遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

65 / 145
第61話 かりそめの友好

「これでおしまい!《ニトロ・ウォリアー》でダイレクトアタック!!ダイナマイト・ナックル!!」

伊織がシンクロ召喚した《ニトロ・ウォリアー》が白いどくろが大きく真正面に描かれた黒いTシャツを着ている紫色のモヒカンの男に両こぶしを叩き込む。

「うぎゃああああ!!」

 

ギャング

ライフ2600→0

 

「やったーー!これで、牛尾区はシェイドのものー!!」

「キュイー!」

ギャングのリーダーを倒し、喜びを見せる伊織とビャッコ。

今回の抗争では、伊織だけでそのギャングの幹部を2人、そしてリーダーを仕留めたのだ。

「調子ええの、まるで水を得た魚みたいじゃ」

伊織が戦っている間、横やりが入らないようにジョンソンと共にデュエルをしていた漁介が感心する。

翔太がいなくなってから、表向きはリーダー代行をモハメドが行っているものの、最近は伊織が先頭に立つようになっている。

なお、当面のシェイドの方針はチームオーファンとの戦いに備えるため、周辺を固めていくことだ。

今回の勝利でまた1つ地盤を固めることができる。

「それに、最近ではよく特訓をしている。今までと別人みたいだ」

「ふふーん、男子三日会わざれば括目して見よ、ってね!」

「それは翔太に言ったれ。ウチらは毎日会うてるやろ!」

「あーー、そうでしたー!」

下手な漫才をするかのようなやり取りをする里香と伊織。

翔太がいなくなって重くなった空気が最近になってようやく元に戻ろうとしていた。

そうなった原因は先日に月影が伊織たちに一通の手紙を持ってきたためだ。

零児直筆のもので、その内容は翔太の身柄は零児の目と手が届く範囲に抑えられており、心配する必要はないというものだった。

どのような状況かは明言されていなかったが、少なくとも翔太やシェイドにとっての危機的な状況は脱したといってもいいだろう。

 

喜び勇んでアジトまで戻ってくる伊織達。

アジトの前ではズブが待っている。

「うわぁ、猫だー!」

猫を見て伊織がはしゃぎはじめ、さっそくミルクを取りに入っていった。

「おお、野良猫やなー。大きくて重いなぁー」

ズブを抱っこする里香だが、重いせいか少し辛そうだ。

「遊矢の家にいる犬や猫は元気かした…」

ふと、洋子がいつの間にか拾ってくる数多くの犬と猫のことを思い出しながら、柚子はズブの頭をやさしくなでる。

なお、男性陣はさっさと屋内に入っていた。

「ニャー(よぉ、ビャッコ。邪魔してるぜ)」

「キュイ??(オイラに何か用なの??」

「ニャーゴ(そうだ、フレンドシップカップは知ってるか?)」

「キュキュ??(フレンドシップカップってなーに?)」

聞いたことのない名前にビャッコは首をかしげる。

すると、ズブは里香の腕から離れ、地面に降りる。

「ニャー…(ついてこい、教えてやるよ)」

「キュイ!(うん!)」

「あれ??2匹とも、どこへ行くの??」

「ちょい待ちーな!!」

ズブについて歩いていくビャッコを里香と柚子が追いかけていく。

そして、数分後…。

「お待たせーー!ミルクもってき…あれ??」

上機嫌で牛乳が入った皿を持ってきた伊織は目を点にしながら、ズブ達がいなくなった正門前に立った。

 

「ゴロゴロ…(これだぜ。フレンドシップカップってのは)」

「キュイー…(へー)」

ズブに案内され、横倒しとなった3つの長い水道管が放置されている空き地に到着する。

その壁にはジャックと彼のエースモンスターが大きく描かれた壁紙が張られている。

上には大きく『フレンドシップカップ近日開催!!シティは1つ、みんな友達!』とカラフルな絵柄で書かれている。

しかし、場所が場所なだけあって、その友達や1つという言葉がとても皮肉っぽく聞こえてしまうのは気のせいだろうか。

「フレンドシップカップなぁー。ま、ウチらには関係ないわな」

「こういう大会があるのね。あ、これが生放送するテレビ局ね」

壁紙の下に『阿久津テレビが生放送!スタジアムに来れないあなたもこれで安心!インターネット放送、ラジオにも対応しています』と小さく書かれていることに気付いた柚子は念のため、メモを取ることにした。

トレーラーの中にはテレビがあり、テレビ局とはつながっていないものの、インターネットにはつながっている。

「ニャー…(んで、この金髪の男がジャック・アトラスで、モンスターの方がこいつのエース、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》)」

「キュキュ?(この人がフレンドシップカップのチャンピオンなの?)」

「ニャゴー(そうだ。3年前にチャンピオンになった。コモンズ出身では史上初のチャンピオンだ)」

「キュー…(なるほどー)」

納得したようにうなずくビャッコだが、里香と柚子はこの2匹が何を話しているのかわからず、首をかしげるだけだった。

 

「…」

シティの中心部であるイリアステル区の白い10階建ビルの屋上で、ポスターに描かれている男が昼間から椅子に座りながらコーヒーを飲んでいる。

屋上にはプールや日傘付きのテーブルがあり、彼はいつもここでコーヒーを飲むのを日課にしている。

ちなみに、飲んでいるのは1杯3000円もする高級コーヒー、ブルーアイズマウンテンだ。

白いコップが空っぽとなり、それをテーブルの上に置くと、彼は目を閉じて静かにつぶやく。

「貴様か?最近治安維持局が必死に殺したがっている男というのは」

つぶやきが終わると同時に、屋上の扉が開く。

そこから出てきたのはヒイロだった。

「やはりな。かなり…やり手のようだな」

「ここのセキュリティがもろいだけだ」

フッと鼻で笑ったジャックは立ち上がる。

左腕にはデュエルディスクがすでに装着されている。

ヒイロの左腕にもデュエルディスクが装着されていた。

ただし、ヒイロのそれはチーム・サティスファクションにいる時代から使っている年代物で、ある程度近代化改修は施されてはいるものの、実態のあるモンスターゾーンと差込型の魔法・罠ゾーン、そして収納形式のフィールド魔法ゾーンが旧型の雰囲気を醸し出している。

なお、このデュエルディスクには両サイドニペンデュラムゾーンが新設されている。

「貴様の狙いは…このキングの首か?」

「今のお前に興味はない。座っているだけの王に願いを言いに来ただけだ。これから起こる事件に関与するなと」

「…。キングは…」

「キングは誰の命令も聞かない…か?」

自分が言おうとした言葉がわかっているかのように遮ったヒイロにジャックの表情が硬くなる。

「何者だ、貴様は」

「お前がデュエルに勝ったら教えてやる」

それから、2人の間にわずかな静寂が生まれる。

そして、互いに5枚のカードを弾く小さな音が静寂を破る。

「「デュエル!!」」

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

 

ジャック

手札5

ライフ4000

 

「俺の先攻、俺は手札から《幻獣クライバンシー》を召喚」

ヒイロの目の前の床にひびが入り、その日々が穴へと変わると、そこから灰色のほっそりとした人間の腕が出てくる。

そして、腕が床にしがみつくと、穴に中から青色のボロボロなフード付きのマントで全身を包んだ人間が出てくる。

白くて長い髪と腕の細さ、肌の色からそれは女性型のゾンビだということがわかる。

 

幻獣クライバンシー レベル3 攻撃1000(チューナー)

 

「そして、このカードは俺のフィールド上に幻獣モンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《幻獣ライフシルフ》を特殊召喚」

 

幻獣ライフシルフ レベル1 守備300

 

「そして、俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

ヒイロ

手札5→2

ライフ4000

場 幻獣ライフシルフ レベル1 守備300

  幻獣ネクロバンシー レベル3 攻撃1000(チューナー)

  伏せカード1

 

ジャック

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「攻撃力1000と守備力300のモンスターを召喚しただけだと?貴様…何を考えている!?」

ヒイロのフィールドが奇妙に見えてしまうのもわからなくはない。

最近では最初のターンに高レベルなモンスターが召喚されるのが自然な状況となっている。

そんな中で、ヒイロのように下級モンスターを並べるだけでターンを終えるのは珍しいことだ。

攻撃力1000のモンスターを攻撃表示で置き、攻撃力を上げるなどの対処をまるでしていないのを含めると、なおさらだ。

「今のお前にはお似合いのフィールドだ」

「何…?」

「檻の中で用意された相手と戦うことしかできなくなった哀れなキングにはな」

ジャックを見下すような言動をするヒイロだが、ジャックは子供ではない。

ささいな罵倒や非難を自分の中でどう対処するかは心得ている。

その1つとして、ジャックはヒイロの言葉を鼻で笑った。

「ふん、いくらでも言え。敗北した瞬間、その言葉は無意味なものへと変わるのだからな。俺のターン!」

 

ジャック

手札5→6

 

「俺は手札から《レッド・スプリンター》を召喚!」

茶色い肌で紫色の2本角の馬がジャックの背後から飛び出す。

前足部分が5本指で人間の手のような形になっているその奇妙な馬は主人を見下すヒイロが許せないのか、体から炎を噴出した。

 

レッド・スプリンター レベル4 攻撃1700

 

「このカードの召喚・特殊召喚に成功したとき、俺のフィールド上にほかのモンスターが存在しないとき、手札・墓地からレベル3以下の悪魔族チューナー1体を特殊召喚できる。俺は手札から《レッド・リゾネーター》を特殊召喚!」

姿こそ《ダーク・リゾネーター》そっくりだが、体のほとんどが炎で構成されているリゾネーターが現れる。

 

レッド・リゾネーター レベル2 攻撃600(チューナー)

 

「このカードの特殊召喚に成功したとき、フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力分俺のライフを回復できる。俺は《レッド・スプリンター》の攻撃力1700の数値だけライフを回復する」

《レッド・リゾネーター》が音叉を鳴らすと、《レッド・スプリンターの炎が勢いを増す。

それに反応するかのように、ジャックの体も炎のオーラに包まれた。

 

ジャック

ライフ4000→5700

 

「レベル4の《レッド・スプリンター》にレベル2の《レッド・リゾネーター》をチューニング」

再び音叉を鳴らした《レッド・リゾネーター》が2つの赤い炎の輪となり、《レッド・リゾネーター》を包む。

そして、《レッド・スプリンター》は赤い炎の中に隠れてしまう。

「赤き魂、ここに1つとなる。王者の雄叫びに震撼せよ!シンクロ召喚!」

ジャックの声に反応するかのように、炎が爆発して周囲に霧散する。

「現れろ、《レッド・ワイバーン》!!」

そして、その炎の中から2枚の羽がある、腕のない2本足の赤い翼竜が現れる。

角と羽の一部に炎が宿り、ヒイロとジャックの周囲が霧散した炎によって燃え盛る。

 

レッド・ワイバーン レベル6 攻撃2400

 

「攻撃力2400のシンクロモンスターか…。いや、というより…」

ヒイロの目は《レッド・ワイバーン》ではなく、自分とジャックの周囲に向けられている。

ソリッドビジョンの演出として、周囲が燃え上がっているのはわかる。

まるで、ジャックの心を満たそうとしているかのように。

「バトルだ。《レッド・ワイバーン》で《クライバンシー》を攻撃!」

《レッド・ワイバーン》は高く飛翔し、《幻獣クライバンシー》はわしづかみしようと急降下を始める。

すると、マントについているフードがとれ、女のゾンビの素顔がさらされる。

灰色の肌で白い瞳、青い唇でどこか楯に細長い顔の女が耳をつんざくような叫び声をあげた。

だが、《レッド・ワイバーン》はその叫び声を気にすることなく女のゾンビをわしづかみする、

そして、そのまま投げ飛ばした。

《レッド・ワイバーン》の炎が燃え移ったのか、体中が炎に包まれ、《幻獣クライバンシー》は杯となりながら地上へ落ちていった。

 

ヒイロ

ライフ4000→2600

 

「ふん…罠カードを発動せず、まんまと攻撃を受けたか…ん?」

攻撃を終えても、ジャックのフィールドへ戻ってこない《レッド・ワイバーン》を見る。

赤い翼竜は攻撃を終えると同時に、苦しみはじめ、屋上に降りてその場でのたうち回っていた。

「これは…!?」

「《クライバンシー》が攻撃表示の状態で相手モンスターの攻撃によって破壊されたとき、受けた戦闘ダメージ分俺のライフが回復し、同じ数値分攻撃モンスターの攻撃力が次の俺のターン終了時までダウンする。奴の脳にあの叫びが長く続いているということだ」

 

ヒイロ

ライフ2600→4000

 

レッド・ワイバーン レベル6 攻撃2400→1000

 

「なんだ、これは?俺が全力で来るという前提でデュエルをしているのか?」

「全力で戦うつもりはない…と言いたいのか?」

「そうだ、今のお前とは全力で戦いたいとは思わない」

「ふん、ほざいていろ。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

ヒイロ

手札2

ライフ4000

場 幻獣ライフシルフ レベル1 守備300

  伏せカード1

 

ジャック

手札6→3

ライフ5700

場 レッド・ワイバーン レベル6 攻撃1000

  伏せカード1

 

苦しみながらも、《レッド・ワイバーン》はジャックのフィールドまで戻ってくる。

脳裏に響く叫び声に耐えながらであるためか、体に宿る炎が若干小さくなっている。

「俺のターン」

 

ヒイロ

手札2→3

 

「俺は手札から魔法カード《幻獣の角笛》を発動。相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、俺のフィールド上に幻獣が存在するとき、デッキから名前の異なる幻獣モンスターを2体手札に加える」

ヒイロのフィールドに黄土色で飾りのない角笛が現れ、《幻獣ライフシルフ》が吹き始める。

すると、ヒイロのデッキから2枚の幻獣が自動排出され、彼の手に加わる。

 

幻獣の角笛

通常魔法カード

「幻獣の角笛」は1ターンに1度しか発動できず、このカードを発動したターン、自分は「幻獣」モンスターしか特殊召喚できない。

(1):相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、自分フィールド上に「幻獣」モンスターが存在するとき発動できる。自分のデッキからカード名の異なる「幻獣」モンスター2体を手札に加える。

 

「そして俺は、スケール1の《幻獣騎士ワイルドホーン》とスケール5の《幻獣賢者クロスウィング》でペンデュラムスケールをセッティング」

ヒイロの右手側に銀色の重装な騎士の鎧と同じ色の西洋槍を装備した《幻獣ワイルドホーン》と若干透明な青の宝石が埋め込まれた銀色の首飾りをかけた《幻獣クロスウィング》が左手側に現れ、青い光の柱を生み出す。

「運命の重力を測る力よ、戦いの宿命にささやかな波紋を呼べ。ペンデュラム召喚!」

ヒイロの頭上に波紋が生まれ、そこからモンスターが出てくる。

「現れろ、《幻獣クライバンシー》、《幻獣フォレストアルミラージ》」

波紋の中から《幻獣クライバンシー》とともに黄色い体毛で額から黒いらせん状の角をはやしているウサギが現れる。

 

幻獣クライバンシー レベル3 攻撃1000(チューナー)

幻獣フォレストアルミラージ レベル4 攻撃1800

 

「そして、《幻獣王ロックリザード》」

最初に現れた2体の幻獣が左右に間を開けると、そこには緑色のコケでできたマントと黒曜石でできたハルバードを手にした《幻獣ロックリザード》が降りて来る。

 

幻獣王ロックリザード レベル7 攻撃2200

 

「レベルが高いにもかかわらず、攻撃力の低いモンスターを…。また《クライバンシー》のように俺の心を逆なでしようというのか?」

いまだに苦しむ《レッド・ワイバーン》のこともあるのか、いつも通りの低い声ではあるが、若干怒りの色を見せている。

「熱くなるな、たかがデュエル。いつも通りの何の変哲もないデュエルだろ?《幻獣王ロックリザード》はペンデュラムゾーンに存在するカードが幻獣カードだけの場合、ペンデュラムスケールを無視してペンデュラム召喚できる」

「ペンデュラム召喚…。テレビで見たが、面白い召喚法だ」

「デュエルを利用したヒーロー劇のことだな」

「意外だな。逃走生活を送る中でもそういう情報を得ているとは」

「訓練していたからな」

ヒイロとジャックが言っているのは、2週間前にシティの街角ニュースのことだ。

場所はルチアーノ区で、そこでは権現坂とデニスが情報収集と旅費稼ぎ、およびデニス自身の気まぐれでヒーローショーまがいのデュエルを行った。

そこで権現坂はシンクロ召喚を、デニスはペンデュラム召喚を見せた。

なお、これは追加情報ではあるが、2人は黒咲と共にその翌日の夜に地下デュエル場摘発の際の逮捕者に含まれている。

「だが、こうした戦略は2度も通用しないな…」

「何?」

「俺はレベル4の《フォレストアルミラージ》にレベル3の《クライバンシー》をチューニング」

《幻獣クライバンシー》が再び叫び声をあげると、その体を3つの緑色の輪に変え、《フォレストアルミラージ》を包む。

「シンクロ召喚。《幻獣猿王ゼーマン》」

 

幻獣猿王ゼーマン レベル7 攻撃2500

 

ペンデュラムシンクロの成功により、ヒイロのフィールドにレベル7のモンスターが2体並ぶ。

また、《幻獣クライバンシー》の効果で下がっているとはいえ、《レッド・ワイバーン》の攻撃力を大きく上回っている。

「このまま好きにはさせん!《レッド・ワイバーン》の効果発動!シンクロ召喚に成功したこのカードが存在し、このカードよりも攻撃力の高いモンスターが存在するとき、1度だけフィールド上で最も攻撃力の高いモンスター1体を破壊できる。《幻獣猿王ゼーマン》にはここで消えてもらう」

《レッド・ワイバーン》が伏せていた顔を起こし、《幻獣猿王ゼーマン》に向けて炎のブレスを放つ。

「その程度か…?《幻獣騎士ワイルドホーン》のペンデュラム効果を発動。俺のフィールド上に存在する幻獣がカード効果で破壊されるとき、代わりにこのカードを破壊する」

《幻獣騎士ワイルドホーン》が光の柱から飛び出し、《幻獣猿王ゼーマン》の楯となって炎を受ける。

そして、ヒイロに向けてわずかに顔を横に向け、うなずいた後で炎とともに消滅した。

「そして、俺はデッキからカードを1枚ドローする」

 

ヒイロ

手札0→1

 

幻獣騎士ワイルドホーン

レベル4 攻撃1700 守備0 地属性 獣戦士族

【Pスケール:青1/赤1】

(1):自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスターが効果で破壊されるときに発動できる。代わりにこのカードを破壊する。その後、デッキからカードを1枚ドローする。

【モンスター効果】

(1):このカードが自分フィールド上に表側表示で存在し、自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

 

「ペンデュラムゾーンに存在するモンスターはモンスター効果を使用できない代わりにペンデュラム効果を発動できるというわけか。それに、ペンデュラムゾーンに置くときは魔法カードとして扱われる…か」

「そうだ。俺もまだペンデュラム召喚に慣れているというわけではないが…」

ヒイロは身代わりとなった《幻獣騎士ワイルドホーン》を表向きでエクストラデッキに置く。

エクストラデッキにはほかにも、《幻獣クライバンシー》と《幻獣フォレストアルミラージ》がいる。

「バトル。俺は《ロックリザード》で《レッド・ワイバーン》を攻撃。ロックアックス」

《幻獣王ロックリザード》が黒曜石の斧を大きく振りかざし、《レッド・ワイバーン》に向けて振り下ろす。

思い斧の一撃により、赤き翼竜は力を使い果たしたせいか、静かに目を閉じ、そのまま真っ二つに切り裂かれた。

 

ジャック

ライフ5700→4500

 

「さらに、《幻獣王ロックリザード》の効果発動。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、相手に500ダメージを与える」

《幻獣王ロックリザード》の斧が床に当たったとき、床が砕け、床の破片がジャックの体に当たる。

「ふん…」

ダメージを受けたジャックは演出の割には大したダメージを与えなかった《幻獣王ロックリザード》を鼻で笑った。

「まだ終わらない。《幻獣猿王ゼーマン》でダイレクトアタック。猿王の炎」

《幻獣猿王ゼーマン》が口から炎を放つが、ジャックの目の前に緑色の渦が発生し、炎を飲み込んでいく。

「何…?」

「俺は罠カード《王魂調和》を発動した。相手モンスターのダイレクトアタックを無効にする。そして、墓地のチューナー1体とチューナー以外のモンスターを素材に、シンクロ召喚を行う。俺は墓地の《レッド・ワイバーン》と《レッド・リゾネーター》をチューニング」

渦の中から赤い右こぶしが出てきて、それが炎を受け止めている。

「王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい!シンクロ召喚!荒ぶる魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!!」

受け止めた炎を自分の中に取り込みつつ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が渦の中から出てくる。

「ほぉ、これがこの世界の《レッド・デーモンズ》…」

目の前に現れた赤い破壊竜をゼーマンは興味深く見つめた。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

ヒイロ

手札1→0

ライフ4000

場 幻獣ライフシルフ レベル1 守備300

  幻獣猿王ゼーマン レベル7 攻撃2500

  幻獣王ロックリザード レベル7 攻撃2200

  幻獣賢者クロスウィング(赤) ペンデュラムスケール5

  伏せカード1

 

ジャック

手札3

ライフ4500

場 レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000

 

「俺のターン!」

 

ジャック

手札3→4

 

「ふん…キングの力を思い知るがいい!《レッド・デーモンズ》の効果発動。1ターンに1度、このカード以外で、このカードの攻撃力以下の特殊召喚された硬貨モンスターをすべて破壊し、破壊したモンスター1体につき、500のダメージを与える!」

「何…?」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の目が光り、口にオレンジ色の炎が集まってくる。

ヒイロのフィールドに、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の攻撃力を上回るモンスターはいない。

すべて破壊されてしまう。

「アブソリュート・パワー・フレイム!!」

「この瞬間、《幻獣賢者クロスウィング》のペンデュラム効果を発動!」

「このタイミングでペンデュラム効果だと!?」

《幻獣賢者クロスウィング》が光の柱から出て、両翼から金色の羽を放つ。

「1ターンに1度、俺のフィールド上に幻獣が存在するとき、相手モンスター1体の攻撃力をターン終了時まで1000ダウンさせる」

金色の羽が《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の腹部に刺さり、その痛みで破壊竜の炎の勢いを弱める。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000→2000

 

「ちっ…だが、《ライフシルフ》はこれで破壊される!」

「俺は罠カード《メタル・コート》を発動。発動後、このカードが装備カードとなり、俺のフィールド上に存在するモンスター1体に装備。装備モンスターはカード効果では破壊されない」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》がダメージを無視して炎を吐く。

しかし、《幻獣王ロックリザード》は持っている斧を盾にし、《幻獣猿王ゼーマン》は自らが吐く炎で相殺し、《幻獣ライフシルフ》は表向きとなって《メタル・コート》のカードのソリッドビジョンの後ろに隠れてやり過ごす。

 

幻獣賢者クロスウィング

レベル4 攻撃1300 守備1300 光属性 獣戦士族

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、自分フィールド上に「幻獣」モンスターが存在するとき、相手フィールド上に存在するモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで1000ダウンさせる。この効果は相手ターンでも発動できる。

【モンスター効果】

(1):このカードがエクストラデッキに表側表示で存在する限り、フィールド上の「幻獣」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

 

「ちっ…!」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の破壊効果をかわされたことに舌打ちする。

このまま破壊に成功していたなら、一気にヒイロのライフを0にすることができた。

《幻獣賢者クロスウィング》が存在する限り、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》は攻撃力実質2000で、これでは破壊できるモンスターが少なくなる。

「ならば、そのか弱い精霊には退場してもらう!《レッド・デーモンズ》で《幻獣ライフシルフ》を攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が再び炎を放ち、《幻獣ライフシルフ》を焼き尽くそうとする。

しかし、《幻獣猿王ゼーマン》のブレスが割り込む。

炎と炎がぶつかり合い、行き場をなくしたエネルギーがそこにたまっていく。

「《ゼーマン》の効果発動。このカードは1ターンに1度、モンスター1体の攻撃を無効にする。

しかし、炎を受けて炎上しているのは《メタル・コート》だけだ。

「《メタル・コート》の効果発動。装備モンスターが戦闘で破壊されるとき、代わりにこのカードを墓地へ送ることができる」

「ならば、このカードの効果を受けてもらう。俺は手札の《レッド・ハンター》の効果を発動!俺のフィールド上に《レッド・デーモンズ》が存在するとき、このカードを手札から墓地へ送ることで、《レッド・デーモンズ》はこのターン、もう1度だけ攻撃することが可能となる。そして、攻撃力が1000アップし、貫通効果を得る」

ジャックのフィールドに額に黒い黒曜石の破片のような角をつけていて、左目が黒い眼帯で隠れている迷彩服姿の赤い人型悪魔が光となって、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の肉体に宿る。

すると、炎が勢いを増していき、竜の目線が《幻獣ライフシルフ》から《幻獣猿王ゼーマン》に向けられる。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃2000→3000

 

レッド・ハンター

レベル5 攻撃2000 守備2000 効果 炎属性 悪魔族

「レッド・ハンター」の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在するとき、このカードはリリース無しで召喚できる。

(2):自分のターンのバトルフェイズ時、自分の手札・フィールド上に存在するこのカードを墓地へ送り、自分フィールド上に存在する「レッド・デーモン」Sモンスター1体を対象に発動できる。選択したモンスターの攻撃力がターン終了時まで1000アップし、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。また、そのモンスターこのターンのバトルフェイズ中2回攻撃することができる。

 

「キングの道を妨げる偽りの王を焼き尽くせ、《レッド・デーモンズ》!!」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の炎が《幻獣猿王ゼーマン》を彼の炎もろとも飲み込んでいく。

「くぅ…済まぬ、ヒイロ」

「大丈夫だ、まだ負けていない」

その言葉に安心したのか、ゼーマンはわずかに左唇を上にあげ、そのまま消滅した。

 

ヒイロ

ライフ4000→3500

 

「これで、キングの邪魔をするものはいなくなったな」

「俺は《ゼーマン》の効果を発動。このカードが戦闘で破壊されたとき、デッキから幻獣を1体手札に加える。俺はデッキから《幻獣の守護者サンダーペガス》を手札に加える」

「またペンデュラムモンスターか…」

「そう簡単にその道を通すわけにはいかないからな」

「ふん…!俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!この瞬間、《クロスウィング》と《レッド・ハンター》の効果は消える」

 

ヒイロ

手札1(《幻獣の守護者サンダーペガス》)

ライフ3500

場 幻獣ライフシルフ(《メタル・コート》装備) レベル1 守備300

  幻獣王ロックリザード レベル7 攻撃2200

  幻獣賢者クロスウィング(赤) ペンデュラムスケール5

 

ジャック

手札4→1

ライフ4500

場 レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000

  伏せカード2

 

「俺のターン」

 

ヒイロ

手札1→2

 

「ヒイロ・リオニス…なぜだ?」

カードをドローしたヒイロに突然、ジャックが質問する。

「なぜ、というのは…なんだ?」

「なぜここまで俺の戦略をかわすことができる?まるで…俺を知り尽くしているかのように」

先ほどの《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の時といい、前のターンの《レッド・ワイバーン》の効果破壊をかわした時といい、それはまるで最初からそのような行動をとることを知っているかのような対策の仕方だった。

ペンデュラムスケールを生み出した2体のペンデュラムモンスターはまさにこの2体にとっては危険な効果を持っている。

そのことがジャックにとっては違和感のあることだった。

「今のお前にその答えを知る必要はない。俺はレフトペンデュラムゾーンに先ほど手札に加えた、スケール3の《幻獣の守護者サンダーペガス》をセッティング」

《幻獣騎士ワイルドホーン》が残した光の柱を受け継ぐかのように、自身の周囲にエメラルドでできたタワーシールド3つを浮遊させている《幻獣サンダーペガス》が出て来る。

「これで俺はレベル4のモンスターを同時に召喚可能。今再び、戦いの宿命にささやかな波紋を呼べ。ペンデュラム召喚」

再び頭上に生まれる波紋から、《幻獣フォレストアルミラージ》が出て来る。

 

幻獣フォレストアルミラージ レベル4 攻撃1700

 

「さらに、《幻獣の守護者サンダーペガス》のペンデュラム効果発動。ペンデュラムゾーンに存在するこのカードを破壊し、俺のフィールド上に存在する幻獣1体をターン終了時までチューナーとして扱うことができる」

「何!?」

《幻獣の守護者サンダーペガス》の3枚のタワーシールドから緑色の光が放たれ、それが《幻獣ライフシルフ》を貫く。

すると、風の妖精は緑色の輪に代わり、《幻獣王ロックリザード》を取り込んでいく。

「レベル7の《ロックリザード》にレベル1の《ライフシルフ》をチューニング。深海に眠りし破邪の水龍よ、敵の技を無にし、激流の如く邪悪を薙ぎ払え。シンクロ召喚。出でよ、《マリンフォース・ドラゴン》」

「はああああ!!」

ヒイロのエースカード、《マリンフォース・ドラゴン》ことアクアがフィールドに現れる。

それと同時にアクアに宿る水の力のせいか、周囲に燃え上がっていた炎が次第に消えていった。

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

 

幻獣の守護者サンダーペガス

レベル4 攻撃700 守備2000 光属性 獣戦士族

【Pスケール:青3/赤3】

「幻獣の守護者サンダーペガス」の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスター1体の戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0となる。

(2):このカードを破壊し、自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスター1体を対象に発動できる。選択したモンスターはターン終了時までチューナーとして扱う。

【モンスター効果】

(1):相手モンスターの攻撃宣言時、エクストラデッキに表側表示で存在するこのカードを墓地へ送り、自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスター1体を対象に発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊される、その先頭で発生する自分へのダメージが0となる。

 

幻獣王ロックリザード

レベル7 攻撃2200 守備2000 闇属性 獣戦士族

【Pスケール:青4/赤4】

「幻獣王ロックリザード」の(1)のP効果はデュエル中1回しか発動できない。

(1):このカードが自分のPゾーンに存在し、もう片方に「幻獣」Pカードが存在するときに発動できる。ターン終了時までこのカードのPスケールを0にする。

【モンスター効果】

自分のPゾーンに存在するカードがどちらも「幻獣」Pカードのみの場合、このカードはPスケールに関係なくP召喚することができる。

(1):このカードは「幻獣」モンスター1体をリリースすることで、手札からアドバンス召喚できる。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したときに発動できる。500ダメージを相手に与える。

(3):相手のカード効果によってこのカードが破壊されたときに発動できる。2000ダメージを相手に与える。

 

幻獣クライバンシー

レベル3 攻撃1000 守備1000 闇属性 アンデット族

【Pスケール:青2/赤2】

「幻獣クライバンシー」の(1)のP効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に存在する「幻獣」モンスターが戦闘によって破壊されたときに発動できる。Pゾーンに存在するこのカードを表側守備表示で特殊召喚する。

【チューナー:効果】

「幻獣クライバンシー」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが相手モンスターの攻撃によって破壊されたときに発動できる。そのとき受けた戦闘ダメージの数値分自分LPを回復し、攻撃モンスターの攻撃力を次の自分のターン終了時まで同じ数値分ダウンさせる。

 

幻獣フォレストアルミラージ

レベル4 攻撃1700 守備1500 地属性 獣族

【Pスケール:青6/赤6】

(1):1ターンに1度、自分フィールド上に存在する「幻獣」チューナー1体を対象に以下の効果を発動できる。

●選択したモンスターのレベルをターン終了時まで1つ上げる。

●選択したモンスターのレベルをターン終了時まで1つ下げる。

【モンスター効果】

(1):このカードが戦闘で相手にダメージを与えたとき、相手フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を対象に発動できる。選択したカードを破壊する。

 

メタル・コート

通常罠カード

(1):発動後、このカードは装備カード扱いとなり、自分フィールド上に存在するモンスター1体に装備する。この効果で装備カード扱いとなっているこのカードを装備したモンスターは効果では破壊されない。

(2):(1)の効果で装備カード扱いとなっているこのカードを装備したモンスターが戦闘で破壊されるとき、代わりにこのカードを墓地へ送ることができる。

 

 

ドドドドド!!!

屋内から激しい足音が聞こえてくる。

「時間切れか…」

ヒイロはデュエルディスクのスイッチを押し、ソリッドビジョンを消す。

「デュエルは中止だ。邪魔が入った」

「貴様…逃げる気か!?」

「そうとってかまわない。もう1度言っておく。これから起こる事件にかかわるな」

そういうと、ヒイロは走り出す。

そして、屋上から飛び降りていった。

「何!?ここを何階だと思っている!?」

驚いたジャックは彼が飛び降りた場所へ行き、そこから下をのぞく。

昼間のせいか、下には多くの通行人がいる。

だが、不思議なことに誰も騒ぐことはなく、いつも通りの光景を見せるだけだった。

「お怪我はありませんか?キング」

ジャックの元に白い燕尾服と黒いサングラスの男が来る。

「大事ない」

「申し訳ありませんでした。われらがキングにこのようなご面倒を…」

「ふん…」

再び椅子に座ると、燕尾服の男はブルーアイズ・マウンテンをコップに入れ、ジャックに手渡す。

「評議会からの伝言は?」

「はい…。今年開催するフレンドシップカップの前夜祭で、キングとデュエルをしてほしい相手が見つかったとのことです」

「誰だ?」

「こちらの少年です」

男はジャックに1枚の紙を渡す。

紙には榊遊矢という名前が書かれており、写真と個人情報の一部が載っている。

また、追加で受け取った写真には収容所での彼のデュエルする姿が映っていた。

「…ふん、気に入らん目をした男だ」

 




あれ?アニメのジャックと何か違うと思った人。
今回の小説ではジャックにも成長してもらおうと思い、少し彼の心境などに変化を加えてみました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。