ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんこんばんゎです♪

久しぶりの更新となってしまいました……(苦笑)
お待ちしていた方、いらっしゃるのでしたらすみませんっ!!

これからの展開は朧げながら頭にはあるのですが如何せん文章に起こすのが難しいのですよ……(涙)

ひとまずこんな弱音を吐かないように頑張りたいと思いますっ!!

それでは本編をどうぞっ!!!


~修行開始しました~

どうも、兵藤士織だ。

 

ライザーとの話し合いが終わり、次の日。

俺と一誠、グレモリー眷属たちは大量の荷物を背負って登山をしていた。

グレモリー先輩の話によれば修行をするとの話だ。

 

「……随分と楽そうに登るわね」

 

「楽そうじゃなくて楽なんだよ」

 

グレモリー先輩の言葉にあくびをしながら返した俺は、自分の背負っている荷物を改めて視界に入れる。

俺の背中には巨大なリュックサック、両肩にはパンパンに膨れたボストンバッグが掛けられている。

 

「……こんな大量の荷物、何が入ってんだよグレモリー先輩?」

 

「士織が持っているのは殆ど食材ね」

 

「通りでゴツゴツしてて地味に痛い訳だ……」

 

ずり落ちて来たリュックサックを背負い直した俺は溜め息を漏らして山道を登っていった。

 

 

 

 

登山の末にたどり着いた山頂には、木造の別荘が建っていた。

話を聞いた所この別荘はグレモリー家の所有物らしく、普段は魔力でその姿を風景に溶け込ませることで一般人には見つからないようにしているらしい。

 

「ひとまず中に入りましょうか」

 

グレモリー先輩の言葉に続いて俺たちは別荘へと足を踏み入れた。

 

「ん~……良い香りだ……」

 

木造独特の木の香りが俺の鼻を満たす。中々の物件のようだ。

 

「それじゃあ、私たちは2階で着替えて来るわね」

 

「あぁ、分った」

 

「俺たちは此処に居ますから」

 

俺と一誠はそう返事をして、女性陣を見送った。

 

「じゃあ、僕も着替えてくるね」

 

木場はそう言うと青色のジャージを持って一階にある浴室の方へ足を向けた。

 

「……覗かないでね?」

 

浴室への通路の壁からひょっこりと現れた木場は苦笑い気味にそう口にする。

 

「覗かねぇから安心しろ」

 

「右に同じく」

 

俺と一誠は即答でそう返事をする。

そもそも最近……いや、前からだが最近は木場×士織、一誠×士織、士織総受けという不本意な噂が飛び交っているのだ。

これ以上木場に関わって不本意な噂を広めるわけにはいかない……。

 

「取り敢えず俺たちも着替えるか……」

 

「だな」

 

俺は黒のジャージを持ってお手洗いへ、一誠は白のジャージを持ってキッチンへと向かった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

全員が着替え終わり、別荘の前に集合したのを見計らって、俺は口を開いた。

グレモリー先輩から頼まれたことを果たすために。

 

「んじゃ、俺は指導役(・・・)っつうことで……大まかな予定は立ててきたんだが……」

 

そう、俺は助っ人として【レーティングゲーム】に参加するのではなく、参加するメンバーを鍛える側に回ることになったのだ。

 

「……正直、俺は皆のきちんとした実力を知らねぇから本当に大まかなモノしか決めてねぇんだわ。

だから、ひとまずは俺と組み手してもらえるか?」

 

俺がそう言うと、皆頷いてくれる。

 

「助かるぜ。

んじゃ、まずは誰から……」

 

俺の言葉を聞いて、誰よりも早く手を挙げたのは―――――

 

 

 

 

 

「まずは僕から良いかな?兵藤さん」

 

―――――腰に木刀を携えた木場だった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「君とは一度剣を交えてみたかったんだ」

 

木場はそう言うと、爽やかなスマイルを浮べて木刀を中段に構える。

 

「俺が剣を使うとか言ったことあったか?」

 

「足運びが剣士のそれを匂わせていたからね……」

 

「へぇ……しっかりと【騎士(ナイト)】やってるみたいだな」

 

俺は少しばかりの笑みを浮かばせ、木刀を手に持つ。

 

「……この際だから見せようか。

俺が継いだ【不知火式】という剣を」

 

「【不知火式】……?

それが君の剣なのかい?」

 

「そういうことだよ。

取り敢えず―――――かかって来い」

 

木刀の剣先は地面に触れるか触れないかと言った程までに下げて持つ。

 

「言われなくとも……行くよっ!!」

 

木場は地面をしっかりと踏み蹴り、動き出す。なるほど、このスピードは人間なら捉える事は出来ないだろう……。

 

 

 

 

 

「―――――けど遅い」

 

「なっ!!!?」

 

背後から斬りかかって来た木場の木刀を見ることなく身体をずらすことで躱す。

そして、木場の懐に潜り込むように反転してしゃがむと木刀を引きその胸に向かって神速の刺突きを行う。

 

「不知火式“一刀”【二尽(ふたつき)】」

 

「かふ……っ!!!?」

 

木場は苦しそうに息を吐き出すと、そのまま後ろへ吹き飛ばされた。

そしてそのまま地面を引きずられるように滑り、停止した。

 

「…………」

 

その場に静寂が広がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと士織!?

いくらなんでもやり過ぎよっ!!」

 

グレモリー先輩ははっとした表情になり、木場に駆け寄る。

俺は木刀を地面に突き刺すとふう、と息を吐き口を開いた。

 

「安心しなグレモリー先輩。

さっき木場が飛んだのは木刀が当たったわけじゃなくて、剣圧で吹き飛んだだけだから。

証拠にほら、木場の胸ん所見てみな」

 

グレモリー先輩は俺の言葉に従って倒れている木場の胸のあたりに視線を移す。

そこには何の傷も無い綺麗なジャージがあった。

 

「……ぼ、僕もさっきは大袈裟に反応しましたが……今となっては何の問題もありません」

 

木場もゆらゆらと立ち上がり傍に居たグレモリー先輩に微笑みかける。

それを見たグレモリー先輩はほっとした表情を浮かべた。

 

「それにしても強いね兵藤さん。

まさか僕の攻撃を見もしないで躱されるなんて……これは僕が自惚れてたってことかな?」

 

「いや、中々のスピードだったぞ?

磨けば光る原石ってとこだな」

 

俺がそう言うと、木場は目を大きく開き、その後爽やかなスマイルをこちらに向けた。

 

「ありがとう兵ど「士織で良いぞ」……えっ?」

 

「……これからは俺も祐斗って呼ぶからよ 」

 

「分かったよ……士織……さん」

 

祐斗は若干俺の名前を言うのに詰まったがしかし、きちんと呼んでくれる。

俺と祐斗は互いに歩み寄って握手を交わした。

 

「取り敢えずこれから鍛えていくから覚悟しろよ?」

 

「あはは……お手柔らかに頼むよ」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

「……次は私の番です、士織先輩」

 

ハーフフィンガーグローブを装備した小猫は軽くストレッチをこなすとそう呟き、こちらへ視線を向けた。

 

「小猫は徒手空拳か?」

 

「……こっちの方が闘いやすいですから」

 

「なら、俺もそれに合わせるかな……」

 

俺は手をブラブラと振って準備運動をする。武器なしの肉弾戦なんて一誠としかやったことがないから良い経験になるだろう。

 

「……先輩はなんでも出来るんですね」

 

「ん~……まぁ、戦闘系は結構出来るよ」

 

そう言った俺は右手を小猫の方へと向けて指をクイックイッと曲げる。

 

「来いよ小猫。遊んでやる」

 

「……舐めないで下さい……っ!!」

 

身軽なフットワークで左右に振りながら小さな肢体を効果的に使用する小猫。

俺に接近してきた瞬間細かなジャブを放ってくる。

 

「中々素早いけど軽いな小猫。

まるでダメージが無いぞ?」

 

「……わかってます」

 

そう呟いた小猫は左足を前に出し、身体を捻りながら右拳を振るってきた。

抉るように振るわれた拳は俺の中心線を的確に狙っている。

 

「……だから軽いんだよ、小猫」

 

「……ッ!?」

 

俺はその拳を手のひらで受け止めるとそのまま一本背負いの要領で小猫を地面に叩きつける。

 

「……取り敢えずはここまでだな」

 

「……本当に士織先輩は人間ですか?」

 

「なんだその質問は……俺が人外にでも見えるか?」

 

「……悪魔よりも強い時点で人間を止めている気がします」

 

「まぁ、ごもっともで」

 

俺は苦笑いを浮かべながら地面に倒れている小猫を立ち上がらせた。

 

「小猫は取り敢えず技を磨いていくか。

一撃の威力を上げるってのはまた今度だな」

 

「……わかりました士織先輩」

 

俺は立ち上がせた小猫の頭を撫でた。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

「あらあら、連戦なんかして大丈夫ですの?」

 

「あぁ~……気にしないでくれ姫島先輩」

 

「そうですの?

なら、遠慮なくいかせてもらいますわね」

 

そう言った姫島先輩は悪魔の翼を広げ、宙に舞った。

 

「姫島先輩は魔術師(ウィザード)タイプだったな……なら俺は【妖精の魔法(エンジェリック・スペル)】 で行かせてもらおう」

 

俺がそう言うと姫島先輩は目を輝かせた。

 

「あらあら、うふふ……私士織君の【妖精の魔法】にとても興味がありましたの。

それが今日体験できるなんてラッキーですわぁ……」

 

恍惚とした表情でそう言う姫島先輩。

あれ?この人ってSじゃなかったか?俺の魔法を体験って……もしかしなくても喰らうことだよな?それなのにあんな表情をするって……実はMな人だったか?

 

「ともかく……いきますわよ?」

 

その言葉と共に俺に雷が降り注いだ。

降り注ぐ雷は中々の威力であるのには変わりないが……俺にとってはただの()である。

 

「あらあら?やりすぎたかしら?」

 

姫島先輩の言葉が聞こえてくるがそれは油断というものだ。

何かをやり遂げた時、それこそが一番隙だらけになる。それを姫島先輩は分かっているのだろうか?

 

 

 

「……なんだか不安ですわ……。

もう一度攻撃しておきましょう……」

 

あ、意外と容赦無く攻撃する人みたいだ。

それからの姫島先輩の動き出しは早かった。即座に雷を生み出し、それを俺に向けて放つ。

 

―――――しかし。

その雷が俺に当たることも、地面に当たることも無かった。

 

「な……っ!?」

 

何故ならば、姫島先輩の放った雷は―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、雷を……食べてる……!?」

 

―――――俺の口の中へと吸い込まれて行ったからである。

 

姫島先輩の雷を残さず()()()しまった俺は口元を軽く拭い、宙に浮かんでいる姫島先輩の方へと視線を移した。

 

「美味い雷だったよ姫島先輩」

 

「お、お粗末様……です?」

 

「取り敢えず……そのお礼として雷の【妖精の魔法】を喰らわせてやるよ」

 

言って、俺の身体から雷が迸る。

 

「……鳴り響くは招雷の轟き……天より落ちて灰燼と化せ……【レイジングボルト】!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!?」

 

指を鳴らしたのと同時に、姫島先輩の体が極太の雷に飲み込まれた。

ほんの少しの魔力しか込めていないため、見掛け倒しの威力しかないが……ビリビリするのはまぬがれない。

俺はレイジングボルトを喰らって落ちてきた姫島先輩を抱きとめるとゆっくりと立たせる。

 

「大丈夫か?姫島先輩」

 

「え、えぇ……かなりビリビリしましたがダメージはあまりないようですわ……」

 

そう言ってふらふらとおぼつかない足取りの姫島先輩。

 

「取り敢えずさっきのレイジングボルトなら姫島先輩でも真似できそうだろ?」

 

「そうですわね……雷の収束と発生場所を自由自在に操るコントロール、それと放つスピード……この3つを同時にこなさないといけないようですわね……」

 

「まぁ、そうなんだけど……今回はコントロールを集中して修行しようか。

姫島先輩の攻撃は燃費が悪そうだ……」

 

俺が苦笑いを浮かべながらそう言うと、姫島先輩はわかりましたわ、といって頷いた。

 

 

 

「あ、そうだ……アーシア!」

 

「は、はひっ!?

なんでふか士織ひゃん!!」

 

俺と姫島先輩の組み手?を傍で見ていたアーシアをこちらに呼び寄せる。

それにしても噛み噛みだな……。

 

「魔力のコントロールについて姫島先輩と一緒に修行しな?

修行内容は前に言ってたやつと……後で渡すモノをしてくれ」

 

「わ、わかりました!頑張ります!!」

 

俺はアーシアの頭を軽く撫でて姫島先輩の方へと向き直る。

 

「アーシアとの修行は良い刺激になると思いますよ?」

 

「あらあら、士織君がそういうのなら楽しみにしておきましょうかしらね?」

 

姫島先輩は頬に手を当てながらニコニコと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

「チェック・メイト」

 

「うっ……」

 

騎士(ナイト)】の駒を進めた俺はそう宣言してコーヒーを啜る。

3人との組み手の後、それぞれに修行内容を言い渡し、メモまで渡した俺は【(キング)】であるグレモリー先輩とチェスで対戦していた。

 

「これで俺の十連勝……グレモリー先輩勝つ気あるか?」

 

「あ、あなたが強過ぎるのよ!!」

 

初めは駒を取れていたグレモリー先輩だったが4戦目辺りからだんだんと取れなくなっていき、7戦目ともなるとひとつも駒を取ることが出来ずに負け始めた。

 

「……グレモリー先輩……アンタはサクリファイスを嫌う傾向にあるな」

 

「……」

 

「嫌いなら嫌いでいいが……覚えておけ?

時にはサクリファイスが必要な時が出てくるということを……」

 

俺が真剣な眼差しを向けながらそう言うと、グレモリー先輩は悩まし気な顔で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……取り敢えずはもう一戦だグレモリー先輩」

 

「……えっ……!?」

 

「取り敢えず俺から駒をひとつ取れるまで続けるぞ?」

 

「そ、そんな……っ!?」

 

「そうだな……二十連敗したらペナルティーでも与えるか……」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさ―――――」

 

「ひとまず二十連敗したらグレモリー先輩お尻ペンペンな?」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!」

 

グレモリー先輩の悲鳴が響きわたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは完璧な余談だが、グレモリー先輩は二十連敗してしまったのでお尻ペンペンを俺から喰らうこととなった。

あの時の悲鳴は中々……おぉっと……これ以上はグレモリー先輩のプライバシーに関わるので止めておこう……。

 

こうして修行の1日目が終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いですっ!!


それにしても最近、士織しかり、夜鶴しかし、キャラがぶれ始めました……(涙)

書いていてあれ?っと思うことが多々あります(苦笑)

これもおそらくキャラを友達を元に作ってるからなのでしょう……(笑)


さてさて、次はもっと早くに更新できるように頑張ります!!!

それではまた次回お会いしましょう♪

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