「香山家と君が出会ってしまったことが、この全ての人生が狂ってしまったことだ」
ーby.ネオピエールー
《アッアッアッアッ、明日香くん! さあ、パック開封デスマッチの時間だよ! しかし、いい乳だね君は!?》
《ピエール!? また性懲りもなくこんなことをして!?》
《私はデスマッチだけが生き甲斐なのだよメデューサくん!》
《皆を解放しなさいピエール!? くそっ!? パック開封デスマッチをするしかないんですね……!》
「………………ヴェ――メデューサ先生って腹話術上手いわね」
「まあ、元々腹話術得意そうな身体してるからな」
なぜ香山ピエールなのか、悪いのは人形なのか、ヴェノミナーガさんがやらされている設定なのか。そんな疑問を消し飛ばし、勝手に人格が分裂したような言葉を話しているヴェノミナーガさんを見ていると、本当に何故こんなのが俺の精霊なのか考え、とても悲しい気分になる。
それを他所に、脱落した丸藤を除くヴェノミナーガさん、俺、明日香、十代、万丈目、藤原、ツァンの6名は黙々と100パックを剥いて行く。いつの間にか発生していた天音ちゃんは見学である。
シークレットレア(3点)
デビルマゼラ
星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300
このカードは通常召喚できない。このカードは「万魔殿-悪魔の巣窟-」がフィールド上に存在し、 自分フィールド上に表側表示で存在する「ゼラの戦士」1体を 生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚できる。このカードが特殊召喚に成功した場合、相手はランダムに手札を3枚捨てる。この効果は自分フィールド上に「万魔殿-悪魔の巣窟-」が存在しなければ適用できない。
ウルトラレア(2点)
星8/闇属性/天使族/攻2800/守2300
自分の墓地に闇属性モンスターが4種類以上存在する場合、このカードは闇属性モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):手札から闇属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
(2):このカードの(1)の効果を発動したターンのエンドフェイズに発動する。このカードを破壊する。
ウルトラレア(2点)
星8/光属性/天使族/攻2800/守2300
このカードは通常召喚できない。このカードは「天空の聖域」がフィールド上に存在し、自分フィールド上に表側表示で存在する「ゼラの戦士」1体を 生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚できる。光属性のモンスターカード1枚を手札から墓地に捨てる事で、相手フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。この効果は自分フィールド上に「天空の聖域」が存在しなければ適用できない。
ウルトラレア(2点)
ゼラ
儀式モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300
「ゼラの儀式」により降臨。
俺は9点だった。大概上振れた気がするが、ヴェノミナーガさんは16点とかいう大人げなさ過ぎる得点をまた叩き出しているため暫定1位である。
「いや、リックさんも当て過ぎな上、引きの偏りが可笑しいッスよ……」
最初の犠牲者となった丸藤が伸びたまま
そして、パック開封デスマッチなるモノの二順目の脱落者は――。
「なんなのよこれ……ホントなんなのよ……」
3点だったツァンであった。彼女は引きに余り頼らない堅実なデッキ構成が売りの六武衆を使っていたりする辺り、ドローにそこまでは秀でていないため仕方あるまい。
《アッアッアッアッ! また、尊い犠牲者が出てしまったぞリックくん!》
《では今回は私が直々に制裁してくれましょうねぇ!?》
「勝手に犠牲者増やしてるんだよなぁ……」
腹話術を交えつつ最初からフルスロットルなヴェノミナーガさんは、新しいデッキを取り出してデュエルディスクに差し込む。
「な・に・が制裁よッ! 要は勝てばいいんでしょう勝てば!?」
《なに勘違いしているんですか?》
「えっ……?」
《あなたにターンなんか回ってきませんよ?》
最初から嫌な予感しかしなかったが、この時点でそれは半ば確信に変わる。
そして、先にデュエルディスクを起動したヴェノミナーガさんは、恐らくはクソみたいなデッキで、無理矢理先攻をぶん取るという姑息極まりない手段を行った。
制裁神ヴェノミナーガ
LP4000
ツァン
LP4000
《ドロー! おらッ!! "
制裁神ヴェノミナーガ
手札5→6
星4/光属性/魔法使い族/攻 0/守2000
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。
(2):このカードの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
ATK0
なんとも形容し難いソリッドビジョンをしつつ現れたそれは、少し知識のあるOCGプレイヤーが見れば、即座に顔をしかめるようなある意味ではあらゆる禁止カードより質の悪いモンスターであった。
「おい、ちょっと待て……」
《更にフィールド魔法、"
魔力カウンター 0→1
「そんなことしちゃいけない!?」
《更にィ……私は手札から魔法カード、"ミックススパイス―ガラムマサラ"を発動! 効果によってマジックスパイスと名のつくカードを3枚まで手札に加えます。加えるカードは"マジックスパイス―レッドペッパー"、"マジックスパイス―シナモン"、"マジックスパイス―キャラウェイ"です!》
制裁神ヴェノミナーガ
手札3→6
「スパイス……カード……?」
「スパイスカードだと……? ふざけているのか!?」
「最初からメデューサ先生はふざけていると思うのだけれど?」
「うわぁ……」
大概のデュエリストからすれば存在価値のわからない魔法カード――俺やヴェノミナーガさんからすれば爆アドデッキ圧縮カードである。
ミックススパイス―ガラムマサラ
通常魔法
自分のデッキから「マジックスパイス」と名の付くカードを3枚まで手札に加える。
マジックスパイス―レッドペッパー
通常魔法
発動ターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントアップし、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする
マジックスパイス―シナモン
通常魔法
自分フィールド上のモンスターは全て守備表示になり、相手フィールド上のモンスターは全て攻撃表示になる。
マジックスパイス―キャラウェイ
通常魔法
相手プレイヤーにポイントに200のダメージを与える。自分のライフポイントを200ポイント回復する。
ハッキリ言って性能はモウヤンのカレーに毛が生えたり、重力解除のほぼ完全下位とゴミもいいところであるが、問題は"ミックススパイス―ガラムマサラ"の余りにもイカれた補給能力と、全て魔法カードである点であろう。
こんなん悪用してくださいと言われているようなものだ……まあ、俺も含めて普通のデュエリストならば、精霊に喧嘩を売るようなデッキのため、ソリティアワンキルデッキはまず回ってくれないのだが、あの人曲がりなりにも神だしなぁ……。
《"
魔力カウンター 1→2
魔力カウンター 0→1
《そして、魔法カード、"マジックスパイス―キャラウェイ"を発動し、相手プレイヤーにポイントに200のダメージを与え、自分のライフポイントを200ポイント回復します! これによりカウンターが乗ります!》
「熱っ!?」
制裁神ヴェノミナーガ
LP4000→4200
ツァン
LP4000→3800
魔力カウンター 2→3
魔力カウンター 1→2
《"
魔力カウンター 3→0
制裁神ヴェノミナーガ
手札5→6
《魔法カード、"マジックスパイス―レッドペッパー"を発動! 発動ターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントアップし、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンします! カウンター乗りますね!》
ATK0→300
魔力カウンター 0→1
魔力カウンター 2→3
《"
制裁神ヴェノミナーガ
手札5→6
《はい、"
魔力カウンター 1→2
《まだまだ行きますよー! 魔法カード、"
「えっ……これいつまで続くの……?」
「ツァンが爆破されるまでかな」
「爆破!? 私、爆破されるの!?」
エクゾディアはヴェノミナーガさんと俺との取り決めで互いに使用禁止にしているので、マジカル・エクスプロージョンでブッ飛ばされると見て間違いないだろうなぁ……。
「おはよう! いい朝だな!」
「もう昼だよラーちゃん……」
するとソリティアしているヴェノミナーガさんを他所に、購買部の奥のスタッフルームからラーが出て来て砂の魔女に挨拶している。時間は既に12時を回っているため、後者の言い分が完全に正しいがラーは特に気にした様子はない。
「うぬぬ? なにこれ? なにしてんの?」
「パック開封デスマッチらしい」
「………………熱はないか? お前ら、ここは購買部だぞ? ごはんやカードを買うとこで何をしているんだ?」
止めないか。いきなり正論で殴るのは。
ラーに本当のことを話したところ頭の心配をされてしまった。まあ、やっている奴も主催した奴も言葉通りの単語も意味不明なのは間違いないため仕方なかろう。
ツァン
LP5400→6400
それからラーと他愛もない話をしていると、いつの間にか"成金ゴブリン"などの効果でツァンのLPが増えていた。減りに減ったヴェノミナーガさんのデッキ枚数的にもどうやら佳境を迎えたらしい。
《――よーし! ターンエーンド! からのー……罠カード、"
通常罠カード、
効果は自分の墓地のカードが30枚以上存在する場合に発動する事ができ、相手ライフに3000ポイントダメージを与えるという非常にシンプルで重たいカードである。しかし、発動タイミングがほぼ完全にマジカル・エクスプロージョンと被るため、マジカル・エクスプロージョンが準制限や制限だった時代に強引に差し込む手段としてよく用いられた。今でも相手ライフの回復を1000ポイント未満にすれば、ある程度の再現は出来なくもない。
そして、悪名高き、マジカル・エクスプロージョン。今さら説明するようなことでもないが、マジカル・エクスプロージョンは、自分の手札が0枚の時に発動する事ができ、自分の墓地に存在する魔法カードの枚数×200ポイントダメージを 相手ライフに与えるという効果の通常罠。恐らく公式は何てこともない普通のカードとして出した筈であろう。
しかし、頭の可笑しいOCGプレイヤーに目を付けられ、相手のLPを半分にしてしまえるドクマガイが採用されて生まれたのが、遊戯王史上最も美しいクソデッキの1つと言われており、先攻勝率8割にして、未だに名前だけは知らぬOCGプレイヤーは居ないレベルで有名な【ドグマブレード】である。
この世界はまだマジカル・エクスプロージョンは無制限だが、謙虚にもヴェノミナーガさんはマジカル・エクスプロージョンは1枚のみで、残骸爆破3枚で【マジカル・エクスプロージョン1キル】をしているというわけだ。
HAHAHAHAHA!!
4000デュエルじゃ、残骸爆破2枚と火炎地獄1枚で7000ポイントになり、成金ゴブリン3枚入れてぴったりになるんだよふざけんな。
「は……? はァァ!? ちょ、ちょっと先生止め――」
《エクスプロージョン!!!》
ちなみに合計ダメージは3000+3000+3000+(31×200=6200)=15200である。
「いやァァァァァ!!!?」
ツァン
LP6400→0
◆◇◆◇◆◇
「……………………(ちーん)」
今度はツァンが物言わぬデュエリストに変わってしまった。なんなんだこの茶番は……。
「ツァン……! なんて酷いの……!?」
「パック開封デスマッチ……余りにも惨過ぎる!?」
「へー、そんなデッキもあるんだなー!」
「やっぱりゾクゾクしちゃうわ……!」
ちなみに脱落してまだ気絶している丸藤は、購買の隅に設けられた簡易休憩スペースで寝かされている。
頭にちょこんと赤十字のマークが付いた帽子を被ったラーちゃんが介抱しているので、命に別状はあるまい。人間に化けていてもラーちゃんから若干放たれている光でちょっと眩しそうだけどな。
《ぐへへ……これがぁ! 【マジエクスパイス】ですよォォォ!!》
「神がデュエルモンスターズの力にモノを言わせてOCGでアニメレイプすんの止めろ」
なんだコイツ、頭にカレーでも詰められたのか?等と内心で思っていると、早くパックを剥けとばかりのジェスチャーをヴェノミナーガさんは行う。
《さあ、今シーズンも私はダイヤ以上にならなければいけないノルマがあるのでちゃっちゃとやってしまいましょう!》
急にやや身体を反り、両手でメロイック・サインのようなものをしつつ、"ヒーハー!"等と声に出すヴェノミナーガさん。何故かどこからともなく取り出したモンスターエナジーをキメて見せている。
《脱獄したピスキで、2度とうまぴょい出来ない身体にしてやりますよ!》
「――!?」
トリテは投獄されたけどな。気安く流行りに乗っかろうとするんじゃない。後、弓が強過ぎる。
それより何故か砂の魔女がぷるりと身を震わせている。
《アッアッアッ! この魔女め! お前のスマホを初期化してやるからな!? 早く競馬場から帰ってくるのだよ!》
「や、止めてください……!」
なぜ天使のような砂の魔女が魔女だ等と謂れのない罵倒を受けているのかと少し考えたが、そう言えば魔女だったことを思い出し何とも言えない気分になる。こら、他人が稼いだお給金の幾ばくかの使い方をとやかく言うのは止めなさい。
パック開封デスマッチなどせずにヴェノミナーガさんの好きなゲームでも勝手にやっているべきなのではないかと思いつつも、言えば小癪なレパートリーに富んだこちらのカロリーが多く消費されるだけの反論をされるので、無心で三度目のパックを剥いた。
アルティメットレア(3点)
アルティメット・インセクト
星7/風属性/昆虫族/攻2600/守1200
「アルティメット・インセクト LV5」の効果で特殊召喚した場合、このカードが自分フィールド上に存在する限り、全ての相手モンスターの攻撃力・守備力は700ポイントダウンする。
ウルトラレア(2点)
ジャベリンビートル
儀式モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2450/守2550
「ジャベリンビートルの契約」により降臨。場か手札から、星の数が合計8個以上になるよう カードを生け贄に捧げなければならない。
ウルトラレア(2点)
ブレイン・クラッシャー
星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守1500
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合、破壊したモンスター1体をそのターンのエンドフェイズ時に墓地から特殊召喚する事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
ウルトラレア(2点)
カレー
星8/炎属性/悪魔族/攻0/守0
(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地に存在する 「スパイス」と名のついたカードの枚数×200ポイントアップする。
(2):このカードの攻撃力は、ゲームから除外されているモンスターの数×300ポイントアップする。
スーパーレア(1点)
ミラーフォース・ランチャー
永続罠
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに手札からモンスター1体を捨てて発動できる。自分のデッキ・墓地から「聖なるバリア -ミラーフォース-」1枚を選んで手札に加える。
(2):セットされたこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。墓地のこのカードと自分の手札・デッキ・墓地の「聖なるバリア -ミラーフォース-」1枚を選び、そのカードとこのカードを自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。
なんやこの偏り。
嬉しいことは嬉しいのだが、何だかパック開封デスマッチをしてから引きが異様な偏りを見せている上、さっきの今でスパイスカードの切り札である"カレー魔人ルー"を引く辺り何らかの因果すら感じる。というか、翌々ルーを見返したらなんだこの根暗な方の藤原から貰ったクリアー・バイス・ドラゴン並みに悪用し甲斐のあるとんでもないカード。イカれてやがる。
『アァァアァ――!』
まあ、早速、俺の肩に小さく出現したインセクト女王は新たな昆虫カードに歓迎ムードなので良しとするか。
そして、パック開封デスマッチはデュエリストたちの悲鳴で、高く穏やかに運ばれていく――。
三回戦敗者――藤原雪乃。5点。
「雪乃が攻撃したモンスターは"ダイス・ポット"だ。お互いにサイコロを1回ずつ振る。相手より小さい目が出たプレイヤーは、相手の出た目によって以下のダメージを受ける。相手の出た目が2~5だった場合、相手の出た目×500ポイントダメージを受ける。相手の出た目が6だった場合、6000ポイントダメージを受ける。お互いの出た目が同じだった場合はサイコロを振り直す」
「あら? 私とサイコロ遊びがしたいの? 勿論いいわよ」
《マスターのギャンブルデッキは、そんな生易しい次元の話じゃないんだよなぁ……》
「……?」
「雪乃からでいいぞ」
「私は……4ね」
「そうか。俺は……6だな。よって6000ポイントのダメージだ」
「ちょ――」
藤原雪乃
LP4000→0
ダイス・ポット
星3/光属性/岩石族/攻 200/守 300
リバース:お互いにサイコロを1回ずつ振る。相手より小さい目が出たプレイヤーは、相手の出た目によって以下のダメージを受ける。相手の出た目が2~5だった場合、相手の出た目×500ポイントダメージを受ける。相手の出た目が6だった場合、6000ポイントダメージを受ける。お互いの出た目が同じだった場合はサイコロを振り直す。
四回戦敗者――万丈目準。6点。
《私はァ! 通常魔法、"
ATK1000
「攻撃力たったの1000の融合モンスターだと……? それに"
「おい、馬鹿止めろ」
《そして、私はァァァ!! "
ATK0
「プラネットシリーズだとぉ!?」
《"
ATK0→1000
《そして、このカードが生け贄召喚に成功した時、墓地に存在する生け贄にした効果モンスター1体を選択し、そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得ます。当然、"
「……? そんなATK1000しかないモンスターを――」
《"
ATK1000→6000
「は……?」
《後、1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベル×500ダメージを相手に与えるので、毎ターン5000の効果ダメージを万丈目さんに与えますね?》
「――ふざけるな! インチキ効果もいい加減にしろ!?」
《これがとばっちりで禁止カードとなったネプネプの力ですよォォォ!! いい加減、返せってんだよォォォォ!!!? あっ、効果発動しますね?》
「うわぁぁぁぁ!?」
万丈目準
LP4000→0
融合モンスター
星1/風属性/鳥獣族/攻1000/守 0
「LL-アセンブリー・ナイチンゲール」+「LL」モンスター
(1):元々のカード名に「LL」を含むXモンスターを素材として このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。そのモンスターが持っていたX素材の数だけ、このカードのレベルを上げる。
(2):このカードの攻撃力はこのカードのレベル×500アップし、このカードは他のカードの効果を受けない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベル×500ダメージを相手に与える。
星10/水属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードは特殊召喚できない。このカードはモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚する事ができる。このカードの攻撃力・守備力は、アドバンス召喚時にリリースしたモンスターの 元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値分アップする。このカードがアドバンス召喚に成功した時、墓地に存在するリリースした効果モンスター1体を選択し、そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):1000LPを払って発動できる。レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。
五回戦敗者――天上院明日香。9点。
ラーの翼神竜
ATK12300
「なにかありますか?」
「ないわよッッ!?」
「では喰らえ、ゴッド・ブレイズ・キャノン」
「リックの人でなしぃぃ!?」
天上院明日香
LP1200→0
《ヒトデナシなのは征竜ラーなんだよなぁ……》
『なにおぅ!? アタシ、悪くないもん!』
そして、デュエリストの屍は積み重なり、死屍累々の様相を呈したパック開封デスマッチは、残り3人となりひとまずの最終局面を迎える。
六回戦敗者――遊城十代。13点。
「見てくれよリック!? "
融合モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000
「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力分アップする。
「ああ……それプラネットシリーズだからな。こんなところに眠っていたなら道理でどれだけ探しても見掛けなかったわけだ」
「へー、そうなのか」
「…………ふむ。何度も言った気がするが、一応、また言っておくと世界で1枚しかないカードだぞ?」
「マジかよぉぉぉ!!? あっ、でも融合素材のヒーローは両方持ってないや……」
「"
《"
「マジで!? ありがとう!」
(……なんか十代さんって甘やかしたくなるんですよねぇ。わかりますマスター?)
(わかりみ)
「ん? どうかしたのか二人とも?」
「いんや」
《いえいえ、滅相もない》
残った
というか、全てを諦め受け入れている俺と、濁流のようなヴェノミナーガさんと普通に接する事が出来るだけで大物であることは揺るぎない事実であろう。
「それで? 十代への制裁とやらはどうするんですか? 順当に行けば先生の番ですが、今までのハメしてもデュエルそのものが大好きなコイツは無傷ですよ?」
《アッアッアッ!! 何を寝惚けたことを言っているのかねリックくん! こんなときのための切り札は用意しておくものだよ!》
その香山ピエールで腹話術をしつつ、そんな言葉と共に空間にいつもの大陸移動用の孔を開けて見せるヴェノミナーガさん。見た目だけは無駄に禍々しく、毒々しいブラックホールか何かのようにさえ思えるため、明らかにヤバそうなモノに思えるだろう。
デュエルアカデミア教員の姿でしていいことではないが、十代以外の生徒は全員伸びており、ラーちゃんに介抱されているためやりたい放題だ。いや、最初から今日はいつにも増してやりたい放題なんだがな。
尚、途中で天音ちゃんは"なんでも鑑定団"の再放送の時間とのことで、イレイザーで空間に穴を開けて自室に帰って行った。ちなみに今日の目玉は、デュエル王国時代に海馬CKで極少数だけ生産され、円盤状をしたデュエルディスクの試作品らしい。俺もそっちが観たい。
「うぉ!? 何が起こるんだ先生!?」
《我らが帝王ニンジンマン様より野菜嫌いを皆殺しにせよとの命令が出ました。よって野菜を食べない悪い子は野菜帝国が制裁を下します》
「……? 俺野菜も好きだぜ?」
十代は出されたものは、間違えて調理したアスパラガスの食べられないところとかでも旨そうに食べるからな。
そんなことを考えていると、このゲートは出口だったようで、その中から3mを超え、黒いローブを纏った山羊の頭蓋骨に人間の全身骨格を付けたような存在――。
ダークネスさんがあらわれた。
………………………………。
…………………………。
……………………。
………………。
…………。
……。
おファッ!?
「我が名はダークネス。我は世界の影、闇。そして、安寧である。故あって汝に罰を与えよう……」
「お、おう……? なんだかわからないけど、デュエル出来るなら大歓迎だぜ! よろしくなダークネス!」
十代はデュエルディスクを展開し、ダークネスさんは翼にカードを展開する。そして、デュエルは始まってしまった。
『デュエル!』
遊城十代
LP4000
ダークネス
LP4000
(何してるんですか、ヴェノミナーガさん。いや、何をしたらこうなったんですか?)
とりあえず、俺はヴェノミナーガさんを問い詰める事にした。今ならば大成仏をデッキが出来るほど投げつけるのも辞さない所存である。
(いや、普通にうちの生徒とデュエルしないかと誘ったら来ました)
するとヴェノミナーガさんは目を泳がせて、額に多少の冷や汗を浮かべながらやや引き吊った笑みで更に呟く。
(来ちゃいました……)
どうやらヴェノミナーガさんでも予想外だったらしい。まあ、最近俺とデッキを強化したのだが、デュエルする相手が居なくて暇していたのかも知れない。
この絶妙なフットワークの軽さと何とも言えない気安さは、やはりダークネスさんとヴェノミナーガさんは親子のようなものなんだと感じつつ、仕方なくデュエルの成り行きを眺めるのであった。
※本格的なパック開封デスマッチは尺の都合によりリック VS ヴェノミナーガ戦で行われます
~使用制裁デッキ紹介~
1回戦:芝刈りダ・イーザ
2回戦:マジエクスパイス
3回戦:ギャンブルデッキ
4回戦:ナイチンネプネプ
5回戦:征竜ラー
6回戦:強化ダークネス
みんな! ホットケーキミックスの海の上に吊るされている三沢くんのこと忘れなよ!
これ続きいる?
-
いる
-
黒猫とパンケーキ作るっ みゃお!
-
パンケーキに黒猫のせるっ みゃー!
-
黒猫のパンケーキ 出来上がりっ!
-
黒猫パンケーキ! みゃんみゃん!