかねたのか、俺の言葉の後には静寂だけが広がった。

俺はそのまま少しだけ前に進み出ると口を開く。

 

「さっきから黙っていればペラペラと……良くもまぁ達者な口が減らねぇなぁ?」

 

その場にいる全員(・・)の顔に冷や汗が浮かんでいる。

……ふむ、魔王ですらこの量で冷や汗を流すのか……。

俺は指を一本立て、口の前まで持って行く。

 

「―――――口を閉じろ?」

 

言って、笑みを浮かべる。意識したのは攻撃的な笑み。魔力の濃度をほんの少し濃くしてあげれば面白いように表情を歪め壊れたオモチャのように首を縦に振る悪魔たち。

俺はその姿を視界に収めると、サーゼクスの隣の席に戻り腰掛けた。

 

「……まったく、心強いね」

 

「ん?何がだ?」

 

リミッターを掛直しながら、隣のサーゼクスの言葉に耳を傾ける。

 

「君みたいな人間がリアス達の傍に居てくれるならこれ程心強いものはない」

 

「……俺は別に悪魔の味方じゃねぇぞ?」

 

「それならそれで構わないさ」

 

―――――何故なら。サーゼクスはモニターに映るリアス先輩たちの方を見る。

 

 

 

「君は私と同じ香りがする」

 

「……へぇ?」

 

サーゼクスの言葉につい声を出して反応してしまう。全く面白いことを言うものだ……。

 

「私はね、家族や仲間といった身の回りの親しい人に対して甘すぎると良く言われるんだ。

もし、親しかった者が敵になったとしてもおそらく倒すのに……いや、言葉を濁すのは止めよう……殺すのに躊躇いが出ると思う」

 

「……自分の命に関わるとしてもか?」

 

「……そうだよ」

 

哀愁漂う雰囲気に包まれながら、サーゼクスは言葉を続ける。

 

「君からは私と同じような何かを感じた。

この先、その優しさは命取りになる。

これは少しだけ長く生きている私からのアドバイスだ」

 

「……ありがたく受け取っておく」

 

無愛想気味な返事にサーゼクスはニコリと笑った。

足を組み、ふぅ、と息を吐く。

今はまだゲームは動かない。

 

 

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

 

 

「―――――時に士織君」

 

「なんだ?サーゼクス」

 

モニターを通して静かに観戦していたサーゼクスは唐突に口を開く

 

「このゲームどちらが勝つと思う?」

 

「そんなのは決まっている。

―――――というよりこのゲームは始まった時から既に詰んでるんだよ」

 

「ほぅ……?どういうことかな?」

 

サーゼクスは目を細めて聞き返す。俺はその問いにはぁ、と溜息を吐いた。

 

「リアス先輩たちの勝ち。

俺の弟―――――兵藤一誠が仲間のうちはその定義が崩れる事はない」

 

「そうか……それは楽しみだ」

 

「兄的には結婚に反対だったりするのか?」

 

「ん?いや……それについてはノーコメントだよ。

ただ言えることは―――――ライザー君は嫌いではないということだね」

 

サーゼクスは楽しそうに笑いモニターを改めて注目し始める。

『嫌いではない』……か。

その言葉についつい頬が緩む。

 

 

 

(……サーゼクスは分かっているんだろう……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――ライザーがどのような男なのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


さてさて、雑談なのです!!
ウイルス性胃腸炎でダウンしていた夜叉猫さんなのですが……家族の看病のおかげで復活することができました!!
主に兄と姉が看病してくれたのですが……(苦笑)
見返りを要求されそうで怖いです……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

さてさて、それではまた次回お会いしましょう♪

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