ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりです!!

最近は期末テストの勉強で忙しくなってきたのですが……やはり小説も書きたいところなのですっ!!!

なんとか頑張って更新していきますっ!!

それでは本編をどうぞ!


~戦闘校舎のフェニックス~
~何やら始まりそうです~


Side 士織

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

もう聞きなれた5人の女声がリビングに響く。

 

「はいはい♪たくさん食べてね♪」

 

「うむ。賑やかな食卓はやはり良いな」

 

母さんは嬉しそうに笑い父さんは満足そうに首を振っている。

 

「んじゃ、俺も食べるかな……いただきます」

 

「だな。いただきます」

 

俺と一誠も手を合わせてその言葉を発すると箸を手に取り食事を開始した。

 

5人の女性―――レイナーレ、カラワーナ、ドーナシーク、ミッテルト、そしてアーシア(・・・・)―――が家に住み始めてから既に1ヶ月。

あの日、堕天使の四人のことを話すと二つ返事で住むのを許可してくれた両親。更に後から来たアーシアまでも快く受け入れてくれた。

なんでも両親曰く、『賑やかになるのは大歓迎』だそうだ。

 

「葵泉さん、このお漬物の付け方今度教えてもらっても良いですか?」

 

「良いわよ夕麻(・・)ちゃん♪

今度一緒に漬けましょうか♪」

 

「だ、だったらウチもやりたい!」

 

「わ、私もです!!」

 

「ふふふっ♪じゃぁ美憧(・・)ちゃんとアーシアちゃんも一緒にしましょうね♪」

 

「本当っすか!!やった♪」

 

母さんはレイナーレ―――夕麻―――とミッテルト―――美憧(みと)―――、アーシアの三人と楽しそうに話をしている。

 

賢夜(けんや)殿、本日のお勤めは?」

 

「休みだ。

稽古でもつけてやろうか?綯奈(・・)

 

「それは魅力的な申し出……ひとつお願いします」

 

「良いだろう。

今回も扱いてやる」

 

「稽古なら私も参加しても?」

 

華那(・・)もか?

良いだろう。なら今日は本格的にやろう」

 

父さんはドーナシーク―――綯奈(とうな)―――とカラワーナ―――華那(かな)―――と食事後の計画をしているようだ。

 

そもそも何故ドーナシーク、ミッテルト、カラワーナ、レイナーレの名前が違うのかと言うと、両親に四人を紹介したその日。母さんが何処かへ電話を掛けたかと思うと次の日には四人の新たな戸籍が完成していたのだ。それ故に現在四人はその時につけられた名前を今は名乗っている。

そして、付けられた名前を考えたのは俺たちの父親【兵藤 賢夜(けんや)】。

長身でがっちりとした肉体、そして厳しそうな見た目だがとても優しく強い自慢の父親だ。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

俺は歓談する皆を見ながら食事を済ませると同じく食べ終わった一誠とともに食器をキッチンに運び声を掛ける。

 

「一誠は今日何するんだ?」

 

「俺か?そうだな……実は士織に相談したいことがあったんだけど……大丈夫か?」

 

「今日は何をする予定も無かったし大丈夫だぞ?俺の部屋で良いか?」

 

俺がそう言うと、一誠はほっとした表情を一瞬浮かべ、直ぐに人懐っこい笑みになる。

 

「あぁ。大丈夫だぜ」

 

「なら、先に行っててくれ。

俺は皆に少し伝えてくるから」

 

「了解」

 

短くそう言った一誠は階段の方へと向かっていった。

……さてさて、今回は何の相談かな?

俺はそんなことを考えながら俺と一誠の分の食器を洗うのだった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「んで……今日は何の相談だ?」

 

皆に自分の部屋へ戻る旨を伝えた俺は、足早に階段を上り、部屋の扉を開けるやいなや、ソファーに腰掛けていた一誠にそう言葉をかけた。

後ろ手に扉を閉めるとそれを待っていたかのように一誠が口を開く。

 

「……士織は【封印魔法】とか使えたりするか?」

 

「【封印魔法】?

使えるには使えるが……いきなりどうしたんだ?」

 

「……ちょっと悪魔にでも転生しようかなって思ったんだよ……」

 

一誠は簡潔に、そう呟いた。

一瞬の思考の後それがどう言う意味で、何故そういった考えに至ったのかが分かる。

 

「……つまり、今の一誠のスペックじゃ転生出来ないから転生出来るスペックになるまで自分の力を無理矢理抑え込むのか……」

 

「そう言う事だ」

 

無駄な説明が要らないから楽だな、一誠は苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

「転生するからには主は決めてんのか?

身近なら生徒会長の【支取(しとり) 蒼那(そうな)】―――――シトリー家の次期当主かグレモリー先輩のどちらかだが……」

 

顎に手を当てながら一誠に問う。

すると一誠はこくりと首を縦に振ると―――――懐から8つの紅い駒を取り出した。

 

「……8つ……【兵士(ポーン)】の駒か……。

つぅことはグレモリー先輩を主として選んだのか……」

 

支取蒼那は既に【兵士】の駒を使っている。その為、8つ全てを持っているのならばそれはグレモリー先輩しかいないのだ。

 

「なんだかんだ言ってもリアス先輩には良くしてもらってるしな……。

俺が『眷属にしてもらえますか?』っていきなり言ったのに『此方から頼みたいほどだわ』って言ってくれたんだよ」

 

一誠はそう言うと微笑みながら駒を手に握った。

そして俺の方を真剣な目で見つめてくる。

 

「―――――だから頼む士織。

俺に【封印魔法】を教えてくれ」

 

頭を深々と下げながら一誠はそう言った。

【封印魔法】を掛けてくれではなく【封印魔法】を教えてくれと言ったのだ。

俺はそんな一誠が何処か微笑ましくて、優しい口調で声を発した。

 

「いいぜ、一誠。

俺に任せとけ!お前の納得できるような【封印魔法】を教えてやるよ!」

 

「ま、マジでか!?

ありがとう士織っ!!助かるぜ!」

 

人懐っこい一誠の笑顔。

最近ではこの笑顔を見ると心が暖かくなる。

 

 

……ブラコンでは決してない。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――

 

 

「あぁ~……疲れたな……」

 

一誠からの相談を聞いた後、俺は直ぐに一誠に合わせた【封印魔法】を構築し、練習させた。

一誠は魔力が極端に少ないため、【封印魔法】を行使するには無駄を極限まで省かなければならない。そこさえクリア出来れば直ぐにでも使いこなせるのだが―――――

 

 

 

「……如何せん、一誠は不器用だからなぁ……」

 

言いながら苦笑いが浮かんでくる。

俺は寝転がっていたベットから身体を起こすと、背伸びをして時計へと目を移した。

 

「あぁ~……もう1時か……。

俺もすっかり夜型になっちまったな……」

 

悪魔稼業を手伝っているとどうしても夜に仕事をしなければならないため、昼夜逆転とまではいかないが夜は目が冴えてしまう。だからと言って朝、昼と眠たいわけではない。

俺は暇つぶしにまだ使ったことのない【魔法】を整理していく。

 

「う~ん……一誠の魔力量はなんとかなんねぇもんかな……」

 

多種多様の【魔法】は直ぐに把握出来る訳ではない。

少しずつ、少しずつ、時間を掛けてどのような【魔法】があるのかを確認して行かなければならないのだ。

 

 

 

―――――その時。

俺の部屋の床に光が走る。光は円状に広がると、見覚えのある模様を描いた。

 

「グレモリー眷属の魔法陣……?」

 

一体誰がなんのために俺の部屋へと転移してきたのだろうか。

俺は光が収まるのを待った。

そして、そこに現れたのは―――――

 

 

 

「……何のようですか?グレモリー先輩」

 

―――――一誠が主として選んだ、紅髪の女性、リアス・グレモリーがそこに居た。

グレモリー先輩は俺の姿を確認するとズンズンと詰め寄り、焦ったような表情で口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士織、私を抱きなさい」

 

 

 

全く、持って、意味が、分からない。

 

俺がポカンと口を開けてグレモリー先輩を見ていると、更に近づいてくる。

俺をベットへと押し倒し駄目押しと言わんばかりに一言。

 

 

 

「私の処女を貰って頂戴。至急頼むわ」

 

思い詰め様な表情で着ている制服を脱ぎ始めるグレモリー先輩。

俺は溜息を吐きながらそんなグレモリー先輩に話し掛けた。

 

「落ち着けグレモリー先輩。

何がしたいんだアンタは……」

 

俺の上に乗っているグレモリー先輩は息を整えると反応する。

 

「私では駄目かしら……?」

 

「駄目だとか駄目じゃないとかそういう問題じゃねぇよ……。

一体どうしたんだ?」

 

「色々と考えたのだけれど、これしか方法がないの」

 

……駄目だ。話が全然噛み合わない。

俺は頭を抱えた。

 

「既成事実ができてしまえば文句もないはず。

身近でそれが私とできそうなのはあなたしか居なかったわ……」

 

やはり浮かぶのは悲しそうな表情。

そこで俺はやっと思い出した。

この時期は―――――

 

 

 

―――――結婚騒動が起きる時期ではないか、と。

 

「……祐斗では駄目。根っからの騎士(ナイト)だし……それに……いえ、何でも無いわ。

そして、イッセーには夕麻がいる……。

だからこそ、士織しかいなかったの……」

 

そう言ったグレモリー先輩は更に服を脱ごうとする。

しかし、それは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止めろって言ってんだよこの馬鹿」

 

―――――俺が肩を押し、体勢を入れ替えることによって阻止された。

 

「きゃ……っ」

 

グレモリー先輩に馬乗りになる形で俺は動きを制限させる。

 

「一体何をそんなに焦っているんだ?グレモリー先輩」

 

「それは……」

 

また、悲しそうな表情を浮かべたグレモリー先輩は口を噤む。

 

「ハァ……。

取り敢えず聞けグレモリー先輩……いや、リアス・グレモリー。

アンタが何を悩んでるのかは知らねぇ。けどな、アンタは俺の弟が主として選んだ女だ。

そんな女が簡単に諦めてんじゃねぇよ!」

 

俺はグレモリー先輩の肩を掴み更に言葉を続ける。

 

「抗え!アンタがそれに従いたくないなら最後まで抗えよ!

安心しろ、アンタにはもう―――――

 

 

 

―――――最強の兵士(兵藤 一誠)がついてんだからよ」

 

微笑みながらグレモリー先輩の頭を撫でた。

それと同時に部屋の床が再び光り輝く。

広がるのは再びグレモリー眷属の魔法陣。

どうやらあの人が来るようだ。

 

光が収まった後、そこにいたのは銀色の髪をしたメイド服姿の女性。

銀髪のメイドは俺とグレモリー先輩の姿を確認すると、静かに口を―――――開く前に俺へと飛び掛ってきた。

 

「おっと……」

 

俺はそれを後ろに飛ぶことで躱す。

 

「こんなことをして破談へと持ち込もうというわけですか?」

 

俺の方へと明確な敵意を向けてメイドは淡々と言う。

それを聞いたグレモリー先輩は眉を釣り上げる。

 

「こんなことでもしないと、お父さまもお兄さまも私の意見を聞いてはくれないでしょう?」

 

「……このような野蛮で下賤な輩に(みさお)を捧げると知れば旦那さまとサーゼクスさまが悲しまれますよ」

 

メイドは睨むような視線をこちらに向けながらグレモリー先輩を守るように手を広げる。

それにしても酷い。

いきなり襲われたかと思えば突然現れたメイドに『野蛮で下賤な輩』と言われるとは……。

俺は頭を軽く掻くと少々不機嫌気味に口を開いた。

 

「……いきなり来ておいてなんて物言いだよ……。

被害者はこっちだっていうのに……

……『巫山戯んなよ?』」

 

「……ッッ?!」

 

俺が自らに掛けた【封印魔法】を一段階だけ解き、言葉を発するとメイドから感じられる敵意が膨れ上がった。

 

「ま、待って頂戴グレイフィア!!

士織は悪くないの!

私が自分から此処に来て士織をその……襲った……のよ……っ!!!」

 

頬を赤く染め、恥ずかしがりながらメイドに向かって言葉を発するグレモリー先輩。

メイド―――グレイフィアと呼ばれた―――はその言葉に直ぐには反応しなかったが徐々に敵意を消していった。

 

「……申し訳ございません。

お嬢さまが襲われていたのだと勘違いしてしまいました。

私はグレモリー家に仕える者です。

名を【グレイフィア・ルキフグス】と申します。以後お見知りおきを……」

 

謝罪の言葉を述べたグレイフィア・ルキフグスは簡単な自己紹介をして、頭を下げた。

 

「グレイフィア、あなたが此処へ来たのはあなたの意志?それとも家の総意?……それともお兄さまのご意思かしら?」

 

半眼で口をへの字に曲げたグレモリー先輩。年相応の女の子らしい反応は初めて見たため、新鮮だ。

 

「全部です」

 

グレイフィア・ルキフグスはそう即答した。それを聞いたグレモリー先輩は諦めたかのように深く息を吐く。

 

「そう。お兄さまの【女王(クイーン)】であるあなたが直々に人間界へ来るのだもの。そう言う事よね。分かったわ」

 

グレモリー先輩は脱ぎ掛けだった服を丁寧に着なおす。

正直もっと早くから着てくれれば嬉しかった。

 

「ごめんなさい、士織。

さっきのことは……その……忘れて頂戴。

あなたの言葉で目が覚めたわ。

ありがとう」

 

「気にするな。

グレモリー先輩もあんなことは二度とするな?」

 

「えぇ。わかっているわ」

 

柔らかな笑みを浮かべてグレモリー先輩はそう言った。

そして、グレイフィア・ルキフグスの方へと向き直る。

 

「グレイフィア、私の根城へ行きましょう。

話はそこで聞くわ。朱乃も同伴でいいわよね?」

 

「【雷の巫女】ですか?

私は構いません。上級悪魔たる者、【女王】を傍らに置くのは常ですので」

 

「―――――士織」

 

グレモリー先輩が俺を呼ぶ。

服をすべて着たのを見計らってなのか、そのまま俺の方へと近づいて、

 

 

 

―――――チュッ。

 

 

 

頬に触れる柔らかなナニカ。

 

「今夜はこれで許して頂戴。

迷惑掛けたわね。明日、また部室で会いましょう?来てくれるわよね?」

 

「あ、あぁ……。

明日は行くつもりだったからな。

何の問題もない」

 

その言葉を聞くと、グレモリー先輩とグレイフィア・ルキフグスは魔法陣を展開し、そのまま転移していった。

 

一人残された部屋には時計の針が時を刻む音が響く。

俺は頬を軽く撫でると口を開いた。

 

「……シャワーでも……浴びるか……」

 

何となく、そんな気分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


さてさて雑談ですが……。
ついこの間文化祭があったのですが、やはり先輩たちは凄いですね!
ダンスに歌、劇も見ごたえが凄くありました!

私はひとまず図書室で引きこもっていたのですが……やはり友達に引っ張り出されました(涙)
屋台?出店?そんなところを連れ回されてクタクタです(苦笑)

友達に「来年は夜叉猫(仮名)もダンスしてみたら?」と言われたのですが「恥ずかしいから嫌っ!」と言うとなんとも言えない笑みで「胸が邪魔だもんねぇ……」と言われて鷲掴みされました……(涙)
しかももう一人の友達はそれを写真に撮るという徹底っぷりです……(苦笑)

ともかく、初めての文化祭は意外と楽しかったので良しとします!(笑)


それではまた次回お会いしましょう♪

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