ARMORED CORE V ―OASIS WAR―(改訂版)   作:キサラギ職員

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Dragon Dive ACFAサントラ


3、OPERATION:Dragon Dive(前)

シティ動乱後、元通りの無法地帯と化したシティでは、代表の後釜を狙ったミグラント同士の抗争が相次いだ。代表の支配から免れ外部に進出したミグラントも、外部のミグラントとの衝突を余儀なくされた。

代表の統治のもとで一応の安息を約束されていた市民らもやむを得ず銃を握った。市民の中には代表の兵器を強奪してミグラントとなるものもいたのだ。

 愚かしい戦いは汚染された大地に眠る屍たちの上でただ続く。

 

 ――――――――――

 

 『OPERATION:Dragon Dive』

 

 システム ブリーフィングモード

 

 作戦を説明する。

 作戦の陣頭指揮を執るジョンというものだ。以後よろしく頼む。

 今回の作戦の目標は旧時代にできたというクレーターに陣取ったミグラントの排除だ。

 強行偵察の結果、ミグラントの規模はかなり大きく、航空戦力こそ乏しいものの、多数の支援型や盾持ちや戦車などを確認している。大型ヘリの駐機も確認した。これにより、AC戦力の存在もあるものとみていいだろう。

 敵、ミグラントはオアシスに侵攻する前段階であるという情報がある。先に攻撃を行い、芽を潰すのがこの作戦の目的だ。

 

 さて肝心の攻撃は、ACによる強襲から始めることにした。

 敵ミグラントの補給物資を投下する大型機を我がオアシスの工作員により強奪し、代わりにACを乗せる。コンテナ投下により作戦を開始。敵対空兵器を破壊してくれ。破壊成功と共に我らが本隊が上空より攻撃開始。地上戦力も進軍する。

 危険な任務だ。

 AC1機には荷が重い。そこで本作戦には計4機のACを投入することになっている。なお1機はオアシス専属の情報戦特化ACであり、直接の戦闘には参加しないことを先に言っておく。

 

 

 ――――――――――

 

 

 またも作戦は夜中に行われることとなった。

 強襲兵器の性格が強いACにとって夜間という時間帯はうってつけである。

 オアシス側の工作員の手により補給物資を満載した輸送機が奪取され、それに乗り込んだ。ACを3機も搭載したことで輸送機の挙動は限りなく怪しくなったものの、なんとか必要な高度へ舞い上がることに成功し、クレーターへとたどり着くことができた。

 遥か遠距離に備え付けられたレーザー通信機から情報が渡って上空の輸送機に無線が繋がる。それが有線によってコンテナ内部のACらに伝わった。Cm/OPより通信。回線を開く。

 

 ≪各機に通達する。予定通り、敵に動きはない。上空よりコンテナを投下する≫

 ≪おいねーちゃんよぉ、情報漏れの可能性は無いのかい≫

 

 無線に割り込む者がいた。M2。傭兵(ハウンド)の一人が疑問を挟んだのである。

 万が一情報漏えいでもあればコンテナと言わず輸送機ごと対空砲火に晒されるであろう。ACは高度な技術で設計された最新兵器であるとはいえ無敵ではない。輸送機ごと爆発に巻き込まれ空中に投げ出されたら、無残にも鉄の嵐に粉砕されてしまう。空中におけるACはまさに的である。障害物を利用した三次元機動を取れない鉄の塊など、機関砲で蜂の巣にできる。空中を自在に機動しミサイルの直撃にも耐えうるACがあれば話は別であるが、現状、そのようなものが世に出回った記録はないのである。

 が、オペレーターたるキリエはあからさまに無線に向かって鼻でせせら笑うと、こう言ってのけた。

 

 ≪それが何か問題か?≫

 ≪へーへーわかりましたよ≫

 

 傭兵はいわば猟犬(ハウンド)である。犬は獲物をしとめるために存在し、その命は飼い主と比べれば塵のように軽い。獲物をしとめればよし、仕留めなくても目的達成の礎になればよし、とその程度の認識であるのがこの世界の常識である。金という極めて俗物的な代物と引き換えに暴力を遂行する者らは畏れられる一方で蔑まれている。

 M2はあっさりと引き下がると無線を閉じた。一応、訊ねてみただけなのであろう。

 

 ≪オペレーター。情報漏れが発生した場合の対応について質問したい≫

 

 次に無線を繋いだのはM3だった。思慮深そうなハスキーヴォイス。

 キリエは数秒沈黙すると、こう答えた。

 

 ≪可能な限り対空兵器を破壊し、時間を稼げ。撤退は追って指示する≫

 

 まさに捨石と言わんばかりの物言いにもM3は了解の一言で済ました。撤退の指示が出るころには相当消耗していることが明白であり、下手すれば撃破されているであろう。時間を稼ぐというのはそういうことである。

 一方で支援型のACであるレイヴン1は無線を繋ごうともしない。行動や扱いの違いからオアシス固有戦力の一機であることがわかる。

 4機を乗せた輸送機は漆黒の空にエンジン熱とエアロゾルを散布しながらもクレーターの上空に差し掛かる。輸送機側からスキャンデータがメインモニタに送られてきた。

 メインカメラに命じて事前に入手していた地図と重ね合わせる。ほぼ一致した。クレーター内部にごちゃ混ぜになって乱立する兵士のテントや、簡易のプレハブ、ヘリ発着場と思しきHマークなど。違うのは兵器の位置程度であった。対空兵器の位置もなんら変わっておらず情報漏れの心配は無いと推測した。

 輸送機がゆっくりとクレーターの円周を旋回し始めれば、コンテナが軋んだ。姿勢が水平から斜めに移行。遠心力で体内の血液がゆっくり偏る。やがて輸送機はコンテナの投下地点が真正面に来るような位置に陣取ると速度を緩めた。翼が水平にならん。

 彼女は酸素マスクをヘルメットにハメ込むと操縦桿の左を握り、右で機器を弄った。

 ジェネレータの運転率が戦闘レベルにハネ上がり、耳障りな唸り声が俄かに鉄の体から発せられん。

 

 『メインシステム 戦闘モード起動します』

 

 メインモニタを起動。たちまち、漆黒の閉所が映る。すぐに暗視カメラに切り替わった。金属製の箱の内部にACが詰め込まれている。

 アラームが鳴り響くやコンテナが機外に放り出された。

 

 「………」

 

 彼女はあくまで無言であった。いつ真下から対空砲火が降ってくるのかが心配の種ではあったが迂闊な行動を取って死にたくは無かったので、機体を戦闘モードに入れたまま身じろぎひとつせず我慢した。ヘリやACのとは違った、足元から這い寄る落下の感触が背筋に鳥肌をもたらす。

 いつ、撃たれて空中に無防備な姿を晒すやもしれぬ。

 いつ、撃たれてコンテナごとミンチになるやもしれぬ。

 夕闇を背景に発生した濃霧が如く不安が脳髄を浸す。

 ACに乗り、真正面もしくは背後から撃たれて死ぬのならば諦めもつく。コンテナの中でゴミ同然に潰されては諦めきれない。

 コンテナの上部で傘が開く。彼女のあとから投下された三つのコンテナも同様に。それらは減速に入ったはずが、想定していた補給物資とは大きく異なった重量物が内部にある関係上、人ならば粉みじんになるであろう速度で目標地点手前に落ちた。

 補給物資が落ちたとなれば、懲罰を越えた酷い折檻が両手を広げ微笑んでいることになろう。

 ミグラントの補給係を担当している数人の男が大慌てでクレーター内の乾いた砂地をかけてやってきた。すぐにコンテナに取り付くと暗証番号を打ち込む。扉のロックが横にずれて、自動で中身を晒していく。

 補給係の男たちの顔が、固まった。

 なぜなら、あるはずのないACの赤黒い異様が収まっていたのだから。

 刹那、ぬっとコンテナの門をくぐった5mの巨人が、バトルライフルを薙いだ。男たちは血反吐を吐きながら数十m跳ね、ぐったり動かなくなった。

 他のコンテナからも次々とACが姿を表す。オレンジ色の夜間灯に照らされた巨人らのメインカメラに金属的な殺意が灯る。

 タンク型ACの両腕オートキャノンが銃口を掲げ、狙う。

 軽量二脚は支援任務をこなすべく、既にクレーター外に逃げ出す準備をし始めた。

 中量二脚のACが、両腕のブレードに光を宿す。

 そして重量二脚、フレイムスクリームがガトリングとバトルライフルを構えた。

 4機が、無線による意思疎通も無しに、一斉に動いた。

 ――――ウォォォォォォォ………ッ

 夜間強襲迷彩を施した動く城が放つ二条の嵐がクレーター内部を蹂躙する。地面で跳ねかえった曳光弾がランダムな弾道を描く。

 無限軌道のかみ合わせが些細な障害物を踏み砕いて前進を開始した。

 タンク型ACが両腕オートキャノンにより壮絶な弾幕を形成、プレハブの建物を一蹴し、きれいに並んで駐車していたハンヴィーをスクラップに変えれば、ロケット砲の連射で自走式対空機関砲を粉みじんにし、ブースターを吹かして突っ込んでいく。偶然場に居合わせた兵士を引き殺し、進まん。後に残るは赤黒い染みのみ。敵襲にいち早く気が付いた兵士らが手に持ったRPGを一斉発射。計6発がタンク型ACに突き刺さり穴を―――穿つ前に箱型のリアクティブアーマーが作動、弾頭の効力を削いだ。戦車が一斉に砲撃をした。僅かに静止したタンク型であったが、次の瞬間には前進を再開していた。オートキャノンが戦車の群れをとらえ、咀嚼していった。

 オアシス側のレイヴン1はグライドブーストにて安全域へ逃走。

 中量二脚型の近接特化型ACおよびフレイムスクリームが、タンク型の後から続く。

 中量二脚型が青白い粒子を振り撒く三日月状のブレードを構え、グライドブーストで突っ込む。敵襲に対応せんと必死で旋回していた盾持ちの背との距離を零にすれば、瞬時に刈る。数重もの照射装置から眩いばかりのレーザーが発射され瞬く間に装甲を気化して内側に浸透した。まるで獣に食い破られたかのように、盾持ちの肉体に複数の白熱した線が刻まれ、がっくりと横転して炎上した。

そして、ブレードのリロードタイムを埋めるが如く、もう片方の腕に握られたブレードで人の乗っていなかったらしき支援型の砲を断ち切った。長大な砲が、白熱した光に飲まれ溶け落ちた。バランスを失った支援型の胴を踏み台に中量二脚型は加速した。

 更に鋭利な機体は速度を殺さずに戦車に肉薄するや、脚払いの要領で車体をひっくりかえして無力化した。この間、十秒たらず。電光石火の近接攻撃により数にして三機が戦闘能力を喪失した。

 遅れて、盾持ちが内側から大爆発を起こした。軽量二脚の背に赤い後光が差す。メインカメラが敵を嘲笑った。ぱらぱらと降りかかる複合装甲を払うかのように一歩を踏んだ。

 まさに鎧袖一触。

 

 ≪……笑止≫

 

 近接特化型AC、M3のつぶやきが無線に聞こえてきた。

 彼女は前衛をM3に任せることにして、中~至近距離から敵を掃討する役割を担おうと考えた。タンクにより弾幕を張り、近接特化が前線を引っ掻き回し、汎用が両者の不得意とする距離を埋める。そして支援型が情報を得て作戦を潤滑にする。完璧である。

 グライドブースト起動。肩部ロケット砲を連射し、兵士らがいるであろうテントと弾薬庫を薙ぎ払う。装甲貫通を目的とした弾頭とて、ロケット弾に違いはない。モンロー・ノイマン効果は期待できなくとも高速で飛来して突っ込むだけでソフトな対象は一たまりもない。

ガトリングを適当な方角に向けて射撃しつつ、対空機関砲を抱えた人型などにバトルライフルを撃つ。一機撃破。派手に機関砲の銃身がへし折れ、地に刺さる。

 夜間、あまりに唐突にクレーターで咲き誇った戦の花は遥か天空にオレンジと赤の光を投影していた。

 レーダーが天辺に乗っかった鉄塔を足場にブーストドライブ。クレーターをかき乱すべく、速度を得れば、上空よりガトリングの弾を配る。目につく兵士が居れば、問答無用で踏み潰し、ひき殺す。ACに対して有効な戦闘能力を持たない歩兵とて適切な兵器を運用すればACを打倒できるわけであるし、もし機動兵器にでも乗り込まれたら面倒なことになろう。

 キリエより無線通信。上空の偵察用カメラよりの情報を加工したものがメインモニタに浮かぶ。

 マップ更新。

 

 ≪レイヴン1からの観測結果を報告。対空兵器、残り3≫

 

 報告は続いた。

 

 ≪敵AC確認。数3、既に起動した。M2、近い。距離500。9時方向。警戒せよ≫

 

 M3が動く。左腕のブレードをハンガーユニットにくっ付けると、ショットガンを手に取る。グライドブースト。鋭利な機体が砂埃を上げてふわりと低空に持ち上がるや、爆発的な推力により空を飛ぶ。肩部フラッシュロケットが三度放たれ、地上に鮮烈なる光の炸裂を残した。光と影のコントラスト。

 クレーター内にアラートの絶叫が鳴り響く。照明弾が次々と打ち上げられるや、超新星が如く天空の光源となりて戦場を照らした。敵ミグラントはここに至ってようやく敵の襲撃を悟ったのである。

 残った対空兵器が空に向かい弾丸をバラ撒き始める。上空からの攻撃と勘違いしたらしいが、標的などいるはずがない。曳光弾交じりの無意味な銃撃が空を彩る。

 

 ≪M3よりM2へ。近接支援を行う≫

 ≪こちらM2。助かるぜ!≫

 『M1よりM2、M3、対空兵器破壊に二分くれ』

 ≪了解≫

 ≪一分でやんな!≫

 

 フレイムスクリーム、M3に狙いを付けんとしていた戦車目掛けて体当たり。車体が悲鳴を上げて砂地を転がり、ひっくり返ったまま滑って止まる。やや遅れて砲からAPFSDSが射出され、地面に砂柱を上げた。

 両左右で必死に回避運動を取る戦車に、両腕を鷹の翼のように広げ、撃つ。反動でゆっくり回転すれば反転。ガトリングとバトルライフルを入れ替え、戦車を完全に沈黙させた。

 コントロールパネルに指を通わした。対空機関砲があげる射線とマップを同期。位置座標をマーキング。

 まず近場の対空機関砲に目掛けて直射でロケットを連射、撃破。駐機してあった輸送機を踏み、蹴る。コックピットがガラスと鉄のゴミと化す。ブーストドライブ。仰角をさげて地上を狙おうとしていた真っ最中の自走式機関砲を踏み潰す。鉄と鉄がこすれ合う音に背筋に鳥肌が立つ。

 カンカンカン。しょっぱい被弾音。メインカメラで地上を睨めば、自動小銃をこちらに悪鬼のような表情で撃ってくる兵士がいた。同じヒトガタでも、人類とACとではパワーが違う。彼女は口角を持ち上げると、発射熱に酔うガトリングの集束銃身を向け、引き金を絞った。ものの数発。されど数発。装甲車をミンチに変える威力を有する弾頭がガトリングから射出されるや、その腹部を砕き、地に刺さる。衝撃のあまり柔らかな肉は結合を解かれ粉々となり骨の欠片が四方八方に弾けた。

 ハイブースト。ノズルが俄かに乱舞、噴射方向を定めるや、赤黒い巨体が横に滑る。ブースト停止。脚部を砂地に食い込ませ急転回。ブースト起動。砂を巻き上げ、地上を滑走せん。戦闘機動で生じる上下左右前奥の三次元的な振動を脚部と操縦席の緩和装置が相殺する。

 対空ミサイルを備えた自走砲を発見した。ロックオン。インレンジ。バトルライフルで一撃の下で沈める。爆発。

次。

 グライドブースト。目標地点まで300。数が激しく減少し、前方に目標が見えた。リコン射出。コア前面部から放たれたそれが接地するやさっそく反応を捉える。敵反応、4。

 

 『システム スキャンモード』

 

 システム変更。リコン投射地点に盾持ち3、機関砲、1。距離300。

 3機が並んでこちらに盾を向けている。

 リコンから警告音。

 

 『システム 戦闘モード』

 

 盾持ちが3機も固まるということは正面からの攻略は困難だと考えてよかった。正攻法でいくか、それとも。決断は一瞬だった。ガトリングとバトルライフルを連射。盾持ち3が、お互いの欠点を補うが如くぴっちりと固まって弾丸全てを適切に受け切る。真正面の撃ち合いをするには、フレイムスクリームは火力不足だった。OWを使うわけにもいかない。ロケットは弾数が少ないので温存しておきたい。

 盾持ちによるガトリングの応酬。フレイムスクリームの全身が火花の衣に包まれる。小刻みな衝撃が操縦席内に伝播し、内臓まで震えた。装甲が削られていく。被弾の摩擦で機体が短命な火に雁字搦めにされる。被弾の衝撃で装甲が数枚、もしくはそれ以上が滑落した。メインモニタに不愉快なノイズが走った。

 電子音声の冷静な警告が操縦席を満たす。

 

 『機体がダメージを受けています 回避してください』

 

 危険だ。

 機体が自動で姿勢を変更。左脚部に装着された装甲板を前に、弾丸を受け止める。数千度を超える熱量にすら耐えうる合金が弾丸を表層で弾く。盾持ちが、射線を変える素振りを見せた。

 擬似三人称視点の映像をもとに、回避先を計算した。

 操縦桿とペダルを併用した叩き付けるような乱暴な入力操作。

 ロケット砲をお返しにくれてやれば、ハイブーストを吹かし射線から僅か数m離れた。コア側面ボックスブースターが作動して姿勢制御を補助する。HUD上のサークル型ゲージが斜めに傾き、機体の移動を知らせる。

 冷や汗が、額から鼻に伝った。

 盾持ちと侮るなかれ。真正面からの撃ち合いに関しては、厄介な相手なのだから。

 砂地を蹴る。ハイブーストを連続で行い、一気に距離を詰める。高速度、高機動というアドバンテージ持ちに対し、盾持ちは旋回して腕部ガトリングで弾幕を張るという戦術をとった。高い防御力を誇るフレイムスクリームとてガトリングの弾幕に晒され続ければいずれ朽ち果ててしまう。

 一定距離を離したままバトルライフル、ガトリングを斉射。たちまち盾持ちが硝煙と炸裂煙に包まれた。

 グライドブースト。敵の旋回速度を上回る接近速度を持って、煙の中に突入せん。

 速度と質量がもたらす暴力を膝に乗せ、中世の騎士よろしく突撃(チャージ)。盾を蹴っ飛ばす。盾持ちが圧力に耐え切れず横転、ガトリングを空に撃つだけの置物と化す。

 地に爪先を突き刺して向きを修正、背後を奪い、プラズマ噴射炎の翼を抱きて前蹴り。盾持ちが前につんのめった。それを踏み台に上空を取れば、バトルライフルを背中に叩き込み沈黙させてブーストを吹かし3機目の盾持ちの盾に乗らん。

 零距離。先んじて盾持ちの腕部根本をガトリング弾で切断、コックピット目掛けて乱射。盾持ちのずんぐりとした灰色の肢体がガクガク痙攣し、微動だにしなくなった。弾痕から燃料が噴出するやたちまち焔を宿し、両者をオレンジに染め上げた。フレイムスクリームの腕が持ち上がった。メインカメラを向けるまでも無くバトルライフルを発射して自走式対空機関砲をHEAT弾で蒸し焼きに。

 ブーストがフレイムスクリームより生えた。踏み台から地上に降り立てば、メインカメラで周囲を警戒せん。

 Cm/OPより通信。

 

 ≪こちらオペレーター。対空兵器の撃破を確認した。敵ACを片付けろ。これより支援砲撃を開始。降下作戦を実行する。なんとか持ちこたえろ≫

 

 作戦は佳境に突入した。

 




いろいろ修正。冒頭の文章。メカニック部分とかは割と。

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