デート・ア・ライブ ダブル・ボイルダー   作:天音/IA

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万由里ジャッジメント見てきました!
十香の新フォームに万由里.......
まぁ、ネタバレするつもりはないのでここまでに
しておきますが。
次回はダブルの重要な話を挟んだ後、アンケート一位の
美九編のほうにいきたいとおもいます


復讐のV/怨念獣

Area 鳴海探偵事務所 Side 士道

 

「とりあえず、情報を整理してみるか。まず、この日に山村幸さんが

黒須の黒の外車にひき逃げをされる」

 

婚約者と名乗った湯島則之と少し話をした後、俺は邪魔だと感じたため

一旦全員外に出させて、このまま解散する形をとった。

そして、翌日の休日の朝に十香、俺、フィリップが事務所に集まった

折紙は残念そうな顔をしていたが、用事でいけないらしい......

おそらくAST関連のことで招集がかかったのだろう

 

 

湯島則之の発言によると、婚約をして数日後には

式を挙げる予定だったらしい。山村康平は楽しみにしていたのだが

それを黒須達が台無しにしたことにより犯行となったのだろう

 

「で、その翌日以降にvirusドーパントに変身する何者かと組んで

山村康平は犯行にいたった......ぐらいだな。一応黒い外車に対して

刃さんに指紋の検査とかしてみたんだが、山村康平やもともと使っていた被害者

のギャング以外の指紋はついていないとのことだ」

 

「現時点で最も怪しいのは......」

 

「山村幸の親御さんとかはダメなのか?」

 

フィリップが少し悩んでいるときに十香がありきたりな質問をする。

確かにそのような筋も考えられなくもない

警察がまず最初に考えそうな考えである

 

「いや、昏睡状態の山村幸さんや山村康平の病室には病院の面会終了時間

までに親らしき姿は現れなかったし、看護師さんに入院後、それらしき人物が

病室に入ったのかを聞いてみても、それらしき姿は見ていなかったという。つまり、

三パターンが考えられる。

一つは、縁が悪いため知らん顔をしている、一つは遠くに住んでいるか、そして

小さいころに死別しているかだ。

前者の場合は、犯行に動機がない。後者はアリバイ......つまり別のことをしていた

証拠が見つかる可能性が高いから必然的に優先順位が下だな」

 

「なるほど......流石シドーだ」

 

「復讐の動機があると思われる山村康平以外に......」

 

「やはり昨日会った婚約者の湯島則之か......」

 

「すぐに現在地を検索しよう」

 

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Area 湯島の家

 

フィリップ曰く、湯島は家で美術教室を開いているようだ

木造建築ではあるがかなり大きい家である。十香とハードボイルダーで

つき、バイクの見張りを十香に任せ、俺は、家のインターホンを鳴らした

 

湯島なのだろうか、歩いてくる音が聞こえてはいたが、

生徒らしき人物の声が大きく響き渡ったのだ

 

「きゃあああああ!!」

 

「!?」

 

俺は、すかさずドアをバンと開けると、そこにはバイラスドーパント

とそれに逃げる生徒たちや湯島の姿が目に映った。しかもバイラス

ドーパントは執拗に湯島を殺そうとしていたのである

 

「湯島とドーパント.....?フィリップ!」

 

俺はダブルドライバーを取り出し腰に装着するとジョーカーメモリを取り出す

 

[計算外の事態だね。まさか、湯島が襲われるなんて]

 

Cyclone

 

「わけわかんねぇ......」

 

Joker

 

「[変身!]」

 

Side out

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「く、くるなぁ!助けてくれぇ!」

 

Wに変身した後、ダブルはそのままバイラスのほうに向かうが

バイラスドーパントが湯島の体を縛りつけようとしていた

すると、バイラスドーパントに向けて、一振りの剣が落とされ、

バイラスのノズルらしき部分を切断した

 

「大丈夫か!?」

 

「君は一体......?」

 

「話はあとだ!とにかく逃げろ!」

 

「あ、ああ!」

 

十香が心配して様子を見に行ったところだったのである。

自身のサンダルフォンを握り、バイラスドーパントのほうに

目を向ける

 

「クォォォン......クォォォォン」

 

「......何なのだ、このドゥパント......泣いているように見えるぞ」

 

「十香!大丈夫か!?」

 

「ああ、湯島とやらも逃がしたぞ!」

 

「クォォォォ!」

 

すると、バイラスドーパントが緑色の光を発して煙を噴射したのだった

 

「いけね!離れろ!」

 

十香とWはバイラスドーパントから一旦距離を置くとバイラスドーパントは

緑色の液状となり何処かへ去っていったのであった

 

[士道、これでまた振り出しだね]

 

「湯島はドーパントじゃなくて、狙われる立場だったのか......だが、

黒須との接点がないはずだが......」

 

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変身を解除した士道は電話越しでフィリップと会話をしていた。

 

「ウォッチャマンの情報によると、山村姉弟の両親は五年前の大火災で

亡くなっているらしい......面倒を見てくれた親戚もいないか。

友人や会社の同僚にしたって連続殺人が成せるとはおもえねーしな」

 

「つまり......容疑者はいないということなのか?」

 

通話内容を聞いていた十香が二人の話に首を突っ込んだ

 

[それはないはずだ。バイラスのメモリを買った人物が......

一番復讐したい人物は......]

 

「ぬ、それならばひかれた犯人なのでは?」

 

「馬鹿をいえ、幸さんは今は昏睡状態だ、メモリ自体をさせない」

 

[なるほど、その可能性を見落としていた。十香ちゃん......君は

天才なのかもしれない]

 

フィリップは感心したような顔をするが、二人は未だに理解できない顔だった

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Area 山村幸の病室

 

士道はそっと病室のドアを開けた後、その隣からフィリップが中に

入り、ベッドのシーツをめくった

彼女には呼吸器が継続的に彼女の脈をコンピューターで管理している

のが見えた

 

山村幸の左腕を見てみると、ドーパント特有の生体コネクタが見えた

 

「やはり、生体コネクタの情報から見て、ガイアメモリはまだ体内に

埋まっている......やはり、バイラスドーパントの正体は、彼女

だったんだ......」

 

「でも、どういうことだ?幸さんは黒須達にひき逃げされてから

ずっと眠り続けているままだ。さっきも言ったように自分でメモリを

さすことができない」

 

「多分それはあくまで推測だが......」

 

フィリップは二人に対して自分の推測を士道と十香に話すのだった

 

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Area 時崎邸

 

「怒りや憎しみといった強烈な感情が人間の精神そのものをドーパント

に変えたんだ。これは特殊なケースの一つだということがわかった」

 

「へぇ、どうしてそんなことが起きたのかしら?」

 

霧彦は研究データを紙にして、冴子のほうに情報を渡した

 

「それは、メモリを売った根津くんの話からなのだが.......その

女性は事故の直前にメモリを使ったことで、その女性の精神エネルギー

が彼女から抜け出し、弟のいかりや憎しみまで吸収してそれそのものが

ドーパントになりえた......素晴らしい発見だ。だが、その反面......」

 

霧彦は少し息を整え、テーブルの上にある紅茶を一口飲んでから

再び話し始めたのだった

 

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Area 病室

 

「あんな悲しい鳴き方をしていたのは幸だったわけなのだな......」

 

「よし、湯島を探そう......動機が分かった以上、穏便に

解決できる方法が見つかるはずだ」

 

そういった士道は病室のドアを開けようとしていたそして

それに十香が後ろからついていこうとする

 

「だったら、僕も彼女を説得してみよう」

 

「ぬ?どうやってやるのだ?フィリップ?」

 

十香がフィリップに質問すると、フィリップはガイアメモリの

生体コネクタを見つめながら話した

 

「ガイアメモリの影響で特殊な状態にある精神を地球の本棚に呼び出す。

まぁ、やってみないとわからないけどね」

 

「分かった。頼んだぞ、フィリップ」

 

「ああ」

 

「待ってくれ、シドー私も行くのだ!」

 

士道がフィリップの反応を確認すると帽子をかぶりなおし、病室を

出ていったところに十香がついていったところで病室にはフィリップと幸

の二人となったのであった

 

「さてと、始めようか」

 

フィリップはガイアメモリの生体コネクタに指で触れるとそのまま

精神を集中させ、地球の本棚に入り込んだ

 

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Area 地球の本棚

 

「鞠亜、彼女の存在を感じるかい?」

 

「はい、数メートル先に山村幸の深層意識を感じます」

 

「......いるんだろう?出ておいでよ」

 

フィリップと鞠亜は地球の本棚を歩いていると、前には泥まみれの

コートとスカートを着た女性がずぶ濡れの状態でそこにたっていた。

ハイヒールの紐も途切れており、片側しか履いていない

 

「貴方達は誰?」

 

山村幸だと思われる女性がヨタヨタとふらつきながらフィリップと

鞠亜の元へと近づいた。フィリップと鞠亜はお互いに首肯して幸

元に向いた。

 

「どうして私を呼び出したの?」

 

「幸さん......君のことを本気で救おうとしている人達がいる。

僕らは彼らの代理で君に会いに来たんだ」

 

「教えてくれないでしょうか?なぜ、湯島則之を殺そうとした

のでしょうか?」

 

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Area フラクシナス(カフェテリア)

 

ここはフラクシナスの巨大なカフェテリアである。といっても

カフェテリアという小さいスペースでもなく、ショッピングモール

のフードコートみたいに大規模なスペースなのである。

 

しかも、ここの料理は世界各地から集められた料理人の絶品料理が

ワンコインで食べることができるというリーズナブルにもほどがある

場所でもある。そこで、士道はクイーンとエリザベスに情報を聞こうと

わざわざフラクシナスまで来たのである

 

「湯島?あぁ、あの女ったらし」

 

「何?」

 

湯島が女ったらしだという情報を士道が初めて聞いたため目を丸く

してしまう

 

「絵のモデルをやらないかって言って女をひっかけて食い物にしてる

さいってーな男だよ」

 

クイーンが言い切ると、十香は横で高そうなスパゲッティを頬張りながら

聞いていた。(500円)

 

「ぱねぇ、鬼畜。あいつ結婚詐欺までしているって噂」

 

「......その話、聞かせてもらってもいいですか?」

 

「うわぁ!?えっちゃん!?びっくりさせないでよ!もぅ......」

 

そこには、箕輪 梢......通称保護観察処分(ディープラブ)

という彼氏への愛が深すぎたがゆえに彼氏からの訴訟で法律で

彼とコンタクトを取ることを禁止されてしまった女性であり

フラクシナスクルーの一人でもある

 

「おい、まさかその彼氏って......」

 

「はい、私の愛すべき彼氏は、湯島則之さんです」

 

すると、近くの椅子を取り出し、その椅子に座った後そのまま

うつむいた状態で沈んだような雰囲気を醸し出していた

 

「私が、あんなに彼を執拗に追っていて結果、観察処分の名を

刻まれたのは、彼のせいでもあったんです。

私は、絵のモデルをやらないかと彼に誘われたのが始まりだったんです」

 

その後、ウーロン茶の入った水筒をコップに注いで一口飲んでため息を吐く。

その沈みすぎた雰囲気には流石に十香も喉にスパゲッティが通らなかった

 

「彼は、私に告白をしてくれたというのに、彼はとんでもない浮気性で

たくさん女をひっかけていました。それでも、私は彼を愛していたのです。

彼にだけは見捨てられたくない。無視されたくないと思って必死に

アピールとかしてきたんですでも.......

他の女に結婚指輪を渡していたことで、私の独占欲は我慢の限界になったんです。

他の女に盗まれていない、彼の素顔、呼吸音、生活音、生活や仕事をしている

姿.......他のメスにとられてたまるものかと必死にかき集めた結果、

そのような訴訟を起こされてしまったんです......!」

 

「なんて下衆なやつなのだ......!湯島とやらは!」

 

「えっちゃん、よしよし、私たち以外だれもいないから思いっきり

泣いちゃってもいいんだよ......!」

 

「私たちはいつまでも梢っちの味方なんだからね」

 

十香はその話を聞いて、怒りを覚えはじめ、自身の持っているスプーンを

片手で粉砕してしまった。

一方、箕輪は、あまりにも、みじめに見えたので、

エリザベスやクイーンはしくしくと泣いている箕輪の背中をさすっていた

 

「......ディープラブ、湯島が今どこにいるか検討つかねぇか?」

 

箕輪は泣きながらタブレットを操作して士道に渡した。それを見た

士道は苦笑いしていた。これは監視カメラのリアルタイムハッキング

映像だからだ。

 

「多分......10分前にこの監視カメラに映ったということは、

恐らくは......この住所の......7番目の愛人の住んでいる

マンションだと思われます」

 

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Area 地球の本棚

 

「私は湯島を愛していた。でも、偶然見てしまった......

彼の本当の姿を......!......悪い夢を見ているようだったわ

その時......つい出来心で私はガイアメモリを買ってしまった。

私は分かっていた。こんなことをしていても意味がないと

弟と一緒に出直そうとそう......決心したのに......!」

 

「そこで黒須達に黒い外車でひかれてしまったというわけですね」

 

鞠亜がそのことを聞きだすと幸さんはそのままにやけた様なゆがんだ

表情をしていたのだった

 

「まずは、ひき逃げした奴らを皆殺しにした。残るは......私をだました

あの男だけ......!」

 

「幸さん、君はガイアメモリの力で支配され、自分を見失いかけている

......」

 

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Area 七番目の愛人のマンション

 

「どうしたの?急に?」

 

「ちょっとね......しばらく置いてくれる?」

 

「ほんとに?」

 

「うん」

 

湯島はそのような嘘を平気で息をするようにはくと、そのままソファーに

座り、そのまま愛人とイチャイチャし始めたのだった

すると、背後から窓をたたく音が聞こえ、愛人は青ざめたような顔をして

叫び声をあげた

 

「クォォォォォン」

 

「きゃあああああ!」

 

湯島も青ざめて愛人とともに逃げだしたが、廊下のほうは狭く、二人で入れる

ようなスペースではなかった

 

「邪魔だ退け!」

 

湯島は愛人を突き放して囮にすることでそのまま部屋から逃げ出した。

それを横切りに士道がマンションの玄関に入ると湯島が士道を

どかしてそのまま走り去ってしまった

 

士道は走って、湯島の愛人だと思われる女性の脈を測ると、案の定

脈が停止してしまっていた

 

「くそっ!」

 

確認した後にすぐさま湯島を追って地下へと向かう

 

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Area ボイラー室

 

湯島が地下のほうに走って逃げた先はボイラー室だった

全力で走ったのか、息を切らしていたのだった

 

「ここに隠れていれば......」

 

「クォォォォォン.......」

 

「!?」

 

すると、液体化をしてバイラスドーパントがボイラー室のパイプを

伝って下に降りてきたのである

 

「なんなんだよっ.......!ぐあああ」

 

首を絞めつけられる湯島、しかし、あと一歩のところでスタッグフォン

が妨害に入る

 

「やめろ!こんなことして何の意味があるんだ、幸さん!」

 

その幸という名前に湯島がおびえながらも反応する

 

「何......?」

 

「お前の行為が、一人の女性の心をあんなにしたんだよ......!」

 

「幸が?」

 

「でも、まだ間に合う......あんたが心から彼女のことを詫びればな!」

 

士道は、バイラスドーパントのほうに睨み付けながら、湯島のほうに

訴える。しかし、湯島はそれでもおびえた表情で大声で言った

 

「ふざけるな!俺には関係ない!」

 

すると、士道を突き飛ばして湯島は上のほうに逃げ出してしまったのである

それを追うようにバイラスドーパントは追いかけようとするが士道が

取り押さえる

 

「やめろ、幸さん......!」

 

「離せ!はなせぇぇ!っ!!」

 

緑色に輝き始めるバイラスドーパントに危険を感じ、士道は一旦バイラスドーパント

を手放さざるおえなかったのであった

 

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Area 地球の本棚

 

「どうして私の邪魔をするの......?」

 

「彼は、これ以上君に殺させたくないんだ」

 

幸が後ろのほうに後ずさりするところを、フィリップが前に前進して

追いつめようとする

そして、彼女はついに限界を達してしまった

 

「貴方達の気持ちは嬉しい......でも、手遅れよ.......

もう私には止められない......」

 

「フィリップ!もう限界です。離脱しましょう!」

 

鞠亜がフィリップに叫ぶ中、幸の目が緑色に輝き、体から緑色の

光があふれ始める

 

「私には......ニクシミシカノコッテナイ!!!」

 

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Area 病室

 

「うわぁっ!?」

 

そのまま病室内に吹き飛ばされたフィリップは床にしりもちをつくと

ドライバーの内部から鞠亜が心配してくれた

 

[大丈夫ですか?フィリップ]

 

「予想以上に怨念が強い......このままでは飲み込まれてしまう」

 

[なら、止めてやるよ......俺が]

 

ダブルドライバーを装着したのだろうか、士道の声もドライバー越しで聞こえる

ようになった。それを聞いたフィリップがふっと鼻で笑うと

士道の言葉をこう言い換えた。

 

「それをいうなら、俺()がだろう?」

 

Cyclone

 

Joker

 

「[変身]」

 

Cyclone Joker

 

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Area 時崎邸

 

「なるほどね......精神体のみならば威力が低下してしまうドーパント

だけど、そこに霊力を流し込むことで純粋な破壊思考のみのセフィラ

ドーパントを作り上げ、コントロール下におくということね」

 

「あぁ......」

 

「残念だけど、それはできないわ。なにせ、それを量産化する霊力が

圧倒的に足りないんだもの」

 

冴子が興味が薄れた様な表情をして、ファイルブックを閉じる

と霧彦は少し残念そうな顔をしていた

 

「まぁ、発想自体は悪くないんだけど、わざわざ威力を下げてまで

セフィラ化しても何の意味もないでしょ?」

 

「確かにそうだが......」

 

「それとも......新たな精霊を作り上げることに危惧をしているわけ?」

 

「っ.......」

 

霧彦は図星を隠すように目の前のコーヒーの砂糖を溶かし、ティースプーン

で掻きまわしていたところを冴子は細い目で見つめた

 

「貴方はどこまでも優しく甘い人ね。空間震やASTごときに怯えるわけ?」

 

「違う!姉さんは精霊がもたらす恐ろしさを理解していない!天宮タワーのあれも

みただろう!?研究所で僕らを簡単に吹き飛ばしただろう!?

父さんが全精霊を反転させた瞬間に計画どころじゃ

なくなる!地球の滅亡......僕ら家族は破滅してしまうんだぞ!

もっと慎重にことを進めるべきだ!」

 

「......今の言葉、お父様には言わないであげるからさっさと去りなさい

臆病者......!」

 

「......勝手にしろ」

 

すると、霧彦はそのままタキシードを着なおすとそのまま部屋の外

へと出て行ってしまったのであった

 

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Area 結婚式場

 

湯島がはしって逃げ込んだ先は、偶然、幸と結婚式を挙げようと

していた教会の目の前だった

それをみた湯島は苦い顔を少ししていた。そして、ギギッと結婚式場

のドアが大きく開いた

 

「幸!?」

 

そこにはウェディングドレスを着た幸の姿が湯島の目にはうつっていたのだった

しかし、すぐさまそれは事故の時の汚れたコートを経てバイラスドーパント

へと変化していったのである

 

「どうしてだましたの?愛していたのに......許さない!」

 

そのまま、湯島を縛り上げようと触手を伸ばそうとしたが急な突風

とともにダブルが現れ、邪魔をされる

 

「やめろ!こんなことしても君のためにならない!」

 

「黙れ!黙れ黙れ!!」

 

そういったバイラスドーパントは殴る

 

[ガイアメモリの力が増幅し、幸さんの意志ではどうにもならなくなっている]

 

「なら......俺達にできることは!」

 

Wは、ヒートメモリとトリガーメモリを挿入する

 

Heat Trigger

 

緑色の光とともにバイラスドーパントは襲い掛かるが、それをヒートサイドで

蹴り飛ばすと、トリガーマグナムのマキシマムスロットにトリガーメモリを

挿入する

 

Trigger MAXIMUM DRIVE

 

「[トリガー・エクスプロージョン]」

 

カマエルのメギドよりは小規模だがかなり高火力の火炎放射

がバイラスドーパントに直撃しそのままメモリブレイクされたの

だろうか、ドーパントは消えていったのだった

 

「シドー!」

 

Wは、ため息を吐くとそのまま変身を解除して士道へと戻った

すると、十香のほうに向かって手を振った

 

「ドゥパントはどうなったのだ?」

 

「大丈夫だ、多分ブレイクされている」

 

すると、背後から高らかな笑い声が聞こえてきたのだった

湯島の声である

 

「ハハハ!跡形もなく消えちまいやがった。()()()め、ざまあみろ!」

 

「おい」

 

十香は湯島に対して聞こえるような声でそう呼びかけたが湯島は未だに

気にしないで大きな声で笑っていた

 

「......貴様、未だに貴様がやったことが分かっていないようだな」

 

十香が化け物という言葉に反応してとうとう我慢の限界に達したのだろうか

周りから霊力のオーラが少しだが溢れていたが、本人も抑えようとしていた

ことは士道にも分かっていた

 

「だって......!?」

 

「ふん!」

 

ズドォォォォォォン

 

「ひぃぃぃぃぃ!?」

 

十香は怒った表情をして、地面に大きな穴をあけたのであった

それに恐怖を感じた湯島は逃げようと後ずさりしていたがそれを

十香が見離すわけがなく、胸倉を思いっきり掴んだ

 

「ば、化け物.......」

 

「将来を誓った仲なのだろう?肯定しあった仲なのだろう?

これまで、だまされた人の気持ちを考えたことがあるのか?

都合が悪くなったら他人のせいにして逃げるのか?

 

......『化け物の力を持っただけで否定される身の事も

考えたことがあるのか!?』」

 

十香はあばら骨が折れない程度に加減して湯島の腹を蹴りを鳩尾に入れた

 

「げほ!?」

 

「もういい。私は貴様が嫌いだ。二度と私の前に姿を現すな」

 

十香は軽く投げ飛ばすと、湯島本人怪我をしていないがとても怯えた

表情で腹を抱えながら逃げて行ってしまったのであった

 

化け物と言われてしまった十香はあまり気にしていなかったのだが、

それよりも、幸を否定した湯島のことが許せなかったのだろう

士道は今晩の夕食は十香の好物でも作ってやろうと考えたのだった

 

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鳴海探偵事務所 Side 士道

 

事件は終わった。幸さんは未だに病室で眠り続けている

でも、俺は信じている。いつか彼女が目覚める日というのを

そこには彼女を待っていてくれた優しい笑顔が見えるに違いないからな

 

十香はなぜあそこまで熱くなって湯島のことを激怒していたのか

令音との推測でしかないが、かつての自分に否定され続けた苦痛や

、天宮タワーで狙撃された時ような絶望と怒りのようなものが幸さん

の立場と何かしらの共通点が立ったからに違いない。

 

俺がそこまで事件に首突っ込んでいなければ、彼女は俺や仲間以外のために

怒り、そして優しくしたりすることをしなかったのではないだろうか

俺はあながちそういう感情を身に着けることは別段悪いことだと思っていない

 

教養を広めることは人間として生きる上で必要であり、人生経験が少ない

十香だからこそ、楽しいことや苦しいことだけじゃなくてそういう

経験もしておけば絶対大人になった時に役に立つことは俺には分かっている

から危険な仕事についていかせてるわけだ

 

ちなみに、湯島本人は十香のあれがきっかけに、女性恐怖症になったらしく

女性に触られるたびにきょどられる絶食系人間になってしまったらしい。

まぁ、あいつにはいい薬だな

 

俺は外の窓を開けるとそのまま空気に当たっていると背後から琴里の

小言が聞こえてくる

 

「全く......十香の霊力逆流には驚いたわよ......もう少し用心しなさいよ士道」

 

「はいはい、はっくしゅん!」

 

「あーっ馬鹿が風邪を引いたー」

 

「シドー、大丈夫か?」

 

琴里が十香とフィリップでトランプをしている最中に俺を指さして馬鹿にする

ただでさえ、湯島の記憶改ざんや式場整備でかなり面倒だったらしいため

余計にエスカレートしていく

 

「そんな馬鹿な、馬鹿は風邪を引かないはずじゃあ......」

 

「お前ら、バカバカうるせーんだよ.......はっくしゅ!!」

 

「うわぁ.....唾がついたじゃない、このエリマキトカゲ!」

 

「んだと!?ぶえっくしゅ!」

 

くしゃみと口喧嘩をBGMに十香とフィリップはババ抜きをのんきに

づづけていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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