宴会から翌日
鬼矢「お~此処か」
阿求に書いて貰った地図と葉達の案内の元、鬼矢たちは幽香の住む太陽の畑に来ていた。
前回の異変で葉達に流れで付いて来させてしまったのでそれのお詫びと同時にどういう所か見たかったので付いて来たのだ。
後は彼女の家に向かうだけなので歩きながら葉が気になった事を聞く。
葉「そう言えば鬼矢さんたちっていつ幽香さんと知り合ったんですか?」
鬼矢「ん?ああ、それはな…」
聞かれて鬼矢は語りだす。
☆
時間遡って、春雪異変が始まるより1週間前
その時も鬼矢達は霊夢の特訓を見ていた。
特訓を一通り終えて休憩に入る際……
小悪魔「美鈴さぁ~ん、幽香さんがお花の様子を見に来てくれましたよ~」
美鈴「お、幽香ちゃんがですか」
走って来る小悪魔に美鈴はそう言えば頼んでましたと思い出した様に呟く。
鬼矢「幽香?誰なんだそれ」
乃亞「俺も初めて聞いた」
首を傾げる2人に美鈴は軽く答える。
美鈴「太陽の畑と言う場所に住んでる子でしてね。時折紅魔館のお花の様子を見に来てくれるんですよ」
へぇ~と2人は感嘆してると小悪魔に連れられて幽香が来る。
幽香「久しぶりですね美鈴様」
美鈴「ええ。お久しぶりです幽香ちゃん。今日は来てくれてありがとうね」
ニッコリ笑う幽香に美鈴も笑って返す。
鬼矢「(美鈴様ねぇ…部下って感じでもねえな……)」
そんな幽香を見て鬼矢は思った後に体を軽く後ろに反らす。
直後に鬼矢の顔があった所に幽香の手刀が突き出され、鬼矢の足先が幽香の鼻に当たるか当たらないかの所で止まる。
それに幽香は悪戯失敗した子供の様に残念がる。
幽香「へぇ…やるじゃない」
美鈴「おお、二人とも流石ですね」
愉快そうに笑う美鈴においおいと鬼矢はジト目で見る。
鬼矢「…どういう関係なんだお前ら」
いきなり攻撃してくるって非常識だと思うぞとぼやく鬼矢に乃亞や魔理沙たちもうんうんと頷いている。
美鈴「どんな関係ですかって?そうですね……昔助けた縁で交友してる感じです」
笑って言う美鈴に幽香もそんな感じですねと笑い……
幽香「今は美鈴様に勝てるよう自分を鍛えているのよ。今もそうだし」
霊夢『そうなんですか?』
そうよと幽香は頷く。
美鈴「幽香ちゃんは昔と比べれば凄く強くなってますよ」
そう言う美鈴だが幽香的にはまだまだと言う感じなのが表情から滲み出ている。
鬼矢「へ~、そうなのか」
乃亞「まぁ、始祖から言われても実感沸き難いかもしれねぇけど」
そこなのよねぇ……と幽香も困った顔をする。
魔理沙「んじゃあ試しに一勝負どうだぜ」
霊夢『勝負ですか?』
そうだぜ!と魔理沙は頷く。
魔理沙「普通な私たちと戦えばどれくらい強いか分かると思うんだぜ」
幽香「へぇ、ふうん。私に挑みたいのね」
ニッコリ笑う幽香に霊夢はその笑みを見て思わず魔理沙の後ろに隠れる。
美鈴「ああ、幽香ちゃんは結構攻めるの大好きっ子なんですよ」
鬼矢「なるほど。Sか」
フラン「S?」
何それ?と首を傾げるフランに知らなくて良い事だと乃亞がそう言う。
幽香「…よく見たらあなた、昔戦ったある子に似ているし。もう1人の子も誰かに似てるわね?」
魔理沙「?私は今日初めて会ったから知らないぜ」
他人の空似かしら……と魔理沙や霊夢を見て首を傾げる幽香に見られていた魔理沙は肩を竦める。
魔理沙「まあ戦ってみればわかるかもしれないんだぜ」
幽香「それもそうね。んじゃ早速しましょ」
おう!と元気良く返事した後に紅魔館の上空へと飛ぶ。
鬼矢「がんばれよー、魔理沙」
美鈴「幽香ちゃんファイトですよ~」
応援の声を聞いた幽香は笑みをさらに深めて気迫が増す。
幽香「美鈴様が応援してくれてるし…全力で相手してあげるわ」
魔理沙「(応援をしないで欲しいと心底感じる笑顔なんだぜ;)」
くすくす笑う幽香に魔理沙は冷や汗流しながら構える。
魔理沙「最初から全力で行くぜ!恋符【マスタースパーク】!」
幽香「マスタースパーク…!」
やられる前にやるで魔理沙は十八番のを出し、出されたのに幽香は眼を見開いた後にすぐさま避ける。
その後に笑みを深くする。
幽香「まさかアンタもマスタースパークを使うなんてね」
魔理沙「へ?あんたもってまさか…!」
その言葉に魔理沙は眼を見開く中で幽香は何時の間にか手に持っていた傘の先を向け……
幽香「元祖・マスタースパーク」
魔理沙のと同じマスタースパークを放つ。
霊夢「!?」
鬼矢「元祖だとッ!?」
誰もが驚いている間、魔理沙はギリギリ避けた後に戸惑った顔で幽香を見る。
魔理沙「どういうことだよッ!元祖マスタースパークって!」
幽香「文字通りよ、あーやっと分かった。あなたはあの魔女の娘ね。私が前に住んでた所に来た……」
スッキリと言う顔をした幽香のに魔理沙はええ!?と驚く。
魔理沙「母さんのこと知ってるのかよ!?」
幽香「ええ。昔、先代の博麗の巫女と一緒に来たのよ」
あの時は本当に突然だったわと呟いた後に弾幕を展開して飛ばしながら愚痴るように言う。
幽香「それにしても外見はそっくりなのに口調は似てないのね」
魔理沙「へ?口調?」
どういうこっちゃ?と首を傾げる魔理沙に幽香はくすくす笑う。
幽香「まあそれは戦いの後に教えてあげるわ。さあ再開しましょ」
その言葉を言い切る前にマスタースパークを放つ幽香に魔理沙は慌てて避ける。
魔理沙「なら次はこれだぜ!恋符【ノンディレクショナルレーザー】」
お返しと次はレーザーを放つ魔理沙に幽香は……
幽香「あらよっと」
傘で防いだりして行く。
魔理沙「傘で防いだ!?」
幽香「あらあら、油断大敵よ」
その言葉と共にスペルカードを構える。
幽香「花符【幻想郷の開花】」
宣言と共に弾幕が展開され、次々と飛んでくるのを魔理沙は避けていく。
魔理沙「うおとととっ」
ギリギリの所をなんとか潜り抜けた魔理沙は前を見て鼻先に傘の先を突き付けられる。
幽香「はい。ここまでね」
魔理沙「ま、参りました」
手を挙げて降参する魔理沙に幽香は楽し気に笑う。
鬼矢「おー。魔理沙にほぼノーダメージで勝つとはかなりやるな」
霊夢『魔理沙も傷付いてなかったのは余裕を魅せる感じだったのもあるんですね』
降り立つ2人を見ながら鬼矢と霊夢は各々に感想を言ったり書いて述べる。
幽香「まあまあっていったところね。ま、私もまだまだ精進って所かしら」
謙遜ですね~と笑う美鈴にお前を目指してるならそうだろと鬼矢がツッコミを入れる。
幽香「にしてもやっぱり親子ね。戦い方も母親と似てたわ」
小悪魔「ほへぇ~そうだったんですか?」
魔理沙を見てそう述べる幽香に小悪魔は感心する。
まあねと返した後に幽香は背伸びして自分の本来の目的の為に歩き出す。
幽香「それで花壇の花の様子はどうなの?」
小悪魔「あ、そうでした。こっちです」
慌てて後を追う小悪魔を見送ってから鬼矢は美鈴を見る。
鬼矢「そっくりだなお前と」
美鈴「え?そうですか?」
うん、そっくりだよお前と……と鬼矢はそう返す。
☆
戻って現在
葉「へ~そうだったんですか」
鬼矢「ああ。そう言えばあの時聞きそびれたことがあったんだよな」
文花「何々?」
話を聞いて感嘆する葉の後に何かを思い出す鬼矢へ文花が興味津々で聞く。
鬼矢「魔理沙の母親…亜理沙の昔の口調の事だ。あの後聞けなかったからな」
魔理沙「そう言えばそうだったな……あの時は特訓するですっかり忘れてたな」
ああ……と魔理沙も思い出して呟く中で葉も気になります!と目を輝かせる。
葉「魔理沙さんのお母さん、昔どんな口調だったのでしょうか!」
魔理沙「ん~母さんあまり話さないんだよなー。昔の事」
腕を組んでなんでだろうなと唸る魔理沙に葉も気になるようだ。
鬼矢「まあ幽香に聞けばすぐわかるだろ」
チルノ「だね~あ、あれがそうじゃない?」
付いて来ていたチルノが前方を指すと確かに家らしいのが見える。
霊夢『あ、幽香さんです』
そして家の前で出迎える様に幽香がいた。
幽香「ようこそ。待ってたわよ」
こんにちわ~と挨拶する葉やチルノに書いて見せる霊夢に幽香は笑う。
幽香「ホント可愛いわね。親とは大違い」
鬼矢「まぁ、話に聞いた幼少期色々とあったからな」
霊夢を見て言う幽香に鬼矢は代わりに返す。
幽香「中にお茶とお菓子を用意しているわ。さあどうぞ」
チルノ&葉「お菓子~♪」
笑顔で言う幽香にチルノと葉が早速駆け出し、霊夢も嬉しそうに続く。
幽香「さあ、入って」
鬼矢「おう」
言われて鬼矢達も3人の後に続く。
そして中を入ると置かれていたお菓子を真っ先に食べてる3人の姿があった。
文花「もう葉ったら」
魔理沙「霊夢のヤツもホントにな」
やれやれと誰もが苦笑したところに……
ガチャ
ロードバロンが来る。
ロードバロン「来たんだな」
鬼矢「おう。来たぜ」
短くかわした後にロードバロンは行って来ると言ってどこかに行く。
幽香「お茶淹れたわよ」
出された御茶を礼を述べてから鬼矢と文花は飲む。
文花「あ、美味しい」
鬼矢「これは…バラの香りがするな」
ほうと感嘆の息を吐く2人に幽香は嬉しそうに笑う。
魔理沙もお菓子を食べつつ御茶を堪能していて、3人娘はお菓子に夢中である。
鬼矢「…そう言えば前聞けなかったこと聞いていいか?魔理沙の母親の…」
幽香「ああ、彼女の口調の事ね」
もう1回一口飲んでから聞く鬼矢に幽香も最初に会った時に呟いた事を思い出したのかそうね……と呟く。
幽香「一言で言うとお嬢様口調だったわ」
鬼矢「………は?」
なんじゃそりゃあ?と一瞬呆けてしまう鬼矢達に幽香はくすくすと笑う。
幽香「ホント面白かったわよあの時は、うふふと笑ったり、上品な感じに見せたりね」
魔理沙「か、母さん……昔そうだったんか……」
鬼矢「こりゃ話したがらないはずだぜ……本人的にも恥ずかしいだろうしな」
亜理沙の過去に目をパチクリさせる魔理沙に鬼矢は半笑いで呟く。
幽香「あとこれは聞いた話で昔黒幕側もしてたそうよ」
へぇ~とそういう話をしながら花を咲かしていくのであった。
亜理沙「……なんか寒気を感じるんだけど気のせいかしら…」
源蔵「まだそこまで寒くないし気のせいじゃないか」
ちなみに本人は自分の黒歴史が話されてるのを後日、魔理沙から聞いてからかいに来た幽香から皆に話したのを聞かされて一日閉じ籠もって悶えまくるのは些細である。
亜理沙「じ、次回『もう1人の巫女と宣戦布告』、ホント恥ずかしい(/ω\)!!!」