ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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更新が遅くなってしまってすみません!!

私自身にいろいろあったのとテストなどがあって遅れてしまいました……(涙)

ともかく!
本編をどうぞ♪


~エピローグです~

オッス、兵藤一誠だ。

 

堕天使との一件から1週間が経った。

あの後夕麻ちゃん―――レイナーレ―――たちはリアス部長の監視の下、堕天使側に引き渡された。

初めはそれに関して俺は反発していたのだが、流石に夕麻ちゃんたちの無断行動を堕天使側に報告しない訳にはいかないということで、幾つかの条件を飲んでもらって俺は引き下がることにした。

その条件は至極簡単。あの三人の堕天使と夕麻ちゃんを殺さない、ということだ。

リアス先輩を通してその条件が飲まれたことも教えてもらっている。

 

 

 

「―――――つってももう1週間か……」

 

条件が飲まれたことは教えてもらったがどのような処罰が下ったのかまでは知らない。だからこそ心配になっているのだ。

俺はリビングのソファーに深く座るとハァ、と溜め息を漏らす。

 

「辛気臭いぞ一誠。

そんなに心配しなくても大丈夫だろうよ」

 

「あぁ……士織か……」

 

声を掛けられたため、視線を移動させるとふたつのコーヒーカップを持つ士織の姿があった。

 

「ほら、お前の分も淹れてやったから飲め」

 

「……サンキュー士織」

 

士織から差し出されたコーヒーカップを受け取る俺。

最近どうも調子が出ない。無意識のうちに溜め息が漏れる。

そんな俺を見かねたのか士織が口を開いた。

 

「そんなに心配か?」

 

「まぁ……な……。

どんな処罰を受けてるのかって考えたら気が気じゃない」

 

「ふぅん……」

 

士織は俺の話に興味なさげな声を出すとコーヒーカップをテーブルに置いて背伸びをする。

そして、思い出したかのように、

 

「取り敢えず今日は来客があるからそのしみったれた顔をなんとかしろ。

お見せできないよ状態だからな」

 

少し楽しそうにそう言った。

……そんなに俺は酷い顔をしているのか……。

俺は手に持ったままだったコーヒーカップをテーブルに乗せると、両の頬をパン!と叩き気を引き締める。

 

「まぁ……ちっとはマシになったか……」

 

俺の方を向いた士織はそう呟いた。

俺はそんな士織に笑みを向け、テーブルの上に置いたコーヒーカップを取って一気に飲み干す。

程よい苦味が口の中に広がる。あぁ……今の俺には丁度いい苦味だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ、それ俺のコーヒー」

 

「ぶフッッッ!!!?」

 

士織の呟きに吹き出してしまう俺。

……何とも格好の着かない朝である。

 

 

 

 

 

Side Out

――――――――――――――――――――――

Side 士織

 

「取り敢えず一誠は着替えて来い。

そろそろ来るはずだからな」

 

飲み終わったコーヒーカップを片付けた俺は未だにパジャマ姿の一誠にそう言葉を掛けた。

 

「了解。

……ちなみに来客って誰が来るんだ?」

 

ソファーから立ち上がった一誠は疑問符を頭の上に浮かべる。

 

「ん~……一応偉い人?」

 

「い、一応……?」

 

苦笑いを浮かべる一誠。

俺はそんなことよりも早く着替えて来いと伝え、一誠を自室へと向かわせた。

 

それと同時か少し遅れてか、家のインターホンの音が響く。

どうやら来客予定の人たちが来たようだ。

俺は小走り気味に玄関まで向かうと、ゆっくりとドアを開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――いらっしゃいアザゼル(・・・・)

 

玄関のドアの向こうに居たのは黒髪のちょっと悪そうな雰囲気を纏わせた浴衣の男性―――――堕天使の幹部組織【神の子を見張る者(グリゴリ)】のトップ、堕天使総督アザゼルその人。

この人が本日の来客だ。

 

「総督を付けろ総督を……。

全く……俺への扱いが雑じゃねぇか?士織」

 

「アザゼルはこの扱いがちょうどいいだろ。

取り敢えず立ち話もなんだし入ってくれ」

 

「おう。邪魔するぜ」

 

軽く言葉を交わした俺とアザゼル。

来客用のスリッパをアザゼルに履かせるとリビングへと案内した。

アザゼルはリビングに入った瞬間流れるようにソファーに座りくつろぎ始める。

 

「コーヒーで良いか?アザゼル」

 

「おう、ブラックで頼む」

 

「了解した」

 

アザゼルへの確認を終えた俺は手早く、しかし丁寧にコーヒーを淹れ、客人であるアザゼルに振舞う。 

 

「お……中々美味いじゃねぇか」

 

コーヒーを一口啜るとアザゼルはそう呟く。

 

「まぁ、簡単なものだけどな」

 

アザゼルに向かって苦笑いを浮かべながらそう言うと俺もついでに淹れた二杯目のコーヒーを口に運ぶ。

 

 

 

「インターホン鳴ってたけどお客さんは―――――おっと、もういらっしゃってるみたいだな」

 

パジャマから服を着替えてきた一誠はリビングに入ってくるとアザゼルの姿が目に入ったようで軽くお辞儀をした。

 

「士織、こいつが例の弟か?」

 

アザゼルは一誠をしばしの間見つめると俺の方へと視線を移動させてそう言う。

 

「そうだぞ?

そいつが俺の弟で―――――今代の【赤龍帝】だ」

 

「へぇ……?」

 

アザゼルはそれを聞くと再び一誠の方を向いて面白いモノを見るような表情を浮かべた。

……いや、どちらかというと新しい玩具を前にした子供のようだと言った方が適切だろうか……。

 

「え、えっと……士織、このちょい悪系の人は一体……?」

 

困惑の表情を浮かべる一誠。

しかし、話の内容から関係者であることはわかっているようだ。

一誠の言葉を聞いたアザゼルは楽しそうな表情はそのままに口を開いた。

 

「おぉ!悪ぃ悪ぃ!自己紹介してなかったな!俺の名は【アザゼル】―――――」

 

アザゼルの背から6対12枚の薄暗く、常闇のような黒翼が出現する。

 

「―――――堕天使の総督だ。

これから宜しく頼むぜ?赤龍帝」

 

にやりと笑うアザゼル。

何処かキザったらしいがやっているのがアザゼルだからか似合っていた。

 

 

 

―――――閑話休題

 

 

 

「そういや赤龍帝」

 

「俺は 兵藤 一誠 です」

 

「んじゃ、一誠。

お前さんどれくらい強ぇんだ?」

 

簡単な自己紹介を済ませたアザゼルは興味津々といった風に一誠を見つめて言った。

一誠は少し考える仕草をすると自嘲気味な笑みを浮かべる。

 

「俺なんてそこら辺の一般人に毛が生えた程度ですよ。

士織に歯も立ちませんしね」

 

「そうなのか……」

 

アザゼルは残念そうな表情をするとコーヒーを一口飲む。

……どうやら一誠は勘違いしているらしい。

 

「何言ってんだ一誠。

お前は自分を過小評価し過ぎだ」

 

俺が一誠にそう言うとえっ?という表情になる。

アザゼルはコーヒーを飲みながら俺の言葉に耳を傾けているようだ。

 

「お前のあの(・・)禁手(バランス・ブレイカー)】ならアザゼルともいい勝負が出来るはずだぜ?」

 

「あぁ~……アレ(・・)か……。

でもあれは消耗が激しすぎて使えねぇだろ」

 

一誠は苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

「まぁ、魔力が少ないのが痛いよな……」

 

「だな……。

今の俺の魔力量じゃせいぜい3回(・・)ってところだしな」

 

俺と一誠がそんな話をしていると先程まで静かに聞いていたアザゼルが慌てたように話に入ってくる。

 

「おいおいおい!

お前らは一体何の話をしてるんだ?!

何だよ『あの【禁手】』ってよ!!」

 

「何って一誠の【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】の【禁手】の話だぜ?」

 

俺が正直にそう言うとアザゼルは顎に手を添えて一瞬目を閉じると真剣な声音を発した。

 

「【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】の【禁手(バランス・ブレイカー)】つったら【赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)】か……?

……いや、だとしたら3回ってとこが腑に落ちねぇな……。

だったら考えつく答えはひとつ―――――」

 

アザゼルは俺と一誠の方を向くと真面目な表情で問い掛けてくる。

 

 

 

「―――――【亜種】の【禁手】か?」

 

 

 

その言葉に声を発することなくゆっくりと頷く。するとアザゼルは拳を握り締めて身体を震わせ始めた。

 

「か~っ!!!

神滅具(ロンギヌス)】の【亜種禁手】!?何だそれ超興味あるぞ!!

おい一誠!今度【神の子を見張る者(うち)】に来て【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】を調べさせろ!!」

 

興奮した様子のアザゼルは一誠に詰め寄ってそう言った。

あまりの迫力に一誠もたじたじである。

俺はアザゼルの頭を軽く叩くと咳払いをし、声を発する。

 

「その話はまた今度だアザゼル。

……それよりも、『あの件』については大丈夫なんだよな?」

 

「痛ぇな士織……もちっと手加減しやがれ。

『あの件』に関しては何の問題もねぇ。あいつら自身も不満は言ってねぇし、寧ろ喜んでたぞ?」

 

叩かれた部分を手で撫でながらアザゼルはそう言い、少しの間を空けて言葉を続ける。

 

「なんなら今からでも大丈夫だがどうする?」

 

「あぁ。早い方がいいだろうしな……。

頼むぜアザゼル」

 

「あいよ、了解だ」

 

そう言ったアザゼルはパチン、と指を鳴らす。すると、アザゼルの座っているソファーの隣に魔法陣が描かれ、光を発した。一誠は何がなんだか分かっていないらしく、その光景をただ見詰めている。

 

魔法陣からの光は徐々に収まっていき、その代わりに四つの人影が現れた。

 

―――――一人は黒いスーツに身を包んだ女性。

 

―――――一人は黒のゴスロリの服を纏った女の子。

 

―――――一人は漆黒のワンピースを来た少女。

 

―――――一人は紺色のコートを羽織った女性。

 

「……ッッ!!」

 

一誠の息を呑む声が聞こえてくる。

四人を見て思うところがあったのだろう。

そして俺は、その四人を見て、

 

「……ッッ?!」

 

―――――違う意味で息を呑んだ。

四人―――正確にはその中の1人―――の姿が明らかに記憶と食い違っている。

俺はアザゼルの方を向くと口を開いた。

 

「あ、アザゼル?

ドーナシークは一体―――「私に何かようか?」……ゑ……?」

 

俺の台詞に被せるように声が聞こえてくる。その声の主を確かめるために視線を移動させると、そこには俺が違和感しか感じなかった紺色のコートを羽織った女性の姿があった。

しばしの間その女性を見つめた後、勢い良くアザゼルの方を向きなおすと冷静に言葉を吐く。

 

「……アザゼルどういうことだ?

俺の頭がおかしくなった訳ではないのならドーナシークは男だったはずだぞ?」

 

「あぁ、そのことか。

ドーナシークはちょっと俺の実験に協力してもらったから性別が変わった」

 

あっけらかんとそんなことをのたまうアザゼルについつい真顔になってしまう。

俺は咳払いをひとつすると取り敢えず思った事を全て口にする。

 

 

 

 

 

「―――――アホかアザゼルッッ!!!

お前の実験に協力したら性別が変わるのか?!何の実験してんだよ!!?

そしてドーナシークはなんで性別が変わったのにそんなに落ち着き払ってるんだ?!普通は怒るだろ!?そして戻してもらうだろ!?

あれか?堕天使は皆意外と呑気か?呑気なのか?!」

 

「別に性別程度で狼狽えることはないだろう?」

 

「そうだぜ士織」

 

何言ってるのコイツという視線を俺に向けたアザゼルとドーナシークはそういった。

 

「俺がおかしいのか……?」

 

その反応に俺は頭を抱える。

分からない……分からない……。

 

 

 

―――――閑話休題

 

 

 

「……取り敢えず、一誠が混乱してるみたいだから説明すんぞ……アザゼル頼む……」

 

俺は若干の頭痛を感じながらもアザゼルに説明を求める。

 

「メンドクセェが……分かったぜ……」

 

当のアザゼル本人は気怠そうに頭を掻くと口を開いた。

 

「あぁ~……なんだ……簡潔に言うとコイツら四人を今日から此処に住ませてやってくれ」

 

「えっと……住ませる分には多分……というか確実に大丈夫ですけど……良いんですか?」

 

一誠は恐る恐るといった風に問う。

どうやら処罰に関して気にしているようだ。

 

「あぁ。問題はねぇぞ。

一応硬っ苦しく言うと『兵藤家での一生無償労働』という処罰を下してるからな」

 

「そう……ですか」

 

素っ気ない言葉に聞こえるが一誠の顔はニヤけていた。やはり嬉しいらしい。

アザゼルはそんな一誠の顔を見るとおもむろに立ち上がり何処か悪い笑みを浮かべる。

 

「んじゃ、俺は忙しいんでなそろそろ帰るぜ?取り敢えず―――――

 

 

 

―――――ヤリ過ぎには注意だぞ?餓鬼ども」

 

「余計なことを言ってないで帰るなら帰れアザゼルっ!!!」

 

俺はそう叫んでアザゼルを追い払った。

全く……アザゼルはなんであんなキャラなのだろうか……。

アザゼルの気配が完全に消えたのを確認するとくるりと背後に振り返る。そこには様々な反応をしている五人の姿が見受けられた。

 

「や、ヤリすぎ……??」

 

言葉を繰り返し首を傾げる黒のゴスロリの服を纏った女の子―――――ミッテルト。

どうやら外見の割にはそういう知識のない素直な娘らしい。

 

「は、ははは……総督も面白い事を言うな」

 

言いながら頬をほのかに紅く染める黒いスーツに身を包んだ女性―――――カラワーナ。

意味は分ったようだが見た目通りのクールな性格らしくそこまで恥ずかしがっていない。

 

「総督はよく恥ずかしげもなく言えるものだ」

 

そう言いながら笑う紺色のコートを羽織った女性―――――ドーナシーク。

……男の時はこんなキャラだっただろうか……?

 

「「や、ヤリすぎ……」」

 

漆黒のワンピースを来た少女―――――レイナーレと一誠は互いの顔を見てその顔を真っ赤に染めると俯いた。

……何と言うかこの二人……。

俺はそんな二人に微笑みを向ける。

 

 

 

 

 

「一誠ちゃ~ん?士織ちゃ~ん?

どなたかいらっしゃってるの~??」

 

「……騒がしいが誰か来たのか……?」

 

そんな両親の声が階段の方から聞こえて来る。ひとまずはこの場を落ち着けねぇとな……。

 

「ほらほら皆!

取り敢えずは落ち着け!」

 

ぱんぱん、と柏手を叩きそう言った俺。

 

 

 

どうやらまずは、四人を両親に紹介する所から始まりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪



さてさて、雑談ですが……。

テスト期間がやっと終わりました……っ!!!
今回は調子が悪かったのですがいい点数を取れました♪

そして、最近の悩みなのですが……三作品のアイデアが枯渇しています……(涙)
しかし!!
出来るだけ更新スピードを上げたいと思っています……(苦笑)


さてさて、それではまた次回お会いしましょう♪

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