ハイスクールD×D~チートが転生させたそうですよ?~   作:夜叉猫

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皆さんおは今晩日は♪
最近恋愛系の作品にハマっている夜叉猫です♪


来週はテストが始まるのでなんとかこの三連休で二巻の内容に入りたいものです……(苦笑)

それでは早速本編をどうぞ♪


~乗り込みました~

Side 一誠

 

「なんて無茶をしたの……っ!!」

 

俺たちが部室に帰ってくると、リアス先輩が若干涙目でそう言った。

 

「……すみません。

気が付いたら体を動かしてました」

 

「あなたがいくら赤龍帝だとしても複数の堕天使を相手にするなんて……無謀なのよ?」

 

心配そうな瞳のリアス先輩。

しかし、その言葉は間違っている。

近づいて来ていた堕天使たちの気配からして、俺が敗ける可能性は限りなくゼロに近かったのだから。

 

 

 

「……心配させないでください士織先輩」

 

「そうだよ兵藤さん。

いつの間にか居なくなってるんだから……」

 

「あぁ、悪かったな……」

 

士織の方では小猫ちゃんと木場が何処か安心したような表情で話し掛けていた。

 

「……ひとまずは無傷だったことを喜びましょう……。

残りの問題といえば……」

 

リアス先輩はアーシアの方を向くと黙り込む。

アーシアはシスター、教会側の人間だ。扱いに困っているのだろう。

 

「あ、あの……あの……」

 

アーシアはリアス先輩に見つめられていることから慌てている。

わたわたと手を動かすアーシア。癒しとはこういうことを言うのだろう。

俺はそんなアーシアの頭にポン、と手を置く。

 

「安心してくださいリアス先輩。

アーシアのことに関しては―――――俺たちが解決します」

 

俺の言葉にリアス先輩は目を見開き、慌てながら口を開いた。

 

「なっ?!

相手は堕天使なのよ!?

もし何かあったら―――――」

 

 

 

「―――――その心配なら必要ないぞ」

 

リアス先輩の言葉に被せ、俺を援護する士織の言葉が聞こえてくる。

 

「……どういうことかしら?」

 

「その言葉のまんまの意味だが?

何せ今この土地に来ている堕天使たちは独断で動いてるんだろうしな……」

 

「そうなのか?」

 

俺は士織の言った言葉に疑問を口にしてしまう。何せそれは俺も知らない内容だったのだから。

リアス先輩も士織の次の言葉を待っているようだ。

 

「あぁ。

おそらく……というか十中八九、狙いはアーシア・アルジェントの【神器(セイクリッド・ギア)】だろうよ」

 

「わ、私ですか?!」

 

アーシアはその言葉にかなり驚いたらしく大きめの声をあげていた。

まさかとは思っていたが本当にそうだったとは……。

 

「回復系神器としての能力に目を見張るものがあるからな。

確か……【聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)】だったか?」

 

アーシアの方へ視線を移した士織は優しく問い掛けるような声音で言葉を発した。

アーシアは士織の言葉に首を縦にコクコクと振り、それが間違えではないことを伝えている。

 

「まぁ、何はともあれ。

堕天使たちの狙いであるが故に助けなければならないアーシア・アルジェントは既に救出済み。

後はその件に関わっている堕天使たちに―――――お灸を据えるだけだ」

 

言って士織は笑ったにこりと。

しかし、その笑みには何処か冷たさを感じた。

 

「……一誠に手を出しただけでも怒ってんのに……全く、懲りない奴らだ……」

 

「怒ってくれてたのか……」

 

士織の言葉についそんな呟きが漏れてしまう。

 

「当たり前だろ?

一応お前は俺の弟、家族なんだからよ」

 

「……士織……」

 

微笑む士織は何処か安らぎを感じさせてくれる。

糞ぅ……そっちの気は無いが惚れちまいそうだぜ士織っ!!!

 

『本当に殺されるぞ相棒……』

 

ドライグの言葉が聞こえてくると同時に背に冷たいモノを感じた。

 

「………………」

 

半眼でこちらを睨む無言の士織の姿が視界に入る。

毎回思うことだが士織はエスパーか何かの類なのだろうか……?俺の考えが筒抜けなような気がする……。

 

蛇に睨まれた蛙状態だった俺だがしばらくの後、士織からの無言の圧力も消えた。正直命の危険も感じていたのだが……。

 

「……取り敢えず……グレモリー先輩。

今回の件に関してはウチの愚弟の言葉通り俺たちに任せてくれると助かる。

悪魔である先輩たちが下手に動くより俺たちが動いた方が都合がいいしな」

 

士織はそれを言い終わると一瞬で転移魔法を発動させ、その場から俺たちごと転移させた。

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Side 士織

 

一誠達ごと転移魔法により自宅の自室に転移した俺は、ゆっくり背伸びをするとただそのまま口を開いた。

 

「……さてと、どうする一誠?

今から乗り込みに行くか?」

 

「……当たり前だろ」

 

迷いのない即答。

一誠の方を向いていないため、どんな表情をしているのかは分からない。しかし、その声音からどれ程の意気込みなのかは感じ取れた。

俺はもう一度転移魔法を展開する。

 

「……アーシア・アルジェント。

君はどうする?

オススメはこの家に居ることだが……」

 

「私も一緒に行きます!」

 

こちらも迷いのない即答。

自分の安全よりも優先すべき何かを見つけたのだろう。

 

「まぁ、分かってたけどな……。

んじゃ、行くか……」

 

苦笑いが浮かんでくるのを感じながらも俺は転移魔法を行使した。

 

(全く……家に転移したのが無駄になったぜ……)

 

目指すは堕天使たちのねぐら―――――

 

 

 

―――――廃墟となった教会だ。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

辺り一面の静寂。

寂れた教会からは不気味なほど何の音も聞こえてこない。

俺と一誠、アーシア・アルジェントは教会の入り口前に立っていた。

 

「準備はいいか?二人とも」

 

「大丈夫だぜ?」

 

「は、はいっ!!」

 

一誠は【赤龍帝の籠手】を既に準備し、アーシア・アルジェントは緊張した面持ちでそう口に出す。

俺はそんな二人に軽く笑みを向けると、眼前にある扉に蹴りを放ち、入口をこじ開けた。

おそらく俺たちが此処に来たことはもうバレているだろう。

俺はそんなことを考えながら奥へと続く道を駆ける。現れた聖堂へと続く扉を開き、まずは俺が足を踏み入れた。

長椅子と祭壇、蝋燭の淡い光が聖堂内を照らしている。

廃墟だと言われているがなんともまだ使えそうな内装だ。

 

「侵入者三名確認……っと……」

 

俺が辺りを見回していると柱の物陰から一人の少年が歩み出てきた。

 

「フリード・セルゼン……」

 

俺の隣にいる一誠が少年の名前を呼ぶ。

白髪の神父服に身を包んだ少年―――フリード・セルゼン―――は一誠の呟きに嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「赤龍帝クン覚えててくれたんだね~」

 

ヘラヘラとした態度のフリード・セルゼンだったが隙を感じない。無防備に見えてかなりの警戒を敷いているようだ。

 

「あり?そっちのお嬢さんはどなたかな?かな?」

 

俺の方へと視線を向けたフリード・セルゼンは首を傾げながら興味深そうにする。

 

「俺はこいつの兄だよ兄。

姉じゃねえからな?」

 

「男性でござんしたか!?

これは失礼失礼……」

 

頭を下げながら笑うがその瞳は闘争心に満ち満ちていた。

 

「取り敢えず……大人しく此処を通してくれる―――――わけないよな」

 

俺の言葉の途中でフリード・セルゼンは懐から刀身のない柄と白銀の拳銃を取り出し、そして構えた。

 

「士織、こいつは俺が……」

 

一誠が一歩前に出てファイティングポーズをとる。

先程から何度目かの『Boost ! !』という音声が聞こえてきた。

フリード・セルゼンも嬉しそうな笑みを浮かべて臨戦態勢をとっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――僕が相手をしても良いかな?」

 

―――――刹那。

一誠とフリード・セルゼンの初動前に合われたかのように聞いたことのある声が聞こえてきた。

 

「き、木場!?

なんで此処に居るんだよ!?」

 

一誠は驚きの表情で背後から現れた木場を見詰め、フリード・セルゼンは不満気な表情を浮かべる。

 

「加勢しに来たんだよ。

ちょっと遅かったみたいだけどね」

 

木場は爽やかな笑みを浮かべて口を開いた。

俺はそんな木場を見ながら背後から近づく者を捕獲する。

 

「にゃっ?!」

 

俺は捕獲した者の襟首を掴みぶら下げながら俺の前に移動させた。

 

「―――――小猫は一体何をしてるんだ?」

 

ぶら下げられる少女―――小猫―――は手を前に突き出す形で静止している。

 

「……私も加勢しに来ました」

 

「俺の背後から気配を消して迫ってくる意味は?」

 

「……テヘッ」

 

小猫は手を頭に当ててそんな仕草を取った。

 

「……恥ずかしいならするなよ小猫」

 

「は、恥ずかしくないです」

 

俺が何のリアクションもせずに小猫を見つめているとまるで茹で上がったかのように顔を赤くした小猫は、俺の言葉を聞きそう返したが両の手で顔を隠す。

俺はそんな小猫を下ろしてやると不機嫌にこちらを見つめるフリード・セルゼンが視界に入った。

 

「……なんだいなんだい。

俺と赤龍帝クンの邪魔をする奴がいると思ったら悪魔クンではないですか~……」

 

その鋭い眼光は木場とそして小猫に向けられている。

 

「予定変更。

悪魔クンが俺の相手をしてくれるんだよねぇ~……?」

 

「うん。

僕がキミの相手をしよう」

 

「イイね!

悪魔クンが相手なら……手加減は無用だ」

 

言って、フリード・セルゼンから感じるプレッシャーの質が変わった。

一誠に向けられていたのはライバルと純粋に闘いを楽しもうとする上で出てくるモノ。

しかし、木場に向けられるそれは憎悪と嫌悪の入り混じったモノだった。

 

フリード・セルゼンは右手に刀身のない柄を、左手に白銀の拳銃を持ち直した。

刀身のない柄からは光の刃が現れる。

 

「んじゃ、一丁断罪タイムと行こうか!!」

 

吐き捨てるようにそう言ったフリード・セルゼンはその場から飛び出し、木場に襲いかかって来た。

横薙ぎに振るわれる光の刃を木場は剣で弾き持ち前のスピードで回避を取る。

 

「ありり?

この銃弾避けるなんてやるじゃん悪魔クン」

 

木場のいた所には三ヶ所の弾痕が刻まれていた。

 

「それを喰らう訳にはいかないからね」

 

そう言った木場はスピードを活かしてフェイント混じりの剣戟を繰り出す。

かなりのスピードを出しているがフリード・セルゼンはそれに遅れを取ることなくさばいている。

 

「やるね。かなりキミ強いよ」

 

「そういう悪魔クンもやるねぇ……。

騎士(ナイト)】の駒かな?無駄の無い動きとその速さ……今まで相手してきた奴らの中でもかなりのモノだよ」

 

二人は鍔迫り合いを演じながらそんなことを言う。

 

「これは僕も出し惜しみなんて出来ないね……」

 

木場はそう呟くと瞳を閉じて再び口を開いた。

 

「―――――喰らえ」

 

木場の低い声音が響く。

刹那、木場の剣から黒い靄が出現し、全体を覆いだした。

―――――闇の剣。

一言で表すならそれだろう。

闇の剣は鍔迫り合いをするフリード・セルゼンの光の刃にその闇を延ばし、侵食しだす。

 

「ちっ!!

悪魔クンも【神器】持ちか!!」

 

「【光喰剣(ホーリー・イレイザー)】、光を喰らう闇の剣さ」

 

「なんとも相性の悪いモノをお持ちで!!」

 

フリード・セルゼンは苦笑いを浮かべながらその場から跳びず去る。

そして銃口を向けると連続して発砲した。

 

「無駄だよ!!」

 

木場はその弾丸を【光喰剣】で斬り払う。

苦い表情を浮かべながら着地したフリード・セルゼン。

光に絶対の効果を示す剣が相手ではフリード・セルゼンの持つ武装は無いも同然のようだ。

 

「あぁ~……武装の選択ミスったな……。

まさかそんな【神器】持ってる奴が居るとは思わなかったぜ……」

 

悔しそうに顔を歪めるフリード・セルゼン。

 

「あぁ~あ……最近逃げてばっかだなぁ~……。

まぁ、死ぬよかマシか……」

 

そう呟いたフリード・セルゼンは懐から球体の何かを取り出す。

 

「逃がさないよっ!!!」

 

それを見た木場は全速力でフリード・セルゼンに走り寄るが数瞬遅かったらしくフリード・セルゼンの持つ球体は地面に叩きつけられた。

瞬間、眩い閃光が辺りを覆う。

不覚にも俺もその閃光に目をやられ一瞬視界を奪われてしまった。

 

「ちっ……!」

 

ほんの一瞬だったにも関わらず辺りにフリード・セルゼンの姿は居なくなっていた。しかし、気配は何となく感じる……。

 

「今回もまた逃げることになったが……赤龍帝クン……今度こそ殺ろうね……。

そして……騎士(ナイト)クン。

今回は敗けちゃったけど……今度は絶対に仕留めるから。

んじゃ、ばいちゃ♪」

 

その言葉を皮切りにフリード・セルゼンの気配は感じることすら出来なくなってしまった。

 

「……逃げられちゃったみたいだね……」

 

木場はそう言うと剣に纏わせた闇を霧散させる。

 

「逃げ足が速い奴だな……」

 

一誠は眉を顰めながらそう呟く。

 

「……あれ?そういや小猫は?」

 

先程までの木場とフリード・セルゼンの戦闘で気付かなかったが小猫が一言も喋ってい無い。

 

「小猫ちゃんなら其処に居るぞ士織」

 

一誠は俺の後ろを指さした。

俺はゆっくりと振り返ってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私はなんであんなことを……『テヘッ』って……『テヘッ』って……」

 

体育座りでそんなことをブツブツと言っている黒いオーラを身に纏った小猫の姿があった。

 

「こ、小猫…ちゃん……?」

 

木場は若干引き攣った顔で小猫に声を掛ける。

 

「……何ですか祐斗先輩」

 

「い、いや、なんでもないよ……」

 

若干目の据わった小猫の姿に木場も冷や汗を垂らして顔を逸らした。

 

「……どうしよう兵藤さん……。

小猫ちゃんに恐怖を覚える僕が居るんだ……」

 

木場はこちらを向くと震えた声でそう言った。

 

「安心しろ木場。

―――――あれは誰でも怖い」

 

言って苦笑いを浮かべた俺なのであった。

 

 

 

 

 

「……百歩譲って『テヘッ』と言うのはいいとして……仕草までなんで……」

 

うん。やっぱり怖い。

俺と木場は互いに小猫から顔をそらす。

と、そんな中我らが一誠が小猫に近づくとポンと肩を叩いた。

 

「そんなに気にするなよ小猫ちゃん。

さっきの可愛かったぜ?

―――――なぁ、士織」

 

此処で俺に話を振るのか?!

俺はギギギギギと小猫の方に顔を向ける。

 

「本当……ですか……?」

 

黒いオーラは何処へやら。

小猫は涙目で此方を見つめていた。シカモ高低差的に上目遣いもプラスされる。

 

「……あぁ。可愛かったぜ?」

 

今の姿もかなり可愛い。

それに先程の『テヘッ』も可愛かったのは事実だ。

俺は意を決してそう小猫に伝えた。

 

 

 

 

 

「―――――さて、士織先輩行きましょう。

早く堕天使たちを片付けるのです」

 

素早く立ち上がった小猫はきりっとした表情でそんなことを言った。

あまりの状態の変化に先程の小猫の姿が幻想だったのでは無いかと思ってしまう。

 

「……そうだな。

早くに片付けて帰るか」

 

俺は苦笑いを浮かべながらそう呟くと堕天使たちが居るであろう場所を目指して足を進めた。

 

 

 

俺の後輩は可愛いけど怖いみたいだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪


さてさて、雑談に入りますが……。
やっと……やっとハイスクールD×D全巻を読み終わることが出来ました……(苦笑)
ガブリエルをヒロインとしてどう絡めていくかに悩みます……(苦笑)

みなさんはどのキャラクターが好きですか??
私は男性キャラならヴァーリ、女性キャラなら小猫ちゃんが好きです♪


さてさて、それではまた次回お会いしましょう♪

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