東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

66 / 67
闘いが終わり、始まるのは再会した友との宴会



第四十四章~友との語らいの宴会~

異変が終わり、その日の夜…ではなく翌日に開かれた。

 

ロシュオ「…懐かしいな。このような宴会をするのは」

 

純「うん、そうだね」

 

懐かしむ様にお酒を飲むロシュオに純も頷く。

 

幽々子「美味しいでしょ~このヘルヘイムの果実酒。自家製なのよ」

 

楽しげに言う幽々子の隣でデェボリャロも嬉しそうに飲んでいる。

 

デェボリャロ「本当美味しいわねこのお酒」

 

妖夢「デェボリャロ様、こちらの料理も良かったら」

 

そう言って差し出されたのにありがとうとデェボリャロが受け取るのをロシュオは微笑ましそうに見ながら酒を飲む。

 

一度死んでるのもあるからか、酒以外の人の食事を普通に美味しく感じれている。

 

純「…ホント、長い年月が経ったよね。あの時から…」

 

ロシュオ「ああ……ホントに長かった」

 

しみじみと呟く純にロシュオは顔を伏せる。

 

純「…色々あったけどこうして君とまた再会してこうやって一緒にまたお酒を飲めるなんて思いもしなかったよ」

 

ロシュオ「それは私のセリフだ友よ。変わらぬ姿で安心した」

 

そう言ったロシュオに純は困った顔をしてから鬼矢を見る。

 

純「まあそれは鬼矢のおかげでもあるんだけどね。彼と出会えたおかげで僕は元の僕に戻ることができた」

 

ロシュオ「そうか……良き友に出会えたのだな」

 

感慨深く言うロシュオに純は恥ずかしそうに頬をポリポリ掻いてから周りを見る。

 

いつも通りの中で今回新たに鬼矢達が出会った葉達や映姫と小町もいる。

 

映姫曰く、本人は休みを取ってとの事である。

 

ロシュオ「……この光景を見てると改めて我々の世界は狭かったと言うのを感じるな」

 

純「まさに井の中の蛙、大海を知らずってこのことだね」

 

肩を竦めて言った純の言葉にロシュオは興味深そうに問う。

 

ロシュオ「その言葉はどういう意味なのだ?」

 

純「広い世界があることに気づかず、得意になっている人のことって意味さ。黄金の果実を手に入れて神になっても広い世界に気づかなかった僕たちは海を知らない井戸の中の蛙と同じってことさ」

 

成程な……とロシュオは納得する。

 

ロシュオ「私はもう役目を終えた。今度は見て回るのも良いかもな」

 

純「それは良いかもね。世界には面白いことが色々あるからね」

 

趣味も見つかると良いねと笑う純にロシュオは頷き……

 

ロシュオ「む?」

 

純「ん?どうかしたのかい?」

 

すると神社の入り口へと顔を向けるロシュオに純も声をかけながら同じ様に見る。

 

そこには、ロードバロンと幽香が向かって来る姿があった。

 

ロードバロン「ふん、様々な奴らがいるな」

 

幽香「まあ幻想郷の宴会はいつもこうだからね」

 

見渡して述べるロードバロンに幽香はそう返す。

 

鬼矢「お、ロードバロンに幽香じゃねえか」

 

魔理沙「幽香はともかく、ロードバロンが来るとはな」

 

性格的に来なさそうと思っていた魔理沙が思っているとロードバロンはロシュオに近づく。

 

ロードバロン「久しぶりだな。オーバーロードの王」

 

ロシュオ「君こそ久しぶりだ」

 

純「あーそう言えば二人とも出会ってたんだっけ」

 

言葉を交わす2人に純は鬼矢から聞いた事を思い出して呟く。

 

ロードバロン「まあな、あの時はやられたが今度は俺が勝つ」

 

純「だってさロシュオ。どうする?」

 

ロシュオ「白玉楼にいる。来たければ来るが良い」

 

良いだろうとロードバロンはそう返した後に適当な場所に座り、人間の姿、駆紋戒斗になる。

 

その際、魔理沙はバフっと噴いてしまう。

 

鬼矢「おー、そっくりだな源蔵に」

 

魔理沙「そっくりすぎだろ!?」

 

ロードバロン→戒斗「ふん。同じ顔の奴なんて珍しくないだろう」

 

いや、驚くって!と魔理沙が叫んでる間に幽香は優雅に酒を飲んでる美鈴の隣に座る。

 

幽香「美鈴様。こちら私自家製の花酒なんですけど良かったらどうぞ」

 

美鈴「花酒ですか!幽香さん。分かってますね~」

 

うひょお~!と喜んで早速飲みだす美鈴に幽香はニコニコしてみていて、咲夜はむむとなる。

 

戒斗「やれやれ」

 

純「凄い美鈴のこと好きなんだね」

 

呆れる戒斗の隣で純は苦笑する。

 

戒斗「この宴会にやがてあいつも参加するのだろうな……」

 

純「あいつ…?」

 

呟かれた事に純は首を傾げる。

 

戒斗「お祭り騒ぎが好きそうな……俺が認めし宿敵(とも)だ」

 

純「……ああ、なるほど。彼のことか」

 

出て来た言葉に純は鬼矢から聞いたのを思い出した後にん?となる。

 

純「(そう言えば鎧武関連で繋がりが強いインベスやオーバーロードなら目の前にいるロードバロンが一番適任なのに、彼の反応的にそれはないと言う事は鎧武は別のになると言う事になる……)ちなみにその人物がいる所は分かるのかい?」

 

戒斗「奴の力を感じ取れるがどうも微妙でな……」

 

成程ね……と純は考える。

 

純「(それじゃあまだ出会ってない人なのかな?それにしても彼と関係がある怪人って他に……)」

 

鬼矢から聞いた話を思い返して鎧武と関わりがあるインベスやオーバーロードを思い返すが……

 

純「(ん~これと言ったのが……ん?そう言えば彼が最初に戦ったインベスって確か…)」

 

鎧武が戦った最初のインベス、ビャッコインベスの生まれた経緯を思い出してもしかしたらと考える。

 

途端……

 

美鈴「なぜでしょう。近くで誰かが虎のを考えてますね(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

咲夜「か、母さん…?」

 

すると先ほどまで酒を楽しんでいたのから一辺、真顔になって闘気を放つ美鈴に咲夜は後ずさる。

 

他の面々も何事と美鈴を見る。

 

霊夢『な、なんですかこの殺気…!?』

 

鬼矢「あーもしかして誰か虎を考えたりしただろ」

 

ガタガタブルブル震える霊夢を宥めながら鬼矢は聞く。

 

チルノ「ど、どういうこと?」

 

鬼矢「美鈴はな、虎の始祖と犬猿の仲なんだ。だから虎が好きじゃないんだよ。しかも始祖の方とは出会えば即ボロクソ言い合って喧嘩に発展する」

 

そんな鬼矢の問いにチルノが代表で聞いて鬼矢は肩を竦めながらそう返す。

 

美鈴「ホントあのドジ虎とはいつか決着をつけてやりたいんですがこれがなかなかつかなくてああ、もう!」

 

レミリア「荒れてるな……」

 

苦い顔で荒ぶる美鈴にこれは初めてだとレミリアが呟く中で美鈴は再びがぶ飲みし出す。

 

幽香「(美鈴様と決着がつかない虎の始祖…一体どんな人なのかしら?)」

 

美鈴「も~幽香ちゃんも考えるの駄目れすよ~」

 

その隣で考えた幽香に美鈴は絡みだす。

 

反応速いなと魔理沙は見た事ない美鈴のにそう思った。

 

フラン「虎かー…もし美鈴にトラメダル見せてたらヤバかったね」

 

乃亞「そうだなー。あの時に飛んで行ったのは良かったかもな」

 

思い出して言うフランに乃亞も砕かれそうだと思いながら同意する。

 

あわあわと慌てる幽香に良いではないか良いではないかと絡む美鈴に戒斗はふうと息を吐く。

 

戒斗「おい、宴会に参加したのは絡まれる為じゃないだろう」

 

幽香「はっ!そうだったわ!」

 

顔を赤らめていた幽香はせき込んでから霊夢、鬼矢と、鬼矢や霊夢に声をかける。

 

幽香「今度良かったら私の家に来ない?」

 

鬼矢「幽香の家にか?」

 

霊夢『ご招待ですか?』

 

そうよと幽香は頷く。

 

葉「あ、いいなー」

 

文花「幽香さんの家にか……そう言えば私達の当初の目的は幽香さんに会いに行こうだったね」

 

忘れてたと頭を掻く文花にあー……と鬼矢は申し訳なくなる。

 

鬼矢「だったら一緒に行くか?二人も良いか幽香」

 

誘ってから確認を取る鬼矢に良いわよと幽香は笑う。

 

霊夢『それでは今度お邪魔しますね』

 

魔理沙「お、何の話してるんだぜ?」

 

パチュリーたちの方に行っていた魔理沙に幽香の家に招待されたんだよと鬼矢が答える。

 

魔理沙「おー珍しいな。あの幽香が人を招待するなんて」

 

チルノ「確か聞いた話だとヒマワリ畑の様な所で住んでるんだっけ?」

 

思い出して言う魔理沙とチルノに幽香は魔理沙は後で殴りましょうかねと考えつつチルノのに頷く。

 

幽香「ええそうよ。貴女もたまに大妖精たちとかくれんぼしに来るでしょ?」

 

苦笑して言われた事にそうだった~とチルノは笑う。

 

鬼矢「ヒマワリ畑か。良さそうなところだな」

 

楽しげに笑う鬼矢に霊夢も微笑む。

 

ロシュオ「ホント、楽しいな友よ」

 

純「うん、楽しいね。ロシュオ」

 

盃を合わせ、2人はじっくりと宴会を楽しんだのであった。




幽香「次回、ヒマワリ畑での談話よ」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。