遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

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第20話 駆けろ 飛べ 泳げ

ついに始まったTDC本選!!昨日までの激戦を潜り抜け、この戦場に現れた25組のデュエリストたちが入場するぞーーー!!!!)

MCの実況と共に、翔太と伊織、そして本選出場を果たした25組が観客からの完成を受けて入場する。

 

本選出場組

●遊勝塾のダークホース 秋山翔太&永瀬伊織

●Mr.マシンブラザーズ ジョー・ハインリヒ&カイル・ディクソン

●盲目の毒蜘蛛 ジョンソン・オーベル

●アメリカからやってきた流浪のデュエリスト ハンス・アンデルセン&ジェイク・クロコダイル

●砂漠の王者 リシド・ヴァショス&マリク・ヴァショス

●デュエル警察 牛尾哲夫&風間走兵

●デュエルの科学者 三沢大樹&アルバート・アインシュタイン

●チーム黒蠍 マグレ&チック

●黒き翼と白き刃 ロベルト・ピアスン&クリス・ボルガー

●凸凹兄弟 プラシド・イリアス&ルチアーノ・イリアス

●沈黙のデュエリスト アモス・ガラム&シド・ガラム

●意外性の鬼神 枢密院セクト&山上太郎

その他もろもろ…。

 

「っておい!!!!!」

作者に紹介を省略されたデュエリストたちが抗議してくる。

仕方ないだろう、モブキャラの名前と顔、デッキを考えるほど暇じゃないのだから。

「(サボるな作者…)それで、こいつらとこれからタッグアクションデュエルをするのか?」

「翔太君、こいつらって…」

(では、これから行うのはビークルデュエルだーーーー!!)

「ビークルデュエル…?」

聞いたことのないデュエルの名前に首をかしげ、伊織を見る。

しかし、伊織も知らない様子で首をかしげていた。

(これから行うのはこの町全体をコースとするレース!!2人のプレーヤーが1体のモンスターに乗り、デュエルをする!!そして、乗っているモンスターはビークルモンスターとなり、ビークル効果が与えられる。例えば…!!)

画面に《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》が表示される。

(たとえばこの《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》は地上を走るモンスター!このモンスターに与えられるビークル効果は1ターンに1度、攻撃を行う自分のモンスターの攻撃力を600ポイントアップさせる!!そして、与えられるビークル効果はモンスターによって異なるぞーーー!!)

「となると…選んだビークルモンスターによって明暗が分かれることもあるということか…」

「ええっと、俺たちはどれを…」

選手たちがそれぞれのパートナーと話しあい、ビークルモンスターを決める。

「うー…私のデッキには乗れるモンスターは《フレンドック》しかないよ…。翔太君、いいモンスターある?」

「こいつなら、伊織も乗れるな」

翔太がデッキから出したのは《魔装船ヴィマーナ》。

船の先に五芒星が刻まれ、6枚の翼がついている黄金の戦闘機だ。

 

魔装船ヴィマーナ

レベル7 攻撃2400 守備1500 光属性 機械族

【Pスケール青3:赤3】

「魔装船ヴィマーナ」の(2)のP効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードはもう片方の自分のPゾーンに置かれているPモンスターが「魔装」モンスター以外の場合、墓地へ送られる。

(2):自分か相手がP召喚に成功した時、自分はデッキからカードを1枚ドローする。

【モンスター効果】

(1):自分フィールド上に表側表示で存在する「魔装」モンスターの攻撃力は相手フィールド上・エクストラデッキに存在するPモンスター1体につき300ポイントアップする。

 

デュエルディスクに設置すると、《魔装船ヴィマーナ》のビークル効果が表示される。

「こいつのビークル効果は1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃を無効にする…」

「《くず鉄のかかし》と同じ効果だね」

(なお、ビークルモンスターはコース上に設置されているチェンジポイントで変更できる。また、ダメージを受ければ受けるほどビークルモンスターはスピードダウン。それでもレースは続行でき、チェンジポイントでビークルモンスターを変更すればそれを解消できる。しかし、ライフが0になればその時点で脱落。そして、第2回戦に出場できるのは上位8組のみ!!ビークルモンスターは1組につき1体!慎重に選んでくれーーー!!)

「8組だけだと…!!?」

「ってことはこのレースで17組は脱落するのか…?」

その発言は少し語弊がある。

確かにこのレースでは少なくとも17組が脱落する。

しかし、少なくともだ…。

例えばすべての相手のライフを0にし、たった1組だけゴールした場合はその瞬間優勝が決まる。

更に17組を超える数の組が脱落すれば、その分だけ次へ進める組の数が減ることになる。

(ここで注意!!選択したビークルモンスターは自分のターン中に特殊召喚することができる。その場合でも本来の効果に加えてビークル効果を使用することができるが、ビークルモンスターがフィールドから離れたとき、チェンジポイントまでは自力で向かわなければならない!!)

それぞれの組がビークルモンスターを決めると、それに乗ってスタートラインに立つ。

(これより第1チェンジポイントまでのフィールドが決定する!!フィールド魔法発動!!)

コンピュータが数多く存在するアクションフィールドから1つを選択する。

選択されたフィールドは《ルネッサンスシティ》だった。

その瞬間、第1チェンジポイントまでのコースとなる道とその周囲の風景がルネッサンス期のイタリアのそれに変化していく。

ちなみに、コースとなる道路付近はあらかじめ一般人の立ち入りを禁止にしている。

(ここまでやるのか…?本当にとんでもない財力があるんだな…)

(このビークルデュエルではアクションカードは存在しない!!己のデッキとパートナー、そしてビークルモンスターを信じ、戦い抜いてくれーーーー!!では…ビークルデュエル、スタートーーーー!!!)

設置されている信号機が赤から青に変わる。

それと同時にすべてのビークルモンスターが動き出した。

 

伊織&翔太

手札

伊織5

翔太5

ライフ4000

 

翔太が《魔装船ヴィマーナ》を操縦する。

「伊織、最初のターンはお前がデュエルをしろ。可能な限りライフとスピードを削ってやれ」

「はーい。私のターン、手札から《E・HEROエアーマン》を召喚!」

 

E・HEROエアーマン レベル4 攻撃1800

 

「《エアーマン》の効果発動!このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからHEROを1体手札に加えるよ!私はデッキから《E・HEROブレイズマン》を手札に!そして、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

伊織&翔太

手札

伊織5→3(うち1枚《E・HEROブレイズマン》)

翔太5

ライフ4000

場 E・HEROエアーマン レベル4 攻撃1800

  伏せカード2

  魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

(まあ、最初のターンはこれでいいか)

ビークルデュエルでは最初のターン、全員のプレイヤーは攻撃できない。

そして、今の伊織の伏せカードと《魔装船ヴィマーナ》であればある程度攻撃に耐えることができる。

更にフィールドは複雑な街並みである《ルネッサンスシティ》。

空中を移動できる《魔装船ヴィマーナ》に有利だ。

「どけどけどけぇ!!」

「ちっ…後ろから来たな」

《ダーク・ダイブ・ボンバー》に乗った組が翔太たちの前に出る。

「さっさと退場させてやる!!《ダーク・ダイブ・ボンバー》のビークル効果!こいつは俺のフィールドに存在する闇属性モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる!《ガンナードラゴン》でダイレクトアタック!!」

キャタピラがと砲台のある赤い竜を模した機械《可変機獣ガンナードラゴン》が翔太たちに狙いを定め、火炎弾を発射する。

 

可変機獣ガンナードラゴン レベル7 攻撃2800→3800

 

「《魔装船ヴィマーナ》のビークル効果。こいつは1ターンに1度、相手の攻撃を無効にする」

《魔装船ヴィマーナ》がバレルロールをし、火炎弾を回避する。

「くっそぉ!!俺たちはこれでターンエンド!!」

「俺のターン」

操縦を伊織に交代させた翔太がカードをドローする。

 

翔太

手札5→6

 

「俺は手札から《魔装獣剣スイモウ》を召喚」

 

魔装獣剣スイモウ レベル4 攻撃1200

 

「このカードはダイレクトアタックをすることができる。いけ、《スイモウ》!」

《魔装獣剣スイモウ》が《可変機獣ガンナードラゴン》の弾幕を潜り抜け、《ダーク・ダイブ・ボンバー》に乗る2人の相手を切り裂く。

「うわああ!!」

ダメージを受けたことにより、《ダーク・ダイブ・ボンバー》が失速する。

 

敵タッグA ライフ4000→2800

 

「よし…これで距離は稼げたな」

バトルフェイズが終了し、相手の失速を見届けながら《魔装獣剣スイモウ》が手札に戻る。

「しょ、翔太くーん!!どうやって操縦すればいいの??」

「車と同じ感覚だ。それで分かるだろ?」

「分かるだろって…私、免許取ってないよー!」

《魔装船ヴィマーナ》が訳の分からない動きを取り始め、危うく近くの建物に当たりそうになる。

「ちっ…。よく聞け。こいつの操縦は…」

 

「…」

《グランド・スパイダー》に乗ったジョンソンは杖を額に当てたままで特に行動を起こす気配がない。

「なんだコイツ?フィールドに何もカードがねえぞ?」

「ならやることは1つだ!!」

2組のデュエリストがジョンソンに狙いを定める。

「俺のターン、ドロー!俺は手札から《ゴブリンエリート部隊》を召喚!」

銀色の鎧と将剣を装備したゴブリンの集団が現れる。

 

ゴブリンエリート部隊 レベル4 攻撃2200

 

「そして、《ジャッカルの霊騎士》のビークル効果は1ターンに1度、俺のフィールドに存在するレベル4以下のモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターを墓地から表側守備表示で特殊召喚できる。これで手札からモンスターを特殊召喚しようが関係ねえ。やれ、《ゴブリンエリート部隊》!!」

《ゴブリンエリート部隊》が丸裸同然のジョンソンに向けて剣を掲げて突撃する。

「《グランド・スパイダー》のビークル効果発動。相手の直接攻撃宣言時、デッキからスパイダーモンスター1体を特殊召喚し、攻撃対象をそのカードに変更させる。この効果はデュエル中2回まで使用できる」

地中から6本の足が現れ、《ゴブリンエリート部隊》を捕縛する。

そして、口がシュレッダーのようになっている巨大なクモの頭がその哀れな兵士たちを捕食した。

「このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える」

「う…嘘ーーーー!!!?」

シュレッダーのような口から放たれた赤い光線が《ジャッカルの霊騎士》もろとも敵タッグを焼き尽くす。

 

敵タッグB

ライフ2500→2200→0

 

「ふう…これで分かったな?こいつの操縦の仕方は」

「うん、さっすが私のパートナー!」

「お前が頼りないだけだ」

嬉しそうに操縦する伊織に少々うんざりしている。

《魔装獣ユニコーン》や《魔装獣剣スイモウ》の攻撃、そして罠カードで他のプレイヤーをけん制しつつ、前へ進んでいく。

「ええっと、ここまででもう2組が脱落していて…!!翔太君!!」

「なんだよ、伊織」

「翔太君、あれを見て!!」

「な…!?」

伊織が指差した方向には2本の光の柱、ペンデュラム召喚時に発生するエフェクトが見える。

翔太から見て右側に金髪で青と白の制服のような服装の片手剣士が、左側には青髪で黒い袖なしのローブを着た魔道士がいる。

そして、これからペンデュラム召喚されるのは…。

「これで俺はレベル3から4のモンスターを同時に召喚可能!宝玉の力を持つ聖なる獣たちよ、今こそ大いなる力の元に集結せよ!ペンデュラム召喚!!現れろ、俺の友達!!《宝玉獣サファイア・ペガサス》、《宝玉獣トパーズ・タイガー》!!」

サファイアでできた角と宝玉がついた白銀のペガサスと足と額に鋭い刃がある白と黒のストライプの虎が現れる。

「またペンデュラムモンスター…!?」

「俺と赤馬、遊矢、沢渡以外にもペンデュラム召喚を…一体どこで…?」

昨日に修造からの連絡で、沢渡がペンデュラム召喚を使ったということは知っているが、まさかここで新しいペンデュラム使いと出会うとはどうして思えただろう。

「ハンス、LDSが貸したっていうニューカードの調子はどうだ?」

「いい調子だ…。俺の宝玉獣にすごくなじんでる!」

《古生代化石マシンスカルコンボイ》に乗るハンスが笑顔でジェイクの言葉に答えた。

(それにしても、あのペンデュラムモンスター…。ハンスにそっくりだぜ)




アニメがまだ2日目の夜なので、今回はここまでです。
それにしても、まさかこの時期に新しい宝玉獣シリーズのカードが出るとは思いませんでした。
もしかして、GXのデッキが原作者のマイブームだからでしょうか…?

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